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岡崎平野を中心とする 植物 と カメラの対話

ワルナスビ ‐ めしべがない?

2020-07-26 15:56:20 | みんなの花図鑑
嫌われ者のワルナスビ。 はやくも スイカのような実をつけているものもあった。


ここは 愛知県緑化センターの サンザシが植わっている畑?。 その畑が ワルナスビに侵略されて 白い花畑に変わっている。 ワルナスビは 畑に生えてくると、鋭い棘に邪魔されて抜くこともできない。




ナス科の植物なので、 黄色いバナナのような大きな葯をつける。 この中に花粉がいっぱい入っているのだ。
虫が来てるけど、ナス科の花は蜜を出さないので、この虫は 蜜を求めて来ているのではないようです。
ナス科の花は 蜜を出さないけれど、風媒花でもないのです。
ときに 葯の中の花粉がもぞもぞ動くことがあるそうです。虫が中に入って動かしているのです。




ところで、上の画像、それ以前の花と違うところがあります。 それはどこでしょう?
答え : めしべ が見えません。




雌しべが見えない花は 少数派です。 たいていの花、おそらく90%は、 抹茶色をした柱頭を持った雌しべが見える(雄しべより長い雌しべの) 「長花柱花」です。 (「花柱」というのは 雌しべの 柱頭と子房をつなぐ棒の部分のことです。) 要するに、 雌しべのほうが おしべより長いのが普通なのです。




では、 めしべが バナナの房のような雄しべの葯に隠れて見えない 短花柱花 は おしべだけの雄花に進化しようとしている花なのでしょうか? それとも、 短い雌しべの花でも 生殖能力はあり、マイノリティーながらもそれなりの存在なのでしょうか?
ネットを検索しても 両説混在で、はっきりとは分かりません。
でも、 「花柱の長さにより両性花と雄花に分けられる」(Connolly and Anderson 2003) としている論文もあるそうで、 同一個体に両性花と雄花を付けているとすれば、短花柱花でなく、 ワルナスビの花にも 雌しべが退化した(進化が進んだ)雄花がついているという解釈のほうが合理的なのかもしれません。




ハッキリしていることは このスイカのような状態が 果実の完成形ではないということです (^_-)-☆
 ↓
ワルナスビの果実 - 愛知県緑化センター


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