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岡崎平野を中心とする 植物 と カメラの対話

樹に咲く花 (43) イロハモミジ、オオモミジ、ウリカエデ

2021-04-21 17:44:47 | みんなの花図鑑
すでに 「樹に咲く花 (34) ヤマモミジ」をやりましたが、「いささか旧聞に属しますが」シリーズの続編で、4月の初めに出会ったカエデ科の花をまとめてみました。


イロハモミジ

イロハモミジは 日本で一番多くみられる ムクロジ科カエデ属の樹です。
モミジ属という属は無く、モミジと名がついてもみな カエデ属の樹です。なので イロハカエデ とも言います。
花には雌雄があり、上の画像は 雄しべを付けた 雄花です。



全体を見ると、黄緑色の若葉といっしょに 雌雄の花が散形花序状に付いています。
上の雄花が目立ちますが、よく見ると 雌花もちらちら見え隠れしています(向かって左手)。

少しアップで観察してみましょう。



まず、雄花のほう。
風媒花なので、虫を呼ぶための花弁は必要ないはずですが、ちゃんと 花弁と萼片があります。
でも花弁は萼片よりも小さく控えめで、目立つのは おしべです。



つぎに、雌花。
雄花があるから、もう一方は 雌花だと思うのですが、イロハモミジのばあい、雌花と言っても まだ生殖機能がある雄しべが付いているので「両性花」と呼ぶらしいです。



でも上の画像では めしべばかり目立ち、雄しべは良く見えませんね。

雄花、雌花(両性花)は ひとつの花序に混じるということです。
4月1日 愛知県緑化センターにて。




オオモミジ

花を見ても イロハモミジと同じような咲き方をしていて 区別がつきません。
葉の大きさは
 イロハモミジ < ヤマモミジ、オオモミジ
の関係にあるのですが、大きさは 2つを並べてみないと分かりません。



一番簡単な見分け方は、翼果をプロペラの付き方を見る方法だと私は思います。
ヤマモミジや トウカエデなどの翼果は イロハの「ハ」の字型に翼が垂れていますが、イロハモミジの翼は水平に近いです。



撮影は イロハモミジと同じく4月1日 愛知県緑化センターにて。
このオオモミジはまだ蕾の状態が多かったですが、開いているのは 雌花でした。
雌花といっても「雌花 : 短い花糸をもつ雄しべが8本と,雌しべがある」と文献にあるので、やはり両性花というべきかもしれませんが。



ヤマモミジ

これだけは、 4月7日 安城デンパークで撮ったものです。
園芸品種のヤマモミジで 品種名「トロンペンブルグ」といいます。
雄花と雌花が同時に咲いています。



こちらは 雌花(両性花)です。





ウリカエデ

4月1日 愛知県緑化センター近隣の雑木林で。
同じ属でも、カエデと名が付くとずいぶん趣が変わるものです、花も 葉も。



そしてさらに違いが・・・
これまでに挙げたモミジは 雌雄同株の雌雄異花でしたが、ウリカエデは 雌雄異株 ということです。
そう言われて、花をよく見ると、雄しべだけが見えていて めしべらしき器官(翼果の赤ちゃん)は見当たらないので、これは 雄花ということになりそうです。



あらためて 葉を見ると 切れ込みの浅い「カエル手」をしています。トウカエデに近いようですが、トウカエデはこんなに脂ぎってはいなかったはず。やはり ウリカエデは 葉も花も独特です。



それにしても、雄花なので、役目が終わればすべて下に落ちてしまいます。
雄株なので、赤い翼果が見られないのが、残念(´v_v`)










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