アブリル - どこにでもあり、どこにもない

岡崎平野を中心とする 植物 と カメラの対話

クイズ:どこがちがうの?

2023-02-08 17:53:55 | みんなの花図鑑
Google Lensで検索すると 「プリムローズ」と回答してくるプリムラのクイズです。
プリムラの学名はPrimula。これはラテン語で「最初」を意味するprimosが語源となっているといわれています。Primula には春最初に咲く花、あるいは春の訪れを教えてくれる花という意味が込められています。
英語の「プリムローズ primrose 」も直訳すれば「最初のバラ」となりますが、primroseは中世英語のprimerole の変形での意味は「初めての児」だと言います。(野新田桜草の会「さくら草雑学」)


Q. 同じ花ですが、右と左と違いがあります。それはどこでしょう?




こちらは 一枚目の画像で左の円の花です。




そしてこちらは 一枚目の画像の右の円内の花です。





A. 株により雄しべが見える花と、雌しべが見える花がある

おしべが見える花













めしべが見える花









では プリムラは 雌雄異株なのか?というと、そうでもなさそうです。




もう少し近づいてよ~く見ると、雌しべの下に背の小さい雄しべが隠れています。
つまり、雄花と雌花があるのではなく、ひとつの花におしべとめしべ両方があるのですが、雌しべが雄しべより短い短花柱花と、雌しべが雄しべよりも長い長花柱花があるということなのです。
なぜ?
同じ長さだと自家受粉しやすくなるのを避けるためです。
なので、おしべが上に出ている短花柱花も実は下のほうに短いめしべがあります。

短花柱花の場合は自然に種ができることもありますが、長花柱花の場合は人工授粉しないと種ができません。(ガーデニングの裏技「プリムラの人工授粉」)





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クイズ:これは何でしょう?

2023-02-07 17:25:31 | みんなの花図鑑
Q. これは何でしょう?
クイズの写真は5枚あります

一枚目




2枚目




3枚目




4枚目




5枚目







A. 答えです

答えは 英語で Sweet pea でした。
Sweet pea をカタカナにすると スウィートピー くらいなんでしょうが、wikiも含め 日本語では「スイートピー」と表記するようです。
Sweet pea は有毒植物で、とくに豆と莢に多く含まれるそうです。

wiki によると、原産地は地中海のシチリア島です。
シチリア島は現在はイタリアに属していますが、「地中海のほぼ中央に位置し、要衝としてさまざまな勢力が覇権を競い合った地である。」(wiki「シチリア」)
「6世紀にはユスティニアヌス大帝の東ローマ帝国に属し、9世紀後半にはイスラムが掌握し、中心拠点となったパレルモは3000人ほどの町から30万人を超える都市に急成長し、イスラムの中心都市として繁栄した。」(同上)

Sweet pea は「1695年に修道僧クパーニによって発見され、その後イギリスで園芸植物として発展」(wiki「スイートピー」)
「エドワード7世のアレクサンドラ王妃(1844~1925年)はスイートピーを愛し、祝いの場では装飾としてスイートピーがふんだんに用いられ、エドワード朝(1900〜1915年)を象徴する花となった。」(同上)

有毒植物なので、主な用途は観賞用です。
Googleで画像検索すると、こんな可愛い花がヒットします。






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ラナンキュラス - 最後はラックス

2023-02-06 16:00:00 | みんなの花図鑑
ラナンキュラスの可愛さはとても一回では伝えきれません。今日もまたラナンキュラスです!(^^)!


ラナンキュラスの魅力というと、花弁の多さ・色の多様性でしょうか。
花弁数ですが、原種はたった5枚の花弁だったものが最新の品種の花弁数は200を超えています。




見てください、このつぼみ!ぎっしり詰まった花弁。















「いわゆる八重咲の品種を持つ植物は多く存在し中でも特にバラの八重咲品種に似た花を咲かせるものを園芸面ではバラ咲きなどと呼ぶが・・(つづく)」(wiki「ハナキンポウゲ」)




「・・ラナンキュラスのバラ咲き品種は他の園芸植物のそれとは一目置かれたような存在となっており、本家のバラの方に「まるでラナンキュラスの花のようである」とされ「ラナンキュラ」という品種名を与えられた者が存在する。」(同上)






















このようにラナンキュラスの魅力といえば、繊細な花弁が幾重にも重なる姿と思いたくなるのですが・・・



ラナンキュラスの園芸品種の中に「ラックス」という大きなグループがあります。


「ラックス」は、宮崎の綾園芸さんが異種間交配によって作出した新しいラナンキュラスの品種です。
最近のラナンキュラスの園芸種は八重咲き種の作出が主流でしたが、ラックスの花弁は一重~半八重を特徴としています。





以前撮ったラックス 'ガラテア' です。
ラックスの特徴の一つは 花弁が蝋細工のように光っていることです。
ラックスという名も、このワックスをかけたようなキラキラした花弁から、ラナンキュラス+ワックスを合わせて「ラックス」と名付けられたとのことです。




ラックス ミノアン
ラックスシリーズは古代ギリシャの神様の名前が付けられています。




ラックス ムーサ
ラックスの葉は ラナンキュラスと比べて大きいのも特徴の一つです。




ラックス ウラノス




ラックス エリス



ラックス アイオリア



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ラナンキュラス - ただもう可愛いだけ

2023-02-05 18:04:49 | みんなの花図鑑

メタセコイアやコノテガシワみたいな裸子植物ばかり見ていて、ふと園芸コーナーでこういうポットの花を見ると
「わぁー、可愛い 」
と衝動的に買いたくなってしまいます !(^^)!




キンポウゲ科の花っていうと、アネモネ(イチリンソウ属)、シュウメイギク(イチリンソウ属)、クリスマスローズ(ヘレボルス属)、オダマキ(オダマキ属)、クレマチス(クレマチス属)など広範囲にわたりますが、外見的にも共通点がありますね




ラナンキュラスはキンポウゲ科キンポウゲ属。
キンポウゲ科の模式属です。





だいいち蕾からして 可愛い!(^^)!




赤ちゃんのような可愛さ (^^♪




原産地は西アジア~ヨーロッパ東南部の地中海沿岸原産ということです。
国名で言えば、シリア、トルコ、ギリシャなどでしょうか??




wiki「ハナキンポウゲ」には「原産地では、湿地に自生する多年草」とあります。





実際、属名の「ラナンキュラス」は「小さいカエル」の意で、水田雑草のタガラシなどと同様な葉(菊葉)をしていてカエルと一緒に生息していることが多いのも影響してるとか。





「花弁数では原種はたった5枚の花弁だが最新の品種の花弁数は200を超えるものもある。」(wiki「ハナキンポウゲ」)





「いわゆる八重咲の品種を持つ植物は多く存在し中でも特にバラの八重咲品種に似た花を咲かせるものを園芸面ではバラ咲きなどと呼ぶがラナンキュラスのバラ咲き品種は他の園芸植物のそれとは一目置かれたような存在となっており」(同上)(つづく)





「本家のバラの方に「まるでラナンキュラスの花のようである」とされ「ラナンキュラ」という品種名を与えられた者が存在する。」(同上)




あとはもう「可愛い!」と繰り返すだけ (´∀`)





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ローズマリー - 海馬を刺激

2023-02-04 17:30:00 | みんなの花図鑑

ハーブのローズマリーは地中海沿岸が原産の常緑の小灌木。
花は小さいので、枝を手で持ち上げてポーズを取らせていると、手に良い匂いがうつります。





古代ギリシャではローズマリーは頭脳を明晰にし、記憶力をよくすると信じられていたので、学生は試験前にローズマリーを花輪に編んで、髪に結んでから試験に挑んでいたようです。(生活知恵袋「ローズマリーの使い方とローズマリーを使った絶品レシピを紹介」)





ローズマリーは「記憶力をよくする」という話は、現代科学からも再確認されています。
脳の中の記憶をつかさどる部位が「海馬」なのですが、それは匂いの情報を感じ取る器官「嗅覚野」と直接つながっているというのです。
そのため、匂いによって嗅覚野を刺激できれば、海馬まで刺激が届くのです。
嗅覚を刺激することで新しい神経細胞が海馬で作られるため、認知症予防に繋がります。(健達ネット「認知症の予防にアロマが効果的?…」)





「属名であるRosmarinusは、露+海の意味。種小名は薬用の意味。」(植物雑学事典「ローズマリー Rosmarinus officinalis」)

アロマオイルは昼間と夜とで使い分けないといけないようです。
昼間は集中力を高め、記憶力を強化する効果のあるローズマリーやレモン。
夜間は交感神経を優位に働かせ、活性化された脳を休めリラックスさせてくれるラベンダーとスイートオレンジ。(同上)

アロマオイルはダイソーなど 100均でも買えます。





ところで、シソ科のローズマリーの花は上唇・下唇の唇形花。
上唇は2つに割れ、「下唇は大きく、広がり、3裂し、中裂片が最も大きく、凹面、下がり、縁は歯状。」(三河の植物観察「マンネンロウ」)
おしべは2個で、葯から白い花粉が出ています。
めしべは1個で、先端が「不等に2裂し」ています。(同上)
一見、雄しべと雌しべは一体となっているように見えるのですが・・・





この画像を見ると、雌しべが先行して伸長し、おしべは薄いブルーのカバーを破って?伸びてきているように見えます。

上の画像の問題部分を拡大してみました。

ブルーの膜(カバー)は花弁とも違うし、どういう器官なのか??、検索してもどこにも書いてありません。これは宿題です (´・ω・)






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「海棠」と書いて何と読みますか?

2023-02-03 18:00:00 | みんなの花図鑑
昨日「赤い実」の記事の最後に、クイズ を出しましたが、今日はその回答です !(^^)!


赤い実のように見えたのは 花のつぼみでした!




クイズの答えは「海棠」という名のツバキのつぼみでした!





きょとんとしている皆さんの顔が浮かびます。
「えっ、海棠っていえばハナカイドウのことじゃないの?!」





そうなんです。「海棠」を「カイドウ」と読んでもらっては困るんです。
お隣の韓国では「海棠花」と書いて 「해당화(ヘダンファ)」(ハマナスのことらしい)と読むそうですが、それでもないのです。





中国でも「海棠」と書いて hǎitáng(ハァィ タァン) と読み、
広東語では hoi tong と読むそうですが、意味は 日本でいう ハナカイドウのことらしいです。
そして 閩南語では hái-tông と読むそうで、読みだけはだいぶ正解に近くなってきます !(^^)!





「海棠」の正解読みは「ハイドゥン」で、ベトナム語で呼んでほしいのでした \(^o^)/
ベトナムも日本、韓国と同じ漢字文化圏だったのです。
さらに、「漢越語は中国語より日本語の音読みに近い」そうなのです。
そもそも「越南」と書いて「ヴィエトナム(つまりベトナム)」なのですし、
「河内」と書けば「ハノイ」のことなのです。
「観察」は quan sát(クアンサット)
「暗殺」は ám sát(アムサット)
「愛国」は ái quốc(アイクオック)
「改革」は cải cách(カイカック)
逆に、ホーチミンさんは漢字名「胡志明」です。
余談ですが、ヴィエトナム人の名前(姓)はあまり種類が多くなく、「Nguyễn(グエン)」だけで人口の40%近くを占めているそうです。

(VIET JO Life 「国民の4割がグエンさん!?」より)





ハイドゥンは 典型的なツバキです。
カメリア(ツバキ属)の本場は中国南部からベトナム、誤解を恐れず言えば南部漢字文化圏なのでした。


テトの正式名称は「Tết Nguyên Đán(テト グエンダン)」漢字で「節 元旦」なのでした !(^^)!





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ナギイカダ、アオキ - 赤い実

2023-02-02 18:19:34 | みんなの花図鑑
久しぶりに安城デンパークへ。赤い実、ふたつ。

ナギイカダ

ナギイカダの名は「葉が似ている針葉樹のナギと葉の上に花の咲くハナイカダを合わせたもの。」(Wikipedia)
〔参考〕
神社のナギ




スズラン亜科の常緑小低木で地中海沿岸原産。
「葉は退化しており、末端の茎が葉のように扁平になり、先は鋭いとげになっている」(同上)
触れるとホント痛いです (´・ω・)




葉について、別の記事によると・・・
「チクチクの葉っぱ」に見えるものは驚くべきことに「葉」ではなく枝が変化したもの。「葉状枝(ようじょうし)」あるいは「仮葉枝(かりようし)」と呼ばれるこの器官は、茎と葉の両方の性質を持つ。本当の葉はこの付け根にあるが小さな鱗片状で、見付けにくい。」(庭木図鑑 植木ペディア「ハナイカダ」)





「ナギイカダは葉から花が出ているように見えますが、葉に見える部分が枝を起源とする器官であるため、枝から花が出る一般的な植物と同じ作りであると言えます。」(BIOME「葉っぱに花が咲いている! え?普通に枝に咲いている??」)
「海外では、butcher’s broom(ブッチャーズ・ブルーム)肉屋のホウキと言われています。 ヤングシュート(新芽)は食用アスパラガスのように食べられます。」( Let's Green Life「葉の様に見えるが枝! 不思議なナギイカダ」)






アオイ

アオキの名は「四季を通じて常緑で、葉のほか枝も常に緑色(青い)であること」(Wikipedia)に「由来するようです。




「熟した果実はヒヨドリがよく食べるが、種子が未熟なうちは果実の色は青く、えぐみや苦味を保持して、ヒヨドリなどの小鳥に食べられないようにしている。」(同上)




「アオキの果実は、大きな種子のまわりに薄い果肉がついているだけで、小鳥たちにとって摂食優先度は低く、食べ物がなくなった3月ごろなってから赤く熟した果実が食べられるようになる。」(同上)




「関東以西の山地や林内に広く分布するミズキ科の常緑低木。地味な存在ながら、もっとも日陰に強い庭木として知られ、家の北側など条件の悪い場所に使われることが多い。庭木としての使い勝手がよいため現在では自然のものより、人間に管理されている数の方が多いほど。」(庭木図鑑 植木ペディア「アオキ」)





ところで、これは何でしょう?

答えは 明日 (^_-)-☆




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ニホンスイセン、白花スイセン - コロナ!

2023-02-01 17:48:10 | みんなの花図鑑
ニホンズイセン

ニホンスイセン(日本水仙)は「日本で通常の水仙と認識される花」です。つまりスイセンといったらニホンスイセンのことなのです。
名前に「ニホン(日本)」とありますが、日本が原産地ではありません。
原産地は地中海沿岸で、中国へ1300~1400年前(奈良時代~平安初期)に渡り、その後渡来したといわれています。




学名も Narcissus tazetta var. chinensis で、ナルキッススの 中国バージョンみたいな位置づけです。




ニホンズイセンがなぜ目に留まるかというと、この黄色いお椀のような副花冠をもっているのもひとつあると思います。
事実!スイセンの学名 Narcissus tazetta の種小名のtazettaは イタリア語で「小さなコーヒー茶碗」を意味し、この独特の副花冠の形から名づけられたということです !(^^)!





副花冠は英語で corona といいます。
corona(コロナ)は マンテマ(ナデシコ科)では花弁 (petal ペタル) の集合体である花冠 (corolla カローラ) が、
スイセンでは 雄しべ (雄ずいstamen) が変化して出来たものと言われてます。
そういえば、ツバキの雄しべは王冠のような形になってますが、あれがもっと進化すると 副花冠(コロナ)になるのかもしれませんね(←妄想です)
太陽のコロナ
新型コロナウィルスイメージ






副花冠(くどいですが コロナ です)の中には (見かけ上)雄しべが3個、雌しべが1個あります。
↑ 実は雄しべは合計で6個ありますが、そのうち背の高いのが3個ということです。






白花スイセン

シロバナスイセンも、ニホンズイセン同様に、地中海沿岸から中国経由で日本に渡ってきました。
日本へは平安時代に渡来したと言われています。




先ほどスイセンの副花冠 corona(コロナ)が雄しべから変化したものと考えられていると言いましたが、スイセン(日本水仙のこと)のときは 黄色いおしべが黄色いコロナに変わったと単純に納得してましたが、このシロバナスイセンのばあいは いささか雄しべ変化説に違和感を覚えます。




だって黄色いおしべが 白いコロナにどう変わるの?!って思いたくなるじゃありませんか (´∀`)





学名は Narcissus papyraceus
種小名の papyraceus は 「紙のような」の意。






八重スイセン

ニホンスイセンの八重咲きは雄しべの変化したものといわれてますが・・・




これまでの話の経緯からして、
おしべの一部が副花冠(コロナ)に変化して、それがまた 花弁(ペタル)に再変化したものではないか、と妄想しています (^^)/
八重の花弁を見ると 色が黄色から白へ漸次変化していってます。





八重のスイセンにはシベがないから結実不可ですが、もともと一重のスイセン(ニホンスイセン)自体 結実しないのだそうです。
じゃ何のために花を咲かせるの?ということになってきます。





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