バックアップがだいじなことは、データを扱う人のほとんどが知っています。
知ってはいても、確実に実行している人が、どのくらいの割合でいるか、それはわかりません。
こんなことを書いている本人が、データのバックアップを毎日やっておく習慣がついていているつもりでいながら、肝心などこかが抜けているのです。
つい先日、お好みの画像を挿しこんでシールを作るサービスを、ボランティアの催し場で行いました。
画像は30種類用意しましたが、お客様のなかには、画像はいらない、字だけでよいという方もいらっしゃいます。
しかし、31番目に無画像のテンプレートを用意しておかなかったのです。
画像の入ったどれかを選んで、画像だけを取り除けば、簡単に文字だけのシールができあがります。
そこまではよかったのですが、その後に危機が訪れました。
次の作業に備えて「ファイル」「開く」というコマンドを実行するとき、画像なしといういわば特殊作業であったことと、後から聞こえてくるおもしろそうな話に気をとられいて、すぐ下の「上書き保存」のコマンドを選んでしまったのです。
画像の入ったテンプレートを開いておいて、画像なしの状態で上書きしてしまえば、次には画像を呼び出せません。
こんな当たり前のことに、バックアップがかかってなかったのです。
「間違えなければよい」と思っても、それがバックアップをさぼる理由にはなりません。
パソコンが故障したり、ウイルスが忍び込んだりすることより、操作をしていて間違うほうが、はるかに機会が多いと見なければなりません。
バックアップとはどういうことか、それは外付けディスクにデータをもうひと組保存しておくだけのことではなかったようです。