国家が存亡の危機に立った時、理解に苦しむこと行動に出ることがあります。
子供の頃、自宅の改築工事に来てくれた大工さんたちと一緒に縁側で食事をしていた時、年配の大工さんから第二次大戦の思い出話を聞かせていただきました。
昭和20年の戦争末期、その大工さんは、陸軍歩兵として房総半島の海岸の防衛部隊に配属されて、連合軍の上陸に備えていたのだそうです。
地下壕を掘ったりする作業ばかりの毎日で、時々近隣の農家にお風呂をもらいに行くのが一番の楽しみだったとか、そんな話をひとしきりしたあと、
『坊ちゃん、もし本土決戦をやっていたら、日本はアメリカに必ず勝ったはずなんですよ』
『どうやって?アメリカは凄い戦車とか大砲をたくさん持っていたんでしょ?』
『わしらの部隊の役割は、タコツボや地下道に潜んで上陸してくるアメリカ軍の部隊を一旦やり過ごし、その後アメリカ軍の陣地内に紛れ込んで、アメリカ軍の戦車や大砲を撃てない状況にすることでした』
『でも、それで日本が勝つとは言えないんじゃないの?』
『アメリカ軍が大砲を撃てなくしてしまった後、近くで待機している日本軍がその地域に集中砲撃を加えれば、必ずアメリカ兵を全滅させられます』
『???日本の兵隊さんは、どうなるの?』
『日本兵は、死ぬことを恐れぬように教育されていますから。アメリカ兵とは違います。アメリカ兵を道連れに、わしらも死ぬ。味方を撃つなんてアメリカ軍には決して真似のできない作戦ですから、アメリカ軍に絶対負けなかったはずです』
『・・・・・』
子供心に、これはひどい話だと思いました。
連合軍に追い詰められた日本は、毒ガス、細菌兵器、風船爆弾などの無差別殺人兵器、そして様々な特攻兵器という非人道的な兵器を開発して、戦局の好転を図ろうとしました。
そして、本土決戦になっていたら、大工さんが話してくれたように、人を人とも思わない無茶苦茶な消耗戦が、きっと各地で展開されたのでしょう。
もし原子爆弾を当時の日本が保有していたら、かなりの確率で日本は実戦で使用したと私は思います。
北朝鮮が核実験を行なったという報道が、世界を駆け巡っています。
ブッシュ前大統領は、北朝鮮の現体制を『Rogue Regime』(ならず者政権)と呼びましたし、今の北朝鮮の行動を見ていると、そう呼ばれても仕方ないのかもしれません。
一方、北朝鮮は、たびたび『宣戦布告』という言葉を用いることからも分かりますが、国家存亡を懸けた戦争を行なっているのに等しい国内の状況なのでしょう。
日本の国会議員の中からも、北朝鮮の基地を直接攻撃する手段を持つべきだという主張が遂に表立って出されてきました。
北朝鮮を、どうやったら戦争状態からの脱却へと導くことができるのか。
本当に難しい状況となってきました。
子供の頃、自宅の改築工事に来てくれた大工さんたちと一緒に縁側で食事をしていた時、年配の大工さんから第二次大戦の思い出話を聞かせていただきました。
昭和20年の戦争末期、その大工さんは、陸軍歩兵として房総半島の海岸の防衛部隊に配属されて、連合軍の上陸に備えていたのだそうです。
地下壕を掘ったりする作業ばかりの毎日で、時々近隣の農家にお風呂をもらいに行くのが一番の楽しみだったとか、そんな話をひとしきりしたあと、
『坊ちゃん、もし本土決戦をやっていたら、日本はアメリカに必ず勝ったはずなんですよ』
『どうやって?アメリカは凄い戦車とか大砲をたくさん持っていたんでしょ?』
『わしらの部隊の役割は、タコツボや地下道に潜んで上陸してくるアメリカ軍の部隊を一旦やり過ごし、その後アメリカ軍の陣地内に紛れ込んで、アメリカ軍の戦車や大砲を撃てない状況にすることでした』
『でも、それで日本が勝つとは言えないんじゃないの?』
『アメリカ軍が大砲を撃てなくしてしまった後、近くで待機している日本軍がその地域に集中砲撃を加えれば、必ずアメリカ兵を全滅させられます』
『???日本の兵隊さんは、どうなるの?』
『日本兵は、死ぬことを恐れぬように教育されていますから。アメリカ兵とは違います。アメリカ兵を道連れに、わしらも死ぬ。味方を撃つなんてアメリカ軍には決して真似のできない作戦ですから、アメリカ軍に絶対負けなかったはずです』
『・・・・・』
子供心に、これはひどい話だと思いました。
連合軍に追い詰められた日本は、毒ガス、細菌兵器、風船爆弾などの無差別殺人兵器、そして様々な特攻兵器という非人道的な兵器を開発して、戦局の好転を図ろうとしました。
そして、本土決戦になっていたら、大工さんが話してくれたように、人を人とも思わない無茶苦茶な消耗戦が、きっと各地で展開されたのでしょう。
もし原子爆弾を当時の日本が保有していたら、かなりの確率で日本は実戦で使用したと私は思います。
北朝鮮が核実験を行なったという報道が、世界を駆け巡っています。
ブッシュ前大統領は、北朝鮮の現体制を『Rogue Regime』(ならず者政権)と呼びましたし、今の北朝鮮の行動を見ていると、そう呼ばれても仕方ないのかもしれません。
一方、北朝鮮は、たびたび『宣戦布告』という言葉を用いることからも分かりますが、国家存亡を懸けた戦争を行なっているのに等しい国内の状況なのでしょう。
日本の国会議員の中からも、北朝鮮の基地を直接攻撃する手段を持つべきだという主張が遂に表立って出されてきました。
北朝鮮を、どうやったら戦争状態からの脱却へと導くことができるのか。
本当に難しい状況となってきました。