かつて北海道で走っていたという馬が軌道車を牽引する馬車鉄道。
馬車鉄道の写真へのリンク
その廃線跡を辿るのが趣味だという方が、昨日の日経最終面に投稿されていました。
投稿者は、化学会社に勤務されていて、学生時代は鉄道研究会に所属していたそうです。
昔から数多くの熱心な鉄道マニアがいらっしゃいます。
鉄道車両の写真を撮ったり、行き先のプレートを収集する趣味はポピュラーですが、レールの製造番号の拓本をとる、特急列車の座席の寸法を測る、全国に点在する鉄道林(鉄道を風から守る防風林)の写真を撮る等々、いわゆるオタクの域に達していらっしゃる方も少なくないようです。
邦銀時代にお仕えした部長の一人に、慶応の鉄道研究会ご出身の方がいらっしゃいました。
大型地域開発へのプロジェクト・ファイナンスを担当する部署だったこともあり、地方へたびたび出張されていました。
ところが、その出張行程のアレンジが簡単ではありません。
「○○本線に××型の新型車両が走っているので、該当する列車に必ず乗車できるように行程を組んでくれ」
指示を受けた担当者は、まず××型車両とは一体どんなものなのかを調べ、次に時刻表を隈なくチェックするところから、準備を始めなければなりません。
鉄道好きの方は、調べること自体が楽しいのでしょうが、そうでない方にとっては苦痛以外の何物でもありません。
そんな苦労に支えられた出張から戻ってこられて、部長の第一声は
「いやあ、期待通りの車両だったぞ。座席が広くて、車内も静かだし。」
「部長、ところでプロジェクトの方はいかがでしたか・・・」
「おう、そうだった、そうだった」
部下も苦笑いするしかありません。
その部長は、今や副頭取になっていらっしゃいます。
秘書の方も、時刻表を片手に苦労されているのではなかろうかと想像したりしています。
ところで、話は逸れてしまいますが、決して鉄道マニアでない私でも、子供の頃に信越本線もしくは高山本線で目撃した、不思議な線路のポイントに対する疑問が、その後40年以上に渡って、ずっと頭にこびりついていました。
鉄道のポイント、正式には分岐器と呼ばれるのだそうですが、普通は次のような形状のものを皆さんも思い浮べるはずです。
一般的な分岐器の例
子供の頭の中でも、レールに導かれて列車が別の線路に移動していく様子が想像できます。
ところが、私が見たのは次のような分岐器で、「何だ、危ないんじゃないか、これは?」と考え込んでしまったのです。
不思議な分岐器の例
疑問が解けぬまま現在に至ったのですが、インターネットとは便利なもので、私の長年の疑問をあっさり氷解させてくれました。
このような分岐器は、本線に誤って貨車などが入り込んで大事故を起こすことを防ぐために、進入すべきでない車両を強引に脱線させてしまうためのもので、単線で運行されている鉄道に設置されることが多いそうです。
「大を生かして小を切る」というか、列車を人為的に脱線させて大事故を防ぐという発想は、小学生の私には全くありませんでした。
皆さんご存知の話題であったならば、すみません。
大きく脱線してしまいました。
(;^_^A