悲しいご報告です。
都立青山高校でクラスメイトだった前田正尚くんが、くも膜下出血のため急逝しました。
享年57歳。
前田くんは、東京大学から日本開発銀行に進み、現在は日本政策投資銀行で取締役常務執行役員の要職にありました。
前田くんの近況
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前田くんとは、高校一年生と二年生の時に同じクラスだった仲間です。
二年間、同じ教室で勉強したわけですが、「赤点を取らなければければOK」というダメ学生の私とは違って、淡々と予習と復習をこなして抜群の成績を残す、優等生の前田くんでした。
高校一年の夏、前田くんをはじめ、クラスメイト数名で山中湖に遊びに行きました。
このブログに何度も登場しているピアニストのSくんのお父上の別荘に泊まり込み、ギターを弾いたり、トランプや麻雀をしたり、時にはビールを飲んだり
夢のように楽しい夏休みを過ごしました。
前田くんは、天文部に所属していました。
青山高校の当時の部室棟は、ブロック造りの2階建てでした。
1階は全て運動部。
階段を登った2階には、軽音楽サークル、新聞部、天文部、無線部などの文化系各部が陣取っていました。
Sくんや私が軽音楽サークルの部室で演奏していると、入口のドアがスッと開きます。
そして、前田くんが顔を出し、「美味しいコーヒーが入ったから、こっちの部室に来ない?」
天文部に行くと、ろ紙を使って入れた本格的なコーヒーの香りが漂っています。
部室には、ちゃんと粉末クリーム「クリープ」の瓶や角砂糖もありました。
夕暮れに部室前を通りかかった時、前田くんに呼びとめられました。
「今夜は月が綺麗だよ。見ていかないか?」
天体望遠鏡を覗かせてもらうと、息をのむような美しさの月面が目に飛び込んできました。
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青高を卒業して、40年が過ぎました。
今朝、前田くんの訃報に接して、高校での日々の記憶が鮮やかに甦ってきました。
前田くん、
いずれ、そちらで会うことができるから、その時は、また天体望遠鏡を覗かせてください。
コーヒー豆は私が持って行きます。