高校時代の友人が亡くなったこともあって、ここ数日間、卒業アルバムを眺めながら1970年代の音楽ばかり聴いています。
高校時代、もっぱらジャズを聴いていたわけですが、ジャズ以外で聴いていた音楽といえば、国内では「はっぴいえんど」系と加藤和彦さん系。
私が高校に入学した1971年ごろ、加藤和彦さんは、ドノバン、アーロ・ガスリー、ジミー・ウエッブなどの影響を感じさせるシンガーとしてソロ活動をしていまして、渋谷 道玄坂のヤマハで店頭ライブをやったりしていました。
そして翌1972年、奥方のミカさんをボーカルに据えたサディステイック・ミカ・バンドで「サイクリング・ブギ」をリリース。バンドでの活動を再開しました。
もっとも第一印象では、T-Rexみたいな白人系ロックサウンドに私に聞こえまして、それほどピンときませんでした。
その後、ドラムスに高橋ユキヒロさんが加わった頃からサウンドが変化し始めて、1974年のアルバム「黒船」では、黒人系のファンキー・ミュージックのような演奏もするようになってきました。
ベース奏者は、名手の小原礼さん。
高橋ユキヒロさんと組んだリズムセクションは、スライ&ファミリーストーンズのラリー・グラハムとグレッグ・エリコのコンビを彷彿とさせるような厚みとキレのあるビートを叩き出し、バンド全体を強力にドライブしました。
「はっぴいえんど」の細野晴臣さんがメロディ志向であるのに対して、小原礼さんはビートを強調するスタイル。
特に、小原礼さん自身が作曲した「塀までひとっとび」は、如何にもベース奏者が作った曲でして、ベースとドラムスが前面に出る迫力満点のサウンドを披露し、海外でも話題となったほどの傑作です。
40年経って聴いても、その素晴らしさは少しも色褪せていません。
塀までひとっとび
※ベースとドラムスが重要な曲なので、スマホのスピーカーを鳴らすのではなく、ぜひヘッドフォンを付けてステレオ環境で聴いてみてください。
高橋ユキヒロさんの正確でホットなドラミングも必聴です。