ある冬の、まだ外は薄暗く、道行く人もまばらな朝…、
「行ってきまぁす!」と玄関のドアを開けると、
ポストの上にダウンジャケットがふわり…と覆いかぶさっていた。
「ん?何だ?誰が?」と思って手にとってみるとそれは…、
昨日私が着ていたものじゃないか!!!
あんなに寒い夜だったのに…、
ポストをコート掛けか何かと思いこんだのか、
冷たい空気のなか佇んでいるポストが寒かろうと思ったのか、
私はダウンを脱ぎ、それを着せていたのだった。
そうだった、昨日はテキーラを、ライムと塩を片手に何杯かいってしまった。
電車に乗るまでは足どりもしっかり(してたはず)、
口調もしっかり(してたはず)だったのに、一人になった途端、ぼわ~んと
してしまったのだと思う…いつものように…。
朝刊を手に、ポストを前にした新聞配達のお兄さんも困ったことだろう。
それはダウンジャケットの上に、バランスよく鎮座していた…。
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