紙魚子の小部屋 パート1

節操のない読書、テレビやラジオの感想、お買い物のあれこれ、家族漫才を、ほぼ毎日書いています。

もはや勝敗にこだわらず。

2008-08-26 23:20:01 | テレビ
 いまひとつ我が家では煮え切らなかった北京五輪であるが、ソフトボールとフェンシングについては印象深かった。

 ソフトボールは、いうまでもなく上野投手のカッコ良さ、まさにメンバーが一丸となったチームワークの素晴らしさに注目が集まった。たぶん日本中の人たちに異存はないと思えるような見事さだった。

 しかし、フェンシングが我が家にもたらしたものは「感動」ではない。私にとってフェンシングのイメージは、小学生の頃に読んだ騎士道を含む物語とアニメ「リボンの騎士」、最近では斎藤美奈子さんが高校生の頃(だったかな?)、部活として所属していたスメ[ツ、という程度の貧弱なものである。

 そしてフェンシングの世界を垣間みて、西洋と東洋の精神性の差異を、まざまざと思い知らされた。フェンシングという未知の世界から、西洋世界の精神構造が透けて見えたのである。

 それはフェンシングの試合のダイジェスト版だったと思う。テレビのアナウンサーが、「この選手は相手の背中を突くワザを得意としております」とアナウンスしたときから、妙な予感はあったのだ。

 背後から? それは侍にとっては卑怯なワザではないのか? 騎士道ではアリなのか?

 しかし、「相手の背中を突くワザ」というのは、こっそり背後に回りこみ、いきなり襲う、というような姑息な手段ではなかったのだ。その「ワザ」を目撃したとき、私以上にH氏は驚愕していた。

 「見たか!? あれ!!」

 剣先が相手の頭越しに汲ネりなって、背中をついているのだ! 剣先がUターンして背中を突く!!なんというマジカルかつ狡猾なワザであろうか!! それが中世にもてはやされた「騎士道精神」というものなのか! 私の中で小学生の頃に読んだ「騎士」のイメージが、アニメの「リボンの騎士」をも巻き込みつつ、雪崩のように崩れ去った瞬間であった。

 武士道精神をDNAに持っている日本人には、残念ながらマジカルに狡猾な騎士道精神をDNAにもっている西洋人に対して勝利するのは、並大抵のことではないし、果たして勝利することが日本人の精神性にとって有益なのかも疑問である。あまり西洋と勝ち負けを争うようなことは、慎みたい気すらした。

 いいじゃん、マイペースで。という結論を見たオリンピック。負けた方も、キケンした方も、いろいろ大変でしたよね。お疲れさまでした。