花のたより☆山のふみ~青森県立名久井農業高等学校~

農業と環境の研究グループ「チームフローラフォトニクス」と弟分である「ハンターズ」の取組みを紹介します!

もちは餅屋

2021年02月16日 | 園芸科学科
この本は日園連(日本園芸農業協同組合連合会)が
毎月発行している果樹の専門図書「果実日本」です。
嬉しいことに今月号に、名農が誇る園芸科学科のチームドローンの
研究成果が掲載されています。今でこそドローンと聞いても驚きませんが
彼らが取り組んだのは4〜5年前になるでしょうか。
農薬散布に使えると話題になり始めていた頃です。
そんな時にチームが注目したのは誰も手がけていない溶液受粉。
広大な果樹園にドローンを飛ばし、上空から花粉などの入った溶液を散布して
手間のかかる人工受粉の労力を軽減させるユニークなアイデアです。
今では実用化試験も行われ、スマート農業の新技術として確立されようとしています。
実はこのアイデア、意外と知られていませんが当初思いついたのはフローラでした。
産総研がドローン受粉の研究していることを知り、問い合わせたところ
花粉をつけた筆をドローンに持たせ、ハチのように受粉するというアイデアで
どちらかといえば操縦技術の話。実際に果樹園で行うことを想定した研究はまだないので
頑張ってくださいと逆にエールをいただいたぐらい最先端の発想でした。
しかし幅広い研究に着手できる環境班といえども、果樹に手を出すのは無謀というもの。
そこでもちは餅屋ということでプロフェッショナルの果樹班に提案したところ即実行。
数年間で実用化まで進めたのですから、その実行力、技術力には本当に驚きです。
さらにメーカーと組んで東京ビッグサイトで技術紹介するなど全国区の活躍をしました。
取り組んだ果樹班のメンバーをハンターズのように「彼ら」と紹介したくなりますが
園芸科学科は女子が多い学科。したがって開発に当たったのは女性エンジニア中心でした。
そんな園芸科学科も2020年から募集停止。現在の2年、3年生が卒業したら閉科となります。
名農で学べる主な農業分野は、野菜、果樹、草花、施設。
いずれも最後につく言葉は「園芸」です。名農園芸高校といってもおかしくない学校から
園芸科学科が消えてしまうのはとても残念です。
ぜひ彼女たちの成果をご覧ください。
昨日から始まった高校入試の願書受付。静かに世代交代が始まろうとしています。
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棚からぼた餅

2021年02月16日 | 研究
ちょうど1年前のハンターズです。
先輩のバブルボーイズとともに大阪に行くため
真冬の青森空港から飛行機で伊丹空港を目指していました。
旅費が高いうえ、悪天候では飛ばなくなるため
高校では滅多に飛行機で移動することはありません。
しかしこの時は「毎日地球未来賞」主催の毎日新聞社が
飛行機のチケットを手配してくださったので、
環境班としては数年ぶりに飛行機での移動となりました。
今まで研究班が国内線を使う場合は、ほとんどが青森ー札幌間。
まるでバスかと思うぐらい小さな飛行機です。
しかし伊丹に向かう機体はそれに比べるとずいぶん大きく飛行機っぽく満足。
参加したハンターズ2名はみんな初めての飛行機でしたが
映画を観ながら短いフライト時間を楽しんでいました。
昨年、第9回毎日地球未来賞の奨励賞を受賞した環境班。
実は2014年の第4回大会でも受賞しています。それもなんと大賞でした。
主に東日本大震災で津波被害を受けた種差海岸のサクラソウの救出活動や
自生地保全研究が認められての受賞でしたが、
最初に立ち上がったメンバーはとっくに卒業。
活動を発展させたとはいえ棚からぼた餅。なんと4年後の後輩がいただきました。
実は昨年の奨励賞も同じ。フローラが取り組んだ水質浄化研究と
バブルボーイズの泡農薬が評価されてのものでした。
バブルボーイズは辛うじて卒業直前でしたが、フローラは1年前に卒業。
やはり後輩たちがご褒美をいただくことになりました。
2度あることは3度ある。今後、ハンターズが取り組んだ集水システムなどが
またどこかで認められる機会がくるかもしれません。
その時は、いったい誰が棚ぼたの恩恵を受けるのでしょうか。
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