花のたより☆山のふみ~青森県立名久井農業高等学校~

農業と環境の研究グループ「チームフローラフォトニクス」と弟分である「ハンターズ」の取組みを紹介します!

ライトマジックショウ

2024年10月17日 | 研究
2年生の彼が栽培していたハクサイとはまったく違う立派な姿。
葉も濃く大きく、さらに枚数も多いので本人も驚きです。
これぞFLORAお得意の光の魔法、ライトマジックです。
さてFLORAは毎年Tシャツを作りますが、
ある年、Light Magic Showというロゴ入りを作ったメンバーたちがいます。
確か2013年、たった4名の女子しかいない年でした。
彼女たちはどんなLEDの実験をしたと思いますか。
実はLEDを使うのは当時のFLORAは当たり前。魔法ではありません。
なんと彼女たちの魔法は一切ライトを使わないのです。
種明かしをすると当時、連携していた理化学研究所からいただいた
薬剤を使ってある植物ホルモンの生成を抑制し光感受性を高めたのです。
彼女たちの魔法の用途は2種類。ひとつは草花の抑制栽培。
いつもなら初秋に咲く短日植物のキクに散布して
約10日ほど開花を遅らせたのです。つまりライトを使わない電照栽培です。
もうひとつは花壇用の草花サンパチェンスの室内栽培。
空気浄化もできるサンパチェンスの光感受性を高めて
室内栽培をできるように改造し、東日本大震災で被災した
岩手県の仮設住宅に提供したのです。仮設住宅は隣接しているので
窓が思うように開けられずシックハウス症候群が心配されていた頃。
サカタのタネさんの全面協力で行った科学ボランティアですが
皆さん喜んでくださいました。もちろん、いろいろな大会で受賞したものです。
久々のLED実験でハクサイの姿を変えた彼も魔法使い。
まもなくハロウィン。魔法使いの姿でもしましょうか。
コメント

スッキリしない

2024年10月17日 | 環境システム科
今年のFLORA HUNTERSは全部で10名。
みんな計画していた実験は完了していますが
ある2年生の男子だけはまだ生育調査や水質分析を続けています。
実は1学期も行ったのですが、結果は微妙。スッキリしません。
失敗なら諦めもつきますが、可能性を感じるデータも残しました。
そこで2学期、9月から寒くなるまでの今月いっぱい、再挑戦しているのです。
栽培しているのはミニハクサイ。それも水耕栽培です。
ハクサイは好硝酸性植物。したがって天候などが悪いと
植物体に硝酸態窒素が残りやすいのです。硝酸態窒素は多すぎると
体に悪影響を与えるので海外では厳しくチェックされています。
だから彼はあまり使われない尿素態窒素を供給。
すると硝酸態窒素の含有量は極端に減りますが、大きくなりません。
今、彼が調査しているのはそんな生育不良のようなハクサイです。
そこで2学期は、同じ肥料を使いますが、
葉を大きくさせる波長650nmぐらいの赤のLEDと
茎を太くさせる450nmぐらいの青のLEDを2:1の配分で照射し
生育を促進させる工夫をしているのです。
さらに光合成が盛んになるということは
蓄積した硝酸態窒素も使われるので減るということが予想されます。
そうなったらスッキリ大成功。結果は2週間後です。
コメント