十数歩跳んで、タッドは振り返った。
まるで、どうだ僕だって飛べるんだぞ、というふうに。
彼は余裕たっぷりの様子だったが、私は断固として言い放った。
「タッド、君はひきがえるにしては素晴らしいジャンパーだよ。でもね、これはカエルのコンテストで、どうみたって君はひきがえるにしか見えないよ。」
彼が跳び去って行き、私はこの話はそれで終わったと思っていた。
ところがそうではなかったのだ。
タッドは、踏み石の下の居心地の良い住処に帰るのではなくて、ひきがえるのためのプールのほうへ跳ねていった。
プールといっても、植木鉢の水がこぼれ出ないように下に敷く、黒いプラスティック製の縁が高いお皿なんだけどね。
私はこの皿を、フランス産の月桂樹の下の地面に埋め込んでいた。
いつもは定期的に水を交換しているのだけれども、先週は換えるのを忘れてしまったので、今日はアオコのぶ厚い膜が見られた。
まるで、どうだ僕だって飛べるんだぞ、というふうに。
彼は余裕たっぷりの様子だったが、私は断固として言い放った。
「タッド、君はひきがえるにしては素晴らしいジャンパーだよ。でもね、これはカエルのコンテストで、どうみたって君はひきがえるにしか見えないよ。」
彼が跳び去って行き、私はこの話はそれで終わったと思っていた。
ところがそうではなかったのだ。
タッドは、踏み石の下の居心地の良い住処に帰るのではなくて、ひきがえるのためのプールのほうへ跳ねていった。
プールといっても、植木鉢の水がこぼれ出ないように下に敷く、黒いプラスティック製の縁が高いお皿なんだけどね。
私はこの皿を、フランス産の月桂樹の下の地面に埋め込んでいた。
いつもは定期的に水を交換しているのだけれども、先週は換えるのを忘れてしまったので、今日はアオコのぶ厚い膜が見られた。