最近、グローバルウォーミング(地球温暖化)のように、「グローバル」という言葉が盛んに用いられています。
これは、グローブ(球体、地球)という言葉から派生し、現在では主に「地球規模」という意味で用いられています。
地球は丸いので、グローバリズムには際限がないように思われますが、決して無限ではありません。
私たちは、太陽エネルギーの恵みを得て地球上で暮らしています。
ですから、今のところ地球上で生産される物質以上に、人類が増える続けることはできないのです。
ところで、地球の人口は、現在、何人かご存知でしょうか。
図にも示したとおり、2008年に69億人でした。
紀元ゼロ年には2億人くらいで、1900年には16億人でしたから、20世紀になってから急激に増加したことがわかります。
今後もさらに増え続け、2050年には、93億人になると予想されています。
現在起こっている環境問題の最大の要因は、人口があまりにも急激に増えすぎた点にあります。
このことによって、多くのエネルギーが消費され、それを補うために、さらなる生産が繰りかえされました。
実体から離れた過剰な投資は、生産の余剰を産み、余ったものが環境を汚し始めました。
誰もが、より豊かな生活を、という発想で進めてきた開発や投資があだとなったわけです。
今、びわ湖の湖底で起こっているやっかいな問題の多くは、このような急激な経済成長が原因となっています。
農薬起源のダイオキシンや石油起源の多環芳香族などが湖底に蓄積しています。
また、人間活動の拡大が、富栄養化や温暖化をもたらし、湖底や海底付近に低酸素水塊を作り出してきました。
私たちは、一体、どうすればよいのでしょうか。
私たちの周辺から手つかずの自然がなくなり、人間活動から出てきたさまざまなゴミや汚れものがびわ湖の底にたまっています。
そういう意味で、びわ湖は慢性的な疾患を抱えていると言えます。
びわ湖は、世界に誇れる、とてもすばらしい湖です。
古代湖でもあり、びわ湖固有の生物もたくさん住んでいます。
しかし、私たちは、びわ湖の実態を完全に知っているわけではありません。
何がすばらしいのか、そして、何が問題なのかを知るという努力を、もっとする必要があります。
これまでも述べてきましたが、びわ湖の湖底付近の環境が急激に変わりつつあります。
残念ながら、地球温暖化に歯止めがかからない限り、改善する可能性はありません。
私たち科学者は、100年後の人々のために、このような事実を知らせ、警告を発し、記録を残すことが責務だと考えています。
陽明学に、知行合一(ちこうごういつ)という教えがあります。
これは、「知っていて行動しないのは、知らないことと同じである」という考えです。
科学は、万物の理(ことわり)を知ることを目的とします。
しかし、100%知ることは困難なことです。
不確かな情報であっても、共有し、議論し、選択し、行動しなければ、環境問題の解決はありえないのです。
仏教では、判断し、選択することを「知恵」と呼びます。
知識を知恵に変える努力が必要です。
もっと多くの人にびわ湖のことを知ってもらうために、私たちはNPO法人びわ湖トラストを立ち上げました。
少しでも多くの人にびわ湖に来ていただき、湖底を見てもらい、どうしたらよいかを一緒に考えるきっかけを作れればと思っています。
びわ湖には、まだまだ未知の現象が残っており、それらを知ることはとても楽しいことです。
びわ湖から世界へ、ローカルとグローバルの架け橋となればよいと思います。
これは、グローブ(球体、地球)という言葉から派生し、現在では主に「地球規模」という意味で用いられています。
地球は丸いので、グローバリズムには際限がないように思われますが、決して無限ではありません。
私たちは、太陽エネルギーの恵みを得て地球上で暮らしています。
ですから、今のところ地球上で生産される物質以上に、人類が増える続けることはできないのです。
ところで、地球の人口は、現在、何人かご存知でしょうか。
図にも示したとおり、2008年に69億人でした。
紀元ゼロ年には2億人くらいで、1900年には16億人でしたから、20世紀になってから急激に増加したことがわかります。
今後もさらに増え続け、2050年には、93億人になると予想されています。
現在起こっている環境問題の最大の要因は、人口があまりにも急激に増えすぎた点にあります。
このことによって、多くのエネルギーが消費され、それを補うために、さらなる生産が繰りかえされました。
実体から離れた過剰な投資は、生産の余剰を産み、余ったものが環境を汚し始めました。
誰もが、より豊かな生活を、という発想で進めてきた開発や投資があだとなったわけです。
今、びわ湖の湖底で起こっているやっかいな問題の多くは、このような急激な経済成長が原因となっています。
農薬起源のダイオキシンや石油起源の多環芳香族などが湖底に蓄積しています。
また、人間活動の拡大が、富栄養化や温暖化をもたらし、湖底や海底付近に低酸素水塊を作り出してきました。
私たちは、一体、どうすればよいのでしょうか。
私たちの周辺から手つかずの自然がなくなり、人間活動から出てきたさまざまなゴミや汚れものがびわ湖の底にたまっています。
そういう意味で、びわ湖は慢性的な疾患を抱えていると言えます。
びわ湖は、世界に誇れる、とてもすばらしい湖です。
古代湖でもあり、びわ湖固有の生物もたくさん住んでいます。
しかし、私たちは、びわ湖の実態を完全に知っているわけではありません。
何がすばらしいのか、そして、何が問題なのかを知るという努力を、もっとする必要があります。
これまでも述べてきましたが、びわ湖の湖底付近の環境が急激に変わりつつあります。
残念ながら、地球温暖化に歯止めがかからない限り、改善する可能性はありません。
私たち科学者は、100年後の人々のために、このような事実を知らせ、警告を発し、記録を残すことが責務だと考えています。
陽明学に、知行合一(ちこうごういつ)という教えがあります。
これは、「知っていて行動しないのは、知らないことと同じである」という考えです。
科学は、万物の理(ことわり)を知ることを目的とします。
しかし、100%知ることは困難なことです。
不確かな情報であっても、共有し、議論し、選択し、行動しなければ、環境問題の解決はありえないのです。
仏教では、判断し、選択することを「知恵」と呼びます。
知識を知恵に変える努力が必要です。
もっと多くの人にびわ湖のことを知ってもらうために、私たちはNPO法人びわ湖トラストを立ち上げました。
少しでも多くの人にびわ湖に来ていただき、湖底を見てもらい、どうしたらよいかを一緒に考えるきっかけを作れればと思っています。
びわ湖には、まだまだ未知の現象が残っており、それらを知ることはとても楽しいことです。
びわ湖から世界へ、ローカルとグローバルの架け橋となればよいと思います。