Forest Sync.(水と光の幻影)

何時も季節を感じていたい・・・
飛騨高山発信フライフィッシングのブログです。

アメリカの竹竿職人たち (full version)

2009-02-26 00:39:30 | Library



フライフィッシングは、ロッドにリール、ライン、その他いろいろ、専用の道具が必要です。

それぞれに大切な役割があり、よいものですべてをそろえると、相当な金額になります。ただ、基本的には長く使い続けることができるもので、一度揃えてしまえば、後はそんなに買い足す必要はありません。(それ以上の物欲が無ければの話ですが)

もっとも、一日中源流を歩き回る人や、釣行回数の多い人にとっては、フライラインやウェーディングシューズ、ウェーダーといったものの買い替えサイクルが短くなります。

先ほど、一度揃えれば後はそんなに…と、書きましたが、現実には、魅力的な商品が多く、(先立つものが有れば)買ってしまいたくなります。
どんなに欲しくても、高価な物は家族の同意が得られないなんてこともあります。

以前、通販でフライロッドを購入した時のこと。
(着払いだったのですが)家でロッドが届くのを待っていると、宅配業者から電話が入りました。妻が応対したのですが、電話の内容は、「これからお伺いします。着払いなので、代金○○○○○用意してありますか?」といったものだったらしいのです。
実は、金額の事は妻に話してなく、自分で受け取れるようにお金を用意して家で待機していたのですが…  
この電話が原因で、妻には、そんな高いものだとは聞いていないと、激怒されました。

いろいろなタックルのなかでも、ロッドは一番欲しいもの。同じ川に行くにしても、できることなら、その日の気分や使うフライで長さや素材の違ったロッドを使ってみたくなります。

しかし、今のところ、私はバンブーロッドを保有していません。何時か手に入れる機会がおとずれるかもしれないし、一生無理かもしれません。
とりあえず?この本で我慢?しています。この本は14人のロッドビルダーとその作品が紹介された本です。

この本の出版に先駆けて、「フライの雑誌」(当時は毎号欠かさず読んでいた)にプレビュー記事として一部が掲載されていたのですが、中でも Marc Aroner の章が私に強い印象を与えました。その名前を知ったのも初めてでしたが、その印象がこの本の購入の動機となりました。

それまで、バンブーロッドなんて、高いだけで折れそうだし使えないな~なんて思っていたけど、考え方が少し変わりました。

本全体を通して、「グラファイトロッド全盛のこの時代に、何故バンブーロッドなのか?」という問いが、率直にあるいは遠回しに、ビルダーに対し、著者自身に対し、読者に対して投げかけられています。(少なくとも私はそう感じました)その答えは、単純に工業製品とハンドメイドの違いと言う訳ではなさそうです。この本を読み終えても答えが出ないかもしれないし、この本に書いてあることすべてが、答えなのかも知れません。それとも、もっと別のところに、その答えがあるのかもしれません。
(バンブーロッドを持っていないくせに何を…という意見が聞こえて来そうですが…)

この本が面白い最大の理由は、著者の阪東幸成さんが大変なバンブーロッド好きであることだと思います。(もっとも好きじゃないとこういう本を書こうとはしないでしょうが)阪東さんがそれぞれのビルダーを訪ね、一人で取材して文章にするという手法が取られていますが、取材時のビルダーとのやりとりのなかで、本当に好きではないと、こうはいかないなという箇所がたくさんあります。この人でなければ、ビルダーからこんな濃厚な話を聞きだすことはできなかったでしょう。それぞれのビルダーのそれぞれの人生に、いろいろな歴史が絡み合っていることがわかります。
本を読むだけでは、ロッドのアクションは判らないけれど、どれも素晴らしい作品なのでしょう。

バンブーロッドを手に入れることができなくても、そのバンブーロッドの背景を、この本を買うことによって手にすることができるのです。



これより下の画像は、「フライの雑誌」No.40(early winter issue 1997)プレビュー版のもの







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コメント (4)
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