poco a bocco

自然の素材がもつぬくもりやパワーに助けられての作品づくり
poco a poco のペースで進みます~♪

唐人津城で

2006-06-18 18:39:04 | 野外教室
カンビキ山に登っていく途中、唐突な感じで荒れ地のような風景に出くわします。
それがトウジンヅシロ。
4年前に初めてここを訪れて以来、青池と並ぶ私のお気に入りスポットになっています。
この場所では、炎天または突然の雨・・・といったコンディションの中で作業をすることが多かったのですが、今年は穏やかな晴天に恵まれました。
太陽にじりじりと焼かれながら赤い色のまじった石英質の岩の上で作業した最初の年の印象から、私の中では“火焔山”・・・西遊記に登場する牛魔王が住んでいたといわれる山・・・というもう一つの呼び名があります。

このあたりは遊歩道が整備され、何年か前にはこんなデッキができて、私たちはここで裸足になって駆け回ったり、大の字になって寝ころび天空を眺めたり・・・そんなことをするのがいつものお約束、一つの儀式のようになってしまいました。
視界を遮るものがほとんどないこんな場所では、へそ曲がりの私でも心が解放されてしまいます。
去年は、青池で師匠が見つけた赤い漁網がここでの制作の主素材でした。
でも、いきなり創作意欲がわいてくるわけではありません。
まずはこの大きな網とお近づきになることから始めようと、網の端を手に持ち網を引きずりながらデッキの上を走ってみました。
すると、わけもなく体の中から楽しい気持ちがわいてきて、ゲラゲラと大笑いが止まりませんでした。
子どものころに味わったあの感覚!・・・本当に長い間忘れていたあの不思議な感覚。
理屈も何もなく、ただひたすら楽しいよ~と、体が言うのです。
いまだに忘れられない貴重な体験です。

今年はいつもの場所から少し下った?ところに舞台を見つけました。
写真ではデッキの下方、V字斜面の少し手前のあたりです。
ゴツゴツとした大きな石が二つ並んでいたので、それをロープでつないで一つにしてみました。
これもまた、背景の迫力に救われているというか、呑み込まれているというか。。。


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式根の山道で

2006-06-11 14:30:05 | 野外教室
5月24日の記事でご覧いただいたように、式根島は横から見るとぺたっとお皿を伏せたような形をしています。
一番高いカンビキ山の展望台でも、海抜99mしかありません。
それでも、山道にはそれなりのアップダウンがあり、日頃平らな土地で暮らしている私には結構な運動となります。
毎日の通勤でも平均5kmくらいしか歩いていないのですから、2~3日は筋肉痛が残り、自分でもおかしくなってしまうくらいぎくしゃくとした歩き方になってしまうのです。

ほとんど人の手が加わっていない森を歩いていると、たくさんの不思議な形をした木々に出会います。
その中でも特に惹かれたものに、海辺で集めたロープをかけてみました。
その日の朝、散歩・・・といってもかなりハードなコースではあるのですが・・・で行った“青池”にいろんな種類のロープが流れ着いていました。
それをみんなで拾い集めたものです。

写真よりも深い緑の中で見る方がはるかに神秘的なものを感じるのは当然のこととはいえ、カメラの腕というのか、画面を切り取るセンスのなさにがっかりしながら写真を眺めています。

島から戻って3週間、自然の中に立つ感覚が恋しくなってきました。


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ひっこんどう海岸で

2006-06-04 19:21:41 | 野外教室
セリ科植物の直径3.5cmはあろうかという茎!
アシタバの仲間です。
赤いラインと緑の対比がとてもきれいだったので、砂と石を使った作品の一部を撮影しました。



上の植物の全体がこれ。
あまりの迫力に手を加えることもできず、岩場の水たまりに渡してみました。
セリ科なんだから当たり前だけど、セロリみたいですね。



“ひっこんどう”海岸の岩は、角がとれて丸みを帯びたグレー。
すぐそばに林もあって、植物を組み込むこともできます。
ちょうど流れ着いていた直径10cmあまりの竹を花器に見立てて、そのあたりにあったススキの若葉とつるバラを活けたつもりなんですが。。。
すっかり背景に助けられてますね。

こうして遊んでいるうちに日が傾き始め、私たちは大急ぎで作品を解体し、宿舎へ向かいます。
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式根島報告:自然の恵み~食物編

2006-05-28 19:25:56 | 野外教室
これ、なんだかわかりますか?
私も見たのは初めて・・・実はハマボウフウの花・・・お刺身のツマに使われてるあのハマボウフウなんです。
島に着いた日の朝、民宿に荷物を下ろしてから向かった石白川海岸のはずれで見つけました。
葉の部分を採って、早速その日の昼食に。
キリッとした風味が前夜からの船旅で疲れた体に心地よい刺激となって、海を眺めながらの食事をいっそう楽しいものにしてくれました。

石白川海岸では、こんな大収穫もありました。


式根島での楽しみの一つ、ヒロメです。
その日の朝まで大荒れだった海。その直後の波打ち際に大量のヒロメが漂っているところに遭遇するという幸運に恵まれた私たちは、迷わず採れる限りのものをいただいたのです。
・・・ただし、実際に海に入って集めたのは師匠とMさん。
   私は、師匠の特大採集袋をもってヒロメを受け取る役目にすぎませんでした。

ヒロメ_広布とは、昆布の古い呼び方でもあるようですが、島でいただくヒロメは円形で、昆布ほどの厚みはありません。
島の人たちはとれたての新鮮なヒロメをミキサーで細かくしてネバリけが出たものに、熱々の味噌汁を注いで食します。
味噌の香りがヒロメの香りを引き立て、さらにヒロメの旨味が舌をうならせるのです。
あ~ぁ・・・思い出すだけでも食欲がわいてしまう!!!

見事な晴天となった翌朝、民宿の物干場を借りてヒロメを干している様子をごらんあれ!
しっかりと乾いて磯の香りをたっぷり残したヒロメを持ち帰り、早速“木の芽煮”にしました。
木の芽_山椒の葉は、唐人津城からカンビキ山へ移動する山道で歩きながら採集したものです。
このコースでは例年、山帰来_サルトリイバラの実が採れるのですが、前回お話ししたように、雨が続いて気温が上がらなかったせいか、今年はほとんど見つけることができませんでした。

干したヒロメは、お湯で1時間ほどコトコト煮た後、冷めるまで待ちます。
それを2~3回繰り返して十分に軟らかくなったものを味付けして煮るものらしいのですが、せっかちのBoccoは下ゆでを1回した段階で味付けつけしてしまい、結局煮えたものを冷まして冷蔵庫で保存し、さらに煮込むという“急がば回れ”の反対をするハメになりました。
翌日、地鉈温泉の脇で見つけたヒジキも、本当はヒロメと同じように何度も湯がいてから天日に干し、それをもどして調理するものなのに、たったの1回湯がいただけで、十分軟らかいと勝手に判断して炒め煮にしたところ、実に歯触りのしっかりしたものになりました。
娘に言わせると“野菜を食べてる!って感じ”なのだそうですが、手間をかけずに短時間で料理することが当たり前のようになってしまった日頃の生活ぶりを再確認させられたような気がします。

海で採り、手間暇かけてようやく食卓に上る海産物。
島の人の多くは、そんな暮らしを大切に守っているのですね。
その一部だけのまねごとで“スローライフ”だとか“ロハス”とかいって、そんなことまでも商品化してしまう愚かさ!
そうした現象に薄っぺらく悲しいものを感じるのは私だけではないですよね。
“いいとこ取り”は、所詮身につくものではなく、スタイルだけをいただいたとしても、本当の生活ではないと私は思っています。
・・・前回の記事にあえてそういう表現を使ったのは、Boccoなりのアンチメッセージのつもりだったのです。

あっあっあ・・・へんに理屈っぽくなっているBoccoです。
お伝えしたいことがまだまだたくさんあるのですが、今日はこのくらいにしておきましょう。
最後にこれ! 師匠が採集したフノリとキクラゲを干しているところです。


向こうに並んでいるのは、私が持ち帰った流木の一部。
2週間も降り続いた雨でずっしりと重くなっていました。
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式根島から帰ってきました!

2006-05-24 23:02:59 | 野外教室
心配していたお天気も、願いが通じたのか、すばらしい好天。
暑すぎず寒すぎずで、過去6回にわたるこの島での野外教室のなかで一番のコンディションでした。
島で一番高いスポット・・・といっても標高99m・・・カンビキ山展望台からの眺めはこんな感じ。
向こうに見えるのが新島で、写真には収まりませんでしたが、さらに左に目を移すと利島が見えます。

若き日の熊谷守一翁の絵に“野天風呂”というのがありますが、そこに描かれているのが地鉈温泉です。
この温泉のヌルヌルが苦手な私は、仲間たちが入浴している間、岩にはい登ったり、海を眺めたり、波の音を聞いたり・・・飽きることがありません。


例年なら、島のあちこちに自生する木いちご、大島桜の実、桑の実 etc. が食べ放題・・・だったはずなのに、今年は雨が多く、なかなか気温が上がらなかったせいか、特に桑の実の食べ頃からはずれてしまいました。
おそらく今日あたりは、こんな感じになっているのではないでしょうか?

これは2年前に撮影したもので、ポストカードの一枚になっています。

今日お伝えしたのは、式根島でのあれこれのほんのほんの一部。
あと5回くらいはネタに困らないんじゃないかしら。。。
撮った写真は今回だけで100枚を超えています。


島を離れていく客船の最後尾から撮った様子です。
式根島の向こうにポコッと頭を出しているのが神津島。
この左側に三宅島の島影が見えました。
野草グループが“海教室”として三宅島に行ったのは、7年前と8年前のことになります。
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ジャズライブ in 清里

2005-11-05 17:31:11 | 野外教室
清里で作品をつくるようになって今年で・・・12年目。
今年は9月3~5日。
偶然、宿舎の竹早山荘でジャズライブが催される日と重なりました。
それで、私たち=野草グループが会場のお花(4カ所)を担当することになり、これは私が担当した玄関を入ったところのホール・・・っていうんでしょうか?
階段脇の壁面を利用して大きく飾ることができました。

出来映えのほどはさておき、ただ自分がやりたいように飾ることができたのは本当にラッキーでした。
花材は、自分で採集した野草と、野辺山にある農協の無人店舗で調達した野菜たち。
数えてみたら二十数種ありました。
自分でもびっくりです。
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