松木地区の住宅で見掛けた鮮やかな黄色い花。これは「エニシダ(金雀枝)」だろう。マメ科エニシダ属の落葉低木でヨーロッパ原産。5~6月にマメ科特有の蝶形花がびっしりと咲く。当地では20年前には緑地や遊歩道で様々の色のエニシダが見られたがその後見られなくなった。繁殖力はさほど強くないのかも知れない。
エニシダは枝が箒のように拡がって成長するので、ヨーロッパでは魔女が使う箒に喩えた。ハリーポッターシリーズ第1話『賢者の石』でポッターが寮対抗で競うスポーツの“クィディッチ”が出てくる。映画では箒の材質には触れていないがこれはエニシダのはずだ。ちなみにハリーポッターが追い求めた3つの“死の秘宝”は『透明マント』『蘇りの石』と『ニワトコの杖』だった。
イネ科ハルガヤ属の「コウボウ(香茅)」。陽当たりの良い草地に生える多年草で草丈は20~50センチになるが当地ものは15センチほどとやや小振り。コウボウを乾燥させると香るというので実際にやってみるとこれが本当に良い香り。何かの匂いに似ているがなかなか思い当たらない。『ニッキ? いや違う。そうだ。桜餅だ。』 コウボウには“クマリン(coumarin)”という香り成分がありサクラの葉にはこの“クマリン”が含まれている。
富士見台公園の陽当たりの良い道端で見られる「ヘビイチゴ(蛇苺)」。バラ科キジムシロ属(ヘビイチゴ属)の多年草で田の畦道など陽当たりの良いやや湿った場所に生育している。4~5月に直径1.5センチほどの5弁花を咲かせ花後に果実が赤く熟す。葉は3小葉で先端は丸くなる。同属のヤブヘビイチゴは半日陰を好み花径は2センチと大きく葉の先端はやや尖っている。また外萼片が内萼片より著しく大きくなる。