奥高尾で多く見られるイナモリソウは色々な変種が見られる。写真は「ホシザキイナモリソウ(星咲き稲森草)」で基本種の花冠の縁がフリル状になるのに対して本種は縁が内側に折り畳まれ細い星形になる。今、NHK朝ドラ『らんまん』が話題になっているが、これは牧野富太郎博士が高尾山で発見し1926年に発表された。博士がこの花をどのようにスケッチしたか興味津々ではある。
シソバタツナミの変種の「トウゴクシソバタツナミ(東国紫蘇葉立浪)」。シソ科タツナミソウ属の多年草で東北地方~中部地方に分布している。シソバタツナミの茎には上向きに曲がった短毛が密生するが、本種は長めの開出毛が多く上向きにはならない。茎の上部の葉が大きく全体的に毛が多い。シソバタツナミとの中間的なものもあり同定は難しいようだが一応トウゴクシソバタツナミとしておこう。これは高尾山のもの。
シソ科タツナミソウ属の「シソバタツナミ(紫蘇葉立浪)」。東北地方以南に分布する多年草で葉がシソに似ていることから名付けられている。根茎は横に這い茎は立ち上がって高さ5~15センチになる。茎には上向きの短毛が密生している。花期は5~6月で当地ではタツナミソウやオカタツナミソウよりも少し遅い。