リオデジャネイロ会議でのスピーチ(『私たちは発展するべく生まれてきたわけではありません。幸せになるため、この地球にやってきたのです。人生は短く、すぐ目の前を過ぎてしまいます。命よりも高価なものは存在しません。』『貧乏な人とは、少ししかモノを持っていない人ではなく、無限の欲があり、いくらあっても満足しない人のことだ』『発展は幸福を阻害するものであってはいけないのです。発展は人類に幸福をもたらすものでなくてはなりません。愛情や人間関係、子どもを育てること、友達を持つこと、そして必要最低限のものを持つこと。これらをもたらすべきなのです。』など)と、「世界でいちばん貧しい大統領」という卓抜なキャッチフレーズと、好々爺然とした風貌で、一躍世界的に有名になったウルグアイの元大統領の、現地のメディアによるルポルタージュです。
翻訳がまずいのと、もともとウルグアイに対する知識なしだとわかりにくい本なので、読むのに苦労しましたが、何とか読み終わると、ムヒカが世間一般に持たれている無私無欲で清貧な人というイメージとはかけ離れた人物だということがよくわかりました。
ムヒカを一言でいうと、「冷徹なリアリスト」です。
左派ゲリラ出身にも限らず、右も左も自分を支持してくれる人たちと妥協を繰り返し、「清濁併せのむ」(現にマフィアや不正まみれのスポーツビジネス界(ウルグアイでは大産業)とも付き合いがありますし、大麻も売春も合法化し、アルコール産業の国有化もしています)いい意味でも悪い意味でも大人物です。
身なりや住む所へこだわらなかったり、収入を寄付したりするのも、それが自分自身の主義であることもありますが、自分の支持者たちに対するアピールになることも冷静に計算しているようです。
そうでなければ、多民族や移民のるつぼで、ブラジルとアルゼンチンという大国に挟まれたウルグアイという人口三百万人の小国の大統領はやっていけないでしょう。
ムヒカは、こうした一連の活動で、一躍自分だけでなくウルグアイを有名な国に仕立て上げました。
翻訳がまずいのと、もともとウルグアイに対する知識なしだとわかりにくい本なので、読むのに苦労しましたが、何とか読み終わると、ムヒカが世間一般に持たれている無私無欲で清貧な人というイメージとはかけ離れた人物だということがよくわかりました。
ムヒカを一言でいうと、「冷徹なリアリスト」です。
左派ゲリラ出身にも限らず、右も左も自分を支持してくれる人たちと妥協を繰り返し、「清濁併せのむ」(現にマフィアや不正まみれのスポーツビジネス界(ウルグアイでは大産業)とも付き合いがありますし、大麻も売春も合法化し、アルコール産業の国有化もしています)いい意味でも悪い意味でも大人物です。
身なりや住む所へこだわらなかったり、収入を寄付したりするのも、それが自分自身の主義であることもありますが、自分の支持者たちに対するアピールになることも冷静に計算しているようです。
そうでなければ、多民族や移民のるつぼで、ブラジルとアルゼンチンという大国に挟まれたウルグアイという人口三百万人の小国の大統領はやっていけないでしょう。
ムヒカは、こうした一連の活動で、一躍自分だけでなくウルグアイを有名な国に仕立て上げました。
ホセ・ムヒカ 世界でいちばん貧しい大統領 (角川文庫) | |
クリエーター情報なし | |
KADOKAWA/角川書店 |