人の胸に触れただけで命を奪う力を持つ少女と、殺し屋になるように育てられた少年を中心にした、時代劇とSFを混ぜ合わせたような娯楽作です。
時代考証や人物造形などはかなりいい加減なのですが、それはどうでもいいのです。
荒唐無稽な設定、偶然の多用、ご都合主義のストーリー展開、パターン化した登場人物、そうこれは徹底的にエンターテインメントの手法で書かれた作品なのです。
中間小説誌に連載され、450ページで1600円のこの本は、高齢者向けの安価な暇つぶしなのでしょう。
そういった意味では、章ごとに時間や語り手の視点を変えた構成はややこりすぎで、記憶力の衰えている高齢の読者には、登場人物やストーリーを組み立てるのがややつらいかもしれません。
また、「金色様」と呼ばれている宇宙からきたロボットと思われる物があまりに無敵で、アクションシーンにハラハラしないのも欠点でしょう。
今後、ある程度のSFの知識も持った高齢者が増えていくので、こういった歴史物プラスSFのエンターテインメント作品には一定のマーケットがあると思われます。
一方で、児童文学の領域では、かつては今西祐行の「肥後の石工」や岩崎京子の「花咲か」のような歴史物の名作もありましたが、現在は読みこなせる読者が限られている(戦国物はゲームの影響で大丈夫です)ので、良質な新しい作品が出てくることはあまり期待できません。
時代考証や人物造形などはかなりいい加減なのですが、それはどうでもいいのです。
荒唐無稽な設定、偶然の多用、ご都合主義のストーリー展開、パターン化した登場人物、そうこれは徹底的にエンターテインメントの手法で書かれた作品なのです。
中間小説誌に連載され、450ページで1600円のこの本は、高齢者向けの安価な暇つぶしなのでしょう。
そういった意味では、章ごとに時間や語り手の視点を変えた構成はややこりすぎで、記憶力の衰えている高齢の読者には、登場人物やストーリーを組み立てるのがややつらいかもしれません。
また、「金色様」と呼ばれている宇宙からきたロボットと思われる物があまりに無敵で、アクションシーンにハラハラしないのも欠点でしょう。
今後、ある程度のSFの知識も持った高齢者が増えていくので、こういった歴史物プラスSFのエンターテインメント作品には一定のマーケットがあると思われます。
一方で、児童文学の領域では、かつては今西祐行の「肥後の石工」や岩崎京子の「花咲か」のような歴史物の名作もありましたが、現在は読みこなせる読者が限られている(戦国物はゲームの影響で大丈夫です)ので、良質な新しい作品が出てくることはあまり期待できません。
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