現代児童文学

国内外の現代児童文学史や現代児童文学論についての考察や論文及び作品論や創作や参考文献を、できれば毎日記載します。

宮沢賢治学会イーハトーブセンター「宮沢賢治研究Annual Vol.22 2012」

2019-02-18 08:53:12 | 参考文献
 「宮沢賢治研究Annual Vol.22 2012」に、強いショックを受けました。
 2011年の号も、大半は2010年のビブリオグラフィー(その年に出版された参考文献目録)と以前のビブリオグラフィーの補遺で、論文類は三本しか載っていませんでしたが、2012年は研究ノートが一つと論文は他の雑誌などにすでに発表されたものを再録したのが二本載っているだけでした。
 編集後記によると、投稿された論文は掲載できるレベルになかったとのことです。
 やはり会員の研究自体が低調なようです。
 学会の活動もほとんどが岩手県の花巻で行われていて参加が難しいこともあり、会員を続けることを断念しました。

宮沢賢治―驚異の想像力 その源泉と多様性
クリエーター情報なし
朝文社


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後藤竜二 ぶん、長谷川知子 え「ないしょ!」

2019-02-18 08:50:53 | 作品論
 この作品は、普通の物語絵本ではなく、子ども向けの新聞に連載された連作掌編のひとつひとつに絵をつけてまとめたものです。
 後藤は、ヤングアダルトから幼年まで、シリアスなものからエンターテインメントまで、自在に書き分けられた稀有な現代児童文学作家です。
 児童文学研究者の佐藤宗子は、2010年を「現代児童文学」の終焉とした理由のひとつに、彼の死をあげています。
 この絵本でも、キレのいい掌編をうまくまとめて、全体ではひとつの大きな物語が浮かび上がらせています。
 長谷川の絵も、いつもながら迫力満点で魅力があります。
 この二人のコンビは、「1ねん1くみ」シリーズなどで、読者にはお馴染みなのですが、よほど相性がいいのか、絵本などでも一緒に多くの仕事をしています。

ないしょ!
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新日本出版社
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北村薫「隣の赤」うた合わせ所収

2019-02-18 08:43:09 | 参考文献
 小説新潮に五十回にわたって連載された、作者が選んだ現代短歌の百人一首の第一回です。
 以下の二首が選ばれています。
 「不運つづく隣家がこよい窓あけて眞緋なまなまと耀る雛の段」塚本邦雄
 「隣の柿はよく客食ふと耳にしてぞろぞろと見にゆくなりみんな」石川美南
 時代も作風も違う二首を合わせて、それに関連した随想を、自分自身は短歌を読まない直木賞作家が書いています。
 短歌に限らず本や文学に関するマニアックな情報が盛り込まれていて、本好きにはたまらない随想です。
 随想の中には他の歌も紹介されていて(本全体で550首収録されているそうです)、現代短歌の格好の入門書になっています。

 
うた合わせ 北村薫の百人一首
クリエーター情報なし
新潮社
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