「塾講師や家庭教師になったあとで自分の価値観が絶対じゃないんだ!と痛感したこと」シリーズ第四弾です。
自分の価値観や生き方以外を認めない講師(教師)もいます。
時にはそのような塾講師(教師)が生徒からはかっこよく見えることもあるのですが,
それはその生徒の価値観とその塾講師(教師)の価値観が似ているときだけで,
それでないと,その塾講師に生徒は押しつぶされることもあります。
私も大学生のときの塾講師バイトとときや,塾講師(正社員)1年目は,
自分の価値観を押し付けてしまって,それにより生徒さんと溝ができてしまったことがありました。
生徒さんには,いろんな家庭事情・価値観があります。
それを理解したうえで,授業・生徒対応をするのが大切だと思います。
第4回は,前回の続きで「なぜ塾に入ったのか?その2」です。
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「塾講師になって覆った価値観」シリーズ
第4回 「なぜ塾に入ったのか?その2」
塾には,様々な生徒さんが入塾します。
学習塾(学校の定期テスト勉強を中心にする塾)は,学校の定期テストで少しでも良いテスト結果を残すため(成績向上),
進学塾(受験勉強を中心にする塾)は,志望校に受かるため,
という目的で入塾される生徒さんが多いです。
ただし,その入塾目的は,小学生だと保護者の方の気持ち,中学生だと保護者と生徒さん自身の気持ち,
高校生だと生徒さん自身の気持ちが大きい,という違いはありますが・・。
おそらく,塾の先生になった方は,上記のような目的(成績向上・志望校合格)だと思います。
前回は,成績向上・志望校合格の目的以外で入塾した生徒さんのお話をしましたが,
今回は,成績向上・志望校合格の目的で入塾した生徒さんのお話をしたいと思います。
成績向上・志望校合格を目標として入塾したからといって,
みんなが自分と同じような勉強や受験に対する価値観を持っていると塾講師は勘違いしてしまうことがあります。
私も,塾講師の新人時代で,それを痛感しました。
私自身は,勉強することそのものが大好き
で,勉強して勉強しまくって,教科書に書かれていることはすべて理解したいし,
解ける問題も増やしたい。そして,その結果,学校の定期テストで点数をとって,順位が上がりたい。
順位があがると,小学校時代に私をいじめた同級生たちから,少しでも離れられ,彼らが受験できる学力レベルでない
高校に受かれば,堂々と彼らと離れられる。だから,どんなに苦しくても勉強しまくりたい。
という価値観でした。
なので,先生から宿題が出されなくても,自分で勝手に問題集は解くし,自分のペースで問題集は解きたいし,
自分で本屋に行って,自分の目的にあった問題集を選びたいので,
先生が宿題は出さない方が助かる。
先生は,「わかりやすい授業」さえしてくれればよかった。
授業内に問題演習中心でなく,「なぜ,このようになるのか?」「このAの事項はBの事項とこのようにつながる」など
教科書には載っていないけど,それを知ると,理解が深まり,それにより自分だけで問題が解けるようになる,
そういう「理解」中心の授業が好きでした。
だから,塾講師1年目は,「理解」を中心とし,授業内で問題演習,宿題は最低限にしていました。
しかし,生徒さんの反応はイマイチ・・・。
さらに,成績が落ちてくる子もいて・・・。
上司は
「問題演習しないとは何事か!
社会や英語なんか暗記科目なんだから,授業内で問題演習ばかりさせて,宿題もたくさん出して暗記させろ!」
と説教され・・。
でも,それは私の意志には反しました。
ただ,新人時代は,上司の意見は聞かなきゃ自分自身の能力は向上できない,と
上司の能力があるかないかも考えず,とりあえず上司という肩書きの人間には従わなきゃいけないかな?とも思っていました。
(ただ,それはこのシリーズ第二回,でその考えは間違いだと気がついたのですが・・)
なので,「問題ばかり解かせる授業」をしたこともありましたが,なんとなくむなしい・・。
でも,生徒さん自身は,
「社会は丸暗記するもので,問題演習して覚えるもので,
先生はその丸暗記をするためにゴロ合わせを教えたり,入試で出やすいのはどこか?を伝えるもの」と思っている子が,
私の新人時代は,上司のお気に入りの生徒さんたちでした。
実際には,そうでない生徒さん(「きちんとした理解を目的とした授業もしてほしい」と思う子)もいたそうなのですが,
上司の先生のご加護がない生徒だったので,何も言えず・・。
私自身が,それでも堂々として「理解する授業」をしていたら,その子たちも,私を信頼して話してくれたのでしょうが,
新人時代の私は,コロコロ意見が変わり自分の価値観以外認めない上司の意見に,右往左往して,
毎回の授業のやり方に一貫性がなかったので,生徒さん自身も私を信じていいのか分からなかったのだと思います。
新しく入塾した小5・中1の生徒さんは,私が彼らにとって,「初めての社会」の先生であったので,
新人時代に「理解を中心とした授業」を私がしても,「先生の授業は面白い」と言ってくれる生徒さんが多く,
そのまま,2年目に突入しても,私を一番信頼してくれる生徒さんや保護者の方もいらっしゃって,すごく嬉しかったです。
塾講師1年目というのは,
前に自分の担当科目の指導していた先生や,自分が入社する以前から教えている他教科の先生,の
勉強に対する姿勢が気にいって,その塾に通っている子も多いです。
その価値観が合っているか,そうでないか,は別として,
その子たちが,そういう価値観を持っていることを認識しないと,
生徒さんは新人の先生に不満を抱くのは確かです。
今,思うと,
「社会はト問題演習をして丸暗記をするもの」と思う生徒さんに対し,
「違う!」と彼らの考えを完全否定してしまうのではなく,
「なぜ,そのように思うの?」と彼らの考えを理解する姿勢を示しながら,
上手に「社会は理解するもの」と導けば良かった。お互い理解して,初めて新しい道がひらけるもの。
また,受験まで1年しかなかった受験生に対しては,問題演習での暗記も必要な部分は合ったと思います。
「理解」することに重きを置きすぎて,用語を覚えなければ,点数はとれないから・・。
これは,私の新人時代の「社会科」の失敗談です。
次は,勉強姿勢について。
成績向上・志望校合格はしたいけど,それを成し遂げるための「努力」をできるかどうか?
は,生徒さんそれぞれで違います。
私は,努力は惜しまない,むしろ,「努力」していないと不安になります。
でも,そうじゃない生徒さんもいます。
ある程度の努力以外はしたくない,もし,今以上の努力をしなければ受からない学校なら,違う学校に志望校変更する,
という生徒さんもいます。
そのような,「逃げ」の生徒さんに対し,完全否定してはいけないと思います。
よく,先生はそれをやりがちで,「やる気がたりない!」と怒って,生徒さんとの心の距離がだんだんと離れていってしまい・・。
生徒さん自身が,「自分の限界」をちゃんと理解しているなら,私は良いかと思います。
逆に,「ただ単に怖いから」という逃げ,なら,それは叱咤激励して,最初に志望していた学校に受かるよう努力しようと励まします。
受験勉強の一番の意義とは「自分の限界を知ること」
だと,私は思います。
このような言葉を使うと,「自分なんて・・」と自分を卑下することだと思う方もいらっしゃいますが,違います。
私が言う「限界」とは
「自分はどこまでいけるか?」というのを,自分ができる最大限までがんばってみた結果,知った「限界」のことです。
「自分なんてできない」と思っていても,努力を続けることで,いつのまにかその壁を乗り越えられている,こともあります。
自分の限界はそこではなかったのです。
逆に,「どんなにがんばったって,私は,あの域までは一生いけない」という「限界」を知ることもあります。
「努力を自分がどれだけできるか」というのも,人によって違います。
私の場合,高校も大学も当時,限界ギリギリで受かった学校です。
どちらも受験半年前までは,「受からないだろうな」と思っていた学校だったのですが,
死に物狂いで努力したら,いつのまにか,その域まで行けました。でも,それ以上は無理でした。
だから,「もっと努力したら・・」なんていう高望みはしず,
「受験勉強で自分の限界を知れて良かった!これで,どこまで努力していいか分かって,
身体や心を必要以上に無理させなくてよいな」と思えるようになりました。
自分の「努力」「限界」が,必ずしも生徒さんと一致するとは限らない,という認識で勉強・受験指導するのは
大切かな?と思います。
ではでは,こちらのブログが少しでも皆様のお役に立てれば幸いです。
注意:こちらはあくまで一例です。
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