社会科塾講師☆ブログ~しゃかりき!~

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ブラック塾業界シリーズ10 コマ給の落とし穴&最後に

2016年01月08日 09時41分28秒 | 塾について
毎日、たくさんのアクセスをありがとうございます。


ブラック塾業界シリーズ10です。

今回をもって、このシリーズは、終了です。
長らくありがとうございました。


前回、塾長との対立とむなしさ、「この塾長から学べるものはない」で、塾を辞めたお話をしました。


今回は、その塾の勤務条件についてお話します。


正社員として進学塾に勤めているときは、とんでもない量の時間外勤務(無料奉仕)で大変でしたが、時間給だったので、とりあえず、出勤さえすれば、交通費も書類上の勤務時間八時間分給料の給料はもらえました。


でも、最後にバイトとして勤めていた学習塾はどうか?というと、時間給でなくコマ給でした。つまり、一つの授業でその分の給料をもらう、形。
そのため、授業さえすれば、ぱっと報告書書いて帰れる、という利点はありますが、そこには大きな落とし穴が。
その塾が、常時10人以上の集団指導塾だったら、別にコマ給でも良いかもしれません。


でも、私の授業は、集団指導のクラスもあれば、個人指導のクラスもあるんです。
個人指導は、担当生徒さんが決まっていて、毎回担当生徒が違う、ということがないのは、わたしも気に入ってました。

しかし、塾長が私に任せてくれた個人指導の生徒さんは、私が担当する以前から、塾を休みがちの生徒さんがほとんど。

しかも、その日の授業が、その休みがちの生徒さんだけの授業のみであるうえ、毎回、授業時間になってもこないので、電話をかけると、気分によって、その生徒さんが来てくれたり、そうでなかったり。

私自身の努力が足りない、といえば、足りないとも言えますが、実際に働いてみると、努力だけでは、どうにもならないことを実感することもたくさんあります。



それで、もし、授業が突然休みになると、授業はしていないことで、コマ給は支払われません。もちろん、交通費も。


結局、一週間のうち、3日、その授業に行っても、支払われるのは、集団指導があった1日のみ、とか、でした。

毎回、「今回も、お金がもらえるかわからないために塾に行って、帰るだけ?」と思いながら、行くむなしさ。
また、別に家庭教師もしていて、その生徒さんが、この日に特別授業をしてほしい、と頼んでくれても、その塾のために断るんです。
お金にならないかもしれない塾のために、お金をもらえる機会を断る。

なにか、理不尽!と感じました。

確かに、お金のためだけに働いているわけじゃない。

でも、何千人の生徒さんを指導し、入試知識もかなり苦労して手に入れて、問題集もつくれるレベルの構成力を持っていて、それで、お金を稼げるかもしれないのに、ただただ、塾長の低い評価で、ほぼお金ナシの勤務は、努力する楽しみがなくなります。



それで、一度、「休んだとしても、突然の休みだったら、私達の給料は払えませんか?全額でなくてもかまわないので。」と言ったら、「いや、昔、授業をした、と偽って、お金をもらっていた人がいたので。」と塾長は返答。

「私が、そういう不正をする人に見えますか?」と聞いたら、「そうは思いませんが、昔…」と、またいつもの堂々巡り。
「塾長は、たった一人の不正をはたらいた人にばかりとらわれて、ほかの大勢のまじめな人を台無しにシているんですよ。」と言っても、「でも、昔…」と、また同じ事しか言わず。  

色々話し合った結果、生徒さん宅からの事前連絡ナシの突然のお休みになった場合、コマ給はナシですが、超少額の手当て金は出ることになりました。

 
この塾長は、前回お話した保護者さんとのお話同様、他人に一度も心を開いたことがなく、他人が怖くてしょうがない人なんだな、と思います。
それで、一度でも、自分に怖い思いをさせた相手、や、なにか、トラブルをおこした相手がいたら、他の人もみんなそうではないか?とこわくなっちゃうんでしょうね。 
確かに一定数、そういう相手はいます。
でも、大半は、特に、大人なら、そこまで相手を困らせないドライなお付き合いはできる人たちです。
そのような人たちと仲良くするにつれて、だんだんと、お互いの心を開くことになるのだから。
今回の塾長だけでなく、私が今まで出会ってきた三人の塾長は、みんな、「他人が怖くてしょうがない人」だと思います。
そのときの対処法が、数学至上主義上司は、年下にはに圧力を加え、上の人にはひたすら従うようになり、ナルシスト上司は言い訳をして常に自分を守り、今回の塾長は怖い相手の意見ばかりに従う、という態度になってしまったのでしょう。


根本にあるのは、みんな同じ、「他人への不信感、恐怖感」。

彼らは、一度も「無条件に自分を愛してもらった経験がない人」なのでは?もしくは、「たとえ愛してもらっても他人の愛情を感じ取れないタイプ、」のどちらかではないか?と思います。
親に愛してもらえると良いですが、そうでなくても、友達でも、先生でも、上司でも先輩でも後輩でも、恋人でも、ペットでも、誰でもいいから、「この人は、どんな状態の自分でも愛してくれる」と一瞬で感じられたら、人は人を信じることができます。


これって、とても難しいことです。
私も、娘を無条件で愛しているのは間違いないんですが、それをうまく娘に感じ取ってもらえているか?は、甚だ謎です。
でも、だからって、諦めたりしず、常にそれは心がけてがんばりたいなぁ、と思います。
娘が、「お母さんに愛してもらえるために、勉強がんばらなくちゃ」と、勉強を愛してもらう手段でなく、勉強そのものを楽しんでもらえる、そういう教育をしたいです。

もし、塾をひらいたときには、生徒さんにも、「この先生は、どんな自分でも存在を認めてくれる」、そういう安心感を感じてもらえるような先生になるようがんばりたいです。


ではでは、10回にわたり、ご覧頂き、ありがとうございました。



今回をもって、こちらのシリーズは終了させていただきます。


しばらくは、同人活動を再開するにあたり、途中経過を報告したり、単発的に、教育、受験についての記事を書きたいと思います。

ではでは、これからもよろしくお願いいたします。





「ブラック」塾業界8  入試知識がない?塾長

2016年01月06日 10時05分21秒 | 塾について
毎日、たくさんのアクセスをありがとうございます。


前回の続きで、ブラック塾業界シリーズ。

前回は、進学塾と学習塾の違いをお話しました。
今回は、正社員で働いた進学塾をやめて、学習塾でバイトを始めた私の話をしたいと思います。



その塾は、地域密着型の個人塾で、塾長以外は、みんな、バイトでした。
私のような、他の塾からの転職(バイトとしてですが)した人もいれば、学生バイト、もいたり。

実は、私はその塾で、大学時代、バイトをしてて、私が就職したあと、私の後任で、実母がバイトに入り、その実母の口利きで、バイトとして出戻りしてきた、という経緯がありました。


なので、実母と同じバイト先になり、実は不安でしたが、実際働いてみると、そうではありませんでした。
お互いの才能を認め、一番、やりやすい同僚という感じで。
実母は、情報分析が得意、で、私は、その分析をもとに文書や表をつくるのが得意です。
それで、いままで、その塾には、高校の学力偏差値がひとめでわかる資料がなかったので、私と母でつくったりしました。
内申点をもとに、公立と私立を一気に表にしたうえに、公立は、一群、二群、Aグループ、Bグループ(愛知県の公立入試制度)に分けて書いたので、どのように、志望校設定をしたらよいのか?ひとめでわかるようになってました。

先生用には、公立高校なら、内申重視、当日点重視なのか、内申&当日点のどちらも重視なし、なのか?もわかるようにしていました。


実母は、すごく私を頼りにしてくれ、高校入試においては実母の方がキャリアは上なんですが、私立中学入試においては、私のほうが詳しいので、そちらの仕事は私が中心となって動きました。


このように、実母とは、戦友として、お互いの力を発揮して充実した仕事をできましたが、いかんせん、塾長との間でトラブルがおき、私はそれで、塾をやめました。


辞めた理由は、ひとえにいってしまえば、「この人から、学べるものはない!」と思ったからです。


塾長は、英語専門で生きてきた人でした。そのため、おそらく、日本の大学入試を経験してないのでは?と疑ってしまうレベルの、入試知識でした。
「センター試験なんて簡単」と言うのです。
「でも、あなたの得意分野の英語だけ、センター試験の過去問解いたんですよね?普通、センターは、センター利用の私立でも、三教科はうけますよ。国公立なら、文系、理系、の科目、どちらも解きますよ。自分の苦手な教科も得意な教科もやらなきゃいけないので、ひとえにセンター簡単とは言えません」と返答しても、「でも英語は簡単よ」としか塾長から返ってこず、「いや、それはあなたの得意分野だから…」と、話が堂々巡りするばかり。




また、高校入試直前に、その塾長は、生徒さんに英語の授業で、教科書の本文を覚えさせてました。
私や母が、「英語の入試問題は、初見の英文を読むんだから、実際の過去問を解かせ、初見の英文を読みながら、どう正解をだすか?を教えてあげないと!」と言っても、「すべての単語を覚えれば大丈夫よ」としか言わず。
「いや、私立高校入試は、教科書外の単語もたくさん出ますけど。」と私たちがいくら言っても、「でも、教科書は大切よ」と、私たちの言葉を聞いたのかわからない返答。



また、私立中学受験についての知識も皆無で、小6になってから、突然、「私立中学受験したい」という生徒さんを入塾させたり。
私が、「私立中学入試は、特殊な学習が必要で、最低小5の春からでないと、間に合わないです!」と言ったら、「小5のときに一度断ったんです。でも、どうしても、と言われて。」と。
そして、私が詳しいから、カリキュラム設定とか頼んできて…。
しかも、なぜか、そのやりとりを、私がフランスに新婚旅行行っているときに。
事前に、この日からこの日はフランスなので、連絡できません、と伝えてあるのに、平気でメールしてきて。
おかげで、そのときの通信代はすごいことになるし。
何度も、「今は、フランスにいて、時差もあるから、帰ってからにしてください」とメールしても、ガン無視して、連絡してくるし…。
おかげで、頭の中で時差計算しながら、メールしましたよ。たとえ、私が真夜中にメールを受けても、相手には夜中にメールしないように、と。まあ、時差計算は、社会科講師にはお手のものですから(笑)。



でも、まあ、その程度なら、「世間知らず」とか「お互いの価値観の違い」などですみましたが、どうしても許せない出来事がおきました。

それはまた次回に。

「ブラック」塾業界7  進学塾と学習塾の違い

2016年01月05日 17時31分09秒 | 塾について
前回の続きで、「ブラック」塾業界のお話。


今までは、正社員として働いていた進学塾でのお話でした。
今回からは、その進学塾をやめて、バイトとして働いた学習塾、のお話です。

 
ひとえに、塾、と言っても、進学塾と学習塾では大きな違いがあり、生徒さんの傾向も違うのです。

進学塾の多くは、集団指導が中心で、受験を目的とした指導になります。そのため、ふだんの学校のテストに対する授業はしません。定期テスト対策をする進学塾もありますが、たいがいは、質疑応答を中心とし、1から10 まで手取り足取り教えてくれるわけではありません。
そして、入塾試験もあります。
目安としては、中学生なら、内申が、オール3以上の学力レベル、塾によっては、オール4以上になります。

そのため、塾講師としては、生徒さんは、ある程度、自分で学習する力はある、という前提で指導します。
宿題をしてこない子に対して、怒ったりはするものの、ほぼ自己責任として、それ以上のフォローをしないことが多いです。

また、地域密着型でなく、複数の学区から生徒さんが集まる形が多いので、保護者の方がある程度、収入があり、何かあるときは子供さんを送り迎えできる家族がいることを前提として、講座を設定してきますので、夏期講習や冬期講習では、莫大な数の講座を提示することもあります。テキスト代も膨大だったり。

テキストが多いのは、第一は、たくさん問題を解いて、学力を身につけてもらいたい、が目的ですが、もう一つ目的があります。

それは、入試後の「ズバリ的中!」を広告として出せるように、です。
あらゆる種類のテキストを生徒さんにやらせていれば、どこかは入試に出ますから。当の生徒さんは覚えてなくても、テキスト、という証拠はありますから。


…と、ここまで書くと、「進学塾ってあくどい!なんで、こんなところに、みんな、通うんだ?」と思われる方もいらっしゃるかもしれません。

でも、「先生に必要以上に干渉されたくないタイプの子」や、「情報がほしいタイプの子」、「学校での自分を知らない生徒さんが多い塾のほうが落ち着くタイプの子」には、進学塾のほうがよいのです。

多くの進学塾は、大手企業なので、日本中やその地域中の入試情報を手に入れているため、やはり、進学塾の情報は膨大ですので。




 
では、学習塾とはどういうところなんでしょうか?

学習塾は、主に、学校の定期テストでの学力向上も目的とするものがほとんど、です。
そのため、地域密着型も多く、また、先生も、進学塾と違い、すぐに辞める人も少ないので、先生との相性があえば、生徒さんには、勉強だけでなく心のオアシスになるものです。

ただ、先生によっては、まったくの受験のことを知らずに指導していたり、学生バイトさんが多いので、まだ様々な生徒さんがいることを把握しないままの指導をしてしまったり、も。
また、自分の専門教科外の指導もするため、先生によっては、あやしい指導をしたりも…。
なので、学習塾は、進学塾と違い、その塾によって、かなり特色や得意分野が違ってきます。


病院でたとえると、進学塾が総合病院、で、学習塾が地域の病院、という感じですかね?


…と前置きがながくなってしまいましたので、今回はここで終了。

進学塾も学習塾も、それぞれ良い点、悪い点があり、どちらがよいか?は、生徒さん次第です。
また、進学塾では良い先生が、学習塾では良いわけでもなく、先生も、それぞれの性格や得意分野で、どちらのほうが合うか?は決まります。


次回は、私が働いていた学習塾についてお話しますね。

「ブラック」塾業界6 仕事のしないナルシスト上司

2016年01月04日 12時37分26秒 | 塾について
ながらく更新がとまっていた、ブラック塾業界、のお話を再開したいなぁ、 と思います。


前回までは、数学至上主義上司の配下での校舎での、お話をしました。
今回からは、次の配属先の校舎でのお話をしたいと思います。


三年目の校舎の上司は、英語&国語の先生でした。
そのため、「社会なんか…」とは、馬鹿にしませんでした。


でも、その上司は、一言で言ってしまえば、「自信のない、小心者のナルシルト」な男性でした。
そのため、失敗が怖くてしょうがないため、逃げまくるくせに、それを隠すために、なんとかかっこいい理由をつけては、他の人に仕事を押し付け、自分は、瞑想中と称して、ずっと、机にかっこつけて座っている人でした。

数学至上主義上司と、全然仕事のできない先輩の下で二年間働いていたため、塾長の仕事以外は、たいがいの仕事はできた私は、机でぼーっとしている上司を無視して、他の人と力を合わせて、塾長じゃないとできない仕事以外のほとんどの仕事をこなしていました。
また、パソコン入力が異様に早いようで、IT部門の方にほめられたり、して、今までは、けなされていたことから一転して、色々とほめられるようになり、かなり、戸惑いました。


今までなら、数学至上主義上司は、「パソコン入力が早いとほめられたからって、いい気になったら、そこで成長はとまるから、自分はダメな人間だと思わないとだめだぞ!」と言われたでしょうね。
常にダメダメ言われ、ときたま、他の人にほめられても、それもダメダメ、と言われちゃ、人生まったく楽しくない、と、私は思います。数学至上主義上司は、その、つまんない人生を貫けばいいけれど、私を、その人生に巻き込むのはやめてほしい、と、今になって思います。


今回の上司は、ほめてはくれるし、他の人にほめられても、何も言わないし、気楽なものでした。
ただ、彼は、部下をほめる自分に酔っていただけで、正当に私を評価しているわけではないんだな、と、3ヶ月くらいで気がつきました。
後、本当に仕事しない!
仕事しないんです。

だから、いつも、時間がない!

それに、むかつきはしてましたが、私自身は、あの数学至上主義上司よりはマシとは思ってました。



そして、なによりもうれしかったのは、生徒さんたち。

私の「理解に重きを置く、社会科の授業」を歓迎してくれたこと。
この校舎の前の社会の先生が、説明下手の先生だったらしく、「わかりづらい」とよくクレームが入ったそうです。
でも、私の授業は、生徒さんたちにとって、「自分たちが求めていた授業!」だったらしく、一切、社会に関してはクレームがこなく、自家製のプリントを渡したら、皆に喜ばれて、と、とても幸せな一年でした。


生徒さんには慕われ、自分が正しいと思う仕事をでき、この一年は、塾講師をしていた中で一番充実した一年でした。


ただ、すべてが、順風満帆ではなかったですが。

生徒さんの受験不合格の責任を、上司が「セザールさんのせいで、あの子は落ちた」とか責任逃れをするから、さすがに、ブチキレした私は、その上司に本気で怒ったら、その上司は、私が怖くなって、わたしの顔色を伺うようになってしまいました。
ちょっと、その上司に恐怖を押しつけすぎた、と反省。
でも、私ごときに怖がる男性って…。今まで、年下の女性、ましてや、部下に、反乱をおこされたこと、ないのかねぇ。

その上司は、自分を良く見せたいために、生徒さんに私の悪口を言ったりしてましたが、生徒さんたちの方が大人だったみたいで、「あの先生は、でたらめばっか言ってる」と思ってたみたいです。全く他人の悪口を言わず、どんな生徒さんでも、怒ってもバカにはしない私のほうを、信じてくれる生徒さんも多く、助かりました。本当にありがとう!!



前の校舎の数学至上主義上司は、仕事のできる人ではありましたが、部下の能力を殺す、闇上司だった、と思います。

この後者の塾講師は、仕事はしないし、常に逃げ腰ではありましたが、愛嬌はあるし、部下の能力を伸ばしはできないけど、潰すこともしないので、私としては、その上司と、もう一回仕事をしたい、とは思いませんが、数学至上主義上司のように、今でも「憎む」ことはありません。上司でなく、友達、として出会っていたら、それなりに仲良くできたかな?と。


三年目でその塾をやめることは決めていたので、その校舎を最後に私は辞めました。

辞めることを告げたら、何人かの生徒さんが泣き出してしまい、びっくりしました。
泣いた生徒さんは、皆、他の先生からは馬鹿にされるタイプの生徒さんでした。
「先生だけが、先生だけが、僕をちゃんと評価してくれた!」と言ってくれた生徒さんも。
その生徒さんたちと別れるのは、本当に辛かったです。

でも、私は、子供がほしくなって、子供がほしいなら、その塾にいたら、無理、ということはわかっていた。
そして、少し、休みたかった。先の二年間は、本当に辛かったから。


それで、その塾はやめました。


今でも、最後のこの校舎での生徒さんは、夢に出てくるほど。みんな、元気かな?
もう、みんな、成人しているので、大きくなっているんでしょうね。
もしかしたら、子供がいてもおかしくない年齢の子もいるので、知らぬ間に、児童館で会っていたりして(笑)。


今回は以上です。

次回からは、次の就職先(バイト)である、学習塾のお話をしたいと思います。

「ブラック」塾業界5 「私のがんばったこと」

2015年11月27日 16時59分27秒 | 塾について
「ブラック」塾業界の体験談その5です。


今まで四回にかけて、数学至上主義の上司との対立を書きました。

これまでの書き方だと、私は、ただただ負けている、と思われたかもしれません。

確かに、実権のある上司を倒す、とか、言うこと聞かせる、ということはできませんでしたが、私なりに、色々工夫して自分のやりたいことをしてみたり、後になって、他の人にびっくりされたことなど、を書き、それで、数学至上主義上司のお話は終わりたいと思います。

では、今回、自分をほめてあげたい三点を挙げたいと思います。

その三点は…

1 自分の作った問題や参考プリントを作り続けたこと

2 後輩イジメの連鎖を断ち切ったこと

3 その上司の配下にいたときに辞めず、ちゃんと、いつ、辞めるか?を決めて、そこまで貫いたこと


の三点です。

ではでは、詳しく書きますね♪


1 自分で作成物を作り続けたこと


以前の記事で、その塾は、レギュラー授業に社会科の授業がなく、定期テスト前の二週間だけ、授業、という形でした。
そのため、他の教科と違い、テキストというものが存在せず、テスト前に解かせる問題集、しかも、あらゆる中学で出た過去問を再編成しただけの問題集だったため、問題を解かせながら解説して理解させる、覚えさせる、という系統の問題集でもありません。

これは、生徒の自主勉強用テスト直前の追い込みのときの授業用、という形。
実際に、他の教科では、そういう形で使ってました。


でも、社会は、レギュラー授業がないから、生徒さんと私の共通知識が何で、共通でないものは何か?もわからず、突然、解かせ、終わりなんです。
診察しずに、突然、薬だけ出す病院、みたいなものです。


でも、他の社会科の教師の中には、通常授業しなくてよいから、授業構成を考えなくて楽、授業中に生徒に問題を解かせて、質問に答えるだけで楽、と思っている人もいました。

でも、私はそれはイヤでした。

私は、生徒に、社会の楽しさを伝えたい!まじめに、正統な勉強をした上で点数を取る喜びを感じさせてあげたい!と思ってました。
でも、そんな、私を数学至上主義上司は軽蔑していました。


問題集もない、解説しようにもテキストもない。


それで、私がとった行動は、塾の問題集(定期テスト過去問集)をベースに、補助的に、覚えさせるための問題プリント、解説するための解説プリントを作りました。
当時は、小4の国語、小学生5、6年の私立中学受験用の社会、の授業をやりつつ、公立中の3学年をやっていたので、本当に寝る暇もありませんでした。
しかも、中学社会は、数学とは違い、学校ごとに、歴史、地理のどちらから始めてもいいうえに範囲もある程度自由に設定できました。
数校の中学から生徒さんは集まるので、ときには、一学年で三種類のプリント作成になることも…。

そして、渡したプリントは、生徒さんに概ね好評でした。
数学至上主義上司が好きで塾に通っていた中3の生徒さんを除けば、です。

しかし、中3の子が、少しでも私のプリントに対して不満を漏らしたら最期、上司は怒り狂います。

そして、「おまえなんか、が、プリントつくるな!そんなもん、何の役にたたん!」と。

どうしても、補助教材として、必要だ、と言うと、
「おまえなんか、でなく、ベテランの先生のプリントをもらえ!!」と。


もらえるもんなら、もらいますよ。

でも、社会科の先輩たちに聞いても、自主プリントはない、と言われました。

そこで、私は、考えました。

「上司は、一度も、私の作ったプリントを見ているわけではない。…、ならば、私が作った、ということにしなきゃいいじゃん!」と。


それで、ベテランの先生に、私のプリントを渡し、それを皆に活用できるよう、共有フォルダーに入れてもらいました。
そして、誰か作ったか?は、上司に言わず、ベテランの先生経由のプリント、と言ってみました。

そうしたら、上司は、「このプリント、素晴らしいな。」と言うんです。


そのとき、「この人って、生きた年数でしか人を評価できない人なんだなぁ」とつくづく思いました。

それからは、自分がつくったもの、と、ばれないよう、手書きプリントはやめ、オールパソコン、で、いかにも、社会のベテラン先生がつくったような装丁にしました。


実は、ひっそり、とある文字だけフォントを、塾の指定しているものと変えて、と、自己主張してみたり、はしてましたが(笑)。イラストも、どっかのイラスト集からとってきたようなフリして、全部、自分で描いたり。まさか、寝殿造まで、私が描いた、とは、誰も思うまい、と。

とりあえず、二年間は、それでやり過ごしました。


私という人物が作ったとわからなきゃ、上司は文句言わないから、私は、こっそり、プリント作りを楽しめました。



2 後輩いじめの連鎖を断ち切ったこと


数学至上主義上司は、とにかく、他人の人格や努力を常に否定する人でした。
文系の先生や、年下の先生なんて、人間と見なしませんでした。よっぽど、その上司に、うまく媚びを売る人や、その上司よりもベテランの先生でなければ。


それて、私が入る前も、どうも、上司によるストレスで、新人をいじめる先輩、が多いようでした。


私の場合、一人の先輩は私に優しくしてくれましたが、もう一人の先輩の、私への態度がきつかったです。

たまたま、生徒への挨拶で、先輩と声がかぶっただけで、「僕に対して失礼だ!」と怒り狂ったり。
以前の記事で書いたように、自分が遅刻しまくったせいで、鍵当番を外され、私が新人なのに鍵当番になったとき、たまたま、自分が早起きしただけなのに、それで、勝手に校舎に来て、開いてないから、私に怒り狂ったり。そのせいで、私は、出勤時間は2時からのはずなのに、朝の九時半には、校舎にいなきゃいけないハメになったんですよね。


他にも、その先輩には、色々とひどいことを言われました。

私は、ひたすら、耐え、でも、その人のように、イライラを他人、ましてや、後輩にはしたくないから、我慢しまくりました。

そして、後輩とは、仲良くできました。

一人の後輩さんには、「セザールさん、だけですよ。この校舎で、私を一人前の人間として接してくれるのは」と言ってくれた後輩さんも。



あの、いじめた先輩は、違う校舎に移ってから、数学至上主義上司の圧迫から解放されて精神状態が正常に戻ったようですが、そのときに、他の同僚に、「あのとき、セザールさんには悪いことしたなぁ。」とつぶやいたそうです。(人づてで、聞いた話なので、本当かはわからないですが。)
飲み会でも、妙になれなれしく話しかけてこられたときがあったので、びっくりしたことも。あのとき、謝りたかったのかなぁ。


でも、どんな理由があろうと、イライラを自分より弱い立場にある人にぶつけてはならないと思います。

今は、自分が圧迫されてないから、私にも優しく接することができるんでしょうが、また、同じように圧迫される状況下に陥ったら、どうせ、私をいじめるんでしょ?と私は、思ってしまって、一回ひどい目にあったら、その人には心を許すことはありません。表面的には仲良くしますが。

だって、私は、同じように圧迫されても、新人や後輩をいじめなかったんですからね。その分、身体的なダウンで入院するハメになりましたので、私の行動が良いかは不明ですが…。

(ただ、私は、イライラしても弱い立場にあるものをいじめない!という自負が、育児のときに揺らいでしまい、それが、強迫性障害を引き起こす要因の1つになってしまいますが…。イライラして、娘にキツく当たることがあり、それで落ち込み…、という形。)



3 数学至上主義上司の配下のときに、辞めなかったこと



私は、実父との確執のため、大学時代まで、男性嫌いでした。
「就職した塾でキャリアをつけて、いずれは、塾を開くんだ!結婚しないから、その分のお金を塾の開業資金にまわすんだ!」
と思ってました。

しかし、実際に塾で講師をしていると、自分は「お母さんの視点で物事考えられない」と感じました。

別にお母さん経験者なら、良い塾講師になれないわけではないんですが、人の価値観や行動力を理解して、初めて自分らしい教育論を述べられるタイプの私には、「お母さん」の気持ちを理解したくてしょうがなくなりました。


それで、「旦那はともかく、子供はほしい!」と思いました。


それから、2で話した、いじめ先輩が、他の同僚からもかなり嫌われていて、他の人は、みんな私をなぐさめるために、色々言ってくれるんですが、その中で、「だから、あの人は彼女ができないのよ」と言うなぐさめをしてくれる人がいました。


その人は、私をはげますつもりで言ったのでしょうが、私としては、「少しでも落ち度があるときに恋人がいないと、それも指摘されるのか。逆に、恋人がいれば、少し変なところがあっても、他人は、あの人も良いところがあるのだろう、と錯覚するかも?」と思いました。


それで、「人生で一度くらい、彼氏という存在がいてもいいよなー。」と思い、たまたま、友達が合コンするというので参加。そして、今の旦那に出会いました。

その頃に、過労で入院し、上司や先輩からは、「どんだけ迷惑かければ気が済むんだ!!謝れ!」という言葉。
それで、「ここで働いていたら、死ぬ」と本気で思いました。

でも、負けて退職なんて嫌だ。そういうプライドだけは、残っていました。
また、結婚退職、というのも、嫌だ!という気持ちもありました。

それで、あと一年は、続け、きちんと、受験生の子が入試を終え、正規の時期に退職しよう、と思いました。(その校舎を去るのが転勤か退職の違い、になる形)


それで、もう一年 頑張り、その塾を退職。
幸い、最後の一年は校舎が変わり、数学至上主義上司も、いじめ先輩とも離れられたので、それなりに、楽しい生活にはなりましたが、そこでも、上司とは対立しました。その上司は、無責任ナルシスト上司、だったのですが、まあ、それにつては後日お話しようかな、と思います。
最後の一年は、生徒さんとは、楽しく過ごせることが多く、幸せな一年ではありました。


それで、最後に、上層部の人に、ご挨拶に伺ったところ、「いやー、あの上司さん(数学至上主義上司)の校舎で、辞めなかった女性は、歴代で君だけだよ。」と言われました。
その方は、ほめ言葉でおっしゃったのだろうし、私も、それについては、それなりに誇りに思ってます。
「なんだかんだで、強いな、私」と。

ただ、1つ思うのは、その上司の下の女性は辞めるとわかっていて、私をそこにやったというのは、私を辞めさせる気、使い捨て、と思っていたんですよね?
という憶測をしてしまいますが…。
女性の人材の墓場なんですね、その校舎。でも、その上司は、右京さん(ドラマ「相棒」)とは違い、全然、正義感のかけらもありませんでしたが。(ドラマ「相棒」での舞台、特命係は、人材の墓場と呼ばれており、亀山さんが配属されるまでは、次々に辞めていった、という設定。)

私が、その数学至上主義上司の配下て、入院しつつも、他の人のように精神的におかしくなったり、逃げるような形で辞めたり、上司
を困らせようと、入試中に突然辞めるという生徒さんに対して失礼極まりない行為をしなかったのは、たぶん、ひとえに、「勉強」と「社会」を愛してやまず、また、自分の教育論には自信があったから、そして、なぜか当時、一途に私に惚れてくれた保護者さんと生徒さんたち(先生として、という意味)がいてくれたからです。あのときの、保護者さんと生徒さん、ありがとうございます。
今、みなさん、元気かなぁ?



今回は、以上です。

今回で、数学至上主義上司のことは一旦終了です。

次回は、二番目の配属先でのトラブルについて、お話しようと思います。

「ブラック」塾業界体験談4 「許せない、生徒指導と受験指導」

2015年11月23日 17時31分37秒 | 塾について
前回に引き続き、「ブラック」塾業界の体験談です。

前回三回に分けて、数学至上主義の上司との対立を書きました。
前回までは、その上司が、私に対して行った、許せないことを書きましたが、実は、それについては、「まあ、価値観の違いもあるし…」と許せる部分もありました。


しかし、どうしても、どんな理由があろうと、許せないことが2つあるんです。

それは、その上司が生徒さんにしたこと、言ったことです。


一つは、授業指導について。

授業を生徒全員に聞いてもらうには、どうすればいいか?という話が出たとき、その上司のお気に入りの講師が、「一人、生意気な生徒をつるし上げれば良い。そうすれば、みんな、自分もそうなりたくないから、大人しくなる。」ということを言って、その上司は大賛美!!!
しかも、そのつるし上げる生徒さんの例を出したのですが、「生意気だけど、絶対に反論を言わない子供」ばかりだったのです。

つまり、それって、先生のうさばらしに最適な子供ってことですよね?弱いと思っている人間をいじめる、そういうことですよね?
先生が、率先して、いじめをするってことになりますよね?



また、「恐怖」による生徒の締め付けは、結果的に、何も生み出しません。生み出すとしても、それは、負のものばかり。「気に入らなきゃ、他人に当たればよい」と多くの子供は思うでしょう。そして、先生に吊し上げられた生徒さんを、他の生徒さんも馬鹿にし、最悪、いじめや迫害につながります。


怒ることは大切です。

しかし、それは、あくまで、やってはいけない行為をしたことに対して怒るべきであり、特定の人物にナンクセをつけて攻撃するものではありません。


どうしても、それが私は許せませんでした。


もう一つは受験指導について。
その塾では、トップ校に合格者を出すと、その合格者の人数に応じて、特別ボーナスが出る仕組みになってました。
元々の目的は、トップ校合格までは、講師側も大変な努力が必要なため、その努力を最後まで諦めずにしてもらうため、なのでしょう。

しかし、私の勤めていた校舎の一人が、お金が大好きでしょうがない人で、一人でも多く、トップ校に受からせたいと思ってました。
そのとき、トップ校に受かる可能性にある生徒さんの何人かが、トップ校を受けずに、他の学校を受けることにしているときがあります。
私がその生徒さんと面談したとき、その生徒さんは、人間関係の問題や、家族が先祖代々昔から、○○校出身なので、学園祭に行って、気に入ったから、女子校、男子校は嫌で共学がよい、などの様々な理由で、そのトップ校を受けないことがあります。

本人たちが第一志望にしたところも、十分トップ校なところがほとんどなのですが、塾講師にボーナスが支払われる対象の学校ではないときが、問題がおきるのです。

でも、私は、その生徒さんたちの理由が最もだと思ったし、その生徒さんたち
の性格も考慮した上で、その生徒さんの希望した学校を受けることを同意し、それで面談は終わることもあります。

その生徒さんの多くは、人一倍、他人に気を使う子で、マイペースに勉強する、大人しい生徒さんでした。
私が同意したことで、ホッとした顔で生徒さんは、帰って行くときも。


しかし、講師室に戻ったら、あの上司と、お金大好き先輩が、プンプンに怒っていることが、ほとんど。

上司たちは、監視カメラで、私の面談を見ていて、それについて怒っていました。

彼らの言い分は、
「◎◎高校に、受かるレベルの子供が、わざわざ違うレベルのところを受けると言うのを同意するのは、先生のすべきことではない!!あの子供は、受かる自信がないから、そう言って、先生に、そんなことはないから、トップ校の◎◎校を受けろ!と後押しして欲しかったんだよ!彼(彼女)の幸せは、トップ校の◎◎に受かることなんだから!!」
と、怒るんです。

それで、私は、
「普通はそうです。
でも、あの子は、一番仲のよかった、年上の、ある人が、◎◎校に落ちた。だから、その人との仲を壊したくないから、◎◎校じゃなく、○○校にしたんです。あの子が調子悪いときは、○○校の合格レベルの偏差値より下回ることだってありますので、べつに○○校に入っても、その子の学力レベルに大きさ差はないはずです。」
など、とその都度、反論。実際に、偏差値としては、3から5くらいの違いです。


しかし、上司は怒り狂います。
「その落ちた人だって、自分の成し遂げられないことをしてもらいたいはずだ!!お前は、なんて、ダメな講師なんだ!!」

の一点張り!!


共学校でないとイヤだ、という生徒には、「どうせ恋愛したいんだろ!高校生までは恋愛したら、将来のためにならん!」とか。

ただ、先祖代々の理由は、上司はスルー。
年上の人、とくに、親にはひたすら従うのが素晴らしい子供、と思いこんでいる人でしたから。


お金大好き先輩は、ただただ、お金のもらえる学校をその生徒に受けてほしい、という、気持ちだったのでしょう。

なので、その先輩だけなら、「その子の気持ちを尊重した受験をしたら、その子が他の生徒さんたちに、この塾はいいよ!と言ってくれて、塾生が来年増えるかも?そうしたら、そちらの方でボーナス出るから、そちらにしませんか?」と、持ちかけることもできたでしょう。

しかし、上司は違います。
「トップ校に入れなきゃ、人生まっくら」
「数学できなきゃ、人ではない」
「学力さえよければ、皆、自分を愛してくれる」

と信じて疑わない人です。

これが正しいと信じている人に何を言っても通じない。
  

結局、上司は「おまえなんかに、あの子の面談をさせたのが、そもそもの間違いだった!!明日、オレがもう一度、面談やりなおす!」
と強行手段に出ました。

 

上司との面談の際、その子たちや保護者の方は、「先生が、そこまでオススメするのなら、私、そこを受けます」と言い、受験することがほとんど。

その子たちの中には、自分の気持ちより他人の気持ちを優先する子もいます。
その子が、初めて、自分の気持ちを優先させた受験校選択が、いとも簡単に、上司につぶされてしまったのです。



そして、受験の結果。

受かる子供もいれば、落ちる子供もいる。

しかし、落ちた子供に対して、上司が言った言葉がどうしても許せないんです。





自分のすすめた学校に落ちてしまった生徒さんたちに対して、上司は反省したり、落ち込んだりするかと思ったら、なんと、受験結果を伝えに来た、その生徒に、なんと説教をすることもあったのです!!

たとえば、
「おまえには、やる気が足りなかった!ほら、一緒に◎◎校を受験して受かった、Aくんを考えろ!彼は、どんなときでも挫けず、ずっと前しか見ずに進んだだろう!お前も、Aくんのように、ならなきゃいけない!」と。
さすがに、言い方は、優しめでしたが…。

また、社会が苦手な子供のときは、「社会の先生のせいだ」と、私の落ち度にしているときも…。


落ちて、泣いてしまいまった生徒さんに対し、
「そうやって、泣くから、落ちるんだよ。もう、二度と泣かずに、がんばりなさい。」
と。

多くの、その子は、「わかりました」と、その場をおさめることを優先して、「大変お世話になったのに、先生のご希望に添えなくて、すみませんでした」と言って去っていきました。



私は、その瞬間、すぐに、その子たちに駆け寄ればよかった。「あなたのことを守ってあげられなくてごめん」とか「あなたの最初の決断は間違ってなかったの。人のために無理して受験したから落ちたの。悪いのは、アナタでなく、アナタの気持ちを無視した上司!!
もう、あなたは、自分の決断を信じて!たとえ、その決断を、他人が違う!と言ってきても!」と言えばよかった。


でも、そのころには、あの上司にたてついたら、また、終電逃しの説教!もう寝ていたい…疲れ切っていた私…。
いまでも、その子に対しては、申し訳ない気持ちでいっぱい です。

その子たちは、もう大人になっですが、どうか、自分に自信のない大人になっていないことを願うばかりです。


私の面談が合っていたかは、わかりません。

しかし、少なくとも、上司の、あの生徒さんたちが落ちたときに言った言葉は、明らかにいけないものたと思います。



生徒さんは、受験だけが人生ではありません。
人間関係は、永遠に続くし、受験でこじれたくない人間関係だってあります。

私も、実は高校受験のとき、もう一つ、上の偏差値の高校を受けることは可能ではありました。でも、その高校を志望している人の中に、小学生のときのいじめの裏をひいていた人物、そして、裏切った、元親友だった人間がいました。
なので、もうあの人たちとは関わりたくないので、違う高校を受験しました。

結果的に、その高校で出会った友人たちは、今でも仲良しだし、大学も、その高校では、学力レベルがその高校内で真ん中よりは上位にいる人くらいのレベルの大学だったので、べつに、とくに、大学選びでは苦労しませんでした。


だから、何も、学力が一番上の学校に行けば幸せとは限らないな、と思います。



今回は以上です。



「ブラック」塾業界体験談3  「数学と社会の違い」

2015年11月20日 19時24分26秒 | 塾について
毎日、たくさんのアクセスありがとうございます。

前回の、もしかして「ブラック」だったかも?シリーズで、数学講師の上司との対立を書きましたが、今回は、その続きをば。


私が入った塾は、元々、社会科軽視の傾向はあるところでしたが、さらに、私が配属された校舎の上司は、社会科軽視どころか蔑視で、それで二年間すごく苦しかったです。


数学という科目は、私自身は好きです。
内容によって出来るムラがあるため、理系に進むのは止めましたが、分野によっては、かなり得意だったりします。
現に、家庭教師や塾バイトでは、数学も教えていましたが、他の科目と比べて抜群に大変だ、ということはありませんでした。どの科目も、大変なところ、難しいところがあります。

また、実父は大学の専攻が数学で、実母は大学の専攻は英文学、でしたが、数学専攻者の実父より実母が劣っているとは、思えません。

数学という科目は、私も好きだし、教える難しさ、も知っていますが、今回は、数学信仰者の上司の言った社会科についての言葉に反論したことを書きたいと思います。


1 「社会科なんて暗記科目」
→数学よりは、暗記すべき用語は多いとは、思います。
しかし、数学だって、公式を覚えない限り、解けないですよね?その際に、公式を理解しないと覚えられないですよね?
社会だって、一緒です。理解してなきゃ覚えられないのです。
だから、ちゃんと、理解させるために授業をレギュラーでさせてください。


2 「家に帰ったら寝るだけだろ!」

新人は、使うテキストを事前勉強しなきゃいけないので、家に帰ったら、ひたすら勉強です。
また、数学は、「解き方」を教えるのが中心ですが、社会は、どのように話をもっていくか?で、かなり授業の雰囲気がかわります。
数学は数学の授業計画の大変さがあるのはわかってますが、社会がとりわけ、数学より簡単に授業を行えるわけではありません。

3 「ダジャレとか言って、場をもりあげろ!」

あなたは、ほとんど、お笑い番組や、アニメや漫画、ドラマを見ない人でしたよね?それで、笑いの本質を知っているのですか?
ダジャレは、うまくツボにハマれば笑いはとれますが、ダジャレで社会の面白さの本質は生徒に伝わりません。


5 「定期テストは、過去の問題を解かせて、覚えさせれば良い」

数学のように、形式された問題が他教科に比べて多い科目なら、それも良いでしょう。
しかし、社会は、パターンも様々で、ちゃんと用語を理解していれば解けるのに、問題形式とその答えの丸暗記では、高得点取れません。
また、数学は一年経っても二年経ってもかわらない科目ですが、社会の時事問題は違います。毎年、変わります!!

4 「数学できなきゃ、入試は成功しない」

→高校受験なら、5教科の合計で決まります。つまり、数学は、他の科目同様、全体の五分の一、の配分です。また、文系科目が3つなので、理系科目より文系科目で点数取ったほうが、合計は高くなりますよね?

中学受験だと、文系、理系科目の割合は半々なので、多少、算数は大切な割合が高くはなるでしょう。でも、入試半年前に算数ができない子は、たぶん、算数は苦手なままなので、その時期は算数にやっきにならないで、社会などで点数とらせるように生徒を、「算数できなきゃ人ではない」の呪縛からといてくれませんか?



今回は、以上です。

算数、数学の教師の方々が悪いと言っているわけではないです。
ただ、あのとき、数学至上主義の上司と対立していたけれど、どうしても、自分に自信がないために、言葉にできなかったことを、今更ながらですが、ここで述べさせて頂きました。


さすがに、ずっと、数学至上主義の上司に関してのことばかりなので、あと一回、その上司のことをお話して、その上司のことは終わろう、と思います。


注意 すべての塾、数学講師を悪く言っているわけではありません。

「ブラック」塾業界体験談2 「社会科迫害する上司」

2015年11月17日 18時23分10秒 | 塾について
今思うと、この塾&社員は「ブラック」だったかも?シリーズ第二弾です。
 
前回は、労働賃金と労働時間のお話をしました。
今回も、同じ塾&上司、で、「あれ?今から思うとおかしいよね」と思うことを書きたいと思います。


私が新卒として入ったとき、その塾では、中学生の授業で社会科がありませんでした。(入社してから、その事実が判明。)
その理由は、「社会は、暗記科目で、定期テスト前に重点的に勉強させた方が良い」とのことでした。


この理由、わからなくはないんです。
実際に、私が中学生のとき、自主勉強では、ふだんは、数学と英語、国語の予習、復習をし、テスト前一週間前までは、この三教科を勉強、そして、テスト週間になって、理科と社会の勉強にとりかかってたから。
確かに、予習しないと、なかなか成績のあがらない、数学、英語、国語に時間を割くのは大切なんです。


しかし、その前提にあるのは、数学、英語、国語の3教科をテスト週間前に、ほぼ勉強を終わらせて、基本問題は確実に解けるようにしておくことです。

しかし、その塾は、「社会はテスト前に集中的に勉強するもの」ということだけが一人歩きし、その前提は忘れられていました。


そのため、結局、「数学以外は勉強するに値しない科目」だと思っている上司は、テスト週間になっても、「数学がまだ出来ていない生徒がいるから、社会の授業する時間も数学の時間にする!」と強制的に、社会の時間を奪いました。


それなのに、生徒、とくに、数学が得意な生徒とか、先生のお気に入りの生徒が、「今回、社会ができなかった」なんて、つぶやいたものなら、その瞬間から、上司の、終電のがしの説教が始まり、しまいには、「おまえのせいで、社会ができなくて、それで、その生徒が他の塾にうつったら、おまえの責任だ!」と、また、新人の私を殺しにかかる言葉を浴びせるのです。

でも、少ない授業数で、説明していたら足りないし、かといって、問題演習だけなら、私という人間がいなくても成り立つわけで。
上司の言い分はともかく、社会科講師として、せめて、「社会を勉強してよかった」と生徒に思ってもらいたい、という想いがあり、なんとか、できないか?を考えました。

しかし、他の教科は通常授業もあるため、ポイントをまとめてあるテキストはありましたが、社会科はそれがなく、ただただ、いろんな中学で出題された定期テストの過去問集しかありませんでした。
コピーするにも、その校舎では20部以上刷れない制度だったため、コピーにも限界がありました。(大量コピーは、本部に行かないといけなく、しかも、本部にコピーに行くのは勤務時間外じゃないといけなくて、前回述べたように、私は、勤務時間の四時間前の10時には行かなきゃいけなかったので、本部の開いている時間にはなかなか行けないのです。しかも、コピー機も少ないため、並ばなきゃいけません。)
また、コンビニのコピー機などだと、外部に情報が漏れる恐れがあるから、できません。市販の参考書も、コピーして何百人に配るのは、法律上どうか?と思い、できません。

このような状況下、どうしたかというと、とりあえず、自分でまとめノートをつくり、それを、家の複合機で印刷し、それを使って、説明し、よく出る問題を解かす、という形にしました。

それで、ほとんどの生徒さんは、なんとか満足してくれました。
しかし、一部、数学の上司の信奉者の生徒さんが、「社会科は覚える科目なのに、あの先生、覚えさせてくれないの。説明ばっか!」と上司に言うものだから、もう、また終電のがしの説教!

さすがに、睡眠を確保したいし、毎日のように説教は辛いので、まとめノートをやめ、上司の喜ぶような、用語暗記プリントを作ることにしました。

たとえば、「次の宗派を開いた人物を書け」、で、その後、逆バージョンで「次の人物が開いた宗派を書け」など。
それで、生徒さんからのクレームも減り、上司の説教は相変わらず減りはしませんでしたが、とりあえず、「おまえのせいで…」という言葉は若干減りました。


でも、自分の睡眠の確保のために、自分が嫌う、「丸暗記」の社会、をしなきゃいけないのが、悔しくて悔しくて。
でも、どうしても、四時間の睡眠は欲しかった…。終電で帰りたかった。夜道を歩くのは嫌だった自分がいました。



幸いなことに、その数学信奉者の子は、中3の子ばかりだったので、次の年からは、「丸暗記」でなく「理解」を中心とした社会科の授業ができるようになりました。今から思うと、あのときの中2の子たちには、すごく感謝です。



また、今、このブログで連載中の「歴史模擬授業」や、同人誌「世界史日本史魔法少女ヒストリーナ」は、その新人時代のうらみつらみを発散したような作品になってます。
「私がやりたかったのは、こんな社会の授業だ!」という主張がしたくてしょうがないんです。


今、思うと、あの数学の上司は、良いところもあったとは思いますが、その良いところさえ嫌悪感を抱くほど、私はすべてを否定されたので、どうしても許せないんですよね。
次回は、今回の内容の続きで、社会科プリントでおきた問題、です。


ご注意  これはあくまで、私の体験した塾のお話で、すべての塾に当てはまるわけではありません。

「ブラック」塾業界体験談1  勤務時間

2015年11月10日 19時02分18秒 | 塾について
さて、不定期で、私の塾講師時代のお話を書いていこうかな?と思います。

本来は、パソコン上で、と思ったのですが、なかなかパソコンを開けない日が多いもので。

時系列を中心とした、私の約10年の塾講師時代の思い出は、パソコンを定期的に開くことができるようになったら書く予定で、スマホでアップするのは、塾講師をしていて、今考えると、「ブラック」だったかも?あの講師が言っていたことはおかしかったかも?と思えることを色々と、不定期に書いていこうと思います。


第一回目は、「賃金」のこと。


正社員として働いていた塾のことです。

勤務時間は、昼の2時から夜の10時まで、でした。

残業代は出るところでしたが、入社1~2年目の上司は、夜11時を過ぎると、先にタイムカードを強制的に押させ、そのあとも、深夜12時過ぎまで仕事させました。

上司曰わく、「夜中まで仕事をしていると、社長が心配されるので、社長に余計な心配をかけないように」とのことでした。
これは、本気でその上司は思っていました。
彼からすると、社長は神様で、その他の人はどうでもよく、部下は、人間ではありませんでした。

でも、それでも部下である私たちが従わざるおえなかったのは、タイムカードを押してでも、残業しなければ、通常業務ができなかったからです。
ただ働きさせられる方が、残業禁止されることの方より、よっぽど深刻だったから。
それだけ、慢性的な人手不足だったのです。

また、夜中まで働いているから、朝は遅くても大丈夫、ということにはなりません。

昼2時からの勤務となっていますが、私の働いている校舎は、遅くても昼の12時には校舎に入ってなきゃいけなく、こちらは、常にただ働きです。残業代はあるけど、早期出勤代はないですから。
また、わたしは、新人だったにもかかわらず、鍵の係の先輩が、毎回寝坊するから、という理由で、私が鍵係りで、その寝坊先輩が、がんばって起きたのに鍵が開いてなかった(注意:午前11時という、出勤義務時間の三時間前で、とくに、事前に早く出勤するという連絡もナシ)ことがあり、それで、かなり叱られ、上司にも「万が一、生徒さんの保護者の方が来られて、開いてなかったために、他の塾にうつったら、おまえのせいだ!」と説教され、もう、それが怖くては、わたしは、いつも、朝の9時半出勤(昼の2時まではただ働き)、夜は、上司の機嫌次第で、残業一時間の夜11時退社、通常は12時半退社、ひどいときは夜中の1時半退社、でした。
私の帰る交通機関の終電は11時半だったので、大半は終電を逃し、かといって、車通勤は禁止だったので、自転車で行き帰り、だめなときは、真夜中に何時間もかけて歩いて帰りました。

途中で、怖い人に会ったときは、能楽の謡い(お経みたいに聞こえる歌い方をするもの)を謡いながら、おかしい人のフリをしながら帰りました。または、幽霊のフリをしながら歩いたり。
とにかく、夜中でも車の通りがあるところだったので助かりました。


結局、それ以外の心労もたたり、かなりの無理な労働条件だったため、入社二年目の冬に、突然、地下鉄のトイレの前で倒れて、過労で入院しました。
そのときに、上司に連絡したときの最初の言葉が、「迷惑をどれだけかければいいんだ、おまえは!」というような内容でした。
それで、私は、もうこの塾に一生を捧げるのはやめよう、とやっと、決意できました。

どうして、過労で入院するまで、このような悪条件でも勤務を続けたか?というと、ひとえに、「生徒さんと、その保護者の方々のため」という呪文に縛られていたから。

「生徒さんだって、志望校合格のために、遊ぶのを我慢してがんばってるんだから…」とか、「まだ新人なんだから、寝る間も惜しんでがんばらないと、良い先生にはなれない!」と、うう、呪いの呪文にとらわれていました。

この2つ、一見正しいんです。言葉だけとれば、正しいです。

でも、条件付きなんです!
生徒さんは、受験期の一年のみの我慢でがんばる、長いスパンで見ても大学受験期まで、というので、期間は限定される。
新人なんだから、寝る間も惜しんで、教材研究や教育研究、なら良いんです。その時間に、上司の論理の破綻した説教をうけたり、まったくもって事務のできない先輩のかわりに事務の中心をせおってやる、というのは、新人の時間に含まれません。事務ができず、遅刻もし、保護者間でトラブルをおこしまくった先輩と一緒に私まで上司に説教されるきっかけをつくる先輩と、同等の賃金である、のは、今になるとおかしいな、と思います。
発達障害、精神障害に詳しくなった今になって、思えば、説教上司は…、あの先輩は…、と予測でき、私もその人とうまく仕事ができた、と思います。

でも、当時は、そうでなかった。


また、もう少し考えれば、一番の優先順位って、「塾講師が正常な判断ができる状態に保って授業と受験指導ができる」ことだと思います。それには、適度な休息と、自尊心、が必要で、朝から晩まで働かせ、常に自尊心を奪うような暴言を浴びせられ続けたら、どんな講師だってダメになってしまいます。

私は、まだ、身体のほうに支障がきたから良かったけど、精神的に疲れた人もいて、あるとき、突然、家から出られなくなった人もいたのです。

今、考えれば、すっごく、ブラックだった上司と先輩。

私が唯一恵まれてたのは、同じ校舎で同期入社だった(実際には、相手の方が年上で、中途入社だった人)と仲良く話せたこと、社会科の先生とは全然トラブルなく、むしろ、社会科の先輩たちは、私の力を評価してくれたことでした。
それがなければ、わたしは、たぶん、うつ病になってたかもしれないです。



今回は以上です。

今は、塾業界も、ここまで、ブラックじゃないと思います、というか、思いたいです。


注意:こちらは、私が体験した塾のことであるうえに、担当校舎次第で、内容が異なりますので、塾そのものが、どこもかしこも悪いわけではありません。

「塾講師になって覆った価値観」シリーズ 第5回「愛情表現の違い~親子の関係~」

2014年03月05日 07時25分36秒 | 塾について

「塾講師や家庭教師になったあとで自分の価値観が絶対じゃないんだ!と痛感したこと」シリーズ第5弾です

 

自分の価値観や生き方以外を認めない講師(教師)もいます。

時にはそのような塾講師(教師)が生徒からはかっこよく見えることもあるのですが,

それはその生徒の価値観とその塾講師(教師)の価値観が似ているときだけで,

それでないと,その塾講師に生徒は押しつぶされることもあります。

 

私も大学生のときの塾講師バイトとときや,塾講師(正社員)1年目は,

自分の価値観を押し付けてしまって,それにより生徒さんと溝ができてしまったことがありました。

 

生徒さんには,いろんな家庭事情・価値観があります。

それを理解したうえで,授業・生徒対応をするのが大切だと思います。

 

 

第5回は,「生徒さんの家庭環境」です。

 ーーーーーーーーーー

「塾講師になって覆った価値観」シリーズ

第5回 「生徒さんの家庭環境」

 

今回は,親子の関係のお話です。

 

私の家庭環境は,一般的に多いタイプではありません。

まず,実父は婿養子として実母の実家に入りました。

さらに,実父は,子供たちである私と弟には全く関心がなく,

私たちがどのようにアプローチしても,父は私たちへの反応にただただ困るだけ・・。

他人は,「婿養子だから遠慮しているのよ。」と,「婿養子擁護派が多く・・。

大学くらいまでは,「女だったら,入った家庭になじめるよう努力しろ,と世間は言うのに,

男だったら,入った家庭になじめないのは妻や妻の親や,子供のせい,と世間は見なす。

なんて男尊女卑だ。」と思い,今の旦那に出会うまで,ずっと男性不信で,

自分は結婚する気は大学時代までは全然ありませんでした。

小2くらいのときに私は「父に愛されること」をあきらめました。それですっごく楽になりました。

(詳しいことは,育児ブログhttp://ameblo.jp/cesar01/の方で書いています。)

 

私は,

「親だから,どんな親でも子供を愛している」という意見がすっごく嫌で,

考えるだけでおぞましいです。

さらに

「子供は親の言うことを聞くのが一番大切。」

「自分をこの世に送り出してくれた親には感謝しなさい」

 

という言葉も大嫌いです

 

 

塾講師の教師の中では,

「親は絶対」な人もいました。

でも,実際には,そういうことを言う人の多くは,「親」とほぼ絶縁状態だったり,仲が悪く,

また,お話を聞いていると,

「この人は親に愛されたことはないんだろうな。」と感じることもありました。

その人たちが唯一愛される方法は,「良い学校に受かる」ことだった人もいました。

親と仲が良いと,意外と親の悪口を言ったりもしますものね。

 

彼らにとって,「難関校合格」は「親に愛される唯一の手段」だった。

そのような先生は,生徒さんに,「学歴重視」の指導をします。

少しでも,努力を怠ったり,成績が下がると,彼らは生徒に怒ります。

なぜなら,彼らにとって親とのコミュニケーションは「怒られること」であったから。

彼らにとっては,「怒る」ことが「愛情の証」なんでしょう。

(もちろん,全員がそうではありません。親に愛されている子でも「親は絶対」と思っている子もいます。)

 

でも,生徒さんは?

みんな,「怒られる」ことで「愛情」を感じとるわけではないのです。

 

 

私の場合,「実父」にはまったくもって愛されなかったですが,

「実母」と「実母の親(祖父母)」には,たくさんの愛情を注いでもらいました。

「私という存在を認めたうえでの,将来を考えたために叱られる」ことや,

親の機嫌次第で怒られることもありました。理不尽だな,と思うこともありました。

でも,「愛情」は感じられました。

私のお話は聞いてくれるし,私がいじめられたときも,私を責めたり蔑んだりしず,

ただただ,「これからどうしようか?」と一緒に考え,私を母は守ってくれた。

 

だから,私にとっての愛情の証は,「その子の存在を認めること」です。

勉強ができようが,怠け者だろうが,それが良いか悪いかは別として,

その現状が,その子,なんだと思うことです。

 

生徒対応では,それを徹底して行いました。

 

そのためか,よく先生や同級生たちに低い評価をされたり蔑まれている生徒さんが,

私にだけ懐いてくれることもありました。

 

また,私自身は当時知らなかったのですが,

あまり世間に公表したくない家庭の事情のある生徒さんや保護者の方から,

卒業時に,「ありがとうございます。」と言われたことも・・。

 

 

また,逆に,「怒る」ことを「愛情」の証,と思っている生徒さんや,

「勉強ができること」で「家族に自分に関心をもってほしい」と思っている生徒さん,には

私はとても頼りなく,いらない先生だったようです。

 

よく,「あの先生は,ダメ」と陰口叩かれたり・・。

嫌みな態度をとられたり。

 

でも,今思うと,悪口を言うのは,彼らにとっては愛情の裏返しだったかもしれません

 

 

「愛情」を持って,育てられたかどうかが,良い悪い,は別として,

教師が,その生徒さんがどういう風に家族と暮らしているのか,を感じとることで,

その後の指導は違います。

 

私は彼らが,「怒る」ことを望んでも,必要以上の「怒り」はしたくない。

でも,「絶対に彼らがどんな態度をとろうが身捨てない」という姿勢を貫き,

どんな生徒さんでも,「愛し貫く」努力を続けたいと思っております。

実際に,半年以上接していると,知らぬ間に「愛せて」いるんですよね,不思議・・。

 

 

あと,私の場合は

親が私を愛さないなら,私もその親を愛さなくてもよい

と本気で思っています。

 

その親に暴力をふるったり,殺したりしなければ良く,精神的には距離をおいてもよいかな?と。

 

でも,そうでない人もいます。

「どんなにひどい親でも,自分をこの世に誕生させてくれた人たちなんだから感謝しなきゃ。」と思う人も。

 

それはどちらでも良いと思います。自分が生きる上で,一番楽な考えを選べばよいでしょう。

 

ただ,私は「父を愛せない」ので,「父を愛すること・敬うこと・感謝すること」を他人は押し付けないでほしい,のは確かです。

私がアメリカドラマを好きなのは,この考えがあるのが一番の原因です。

 

「ER~緊急救命室~」でも「LAW&ORDER」シリーズ(とくにSVU)は,

自分勝手な親に対し,子供は親を精神的に見離しています。

それが当たり前かのよう。

 

でも,一度こじれても,子供との中を修復しようとした親とは,色々衝突はあるものの,子供(大人になった子供)はそれに応えます。

 

親が「子供に対して努力」することが第一で,

「親が努力を放棄していても子供は親を愛せ」と子供の方に努力を押しつけません。

 

そこが,私はすごく好きで,自分の考えを正当化してもらった気がします。

 

また「ホワイトカラー」でも,「親は自分を知るツール」だと言ってました。

そうなんです,「親は感謝」するものでなく,「自分を生かしたもの」なのです。

その親が,自分にとって良い親は悪い親か,で,自分の生き方は変わります。だから,親は「自分を知るツール」なんです。

また,遺伝もあるので,「親」を知ることは「自分」を知ることです。

 

 

 

生徒さんの指導で,「親子の関係」はすごくデリケートな問題で,

簡単に先生が入り込んでいいものではありません。

ただ,自分の「親子関係」だけが絶対的なものではないことを認識し,

自分の何気ない意見で生徒さんを傷つけないように努力するのは大切かな?と思います。

 

 

注意:こちらはあくまで一例です。

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