社会科塾講師☆ブログ~しゃかりき!~

元社会科塾講師が勉強方法や社会科について
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歴史模擬授業も展開中♪

「歴史好き」なのに,歴史で点数が取れない子がいるのはなぜか?

2011年06月29日 10時41分07秒 | 社会の先生として・・

事前予約で書いた記事です。

 

ーーーーーーーーーーーー

 

私は歴史が好きです。

 

 

 

この趣味は公言しているの

 

ときどきこういう質問をされることがあります。

 

たとえば,

 

「どの人物が好き?」とか

 

「歴史の地の巡礼とかするの?」など・・。

 

 

 

また,私と同じく,歴史好き!と言う方の中には,

 

「◎◎っていう人物はね,すごいんだよ!」など,歴史人物の良い部分を話したり,

 

さらに,

 

「あれ?これって史実に基づいたことなの?この人はこうであってほしい,という願望が入ってない?」

 

という内容のものもあったりします。(全員ではありませんが・・)

 

 

 

たしかに,私も好きな歴史人物はいます。

 

ナポレオンや徳川家康,大久保利通は好きだし,

 

古戦場跡や城,とくに寺社仏閣をまわるのは好きです。

 

 

 

でも,それはあくまで,学ぶところがたくさんある人物という意味で,

 

生年月日とか異性関係などはあまり知りません。(ナポレオンは別ですが・・)

 

歴史の場所をまわるのも,3Dで歴史を感じることで,当時はどのような動きがあったのか,

 

ということを知ることができるので。とくに,鎌倉の地形などは行ってみないとわからなかったり。

 

 

 

でも,なぜ「歴史が好き」と言っているのに,

 

「一部の歴史に特化する人がいるんだろう?」という疑問がありました。

 

 

 

それが良いか悪いかは別として

 

私は「歴史」そのものが好きで,

 

歴史人物もその人のありのままを受け入れ理解するようなタイプです。

 

一時期は,一部の時代・人物にハマろうとがんばったのですが,

 

どうも興奮状態までいかなくて・・。

 

 

 

これはどういう歴史好きがが良い悪いとかではなく,

 

(むしろ,少しでも歴史関係の話ができる人が増えるのは大歓迎。

 

人によって好きなものへのアプローチは違うのだから)

 

「ん?私は,この方々とは違うかも?」と感じたことが大切でした。

 

 

 

そして,何より,

 

「私は歴史すき!」と言っているのに,

 

歴史で点数が取れる生徒と取れない生徒がどうしているのかな?

 

という疑問がやっとわかってうれしかった!

 

ということを言いたいためにこの記事を書きました。

 

 

 

男・女にかかわらず,

 

歴史好きと明言しているのに点数がとれない生徒は,

 

もしかしたら,1つの歴史人物や特定の時代のみしか勉強しておらず,

 

さらには,「こうであってほしい」という妄想が入っているのかも?と。

 

(注意:歴史好き=勉強できない,という意味ではありませんし,歴史好きが全員が妄想する,という

 

意味で言っているわけではありません。

 

「歴史好き!」と言っていて歴史に詳しいはずなのに,

 

点数がとれない一部の生徒もいる,という意味です。)

 

 

 

歴史全般を,公平な視点で見て覚える必要があり,それが出来れば点数はとれます。

 

だから,「歴史そのものを好き」な子は点数とれますし,

 

歴史を使った妄想するのが好きな子でも勉強は公平な視点で,という風に使い分けている子は

 

点数とれるんですよね。

 

 

 

 

 

生徒が「歴史好き」と言ったから,

 

その子がどういう風に歴史が好きなのかわからないので

 

「じゃあ,教えなくても点数とれるだろ。」と放置せず,

 

歴史好きだという子だろうがそうじゃない子だろうが,

 

「勉強すべき歴史の授業」ができるよう心がけたいなぁと思いました。

 

 

 

 

 


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塾講師時代に定期テスト対策授業で辛かったこと

2011年06月27日 10時17分19秒 | 先生としての姿勢・やり方・豆知識

事前予約投稿です。

 

ーーーーーーーーーーーーー

 

現在,定期テスト対策授業の真っ最中です。

 

 

 

テスト前というのは忙しいのですが,

 

正社員で塾講師をしていた時代より

 

勉強数は多いわ問題集は作るわ,すべて自分で用意しなきゃいけないので

 

大変なんですが,精神的には正社員の塾講師時代よりよっぽど楽です。

 

 

 

なぜかというと

 

1:責任は重くて怖いけど,自分の配分で自分が正しいことをやれる。

 

(他教科に授業数を奪われることがない)

 

2:他の先生のレベルや性格を気にして,後ろに引っ込んだり,控えめにしなくてよく,

 

自分がやろうと思うことを最大限にやれる。

 

 

 

という,責任感と引き換えに自由を得られたということ

 

そして,何より

 

3:同じ教室に同じ学校の子しかいない

 

 

 

というのが一番嬉しいんですよね。

 

 

 

いくつかの地域から生徒を集める進学塾の多くは,

 

1クラスに数か所の中学校から来ている生徒がいます。

 

そうすると,各学校で定期テストではテスト範囲が違ってくるんです

 

 

 

しかし,部屋は1つしかないから,1つの中学に合わせて授業をしているときに,

 

他の中学の子は問題集を解かせたり,

 

ひどい場合は,

 

こちらが指定した問題を生徒に勝手に解かせ丸つけさせ,

 

質問があれば先生が答える,という

 

授業をまったくしない状況になるときもあります。

 

 

 

でも,数学や英語はまだ良いんです。

 

たいがい,教科書の前から順番にやるので,多くの中学が範囲が被っているので。

 

少し違う部分だけ,個別に授業すれば良いのだから。

 

 

 

しかし,理科・社会はそうはいかない!

 

学校によって,理科だと一分野から始めるところもあれば二分野から始めるところもある,

 

社会でも中1・2は地理か歴史かは学校側によるので。

 

 

 

だから,たいがい,各中学でまったく範囲がちがう!

 

しかも,社会や理科,とくに社会は通常の授業数もかなり少ないから,もうギリギリ!

 

 

 

 

 

 

授業をしたくない社会の先生は,「定期テスト対策授業は楽でいいわ!」と言いますが,

 

私は違うんです。

 

 

 

ちゃんと授業して,その後で問題解かせて内容を理解させたいんです!

 

 

 

あと,塾に来てくれる人には,なるべく平等に,指導をしたい

 

でも,どうしても,その教室で多数を占める中学校を優先してしまわないと,授業がまわらない!

 

 

 

そういう不公平さも辛かった・・。生徒に申し訳なくて・・。

 

 

 

今は,フリーになって,

 

授業をするときはその子だけ見てあげられるので,すっごく幸せです。

 

ではでは,定期テスト対策授業がんばります!

 

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フランク王国の勉強は、ローマ教会と帝国の関係、王国と帝国の違いを知ることが鍵かも?

2011年06月25日 11時14分46秒 | 歴史の勉強の際に知っておくと良いもの

昨日もたくさんのアクセスありがとうございます。

昨日は、世界史の中世ヨーロッパのフランク王国をやりました!〓

フランク王国の歴史はローマ教皇(ローマ教会)の歴史と密接に結びついています。

西ローマ帝国が滅びた後、ローマ教会は後ろ盾を失ってしまいます。〓


しかも、東ローマ帝国という後ろ立てのあるコンスタンティノープル教会とも、聖像禁止令をきっかけに仲違いしていき、ローマ教会は窮地にたたされちゃうんですね。

そんなとき、正統のアタナシウス派キリスト教に改宗したフランク王国のカール=マルテルが異教徒からキリスト教世界を守ってくれたわけですよ!
ローマ教会は、「後ろだてを見つけた!」と思ったんです。
それで、カール=マルテルの子ピピンにフランク王位を次がせ、ついでピピンの息子カール大帝に戴冠をして、かつてローマ教会の後ろだてだった西ローマ帝国を復活させます。〓
つまり、これは、東ローマ帝国&コンスタンティノープル教会、フランク王国(西ローマ帝国)&ローマ教会という同等の図式を復活させた、ということも言えるんですよね。


以上のことは、教科書に書いてある事柄をまとめただけです。そうすると、「なんで、こういう流れになるの?」と思う方もいらっしゃると思います。

このような流れになるには、実は次のような前提があるんですよね。〓

①国王(王国)と皇帝(帝国)の違いを認識する

→王はあくまで一つの国のトップなだけだけど、皇帝はさまざまな国にいる王をまとめる役目なんですね。つまり、精神的には王よりも皇帝のほうが上なわけです。

②キリスト教の教会と帝国の関係はとても密接なものだと認識する

→ゲルマン民族の大移動により、西ローマ帝国が滅亡し、西ヨーロッパには皇帝(帝国)は消滅しちゃったワケです。

皇帝と教会の密接な関係がなくなりました。

教会からしたら、西ローマ皇帝という相棒がいなくなったので、あらたな相棒が必要です。
まわりは、その相棒を倒したゲルマン民族の王国がいっぱい!

その地に、皇帝制をローマ教会が西ヨーロッパで復活させたら、それはその皇帝とタッグを組んでいるローマ教皇は、西ヨーロッパのゲルマン人の王国を含む様々な国を精神的に統一したとも言えるわけです。
それで、ローマ教会は、異教徒からキリスト教世界を守り、正統アタナシウス派に改宗しているフランク王国に歩み寄り、ピピンに王位をつがせ、ついてカール大帝に皇位をつがせ、つまり戴冠を行います。

カール大帝の死後、フランク王国は三つに分かれてしまい、その後、カールの血筋も絶えてしまいます。

つまりそれはまた、ローマ教会は後ろだてを失った状態になっているわけで・・。
そこで次は、三つに分かれた国の一つ、東フランクの王に戴冠をし、ローマ帝国を復活させます。名前は、西ローマ帝国ではなく、神聖ローマ帝国ですし、多少の違いあるんですが、二回目の西ローマ帝国の復活だと思っても良いとは思います。


この時代は、

ローマ教会と西ローマ帝国の関係、
皇帝(帝国)と国王(王国)の違い
をはっきりさせれば、わかりやすいと思います。

とくに、西ローマ帝国というのは、ただの歴史の、一過程の国ではなく、西ローマ帝国ありきの西ヨーロッパだと考えると、さらにわかりやすいかな?と。

また、イスラーム勢力、東ローマ帝国(ビザンツ帝国)の関係まで考えるとよりグッド。


先生や生徒によっては、
「教科書に書いてある以外のことは言わないで!」とか「用語並べで覚えればいいから、そういうことを言われると、どこを覚えればいいかわからず、かえってややこしくなる!」「語呂合わせを教えて!」とおっしゃる方もいると思うんですが、逆に、「背景を説明してほしい」という方もいらっしゃるのも確かなんですよね。

用語暗記や語呂合わせの本などは多いので、わざわざ私までやらなくても、と。とくに語呂合わせは私は嫌い!用語だけ覚えても、理解できなきゃ勉強の意味が半減して、もったいない!

だから、私は私なりに、出来ることをしたいなぁと思います。
ただし、わかりやすい説明をもっと出来るようには努力は常に必要だけれど〓
でも、またその努力が楽しいんですけどね。〓






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復刻盤で失われた幼稚園から小学校の思い出を取り戻そう

2011年06月23日 10時17分48秒 | いじめについて

事前予約投稿のアップです。

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この前,Wiiで,ファミコンやスーパーファミコンなどの古いソフトをダウンロードできることを知り,

そのソフトを購入するためのカードやクラシックコントローラーなどを買いに行きました。

 

それで,スーパーファミコンの「スーパーマリオワールド」「マリオカート」や「ゴエモン」などを購入しました。

 

ずっと前の記事(2010年3月30日の記事)でも書いたのですが,

私は小学校時代にゲームでは苦い思い出がありました。

 

私がゲームで失敗しても成功しても,友達から非難を言われ,つらかったです。

私という存在でいる限り,それは続く地獄です。

 

ですので,当時は友達に嫌われたくない一心で,

「接待ゲーム」みたいなことをやるようになって,「ゲームとは疲れるもの」だと思っていました。

 

それが,結婚したあとで,旦那があまりにも幸せそうにゲームをするので,

「ゲームって楽しいものなの?」と気がつき,

そして,Wiiで「スーパーマリオブラザーズWii」をやって,心からゲームを楽しめるようになりました。

(詳しくは,2010年3月30日の記事をご覧くださいませ♪)

 

しかし,やはり,Wiiのゲームは新しいもので,当時私がやっていた作品とは違います。

でも,その当時にやっていたゲームそのものをすることができる!と知ったため,

それをダウンロ―ド。

そして,やり始めたら,

ほんとにあの当時は気をつけて他人に気にいられるようなプレイをする必要がなく,

自分のペースでやっていいんだ!と心の底から思えて,すごく楽しかったです。

 

最近は復刻盤などがたくさんあり,幼稚園~小学校のつらい思い出の中,

さようならをしてしまったものと,今になって会うことができて助かります。

 

今,辛い幼年時代~学生時代を過ごしている子たちもいるでしょう。

その子たちが大人になってから,その世界に戻ってこれるよう,

永遠に復刻盤などがリリースされるような体制が続くといいなぁと思います。

 

 

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十字軍イラストアップ

2011年06月22日 09時26分29秒 | 近況報告

昨日はたくさんのアクセスありがとうございます。

昨日は,やっと「新☆歴史模擬授業」の第三回ゲルマン民族の大移動&十字軍

アップすることができて,よかったです。

昨日の記事は多くの方にご覧頂けたようで,とてもうれしいです。ありがとうございます!

 

いつか冊子にするための,その冊子の描き下ろし用のイラストも描けました。(下のイラスト)

十字軍は初めて描いたので,ちょっと十字軍に見えないのが残念・・。

やはり,何度か描き込まないといけないのだなぁと実感。

 

十字軍までは,現在参考にさせて頂いている教科書には

あまり載っていない内容なので,

試行錯誤しながら書くので,時間がかかってしまいました。

うまく書けたか(間違いはないか,わかりづらくないか,など)が心配ですが・・。

 

このあとは,ルネサンス・大航海時代・宗教改革,となり,

次いで,絶対王政,ついで私の最も大好きな市民革命,と

なるので,楽しみです。

 

この時代は中学の教科書にもちゃんと載っているので安心だったりも・・。

 

ではでは,また「新☆歴史模擬授業」をはやめに更新できるようがんばります!

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新☆歴史模擬授業 第3回  ゲルマン民族の大移動,十字軍 ②

2011年06月21日 15時29分33秒 | 歴史☆模擬授業

新☆歴史模擬授業 第三回 ゲルマン民族の大移動・十字軍です。

詳細は,この前の記事①をご覧ください。

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キンコーンカンコーン

「さて,今日は古代ローマ帝国(西ローマ帝国)が滅亡したところから,13世紀ころのまでの

ヨーロッパの歴史をザッと見ていきますね。」

「はい!」

「では,まず前回の復習をば。

古代ギリシャ・ローマで,(今の数学・理科などの基礎となる)発達した学問と

民主主義が誕生・発展し,

西ローマ帝国の滅亡により,

その文明が一時的に西ヨーロッパから失われた。

しかし,そのギリシャ・ローマ文明は,東ローマ帝国(ビザンツ帝国)と

イスラーム教徒による国家により保存されていた,ということは前回話したよね。」

「はい。」

「じゃあ,まず何によって西ローマ帝国が滅んだのか,から見ていこう。」

「そういえば,なぜ滅んだかを聞いてなかった・・。」

「ヨーロッパっていうと,みんな,どちらかというと都会!というイメージがあるよね。」

「うん。フランスとかでショッピング旅行する子もいるってよく聞くしね。」

「でも,(イタリアなどの地中海を除いて)ヨーロッパが都会になったのは,ずっと後のことで,

この時期のヨーロッパは,乾燥して寒冷な地域,森林が広がっている地域などが多いの。

だから,厳しい自然条件によって,人々はよく移動をした。

さらに,人口増加がおこると,農地が不足するから,食料不足がおきる。

だから,生きるために新たな土地を探して,そこに住んでいる民族単位で大きな移動がおこったり。」

「寒すぎる場所とか乾燥しすぎる場所,森林が多いと,

なかなか人間が食べられる植物が育たなかったりするものね・・。」

 

「西ヨーロッパでは,古代ギリシャやローマができる時代のずーっと前から,

民族の大移動はあったんだけど,

4世紀後半に,ヨーロッパの歴史変えるほどの大きな大移動がおこったの。

それをゲルマン民族の大移動と言います。」

「ゲルマン民族っていう民族が移動したんだ。」

「ゲルマン民族というのは,フランス人やドイツ人・イギリス人など,

現在のヨーロッパでみんながよく知っている国に住んでいる人々だと思っていいわよ。

(イタリア・スペインなどはラテン民族,アイルランドはケルト民族なので違いますが・・。)」

「はい。」

「ゲルマン民族が大移動して,ヨーロッパの各地に住み,自分たちの王国を建て始めます。

そして,ついに476年にゲルマン人の一派が西ロ―マ帝国を滅ぼし,自分の国を建てます。」

「西ローマ帝国が滅んだのは,ゲルマン民族の大移動によるものだった。」

「そういうことです。

そして,イタリアを含む,イギリス・フランス・ドイツを中心とした西ヨーロッパ世界は,

新しい時代に入っていきます。」

「ほえー,ここで,いったん頭の区切りをつけるのね。」

「そういうこと。話の区切りをつけて歴史を見ていくことはすっごく重要なの。」

「えへへ。」

 

 

「西ローマ帝国滅亡までを古代とし,その後1000年ほどの時代を中世と言います。

日本でも,古代・中世という区分はあるけど,日本の時代とは年代的に誤差があるので注意してね。

日本は古代は12世紀の平安時代まで,中世は鎌倉~室町時代のことだから。」

「はい。」

「で,中世の西ヨーロッパは,(細かい部分は省き,結果的に)

精神的にはキリスト教を中心としたローマ教皇を中心に,

実質的には,地方の有力者,つまり封建領主(諸侯を中心に生活していきます。

それぞれの国に王様はいたんだけど,実質的な力はあまりなくて,

ほぼ封建領主(諸侯)をまとめる代表役,って感じ。

また,原則物々交換をし,多くの人々が自給自足の生活をしていました。」

「自給自足ってことは,自分の食べ物は自分で作って食べる。

スーパーとかで買って,とかじゃない,ということだね。」

「うん。スーパーとはここ最近のものだから当然この時代にはないけど,

お金を交換してモノを売る市場(という形態)というものが古代ローマにはあったけど,

中世の西ヨーロッパにはなくなっていたの。」

「ほえー。」

「かんたんに言えば,中世ヨーロッパでは,

キリスト教という大きい精神的なつながりで人々は結ばれていて,

日々の生活は自分の住む周りで小さくほそぼそと生きていた,と思って。」

「はい。」

 

 

「そういう風に西ヨーロッパの人々が生活をしていった時代に,

東ヨーロッパ世界西アジアの地域はどうだったか,を見ましょう。

 

東ヨーロッパでは,西ローマ帝国のかたわれ,東ローマ帝国(ビザンツ帝国)が君臨していました。

東ローマ帝国(ビザンツ帝国)は古代ローマ帝国の形式も文化も多く引き継いでいたし,

西ヨーロッパとは違って,皇帝の力で人々はまとめられていたし,

グローバル(国際的に)色々な地域と交流し,貿易がさかんだった。」

「古代ローマ帝国のような感じがそのまま残ったんだね。」

「そういうこと。

で,そんな東ローマ帝国(ビザンツ帝国)を脅かす存在が登場した。

それが,イスラーム勢力です。

7世紀に誕生したイスラーム教を信じる人々が,

7世紀から,現在の,シリアやイラク,イランやトルコやエジプトなどに

次々と強い王朝をたてていきます。」

「そうだったんだ。」

「それが東ヨーロッパと西アジアの地域の話。

また西ヨーロッパに話しを戻します。

この間,西ヨーロッパはほそぼそと自給自足の生活を営み,力をつけていきます。

その時期は,農業技術が進歩して,比較的気候が温和だったせいもあり,

どんどんと生活が豊かになり,人口が飛躍的に増加してきていました。

それで,だんだんと,それまでウチにこもっていた西ヨーロッパ世界の人々が外に目を向け始めたのよね。」

「ウチにこもって,どんどんと力をつけていったんだ・・。」

 

 

「うん。

このように,外に目が行き始めた西ヨーロッパ世界,

古代ローマ帝国を引き継いだ東ヨーロッパ世界,

勢いのあるイスラーム世界が,

ついに直接出会う大きな事件がおきます。

それが11世紀末から始まった,十字軍というものです。」

「ほえー。ついに3つが出会うときが!」

「きっかけは,聖地イェルサレム(エルサレム)を支配においた,

あるイスラーム王朝(セルジューク朝),

ついで東ローマ帝国(ビザンツ帝国)の領地までおびやかしそうになりました。

それで,東ローマ帝国(ビザンツ帝国)の皇帝が,西ヨーロッパのローマ教皇に助けてくれ!と頼んできました。

そして,ローマ教皇は,「聖地イェルサレムを回復しよう!(聖地をヨーロッパの手に戻そう!)」と唱え,

それに,各地域の諸侯たちが参戦し,軍をつくりました。

その軍を十字軍と言います。」

「ほえ?聖地回復?東ローマ帝国(ビザンツ帝国)を助けよう?ではなくて?」

「・・というか,聖地ってなに?」

「2人とも良い質問だね。

聖地というのは,神や聖人などに関係ある神聖な土地のこと。

イェルサレムは,キリスト教にとってはキリスト教の始祖イエス=キリストの誕生の地であり,

イスラム教にとっては,イスラーム教の始祖ムハンマドの最期の場所なので,

イェルサレムは,キリスト教にもイスラーム教にとっても大切な場所なの。

(※イェルサレムはユダヤ教の聖地でもあるので,これが現在の中東問題・パレスチナ問題に関係してきます。)

 

だから,イスラーム教からしたら,聖地を自分の配下におくのは当然だし,

逆にキリスト教からしても,聖地を奪い返したい!という気持ちは当然といえば当然なのね。」

「お互いの考えがあるのね。」

「そういうことね。

たいがい,戦争や争いというのは,それぞれの正義によって1つのものを取り合おうとするから

おこるものだからね・・。」

「うーん。」

「十字軍は,11世紀の末から約200年,7回も行いました。」

「え!200年も?」

「じゃあ,最初に十字軍に参加した人は,もう7回目ではこの世にいないじゃん!」

「そうなの。

しかも,毎回,その十字軍を構成する中心メンバーが違うものだから,脇道にそれたりすることも。

1回目はまじめーに聖地奪回!という感じだったのが,

第四回のときは聖地回復の目的を捨てて,東ローマ帝国(ビザンツ帝国)の首都を占領して

新しい国を経てちゃったりね。」

「え,仲間同士なのに・・。」

「東ローマ帝国(ビザンツ帝国)の首都は商業がさかんな国際貿易都市でね。

そこで,この時期に力をつけてきた,イタリアの商人たちが自分たちの利益を拡大しようとして

十字軍に要求してね。」

「ほえー。だんだんと,本来の目的がおかしくなっていったのね。」

「十字軍は,名目上は聖地回復だったけど,参加者それぞれの意図が複雑にからみ合ったもので。

ローマ教皇からしたら,古代ローマ帝国の分裂で分かれていた西と東のヨーロッパを教会を統一しよう!

諸侯は,自分の領地拡大や戦利品を目当てに,

さきほど話したイタリアの商人たちは商業的利益を拡大しようと,という意図があってね。」

「ほえー。」

「その後,フランス国王が単独で十字軍を結成したりしましたが,ついに失敗に終わりました。

それが13世紀。」

「そうだったんだ。」

 

「十字軍は失敗でした。

でも,この十字軍によって,西ヨーロッパ世界は大きく180度変わったといっても過言ではないんです。」

「え・・。」

「3つの点で大きな変化があったの。

政治・経済・文化の3つの点で。

 

まずは,政治の分野。

十字軍により権力を持つ人が代わります。

それまでは,権力者はローマ教皇・諸侯たちでしたが,十字軍で遠征を指揮した国王が

しだいに力をつけることになっていきます。それが16世紀の,王様が一番つよい政治(絶対王政)に

つながっていきます。」

「十字軍そのものは失敗だったから,その中心人物だった教皇たちは弱くなってしまったのね・・。(予想)」

「2つ目は経済の点。十字軍で道が開かれたから,

地中海を中心にした貿易がさかんになって,

西ヨーロッパと,東ヨーロッパ・イスラーム世界の人々と

交流がさかんになるの。

そうすると,西ヨーロッパは東からの文化なども伝わってくるわけよ。

それが3つの目の変化の点。文化にも変化が。」

「人が行き来すれば,文化も一緒に入ってくるもんね。」

「前回のお話で,東ローマ帝国(ビザンツ帝国)は古代ローマの文化を受け継いでいた,と話したよね。

また,イスラームの王朝も,古代ギリシャの文化を勉強していました。

西ヨーロッパは,西ローマ帝国滅亡後,キリスト教中心の文化になっていたよね。」

「うん。つまり,西ヨーロッパは古代ギリシャ・ローマの文化からキリスト教中心の文化になっていたんだよね。」

「そういうこと。そうすると,西ヨーロッパが,東ローマ帝国(ビザンツ帝国)やイスラームと

十字軍を通して接して,またその後の交易を通して,交流をしたら・・。」

「あ,西ヨーロッパに,ふたたび,古代ギリシャ・ローマの文化が入ってくる!」

「正解!古代ギリシャ・ローマの文化というのは,

民主主義を基本とした人間らしく合理的な文化だった。

それが西ヨーロッパに伝わり,その文化が華やぐのが14世紀のルネサンス。」

「ほえー。十字軍によって,いろんなことが変わったのね。」

「そういうことね。十字軍によって,古代のものがまた新しい形で復活することになった,ということです。

それは次回行います。

 

では最後に。

今回習った分野も,古代同様,あまり高校入試では出題はされないんだけど,

ゲルマン民族の大移動,東ローマ帝国(ビザンツ帝国),十字軍,という言葉は

私立高校入試で出題されることもあるので覚えておきましょう。」

「はい!」

「では,これで終わります!起立!礼!」

「ありがとうございました!」

 キンコーンカンコーン

※「ゲルマン民族」は「ゲルマン人」と,「イスラーム」は「イスラム」と表記される場合あります。

※わかりやすく解説していので、「こういう説もある!」という専門的なことを
引き合いに出されてもお答えできないことがあるかもしれません。申し訳ありません。
不快な気持ちになった方には申し訳ありません。

 

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新☆歴史模擬授業 第3回  ゲルマン民族の大移動,十字軍 ①

2011年06月21日 15時28分50秒 | 歴史☆模擬授業

新☆歴史模擬授業です。

予定がどんどん遅くなってしまい、申し訳ありません。

腰を痛めたり体調不良だったりして,なかなか,歴史模擬授業の方まで頭がまわらなくて・・。

歴史模擬授業はすっごく書いていて楽しいのですが,色々調べたりして書くので,

ちょっと精神的に強くないと書けなくて・・。

さて,☆歴史模擬授業は中学で習う世界史分野です。

まずは,あまり入試では出題されないけど,後の内容に関連する大切な分野,について

今回は説明させて頂ます。

今回は,ゲルマン民族の大移動,十字軍です。

今回はそのことについての授業をさせて頂きたいと思います。

文字数の関係で授業内容は別記事でのアップになります。

新☆歴史模擬授業 第3回 ゲルマン民族の大移動,十字軍 ② 

という記事でご覧ください。

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 <新☆歴史模擬授業について>

「新☆歴史模擬授業」という記事を数か月に数回更新していきたいと思います。

これは実際の授業形式を文字であらわしていこうというものです。

劇の台本みたいな感じになると思います。 定期的に内要がまとまったら、
HP「しゃかしゃか★ぶりっじ」にて改定してアップする予定です。

読むときに、 →先生、 →生徒その1(ひなちゃん)、 →生徒その2(はむちゃん)、→生徒その3(ねこちゃん) だとだと思って読んでください。

(みんな、びっくりするぐらいいい子ですが、そこはご勘弁を・・)

また、設定は、中学生1~2年生の授業(塾)だと思ってください。

内容的には,現在ではあまり教科書で扱われていない部分もありますが,

学校によっては入れ込む内容と思われる部分はこちらでアップする予定です。(十字軍など)

(今までの歴史模擬授業の学年設定より数年後,という設定です。)


今回は文字数が最大数を超えてしまいそうなので、もう一つ記事を作ってアップさせていただきます。

わかりやすく解説していので、「こういう説もある!」という専門的なことを
引き合いに出されてもお答えできないことがあるかもしれません。申し訳ありません。
不快な気持ちになった方には申し訳ありません。

 

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イラスト・まんがオタクの先生が歴史教育で出来ること

2011年06月18日 12時17分56秒 | 教育者としてのつぶやき

昨日は,更新できずにすみませんでした。

にもかかわらず,たくさんのアクセスをありがとうございます。

これからも定期的に更新できるようがんばりたいです。

 

私はある別ブログで,自分が描いたイラストなどをアップしているのですが,

自分のブログの中の人気ページランキングを確認すると,

どうやら歴史の服装を着た女の子の絵が人気のようです。

 

ときどき,ランキング登録した登録したサイトさんで,

歴史イラストだけはランクインしていたりも・・。

 

 

 

私が歴史イラストを描こうとしたきっかけは,

塾講師1年目のとき歴史の補助になれば,という気持ちがありました。

 

当時の人の服装をイメージするだけで,だいぶ,歴史が頭に入ってくるので。

やはり文字だけでは,イメージも限界があります。

また,服について興味のある子は多いので,服装から歴史に入ってくれる子もいたら,という思いもありました。

 

でも既成のイラストだと著作権の関係もあるので,だったら自分で描いちゃおう!と。

 

最初は,「うわ,きもっ!「下手!」」とか生徒に言われるかな?

と心配していたのですが,

なんとか好評を得て,リクエストしてくれる生徒さんまでいました。

ありがとうね。

 

インターネット上でも,気に入ってくださるお客様がいて,うれしいです。

ありがとうございます。

 

おそらく,「イラスト描くのが好き×歴史好き」の方は多いとは思いますが,

そのベースに「教育好き×塾講師経験者×社会の先生」というものが付け加えられている人は

多くはないとは思います。絵の雰囲気も人によって違うので。

 

 

なので,自分しかできないことってないかな?と模索しながら,

これからも歴史のかわいいイラストも描いて,

すこしでも歴史の勉強の補助になればなぁと思います。

 

昔は,イラスト描き&マンガ好きだと,「オタク」っていうコンプレックスがあったけど,

今は

「そのオタクを教育に活かす!オタクじゃない先生はたくさんいるから,私は私しかできないことをしよう!」

と思えるようになりました♪

それには,「先生の絵好き!」と言ってくれた生徒さんたちや,

このブログやHPを応援して頂いてる皆様がいてくれたおかげです。

ありがとうございます!

これからもがんばります!

 

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講師は,生徒に自分で歩ける最初の第一歩「力」を身につけさせる必要がある?

2011年06月16日 13時35分14秒 | 先生としての姿勢・やり方・豆知識

昨日もたくさんのアクセスをありがとうございます♪

 

今日も日課のウォーキングをしました。

途中で雨が降ってきてしまったので,目標の半分の歩数で終わってしまいましたが,

でも,それでもしないよりはマシかな?と(笑)。

 

毎日やっていると,少しは筋肉がついてきたし,体力も出てきた気がします。肩こりも軽減してきましたし。

これから雨が続くみたいですが,

せっかくついた筋肉や体力を落としたくない!という気持ちが先立ち,

なんとなく雨が降りそうでも,歩きたくなります。

今までだったら考えられないです。

「雨が降るかもしれないから~」とかなんだか言い訳つけて,結局やめていたりしていたので。

 

これは勉強も一緒なんですよね。

一度,少しでも力がついたかな?と思っちゃうと,何かあっても続けたくなる。

 

「力がついた!」と感じさせること,

そして,ちゃんと最初の一歩の「力」をつけることが,

先生・講師の役割かな?と思います。

 

いったん,生徒に「力」をつけさせれば,あとは本人がスイスイ勉強していってくれるし,

こちらの授業も聞いてくれれば,それだけでも成績が上がってくるので。

 

でも,その最初の一歩の「力」をつけさせるのが,実はすっごく難しい。

理解させずにただの反復練習だけで,たまたま高得点がとれた,という勘違いの「力」だと

結局,途中でおかしくなってきます。

 

だから,ちゃんと正しい「力」が必要で,最初は「理解」させ,正しい方法で勉強させる習慣を生徒に

つかせなきゃいけないなぁと,いつも,新入生や新しい生徒を受け持つときは責任感を感じていました。

 

生徒も先生も,

最初の一歩の「力」をつける努力こそが,とても大切なのかな?と思います。

 

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中学・高校で難しい内容でも勉強することは後々のためになることも・・

2011年06月15日 13時55分44秒 | 教育者としてのつぶやき

昨日もたくさんのアクセスをありがとうございました。

 

現在,9月くらいまでに,

世界史の勉強&一問一答問題集づくり,を終了したいと思い,

毎日コツコツ勉強しています。

現在,十字軍のところまでいったので,

あと少しで,こちらの「新☆歴史模擬授業」も更新できるかな?とも。

 

10年以上前に世界史は習ったきりで,大学では部分的な時代を学んだりはしたものの,

古代~現代まで,世界中のあらゆる歴史をもうもう一度見直すのはすっごくひさしぶりです。

 

そうすると,意外に忘れていたり,勘違いして覚えている部分があったりで,びっくりしました。

また,高校のときにはわからなかった,物事の動き(とくに経済・文化の歴史)が

スラスラ頭に入ってきたりして,

大人になればなるほど,歴史をさらに深く知ることができると思えました。

 

中学・高校時代に基本的なことを習っていないと,

大人になって,その情報を聞いたり,

勉強しても,すぐに頭に入らないことが多いです。

でも,たとえ中学・高校のときにわからなくても,習った覚えさえあれば

大人になって物事のことをよく知ったあとで,もう一度勉強しなおすと

すっごく効果的。理解が早まります。

 

ですので,高校までは,たとえ難しくても,

色々とその世界に触れて,

わからないなりに勉強することも,

長いスパンでみれば,

必要不可欠なのかな?とも思います。

 

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