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れくす先生の歴史授業7 インダス文明とその後のインド文化

2025年01月20日 08時00分00秒 | れくす先生の歴史模擬授業
みなさま、本日もありがとうございます。


前回の続きで、
れくす先生の歴史授業シリーズの続きです。


前回は、メソポタミア文明とエジプト文明の
中学生で習う内容について説明しました。



今回はインダス文明です。



1 インダス文明の特徴

インダス文明は、
メソポタミア文明やエジプト文明と違い
現時点では、インダス文明の時代に
使われていた文字(インダス文字)が
解読されていないため、
詳しい歴史はわかっていません。

そのため、
テストという場面という意味では
覚える用語は他の文明に比べて少ない
です。 


これから、何か大きな発見等があれば
詳しい歴史が明らかになるかも
しれません。

2 遺跡の注意点

インダス文明を習う時、覚えるうえで
注意したいのは
遺跡のある場所(現在の国名)です。


インダス文明は
「インド」の文明の発祥地と
習うことも多いと思います。

しかし、
インダス文明の遺跡で
習うところ(モヘンジョ=ダロ、ハラッパー)はパキスタンになります。


インダス文明という用語の元になる
インダス川も、多くはパキスタンを
流れています。(一部はインド、中国を
流れています。)

現在のインドで有名な川は
ガンジス川です。
(ガンジス川も、インド以外の国も
通っています)
地理のアジア州で習っている川ですね。


ガンジス川インダス川
混同しないように気をつけましょう。



どうしてこういう状態になっているの?と
思われるかもしれませんが
近代、現代の歴史を知っていると
その理由はわかります。


パキスタンのある地は、
元々はインドでした。
しかし、近代になり
イギリスの植民地化に
インドはおかれました。

第二次世界大戦後に独立するとき、
宗教上の関係からインドだった地域は
ヒンドゥー教徒地域としてインド、
イスラム教徒地域としてパキスタン
として分離独立しました。
(のちに東パキスタンはバングラデシュとして分離独立。)




古代の時点、そして、長い間、
古代インダス文明は、
今の国家の枠組みのみで考えるのではなく
昔のインドという枠組みで考えると
良いでしょう。



3 インダス文明で中学生が習うところ

インダス文明のおきた川は
インダス川で、
文字はインダス文字です。

インダス文字は現時点では
解読されていません。


遺跡としては
モヘンジョ=ダロハラッパー
どちらもパキスタン内にあります。

中学の教科書では、
モヘンジョ=ダロのみを
明記しているものも見かけます。




4 インダス滅亡後のインド世界

インダス文明そのものは
上記の内容(3)のみです。

中学の教科書だと、
そのまま、インダス文明後の
インドの歴史を少しだけ書いてあります。

そのときの歴史で生まれたものが
世界全体の歴史につながっていきます。

その内容についてお話します。

インダス文明のころの
都市国家が滅亡した
理由は決定的な説はありません。


今からお話するのは
インダス文明のあとの
インドの世界と考えてください。


宗教としてはバラモン教
学問的なものとして
アラビア数字0という数字の概念が
誕生しました。
(バラモン教成立の時期は、
おそらくその頃、という意味です。)




〈バラモン教とヒンドゥー教〉

バラモン教というのは、今のインドで
多くの人々に信仰されている
ヒンドゥー教は、のちの時代に生まれた
宗教で、バラモン教の影響を受けている
宗教です。
(バラモン教=ヒンドゥー教、ではありません。)

バラモン教ヒンドゥー教は、
他の宗教と違った
特徴的な考え方があります。
バラモン教、ヒンドゥー教は
身分、そして、それに伴う職業に
結びついている
宗教です。
このような独特な階級制度を
カースト制度
と言います。

このあたりの内容は、地理の方で
習っているので覚えている人も
いるでしょう。





〈アラビア数字 と 0の概念〉

また、インドは、現代の数学に必要不可欠な
アラビア数学0という数の概念を
作り出しました。

アラビア数字は、1、2、3という
現在の数学で使う数字のことです。

なぜインド数字と言わずアラビア数字と
言うのか?というと
インド数字がアラビアに伝わり
ヨーロッパにアラビアからインド数字が
伝わったことから、「アラビア数字」と
呼ばれるようになりました。


0という数字が誕生したことは
数字の歴史において大きな出来事です。





0というのが、何が凄いか?というと、
これにより計算がしやすくなったのは
もちろんなのですが、
0というのがあると、ある1つの法則に
従って、さまざまなことを定められる
ことも多いと思います。


たとえば、「0」という数値がないと
「リンゴがある」「リンゴがない」という
2つの現象を個別に考えなきゃいけないですが、「0」という数値があると
「リンゴがある」という1つの現象で
説明できます。 
さらに代数という考え方で
0という概念があると、
「リンゴがa個ある」として、
aに0を代入することも可能です。
計算の上では代入するだけですが
もし、この世に存在する具体的イメージを
書く必要がある限り、「リンゴが0個ある」=「リンゴはない」とします。
(代数学はインド発祥ではありません。)


このように0があると、非常に
頭の中をシンプルにでき
様々なことを考えられるようになります。


(0のことについては、私の個人的な意見を入れて書いてます)


今回は以上です。

ノートにもまとめました。
下図の画像もご参考にどうぞ。







今回は以上です。

次回からは中国文明なのですが、
まだ画像が作成途中なので、
完成次第、またアップさせて頂きますね。


画像を作成しつつ、別の記事も定期的にアップしていきたいと思います。

ご覧いただき、ありがとうございました。



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