更新が止まっていたシリーズ
「塾講師や家庭教師になったあとで自分の価値観が絶対じゃないんだ!と痛感したこと」
をまたシリーズ再開したいと思います。
自分の価値観や生き方以外を認めない講師(教師)もいます。
時にはそのような塾講師(教師)が生徒からはかっこよく見えることもあるのですが,
それはその生徒の価値観とその塾講師(教師)の価値観が似ているときだけで,
それでないと,その塾講師に生徒は押しつぶされることもあります。
私も大学生のときの塾講師バイトとときや,塾講師(正社員)1年目は,
自分の価値観を押し付けてしまって,それにより生徒さんと溝ができてしまったことがありました。
生徒さんには,いろんな家庭事情・価値観があります。
それを理解したうえで,授業・生徒対応をするのが大切だと思います。
第2回は,「自分がどのようにしてやる気になったか?」です。
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「塾講師になって覆った価値観」シリーズ
第2回 「生徒をやる気にさせるには?」
「生徒に勉強にやる気を持たせ,成績をあげ,志望校に合格させる」
ーこれが,塾講師の仕事の中で最重要な使命の1つだと思います。
どれだけわかりやすく講師が教えても,生徒さんがやる気がなければ,成績はあがりません。
では,生徒さんに「やる気」を出させるにはどうすればいいか?
これって,すっごく難しいことなんです。
1年目のとき,これが一番苦労しました。
ドラマのように,
「先生のある1つの言葉で感銘を受けて,生徒がかわった!」とか
「先生の熱意が,クラスの雰囲気を変えた!」とか
そんなに頻繁におこるものではないと・・。
でも,塾講師になった人の中には,その塾に入ったときに先生の言葉に感銘を受け,
やる気を出し,それで成績があがって・・・という経験のある人も多いと思います。
実際に私がそうでした。
私の場合,中学に入って母に教えてもらって,成績があがったのですが,
高3の塾での夏期講習で,初めて受けた世界史の先生の授業で
「歴史は地図を見ながら勉強すればすんなり流れが理解できる!」という
1声で,今までの社会の勉強方法を180度変え,一気に世界史の成績があがり,社会の塾講師になり
現在,世界史フリークになり・・,と。
だから,塾講師になったとき,あのときのような感動を生徒さんに与えたい!と思い,
「社会とはこういうものだ!」と最初の授業で話したのですが,
多くの生徒さんは「しらー」という態度でした。
「それよりも問題演習をはやくしてよ!」という意見も出されました。(私に直接,ではく,校舎長に,ですが。)
1年目は,生徒さんにやる気を出させるにはどうすればいいか?がすごく悩みでした。
校舎長に,「生徒に怒れ!」「厳しい態度をしろ!」「たくさん問題をやらせて,成績をあげて,それでやる気にさせろ!」と
毎日のように怒られました。
最初は,長年,塾講師を勤めてきた校舎長のことばを信じ,彼の言うとおりの指導もしたのですが,
自分が納得していない指導方法のせいもあり,ことごとく失敗。
怒っても,心の底から怒っていない,まねごとの「怒り」だったから,生徒さんに見透かされ,
かえって「怒るしぐさ」をしても,バカにされ・・・。
「くすくす」と笑ったり,生徒同士で目を合わせて私をバカにした目で笑ったり・・・。
小5のときに,私をいじめた同級生と彼らは同じ表情をしていました。
それでも,「生徒に怒らない,と,校舎長に怒られる」という恐怖感と,
「怒ることがやる気につながる」という指導方法を信じ,1年間はそれを貫きました。
・・・しかし,1年目の入試結果は,今思い返しても,生徒さんに申し訳ない気持ちでいっぱいです。
中3の生徒さんは第一志望校に受かった子が多かったのですが,
入試近くになると私の授業をボイコットする子もいて,
「授業料を払っているのに,それが無駄になってしまう。私の授業が彼らには邪魔だったのね・・。」とショックでした。
小6(私立中受験生)は,私の授業をボイコットをする子はいなかったですが,
私の授業をまじめに聞かない子も多く・・。
そういう態度の子のほとんどは,第一志望校に受かりませんでした。
私の授業がいたらないばかりに・・,怒ることが上手にできなかったために・・,
と,とても自分を責めました。
また,私のことを信じて,授業を聞いてくれた生徒さんの1人A君が,確実に受かるはずであった学校に落ちてしまったこと,
私としてはとてもショックでした。
しかし,その生徒さんが志望校に落ちたとき校舎長が言った言葉で,
私は,自分が間違っていたことに気がつきました。
「今回は,君たち(私と,私と同じ新人の子)が,なさけない指導をしていたから,
多くの子が第一志望校に受からなかった。とくにAには申し訳ない。
これから君たちがすべきことは,次の受験生を第一志望校に受からせること。
それをAも望んでいる!」と校舎長は言いました。
私は,「ちがう!」と思いました。
「A君は,そんなことは望んじゃいない!A君の望みは,自分が第一志望校に受かることだ。
他人が第一志望校に受かることではない!校舎長が言っているA君の望みは,A君のじゃない,
あなた(校舎長)の(望み)だ。」と。
そう思ったら,
「私は,なぜ,校舎長の言うことをすべて正しい,と信じていたんだろう。
彼は,とても自分勝手な考えで,人を見ているではないか?人を見下しているじゃないか!
自分の価値観が絶対で,自分を通してしか生徒を見ることができないのではないか?」と。
そして,
「私が一番のミスは,この校舎長を『正しい』と信じたことだった!」と。
校舎長の言うことが間違っているとは言いません。
でも,校舎長以外の考えが間違っているとも思わないのです。
「怒ること」「厳しくすること」は,数ある手段の1つであって,それが絶対ではない。目的でもない。
目的は,「生徒をやる気にさせ,第一志望校に受からせること」
そのためには,「授業をしっかり聞かせること・学習内容を理解させること」。
それをさせるための手段は,「怒ること」「たくさんの問題をとにかく解かせること」が絶対ではないのです。
校舎長は,「怒ること」「多くの問題演習」という手段で,
目的である「生徒をやる気にさせ,第一志望校に受からせること」を果たせばいい。
でも,私は違う。
私は「怒ること」では,真の信頼関係は生まれないと思う。
「先生に怒られないようにするために勉強する」といいうのは,逃げの姿勢での勉強になり,
第一志望校に受かっても,「勉強」は「嫌なもの」という負のイメージが生徒には一生付きまとってしまうから・・。
私は,勉強は「楽しいもの」であり,「人生を豊かにするもの」として生徒に伝えたい。
じゃあ,全く怒らないのがいいのか?というとそうではない。
「怒ること(しかること)」は,その行為が「悪いこと」だと伝える手段である。
だから,宿題を何度も忘れたり,人をバカにしたような発言,差別的行為をした,などの場合は,怒らなければならない。
ここで怒らなければ,生徒は自分がした好意を「やっても良いこと(大丈夫なこと)」だと思ってしまうから。
それは生徒の人生にとってプラスにならない。
「大人になる」ということは,「善悪の区別がつく」こと重要であるから。
じゃあ,私は生徒をやる気にさせるにはどういう手段をとると良いのか?と考えました。
それは,「自分らしさ」を出すことと,自分が「授業をすることを楽しむ」ことだと。
私は,とりあえず,「歴史バカ」で「マンガやイラストを描くのが好き」で「天然ボケ」を貫いた授業をしよう。
そして,
本来の性格である「おおらか」で「色気がなくおっさんくさく」,
「よくわからないが,とにかく勢いはある」という姿勢をどんどん見せよう!と。
それをしたら,2年目から,完璧にはいかないにしても,
なんとか多くの生徒さんに「やる気」を与えたという実感がありました。
さらに,「先生のおかげで社会が好きになった!」という生徒さんもいて嬉しかったです。
生徒さんをやる気にさせることはすごく難しい。
新人時代は,困った時,「手段」に頼ろうとしがちだけど,
その「手段」が自分に合っているものか一度見直した方がいいかもしれません。
大切なのは「目的」。その「目的」を果たすために,自分が一番やりやすい「手段」を考える,
それが成功の近道かもしれません。
注意:こちらはあくまで一例です。
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