先日、3回に分けて、
「私はなぜ精神的にまいってしまったのか?」シリーズを連載しましたが、
今回はその後のお話をば。
私は、強迫性障害になった自分がすごく嫌でした。
日常生活に支障をきたすから、というのもあるし、
周りの人々を傷つけたり、その人の生活を規制させる部分があったり、と
自分の心の汚さを見てしまって・・。
でも、あるドラマを見るまで、
その自分の汚い心が具体的にどう自分にとって嫌なのかわからず、
どうしたらいいか困ってしまっていました。
でも、あるドラマのおかげで、自分の心がハッキリわかったら、
少しだけですが、強迫性障害の症状が和らいだのでした。
そのドラマとは「LAW&ORDER」というアメリカドラマ。
以前、こちらのブログでもこのドラマについてお話したことはあるんですが、
再度、簡単に説明させていただきますね。
「LAW&ORDER」は、1話完結の刑事&法廷ドラマで、
前半に事件が起きて刑事が捜査し犯人逮捕。後半に、その捕まった犯人を検事が送検、そして裁判、という形。
このドラマは全20シーズンあり、アメリカでは「ER」「CSI」などの人気ドラマにも影響を与えた、
と言われるほどの、最高峰ドラマの1つです。
展開が早くて、ついていくのに大変なのですが、このドラマに流れる、
人間の人間らしい感情、と、民主主義に対する情熱、にいつも心を打たれます。
その中で、強迫性障害になった自分に衝撃を与えた話があります。
簡単に内容を説明します。(1度見ただけなので、細かいところは異なっていたらすみません)
テロを計画している可能性が高い人物が殺されます。
犯人は、独自のルートで、テロが行われることを知り、そのテロを阻止するために殺人を犯します。
裁判(陪審員のいる裁判。日本で言う裁判員裁判)で、
殺人犯は
「私が彼を殺さなかったらテロで大勢の人が死んでいた。(自分を罪にしたら、これからテロが横行する可能性があるぞ。)」
と言います。
時期は、同時多発テロが起こった後(数年後?)です。
物語の舞台はニューヨーク。陪審員の中にはテロの被害者やその近親者もいるかもしれません。
「もう二度とテロはおこってほしくない」と誰もが思います。
でも、「殺人は罪」という事実もあります。
陪審員の心は揺れます。
そのときに、検事は言います。
「テロは怖いでしょう。
テロの可能性があるものは、すべて摘み取って、はやく心の平安を得たい、
それは、当たり前の感情です。
でも、我々の住んでいるこの国は民主国家です。
民主主義では、法の前では誰でも平等に裁かれます。
人を殺したら、それは罪です。どんな理由であろうと罪です。
テロが怖いから、疑わしきものはすべて排除する。
それは民主主義を放棄し、テロに屈したことになります。
みなさま、どうか、いつまたテロが起こるか怖いことだとは思いますが、
どうか、我々が築いてきた、この民主主義を忘れないでください。」と。
まさに民主主義の要の1つである「ORDER(秩序)」を守る役目である検事のお言葉!
(意味訳ですので、本編とは異なる部分があります。)
この検事の言葉に、思わず涙を流してしまいました。
私の感じていた自分の嫌な感情はここにあったんだ、と。
電池の液漏れが怖い、だから、電池そのもの、また、電池の交換した場所の近くにあったものや服、はすべて排除したい、と。
つまり、これは、「電池の液漏れ=テロ」で、その「テロ」の可能性があるものは先に「捨て=殺し」、
はやく心の平安を得たい、と。
自分は、「心の平安」を優先しようとして、
あらゆるものを排除しようとしていた、
という「自分勝手」なわがままな部分が
すっごく嫌だったのだと、気が付きました。
(強迫性障害の方が、わがままだという意味ではありません。
この感情は、強迫性障害の人だけでなく誰もが持っている感情です。)
でも、ドラマではそういう感情を否定しませんでした。
その感情があることを前提として、それでも、その感情を優先させないよう努力していこう!と。
だから、私もこういう感情があることは認めようと思いました。
電池が怖いのは確かで、何もかも捨てたい、という感情はある。
でも、それでも、それを抑えることで、秩序(ORDER)は守られる、と。
そう思ったら、少し楽になったんです。
今でも、時々、強迫性障害による怖い感情(すべてを捨てたくなる、手を必要以上に洗いたくなる感情)は出ます。
でも、それで「自分はダメな人間なんだ」と思わず、
そういう感情は出ても、「実行」しなきゃいいんだ!と。
「思うこと」は自由、でも、「実行」は「秩序を乱す」、だから、
私は「秩序」を守るために、「実行」しない努力をしよう!と。
自分の心を否定したら、もう自分は自分でいられなくなるから・・。
そうしたら、もっと私はおかしくなる。
「LAW&ORDER」は、人間の心の闇を突いてくることが多く、
それはとても厳しいものなのですが、
本気で前を進もう、と思っているときは、それはとても励みになります。
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