ドルカスの甥が結婚式を挙げた。
人前結婚式という、初めて耳にする形の式であった。これは宗教を排し、列席者に対して「私たちは結婚しました。互いに夫婦として歩みます」と公表する形式だと理解した。これはこれで、二人が選んだ形式に私は良いと思った。信じてもいない神に誓ったり、単に形だけの三三九度も、如何なものかと思う。その点、二人は真っ正直で、宗教がだめとは思わないが、とにかく偽らないということ、それに好感を持った。
最近はどこの結婚式場でもチャペルが備えてあり、(外国人牧師が多いが)正規の牧師が司式をする。普通の教会と式場のチャペルの違いは、チャペルそのもの美しさは式場にあるが、祈りと敬虔な雰囲気は教会のものである。特に賛美が圧巻である。
ともかくいずれも花嫁のウェディングドレス姿がチャペルに映え、バージンロードを父と歩く姿は美しい。待ち構える花婿に花嫁の父が娘を渡すが、かつて一度経験した私は「これでわが娘は相手のもの」と腹をくくらさせられる儀式だと思ったものだ。
花嫁のヴェールにも意味があって、これを上げる特権は花婿のものだ。衆目の中、キスをするためにすると勘違いしている花婿が多いかも知れないが、これは二人の壁が取り払われる意味がある。いろいろな壁が、晴れて取り払えるのだ。
意外と知られていないのが、クリスチャンは「誓ってはならない」ことだ。しかし「結婚式での誓い」は例外的なものである。そのような結婚式が増えることを心から願う。 ケパ