ケパとドルカス

『肝心なことは目では見えない』
これは星の王子さまの友達になったきつねの言葉。

最高のそば屋

2015年05月09日 | 随想
信州は上田に行くと、必ず寄るのが「草笛」。今回は朝ドラで草笛光子もあり、やはり草笛で。店名は藤村の詩の一節から採ったとのこと。

このお店が一番と押すのは、1に大盛りの(地元東信地方産)手打ちそば。2にその割にお値段が安いので遠慮なく食べられる。3に天ぷらが美味しいこと。値段が高ければ美味いのが当たり前。しかし本来蕎麦は米が作れない地の産物であって、大衆食品のはず。それを実行した草笛のポリシーに、私は全面的に賛同する。
安いからと言って、写真のように味に妥協はなく、客の目の前で職人が粉まみれになって作っている。見ていると汗が出てきそうな、随分な力仕事である。
その時ドルカスが「そばアレルギーの人にはできない仕事ね」とへんな当たり前のことを言う。朝ドラではないが、漆塗り職人が漆かぶれでは、話にならない。何でもない当たり前のことだが、私は我が家猫のコールの毛に、アレルギーを発症しそうになったあの時を思い出していた。

実は当たり前のことが、当たり前の通りにはならないことがある。コールへの愛が、私の体質を変えた。今ではコールの毛の中に顔を埋めて、全く平気である。してみると、人間の心の不思議を思わざるを得ない。アレルギーのようでいて、真の原因はその人の拒否心が原因であることが、あまりにも多いのだ。愛の力は、猫アレルギーに打ち勝つどころではなく、もっともっと信じられないほど巨大なものだ。 ケパ
コメント
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