冬の暮らしに思うこと

昨夜から北風が吹き出して、明らかに気候が冬型に戻った。今日は一日中ピューピューと寒い風が吹き続いた。しかし風は強く寒くとも、関東の千葉というこの地では晴天であって、テニスだってできる。室内は陽だまりでポカポカである。パンジーがきれいに咲いている。

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元からここに住んでいる人たちにはわからないだろうが、真冬なのにこの温かさに私たちは感慨深いものがある。そう、私たちは広島と長野という地域こそ異なっても、この時期、雪が降る地域の出なのだ。断っておくが、広島は地中海性気候で温かいと思っておられる方がほとんどだが、それは瀬戸内の海岸沿いわずか十から二十数キロまでのことで、それ以外のほとんとが雪の降る全く別な気候なのだ。北海道や裏日本の豪雪地帯にお住まいの方から見れば、笑われてしまうレベルなのかも知れないのだが。

関東のような雪が降らない地域の方は、一面の銀世界である雪景色を見ると「美しい」と感じられるようだ。しかし、そこに暮らしている者にとって、美しく感じるヒマもない、克雪という戦いの舞台と化す景色だ。
雪はまずもって強力な冷却材である。夜中に雪が降ると、それこそ「シンシン」と底冷えするのでわかる。凍らぬよう水道を流し、寒さ対策をして寝る。もっとも、雪が降る夜は温かいともいう。たとえ雪雲でも雲が覆ってくれているからである。

翌朝は明るい朝である。朝早く起きて、家の周り、玄関前から道まで雪かきをしなければならない。また家に面している道路も除雪をする。その上で、道路は低速で混雑したりするので、当然早出する。その上雪道の運転は、よく見えないし、絶えず注意力が要るのでひどく疲れる。その上、雪道は融雪剤などで車をひどく汚す。(雪の必須アイテム)

雪が降る地域で、雪を喜ぶのはスキーが好きな人と、子供達だけだと思う。とは言え、マイナスだけではない、利点もある。ただ、都会人が雪を見て感動するのを見るにつけ、雪でしんどい思いをしていた暮らしとの違いを感じてしまうだけだ。

雪の降らない今の地の、冬でも青空で洗濯物がしっかり乾き、戸外でテニスができる贅沢な恵みをすごく嬉しいと思っている。これは元からこの地に住んでいる人には当然のことで、そうでなかった生活をしてきた者だけの喜び、感謝だと思う。その上で、北風の向こうにある暮らしを思わずにはいられない。

人生も同じである。苦しんだことは、決して無駄にはならない。冬がなければ春の喜びがないように、人生が豊かにされ、感謝を知ることができる土台となるからである。

心からの感謝は、心から苦しんだ過去がないとできないことである。だから、苦しめられたことは、私にとって幸いでした。それで私は、心から神を求め、神に私を明け渡し、感謝することを学んだから。 ケパ