これまで小林聡美さんといえば、パンのCMに出てる人というくらいの認識しかなかった。
この夏、フィンランドへ行くまえに「かもめ食堂」を見てからというもの、あの「まったり癒し系」シリーズがわたしの琴線に触れて、シリーズ作品を見つづけている。
まったり癒し系シリーズというのは映画「かもめ食堂」「めがね」「プール」「マザーウォーター」などの作品である。TVドラマ「パンとスープとネコ日和」もこれに入るだろう。
辛口の評価には「かもめ食堂」以外はぜんぶ二番煎じの駄作だという人もいるが、わたしはそれぞれ甲乙つけがたい魅力があって素敵な作品だと思う。
小林さんの演じる役はどの作品もよく似ている。いっそのことおなじ名まえ(たとえばサチエ)にしてもいいくらいだ。
なににも縛られずに、自由にやりたいことだけをやっている。行きたいところへどこへでも行く。後悔はしない。そういう人物像である。
これはある意味いまの日本の社会に生きる人間とは真逆の生き方かもしれない。だからこそウケるのだと思う。
ふしぎなのはおなじ脚本/監督なのかと思っていたら、ぜんぜんちがうのである。でも通底する雰囲気というか、味わいがよく似ている。
登場する人たちの背景や関係性が省略されているし(プールの母娘はすこしだけ描かれている)、舞台となる場所もほとんど説明されない。そういう限定されない設定が、かえって見る人の想像をかきたてたり、自分に置きかえて見てしまうつくりになっている。
小林さんの脇を固める俳優はだいたいおなじで、どの人も独特の雰囲気と存在感をもっている。
とりわけ際立っているのは、もたいまさこさんである。これに異論をはさむ人はいないだろう。
彼女のゆっくりとしたしゃべり方、まっすぐに立つその佇まい、いつもまぶしそうな目線。どこからやって来たのかわからない謎めいた存在。そして演じてるのか演じてないのかわからないような感じがとてもいい。
もたいさんがいるからこそ、小林さんの役が引き立つといっても過言ではない。
しかしながら、きょう「紙の月」を見て、小林聡美さんの役柄がまったくちがっていたのでおどろいた。まったりではなく非常にシャープなのだ。
これを見て彼女はとてもいい俳優なんだとあらためて思った。この作品で助演女優賞を獲得しているのも納得である。なんだかますます彼女が好きになってしまった。
ああ、11月末に公開の「犬に名前をつける日」がいまからたのしみだ。
この夏、フィンランドへ行くまえに「かもめ食堂」を見てからというもの、あの「まったり癒し系」シリーズがわたしの琴線に触れて、シリーズ作品を見つづけている。
まったり癒し系シリーズというのは映画「かもめ食堂」「めがね」「プール」「マザーウォーター」などの作品である。TVドラマ「パンとスープとネコ日和」もこれに入るだろう。
辛口の評価には「かもめ食堂」以外はぜんぶ二番煎じの駄作だという人もいるが、わたしはそれぞれ甲乙つけがたい魅力があって素敵な作品だと思う。
小林さんの演じる役はどの作品もよく似ている。いっそのことおなじ名まえ(たとえばサチエ)にしてもいいくらいだ。
なににも縛られずに、自由にやりたいことだけをやっている。行きたいところへどこへでも行く。後悔はしない。そういう人物像である。
これはある意味いまの日本の社会に生きる人間とは真逆の生き方かもしれない。だからこそウケるのだと思う。
ふしぎなのはおなじ脚本/監督なのかと思っていたら、ぜんぜんちがうのである。でも通底する雰囲気というか、味わいがよく似ている。
登場する人たちの背景や関係性が省略されているし(プールの母娘はすこしだけ描かれている)、舞台となる場所もほとんど説明されない。そういう限定されない設定が、かえって見る人の想像をかきたてたり、自分に置きかえて見てしまうつくりになっている。
小林さんの脇を固める俳優はだいたいおなじで、どの人も独特の雰囲気と存在感をもっている。
とりわけ際立っているのは、もたいまさこさんである。これに異論をはさむ人はいないだろう。
彼女のゆっくりとしたしゃべり方、まっすぐに立つその佇まい、いつもまぶしそうな目線。どこからやって来たのかわからない謎めいた存在。そして演じてるのか演じてないのかわからないような感じがとてもいい。
もたいさんがいるからこそ、小林さんの役が引き立つといっても過言ではない。
しかしながら、きょう「紙の月」を見て、小林聡美さんの役柄がまったくちがっていたのでおどろいた。まったりではなく非常にシャープなのだ。
これを見て彼女はとてもいい俳優なんだとあらためて思った。この作品で助演女優賞を獲得しているのも納得である。なんだかますます彼女が好きになってしまった。
ああ、11月末に公開の「犬に名前をつける日」がいまからたのしみだ。