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佐野研二郎の矜持はどこに

2015年09月02日 | Life
自宅や実家、事務所にメディアの取材が昼夜、休日問わず来ています。事実関係の確認がなされないまま断片的に、報道されることもしばしばありました。
また、私個人の会社のメールアドレスがネット上で話題にされ、様々なオンラインアカウントに無断で登録され、毎日、誹謗中傷のメールが送られ、記憶にないショッピングサイトやSNSから入会確認のメールが届きます。自分のみならず、家族や無関係の親族の写真もネット上にさらされるなどのプライバシー侵害もあり、異常な状況が今も続いています。
今の状況はコンペに参加した当時の自分の思いとは、全く別の方向に向かってしまいました。もうこれ以上は、人間として耐えられない限界状況だと思うに至りました。

上の文は佐野研二郎氏が9月1日に事務所のホームページに発表した、いわゆる五輪エンブレム取り下げのコメントの一部である。全文はこちら

盗作転用問題はもうどうでもいい。そもそもたかがオリンピック、たかがエンブレムの話である。世の中にはよく似たデザイン、明らかにパクリだとわかるデザインが山ほどある。
わたしが憂うのは、上に抜粋したようなインターネット住人による暴力だ。佐野氏の仕事に不手際があったにせよ、彼や彼の家族のプライバシーを暴いたりする権利はだれにもない。
このようなネットの匿名性を利用した誹謗中傷はとても稚拙な行為だと思う。そのウラには佐野氏に対する嫉妬やねたみがあり、自分の鬱屈した気持ちをネットで晴らそうとする心理が見えるからである。
さらにいえば「赤信号みんなで渡ればこわくない」的な群集心理というか、弱いものいじめ的な心根も垣間見える。じつに破廉恥である。



ここまで問題が大きくなってしまった以上、佐野氏はもうデザインの世界では生きていけないかもしれない。
彼を擁護するつもりはまったくないが、モノづくりに携わる人間はつねに真摯であらねばならないと思う。それがモノをつくる人間の矜持だ。

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