経営統合とブランド名

3年前に光学機器メーカーのHOYAに吸収されたペンタックスが、今度はリコーになる。
もう少しくわしくいうと、「ペンタックス」ブランドのデジカメ事業がHOYAから切り離されて新会社となり、その新会社の全株をリコーが買い取るという形だ。
リコーのデジカメ事業もその会社に移るらしいから、新しいカメラメーカーが誕生するような感じか。
ただしカメラのブランド名は残すようなので、「リコーペンタックス」なんて名前にはならないと思うし、ならないでほしいと願う。

カメラづくりも商売であるかぎり、売り上げを伸ばさねばならないから、経営統合や吸収合併もやむなしであるが、カメラを使う側からいうとブランド名がころころと変わるのはいただけない。
2003年にコニカがミノルタを子会社化したときに社名がコニカミノルタホールディングス株式会社となった。
それにともないカメラのブランド名も「KONICA MINOLTA」となったが、その長ったらしいロゴがペンタプリズムに刻まれたカメラを見て、なんとも複雑な気持ちになったのはわたしだけではあるまい。
カメラにかぎらず、ブランド名というのはそのロゴデザインとともに記憶されるものなので、2つの会社がいっしょになったからといって、ロゴもいっしょにすればいいという話ではない。
結局その3年後、コニカミノルタのカメラ事業はソニーに吸収され、そのブランド名すらなくなってしまった。
世界のソニーが今やキヤノンに継ぐシェアを誇っているのは皮肉な話だ。

　デジカメのメーカー別国内シェア

さて、リコーとペンタックスであるが、マニア向けコンデジを得意とするリコーと小型一眼レフの得意なペンタックスが掛け合わされると、いったいどんなカメラができあがるのか。
折しもペンタックスQというかわいいミラーレス一眼が発売される。
ここにリコーの技術が投入され、さらに進化していくのだとすれば、これはちょっとおもしろい展開になる気がする。
カメラ好きオヤジとしては、もう今からワクワクなのであった。