私はキングの小説の熱心な読み手ではないが、それでも本書は私が読んだキング作品の中では一番楽しめた。
メイン州西部に位置する架空の田舎町キャッスルロックを舞台に、欲しい品が必ず手に入る謎の骨董屋と、その「代価」として客が支払う「行為」により、町全体が破局へと向かう様子を克明に描く。とにかく、容赦ない筆致でえぐり出される人間の深層心理に隠された悪意や疑心暗鬼が、中盤以降の残虐シーンの釣瓶打ちに繋がるプロセスはキングの独壇場で、読んでいてワクワクさせられる。
町民の身も蓋もない物欲が生み出す狂態に比べれば、骨董屋が「正体」をあらわす終盤のハリウッド製ホラー映画みたいな場面は、ハッキリ言ってどうでもいい(笑)。一部に「クトゥルー神話」を暗示したような箇所があるのも、マニアにとっては嬉しかろう。
なお、90年代にフレイザー・クラーク・ヘストン監督により映画化されているが、私は未見である。
メイン州西部に位置する架空の田舎町キャッスルロックを舞台に、欲しい品が必ず手に入る謎の骨董屋と、その「代価」として客が支払う「行為」により、町全体が破局へと向かう様子を克明に描く。とにかく、容赦ない筆致でえぐり出される人間の深層心理に隠された悪意や疑心暗鬼が、中盤以降の残虐シーンの釣瓶打ちに繋がるプロセスはキングの独壇場で、読んでいてワクワクさせられる。
町民の身も蓋もない物欲が生み出す狂態に比べれば、骨董屋が「正体」をあらわす終盤のハリウッド製ホラー映画みたいな場面は、ハッキリ言ってどうでもいい(笑)。一部に「クトゥルー神話」を暗示したような箇所があるのも、マニアにとっては嬉しかろう。
なお、90年代にフレイザー・クラーク・ヘストン監督により映画化されているが、私は未見である。


