2003年作品。美しい山間の町を舞台に、それぞれが屈託を抱えたある家族の何気ない日々をマッタリと綴るドラマ。石井克人監督もさすがに「鮫肌男と桃尻女」「PARTY7」の路線を引っ張るのはヤバイと思ったのか、この3作目では目先を変えてホームドラマに挑戦した。ただし結果は大失敗だ。
原因は前作までの“おちゃらけ活劇”では笑って済ませられる“ディテールの甘さ”が、ホームドラマでは通用しないことに作者が気が付かなかったこと。一家の主が催眠療法士で、妻がアニメーター、彼らの兄弟がミキサーと売れっ子漫画家で、祖父も元アニメーター。そんな家族が栃木県のド田舎に住んでいるというデタラメな設定からして“引いて”しまう。
たぶん石井はそんな“浮世離れした職業の連中”しか描けないのであろうが、いつもの映像ギミックをこの題材で活かすにはドラマ自体が“現実的”でないといけないのに、設定もストーリーも演技も全て“非現実的”では、映画自体が単なる与太話にしかならず、観ていて気分が悪くなってしまった。
繰り出されるギャグも前作までと同パターンである上、狙いが見透かされてシラケるばかり。もう石井は監督から撤退すべきだ。少なくとも今後は脚本を他のマトモな者に任せた方が良い。キャスト面でも、印象に残ったのは珍しくマジメな田舎の女子学生に扮した土屋アンナぐらい。浅野忠信も手塚理美も三浦友和も精彩が無く、困ったものである。
原因は前作までの“おちゃらけ活劇”では笑って済ませられる“ディテールの甘さ”が、ホームドラマでは通用しないことに作者が気が付かなかったこと。一家の主が催眠療法士で、妻がアニメーター、彼らの兄弟がミキサーと売れっ子漫画家で、祖父も元アニメーター。そんな家族が栃木県のド田舎に住んでいるというデタラメな設定からして“引いて”しまう。
たぶん石井はそんな“浮世離れした職業の連中”しか描けないのであろうが、いつもの映像ギミックをこの題材で活かすにはドラマ自体が“現実的”でないといけないのに、設定もストーリーも演技も全て“非現実的”では、映画自体が単なる与太話にしかならず、観ていて気分が悪くなってしまった。
繰り出されるギャグも前作までと同パターンである上、狙いが見透かされてシラケるばかり。もう石井は監督から撤退すべきだ。少なくとも今後は脚本を他のマトモな者に任せた方が良い。キャスト面でも、印象に残ったのは珍しくマジメな田舎の女子学生に扮した土屋アンナぐらい。浅野忠信も手塚理美も三浦友和も精彩が無く、困ったものである。



