第7話
『死ぬまで二度と笑いません・・・』
阿須田家の子供たちがまた紹介所の所長に、
三田のことを聞きに行く。
まんまと乗せられてちょっと喋ってしまう所長。
けど三田が来る時間だとカウントダウン。
慌てて隠れる子供たち。
そしてカウントダウン後ピッタリに現れる三田。
「申し訳ありませんが、
今後一切、私の過去について
話さないでいただけますか。 結さんたちに。」
所長の目線で子供たちが隠れていることを察した三田。
「丁度いいので、みなさんにもお伝えしておきます。
今後どんな質問をなさっても、
答える気はありませんので。」
そんなこと言わないで教えてと言い、
出て来る子供たち。
「どうしてもお聞きになるのなら、
お暇をいただきます。」
みんな分かったとそれ以上聞かない。
子供たちは帰って行く。
三田も出て行こうとした時、声をかける所長。
「灯ちゃん。 あんたまだ
旦那さんの両親に言われたこと気にしてんの?
言ったじゃない。
あれはあんたのせいじゃないって。」
夕食時、空気が重い食卓。
希衣が三田にお遊戯会でドロシーやることになったから、
ドレスを縫ってと頼む。
お遊戯会は今度の土曜日らしい。
缶を見つめる希衣。
「お父さん、来てくれるかな?
去年のお遊戯会もお仕事で来てくれなかったし。
お姉ちゃん、お父さん大丈夫かな?」
この前言ったことも恵一がちゃんとやってくれるかと、
色々心配な子供たち。
「ねえ、三田さん どうしたらいいと思います?」
「それは、みなさんが決めることです。」
「またそうやって突き放す。
じゃあ、お父さんに伝えて来てくれませんか?
希衣のお遊戯会に必ず来て、
この前の答えを聞かせて欲しいって。」
「承知しました。」
元カノが恵一の部屋を訪ねる。
やっぱり遊びだったと。
常務の娘とお見合いが決まっているそう。
「さっき名取さんに言われました。
いつまで会社にいる気だって。
みんなが辞めて欲しいって思ってんの
いい加減気づけよって。」
「悪かった。 全部俺のせいだ。」
「だったら責任とってくれますか?」
「えっ?」
「もう恵一さんしかいないんです。 私。
どっか遠い所にでも行って、
2人でやり直しませんか?」
「あ・・・いや・・・」
「冗談です。 恵一さんは
お子さん捨てる訳にいかないんだし。
田舎に帰ってお見合いでもします。 私。」
帰ろうとする元カノを引き止めているところに、
三田が・・・
結からの伝言を預かって来たと伝言を伝える。
結たちになんて伝えるか聞かれた恵一。
「ああ・・・あの取り敢えずさっきの彼女のことは
黙っといてもらえますか?
別に何も疚しいこととかしてないんで。」
「承知しました。」
「あ・・・それからお遊戯会ですけど・・・
勿論行きたいけど、まだ正直言って、
どうしたらいいか分からないんです。
どうやったら子供たちに父親としての
愛情を証明出来るのか。
愛してるとか口で言っても、
信じてもらえない気がするし。
どうしたらいいと思います? 三田さん。」
「それは・・・」
「あなたが決めること・・・とか言わないで助けて下さいよ。
今度失敗したらもう後がないんですよ、俺。」
「まだ仕事が残ってますので失礼します。」
待ってと三田の肩に手を乗せた恵一。
三田はその手を掴み恵一を投げ飛ばした。
「申し訳ありませんが、
後ろに立たないでいただけますか。」
家に戻り子供たちに伝言を伝える三田。
「お遊戯会に必ず行き、子供たちを愛していると
証明するから心配するなとおっしゃってました。」
取り敢えずそう言っておいてと
頼まれたんだろと海斗に見透かされる恵一。
不倫相手と会っていたか聞かれるが、
何も応えない三田。
その時、希衣のドレスが出来上がる。
希衣が練習に付き合うよう言った。
希衣がドロシーで結が案山子、
翔がきこりで海斗がライオン。
「じゃあ、悪い魔女は?」
みんなで三田を見る。
「それは、業務命令でしょうか?」
そして練習がスタート。
しかし三田の怖さにみんなが後退り。
もう一度やるがやっぱり怖い三田。
そこへ彼氏からメールが入る結。
もう一度話し合いたいと。
翌日、部室で話をする結。
「ごめんなさい。
先輩とはもう付き合えません。
私気づいたんです。
先輩を好きになることで、ズルイ自分とか
イヤな現実から目を背けていただけだって。
もう逃げたくないんです。
強くなりたいんです。 私。」
部室を出て行く結。
うららを見かけて声をかける。
この前助けてくれたことにお礼を言った結。
祖父にも謝っておいてと。
社員食堂で『いい父親になるには』という
本を読んでいた恵一。
元カノから今度の日曜に田舎に帰るとメールが。
その時、名取が常務の娘と婚約したと聞こえ、
恵一が我慢出来ずに名取を殴る。
「だったらなんで愛してるなんて言ったんだ!
彼女本気で喜んでたんだぞ!!
俺のことがバレて君に愛してるって言われて。
それなのに自分の出世のためなら平気で捨てるのか!?
だったら愛ってなんなんだよ!?
なあ、教えてくれよ!」
「何言ってんだ? あんた。 離せ!!」
「分からないんだ!
どうしたら本当に愛してるって証明出来るのか!
愛してるって言えばそれでいいのか?
なあ、教えてくれよ! どうなんだよ!
もう分かんねえんだよ!
ホントに分かんねえんだ!!」
またお遊戯会の練習をしている子供たち。
そこへチャイムが鳴り、三田が出て行くとうららが。
差し入れにタコ焼き買って来たと言い、
それを希衣のドレスにぶちまけ、
ドレスがソースまみれに・・・
お遊戯会、明日なのにと希衣。
「三田さん、明日までになんとかなりませんか?」
「大丈夫です。」
希衣が明日恵一が来るか心配する。
三田に連絡あったか聞くがないようで・・・
その時、三田の携帯が鳴る。
「三田さん。 今日そっちの仕事が終わったら
会ってもらえませんか?
勿論、超過料金はお支払いしますんで。」
「承知しました。」
恵一に会う三田。
「実は会社をクビになって。
子供たちに愛を証明するやり方もまだ分からないし、
もう最悪ですよ。
このままじゃ、僕の石を希衣の缶の中に
入れもらえる自信なんか全然・・・」
ポケットに手を入れた恵一は石がないことに気づく。
どうやら穴が開いていたようだ。
慌ててその辺を探す恵一だったが見つからない。
「もうどうしたらいいんですか? 俺は。
三田さん。
頼んだらなんでもやってくれるんでしたよね?」
「私に出来ることなら。」
「じゃあ、会社に戻してもらえませんか?
もう一度。」
「無理です。」
「時間を戻してくれませんか?」
「無理です。」
「ですよね・・・じゃあ・・・
そうだ、明日のお遊戯会中止にしてくれませんか?
お遊戯会が延期になれば、
それまでに何か子供たちに許してもらえる方法が
思いつくかもしれないし。
あっ、そうだそうだ。 そうして下さい。」
「承知しました。」
お遊戯会の最中に金属バットを持って
乗り込んで行く三田。
ステージに上がりセットを壊して行く。
という夢を見た恵一。
そこへ三田から電話が。
頼んだお遊戯会の件やめてもらえないかと恵一。
しかしもう手遅れだと言われる。
どこにいるのか聞く恵一に答えられないと三田。
恵一が慌てて幼稚園に行くと、
パトカーが来ていてちょっとした騒ぎに。
お遊戯会を中止しないと幼稚園を爆破すると
予告電話があったと。
家政婦の仕業じゃないの?と言われ、
素直に謝っちゃう恵一。
警察から出て来た恵一を待っていた三田。
こってり絞られたらしい。
お遊戯会は終わったそう。
「そうですか。 見たかったなぁ。
希衣のオズの魔法使い。
今更何言ってるんだって感じですよね。」
あの川沿いに来る2人。
女房の変わりに自分が死ねば良かったんだと、
川に入って行く恵一。
そこに子供たちがやって来た。
「結さんたちに、何故旦那様が
お遊戯会を中止にしようとしたのかと聞かれたので、
会社をクビになり、希衣さんの石もなくし、
もう子供たちに愛を証明する自信がなくなったと
泣いていらしたとお伝えしたので。」
「お父さん」と呼んで近づいてくる子供たち。
「来るな! 三田さんから聞いたろ!
俺はお前たちの父親になる資格なんかないんだ!!
やっぱりお前たちはおじいちゃんの養子になる方がいい。
その方が絶対に幸せになれる!」
「分かった!
じゃあ、最後にひとつお願いがあるんだけど・・・」
希衣のドロシーを見てと。
隣のババアが文句言って希衣は降ろされたと。
家を飾ってオズの魔法使いの劇をする子供たち。
靴を鳴らし歌ってとドロシー。
歌はいつも希衣が歌っていたあの歌だった。
お母さんに見せたかったと恵一。
そしてお前たちの大事なお母さんを死なせてしまったと
土下座して謝る恵一。
「お前たちは許してくれなくていい。
愛してくれなくてもいい。
でも俺は・・・俺はお前たちを愛したい。
これからずっと一生愛し続けて行きたい。
他の家のお父さんみたいに、
胸張って愛してるとはいえないけど・・・
でも今はホントに心からそう思うんだ。
嘘じゃない。
俺はお前たちを愛して愛して愛し抜きたい。
ず~っと一緒にいたい。
お前たちがどう成長し、
どんな人生を生きるのか見ていたい。
もっと色んなこといっぱい話したい。
お母さんのこともちゃんと伝えたい。
お前たちが辛い時は応援する。
俺が出来ることならなんでもする。
どんなことをしてでも全力で守る。
だからだから俺を・・・
お前たちの父親にしてくれないか。
希衣の石はなくしちゃったけど、
俺をお前たちの父親にしてくれ。 頼む。」
「申し訳ありません。
出過ぎたマネをしました。」
と言い、三田が希衣の石を渡す。
「もしかしたら会社でなくされたのではないかと思い、
ゴミ置き場を捜しました。」
「じゃあ、昨日あれからずっと・・・」
「大丈夫です。 超過料金はいただきませんので。」
「ありがとうございます。」
缶を持って蓋を開ける希衣。
そこに石を入れる恵一。
その石を遺影に見せる希衣。
「やっとお父さん帰って来たよ。 お母さん。」
泣き出す恵一。
「そうだ、お姉ちゃん。 記念写真しない?」
「いいね! 父親復活記念日だ。」
三田にも入るよう言うが断られる。
「そんなこと言わないでさ。
三田さんは家族と一緒なんだから。」
「申し訳ありませんが、
私は家族ではありません。」
タイマーをセットしたところへうららが乱入して来て、
うららも一緒に映ってしまった。
田舎に帰る元カノ。
恵一がそこへやって来た。
「俺は今でも君が好きだ。
君と結婚したいと思ってる。」
「ホントですか?」
「子供たちの母親になってくれるなら。
昨日子供たちに何度も何度も
お父さんって呼ばれてやっと気づいたんだ。
そう呼ばれることがどんなに幸せかって。
今まで気づかなかったなんてホントにバカだ。
俺は名前の通り世界で一番恵まれている男なのに。」
元カノはバスに乗って行ってしまった。
恵一は結と義之のところへ。
「子供たちを養子にしたいと
おっしゃっていただいた件ですが、
正式にお断りさせていただきます。
申し訳ありません。
これからはお義父さんにも子供たちの父親だと
認めてもらえるように頑張ります。」
結もお父さんと一緒にいるって決めたと言う。
「好きにしろ。
お前たちのことなど、もう知らん。
孫とも思わん。」
家に戻った恵一はそのことを伝えた。
自分が悪いんだからしょうがないと。
そして職探しに行こうとする恵一に、
シャツを差し出す三田。
緊張して汗をかいたのでは?と。
着替えた恵一はシャツがアイロンしたばかりで
気持ちがいいと三田にお礼を言う。
「それはなくなった奥様に言うべき言葉だと思います。
私は奥様のやり方をマネているだけなので。」
遺影に水を供え、手を合わせる家族。
「ありがとう。 凪子。
生きてる時一度も感謝せずに、ごめんな。」
みんなで恵一のお見送り。
ポケットに手を入れたら穴が繕ってあり、
三田を見て笑顔で頭を下げる恵一。
子供たちが一緒に行って欲しいところがあると言う。
遊園地に三田を連れて来た。
やっぱり気になるらしく、過去を三田に聞く子供たち。
しかし三田は夕食の支度があると立ち上がる。
「申し上げたはずです。
どうしてもお聞きになるならお暇をいただくと。」
過去を思い出す三田。
「あんたが殺したのよ!
息子と孫を返して!!」
葬儀の場で土下座をしている三田。
「もう謝らないでいいから、
死ぬまでもう二度と笑わないで!!」
父は一応戻って来たね~。
けどなんだかよく分からない父親ね。
しかし三田さんに会社に戻してとか、
時間を戻してとかって無理だから!
そりゃ、ドラえもんバリに鞄からなんでも出て来るけどさ(笑)
次回は三田さんの過去が明らかに!?
一体何があったんだ!!
第1話 第2話 第3話 第4話 第5話 第6話