美味しんぼ

2011年06月03日 | 風の旅人日乗
横浜で午前中の用事を済ませると
まだお昼まで時間があるのに腹が減り、
目の前にあった中華食堂に入る。

なるべく野菜を多めに食べようね、と
タンメンと半チャーハンのランチセットを注文して、
テーブルの下の漫画週刊誌を取り出し、
『美味しんぼ』がまだ連載中だったので、
懐かしくて読んでみる。
なんと、
究極のメニューと至高のメニュー対決がまだ続いているではないか。

客がまだほとんど入っていない時間帯だったので、
注文の料理が届いた後も、それを食べながら、
行儀悪く『美味しんぼ』を読み続ける。

ご飯をいただくときには、
食べ物に感謝して、お行儀よく、
よく噛んで、
きちんとした姿勢で食べなさい、なんて
朝怒ってきたばかりの子どもたちには
絶対に見られてはならない姿だ。

漫画の中の究極と至高対決は、、
日本のお米や野菜や果物やお茶っ葉の中に
農薬など身体に悪い化学物質がどれだけ残留しているか、
なんていう話になっている。
こういうテーマでどういう対決が展開されているのかは
解読不可能だったけど、

対決のほうはともかく、
欧米諸国の基準と比べて
日本の通産省が農薬などにどれだけユルイ基準値を設定し、
日本人が、子どもを中心にどれだけヒドイ健康被害を受けているか、
について、
それらを比較する、頭が痛くなるような数字が
各コマにズラリと並んでいる漫画を読んでいるうちに、
それまで美味しく思えていたタンメンとチャーハンが、
だんだん喉を通りにくくなってきた。

そうだった。
日本という国を運営している人たちが
第一優先としてずっと貫いてきているのは
国民一人一人の命ではなく、国全体の経済なんである、
ってことを、つい最近勉強したばかりじゃないか。
もう忘れてた。

しかし、そのことを思い出すのは、
農薬たっぷりの野菜と米を、
美味しく感じながら食べているとき以外にすべきだった。
深く反省。

子どもたちには、これからも自信を持って厳しく伝えることにしよう。
「ご飯を食べながら漫画なんて読んだら、絶対にダメだぞ」