A.中国に吹く風
a.今、中国共産党大会が開催されています。
b.胡錦涛氏が報告された、α)所得倍増、β)海洋権益の確保・海洋国家建設、γ)美しい中国の建設、が印象に残ります。
c.一方、10月10日の『人民網日本語版』は、外交学院・宋栄華客員教授の「野田よ、あなたに感謝したい人がいる」という記事を、『環球時報』から転載しています。
d.記事は、一国に首相に対して敬称もつけません。また記事は、中国の宋教授クラスの知識人の間では、尖閣列島における権益確保のため、日本に対して中国は戦うという意識が蔓延(まんえん)していることを強く示唆します。
e.11月9日には、中国外交部・洪磊(こうらい)報道官が、「日米同盟は、中国を含む他国の利益を損なうべきではない」と述べました。
f.宋栄華氏といい、洪磊氏といい、ここでは中国の中堅クラスの人二名のみですが、これらの発言を仮に清朝末期のものとして類推してみるに、中国人の体質は古来から変わっていないのではないかと思えてきます。それは、中国という国の大きさを過信した、人々の主観的な言動です。そして清朝は滅びました。
B.習近平氏
a.氏は、毛沢東・文革時代の下放の経歴をお持ちです。
b.毛氏が、政敵(小平氏・としょうへい し)を倒すために採られた手段である文革・紅衛兵動員の方法は現在に引き継がれています。
c.それは、江沢民氏による反日教育の徹底であり、先日の反日暴動です。
d.11月8日にNHKのクローズアップ現代が、上海北部の南通(なんつう)市工業地帯の工業廃水を海に流す施設の建設を、若者たちが地方政府幹部を建屋(たてや)から引きずり出して、中断させるという映像を流しました。これはかっての紅衛兵そのままの方法です。
e.上海といえば、江沢民氏の拠点の都市であり、毛氏亡き後の四人組と呼ばれた文革派が拠点とした街でもあります。
f.習近平氏は、紅衛兵パワーの凄(すさ)まじさと、それが政治闘争に利用できることも十二分に御存じのことと思われます。
g.しかし私達は、習近平氏が反日教育を是正されるのか否かも、その政治手法も、まだ分(わ)からないでいます。
C.これからの中国
a.胡錦涛氏が、これからの中国が古いマルクス・レーニン・毛沢東主義の国のままであっては、国際社会の進歩とともに並び立つことはできないと予見され、それらから脱し、新しい理念を模索された指導者であることを、私達は認め、評価して良いと思います。
b.しかし、尖閣三島の国有化以降、日本に対して中国が物理的な脅威として登場した事も事実です。
c.上記に二、三の歴史上の事実を列記しただけでも、中国にはまだ古い風が吹き止んでいないことを知ることができます。
d.今後、中国が尖閣三島の実効支配のために、かっての西沙諸島、南沙諸島のように、軍隊の交戦行動に出る可能性は長期に見て100%あります。
e.その時、日本人は国家の興亡この戦にありという覚悟で彼らに臨み、彼らを排除しなければなりません。
g.そしてそれは、歴史の大きな流れで見れば、中国の人々が自分たちの手で自由と民主主義と公共の新しい旗を手に、新しい国家建設の歩みを始める日ともなることを、私達は忘れてはなりません。
e.これは歴史の大道です。