A.金正男氏殺害報道の映像から見えてくるもの
1.金正男氏は太ってはいるものの小柄の男性であった。
ア.報道各社は金正男氏殺害の実行犯である女性二人の映像を伝えています。一人はベトナムのパスポートを持つドアン・ティ・フオン容疑者で一人はインドネシアのパスポートを持つシティ・アシ
ャ容疑者です。二人は、マレーシアのクアラルンプール空港の搭乗自動チェックイン機の前にいる金正男氏に対し、シティ・アシャ容疑者が金正男氏の前に近づいて金正男氏の背後に対する注意をそ
らし、ドアン・ティ・フオン容疑者が後ろから金正男氏の首に左右の腕を回し、口を毒物の付着したもので塞(ふさ)いだと言われています。この間、5秒であったとも言います。
イ.この事件をこのブログではどのように伝えようかと思い、実行犯二人の身長に着目することにしました。二人とも非常に小柄です。ドアン・ティ・フオン容疑者がホテルにチェックインする時
と、犯行後、空港のエスカレーターで空港外へ立ち去ろうとする映像が放映されました。その画像を見ると、ホテルのチェックインカウンターの前に立つフオン容疑者はカウンターと比較してとても
小さく、肩の位置がカウンター高さ程だったと思うのですが、ビデオに残していないためこう表現しておきます。シティ・アシャ容疑者の身長はドアン・ティ・フオン容疑者よりも更に低いもので
す。
ウ.殺害の実行者が被害者の背後から被害者の首に左右の腕を回し、口をふさぐことを5秒程度で行うためには、被害者の身長が実行者より高ければ、実行者は腕を自分の肩より上に上げなくてはな
らず、確実に口をふさぐ確率が減少します。そのため、金正男氏の身長は、ドアン・ティ・フオン容疑者と同程度であったことが考えられます。
2.私達に、金政権はイリュージョン(幻影・錯覚)を見せていた。
ア.これは、私が今回の事件を知り、リアルタイムで放映される報道映像を見て、北朝鮮に対して改めて抱いた実感です。金正男氏のDNAは同じ血を引き継ぐ者たちと同じものです。ここでは金正
男氏の身長の高低を問題にしているのではありません。金政権は、統制された報道において私達に統制されたマスゲーム、軍隊の歩列、ミサイルの車列、将軍様をたたえる人々を見せ、北朝鮮の指導
者としての自分たちの像を大きく見せてきました。しかし、それはイリュージョンに過ぎません。中国は豊かになりました。韓国は、今、「大統領府の内部資料の流出」をきっかけに揺らいでいます
が、同様に豊かになりました。共に戦後の出発は同時期です。しかし、北朝鮮はいまだ貧しいままです。明らかに政権の失政なのですが、いまだ北朝鮮は、首領の異母兄の命を奪う国に留まっていま
す。しかも、三代に亘(わた)る独裁と恐怖によって支配する国です。約2500万人(2015年、日本国外務省、北朝鮮基礎データ)の人々は、自分たち一人一人の能力を解放することができる
社会を作る方法を知らないと思われます。それを知り、国を改革開放する方法を考えれば、金正男氏の叔父の張成沢(チャンソンテク)氏のように粛清されてしまいます。
イ.金正男氏の生前の表情からは、北朝鮮の権力への執着はすでに無く、しかも、報道からは、権力の三代世襲はすべきではないと考え、求められれば国の発展の一助となりたいと考えていたことが
分かります。この金正男氏を殺害してしまう現在の北朝鮮指導部は危険な存在です。
ウ.日本には、北朝鮮の在外組織があり、そのネットワークは、今回のマレーシアでの事件に見るように、国も人も一国のみでは終りません。
日本の人々で、北朝鮮の人々の開放に何らかの形でかかわろうとし、それを望み、発言し、発信する人は、彼らの振る舞いに注意を払い、必ず身を守らなければなりません。
日本の社会を安全なものにするために、政府と地方自治体は、日本人を護る具体的な政策を立て、行動しなければならないことを、今回の事件は示しています。
追記
1.金正男氏殺害の瞬間の映像がユーチューブに投稿されていました。タイトルは「金正男 暗殺 スクープ映像入手 暗殺の瞬間」です。フジテレビの“BEGINNING OF THE WEEK mr.サンデ
ー”の映像です。
2.金正男氏の御冥福を心よりお祈り申し上げます。
2017年2月19日
春の近い冬の空