非常に残念な事件があったようです。天下の東大で捏造疑惑ということのようです。しかも既に『ネイチャー』に投稿され、掲載されてしまったのではないかと思われます。インパクト・ファクターの頂点でもある学術雑誌ですから、査読は厳しいでしょうし、載るだけでも名誉なことなのだろうと思います。にも関わらず、このような疑惑を生じるというのは、日本の科学界には衝撃を与える事件だろうと思います。事実関係や出来事の背景などについても、よく調査するべきでしょう。また、科学研究関係の予算獲得などの競争激化なども、何かの遠因となっているかもしれません。私にはこうした学界の出来事については、全く知るよしもありませんが、複雑な問題が横たわっているのかもしれません。
論文の信頼性に問題、遺伝子研究で生データなし…東大 : ニュース : 教育 : YOMIURI ONLINE(読売新聞)
一部抜粋します。
多比良教授らが英科学誌ネイチャーなどで発表した12本の論文について疑問を持った「日本RNA学会」が今年4月、同大学に調査を依頼したため、同研究科は同月、調査委員会(委員長=松本洋一郎教授)を発足させ、調査を続けてきた。
調査委員会は12論文のうち、検証が比較的簡単な4本の論文について実験記録などを調査。 その結果、論文のすべてにかかわった助手は、生データのほとんどをコンピューターに直接取り込み、一部のコンピューターはデータを保存せずに廃棄していたことが明らかになった。手書きの実験ノートも残しておらず、実験が実際行われたかどうかも確認できなかったという。
平尾公彦・同研究科長は「実験の生データがないのは極めて異例。追試の結果を受けて、厳しく対処したい」と述べた。多比良教授は「実験結果には自信があるが、それを裏付ける物的証拠を提出できず、深く反省している」と話している。
これと似た事件は阪大でもありました。
改ざんデータで論文、大阪大チームが米医学誌に発表 : ニュース : 医療と介護 : YOMIURI ONLINE(読売新聞)
こちらも記事の一部を抜粋します。
大阪大大学院医学系研究科の研究チームが昨年10月に米医学誌「ネイチャーメディシン」に発表した基礎研究の論文が、不正なデータに基づく内容だったことが18日、明らかになった。
研究の実質的な担当者だった医学部の学生が、大学側の調査に対しデータの改ざんを認めたという。実験を記録したノートや実験用のマウスも見つからず、実験結果そのものがねつ造だった可能性も出ており、同研究科は遠山正彌・研究科長を委員長とする調査委員会を設け、事実関係の解明に乗り出した。担当教授はすでに同誌に論文取り下げを申し入れ、承諾された。
このように阪大の場合には、学生による研究ということで、管理・指導の体制に問題があったと思いますが、東大の場合には既に掲載済みの論文で、しかも学生の研究とは訳が違うでしょうから、問題は根深いようにも思います。
研究機関に携わる人々にとっては迷惑なことだろうと思いますが、よく調査して同種事件の防止に努める必要がありますね。
ところで、「象牙の塔」と言えば、過去に何度か記事にも挙げたSF作家、アイザック・アシモフ(続・言葉の創造と理解、日本の進む道)にもそれにまつわる作品がありました。非常にマイナーな作品なので、知る人は少ないと思います。私のようなアシモフ好きとかでなければ、読まれることもないのではないか、と思います(笑)。そういえば映画でちょっと名前が出てましたね。『ロボット』というタイトルだったかな?生きている時には、映画化されなかったのに、死んでからでは残念な気もします。因みにアシモフは非常に執筆が早いと豪語していて、出版界では知られた話だったそうです。著作数は物凄く多くて、曖昧な記憶ですが300冊以上が出版されたはずです。薄利多売の書き手だったのでしょうか(笑)。
作品名は『象牙の塔の殺人』というミステリーです。ある大学で起こった死亡事件が、殺人事件なのか、どうなのか、という内容でして、有機化学の研究教室が舞台となっています。答えを書くと、問題あるかな?まあ、「モラル」の問題が事件に関わるということですね。
私が持っている文庫本は、88年初版のもので、作品自体が書かれたのは何と58年だそうです。つまり今から50年位前の作品ということで、ちょっとなじみがないかもしれませんね。日本では、アシモフそのものが名前を知られるようになってから翻訳・出版されたのだろうと思います。それでも30年後に日本で出版というのは、ある意味凄いかも。内容は、アシモフらしからぬ、ちょっと毛色が違った本かもしれませんね。でも、研究機関に身を置く人達ならば、どことなく理解出来る内容なのかもしれません。興味がある方は、古本屋でも探してみて下さい。
論文の信頼性に問題、遺伝子研究で生データなし…東大 : ニュース : 教育 : YOMIURI ONLINE(読売新聞)
一部抜粋します。
多比良教授らが英科学誌ネイチャーなどで発表した12本の論文について疑問を持った「日本RNA学会」が今年4月、同大学に調査を依頼したため、同研究科は同月、調査委員会(委員長=松本洋一郎教授)を発足させ、調査を続けてきた。
調査委員会は12論文のうち、検証が比較的簡単な4本の論文について実験記録などを調査。 その結果、論文のすべてにかかわった助手は、生データのほとんどをコンピューターに直接取り込み、一部のコンピューターはデータを保存せずに廃棄していたことが明らかになった。手書きの実験ノートも残しておらず、実験が実際行われたかどうかも確認できなかったという。
平尾公彦・同研究科長は「実験の生データがないのは極めて異例。追試の結果を受けて、厳しく対処したい」と述べた。多比良教授は「実験結果には自信があるが、それを裏付ける物的証拠を提出できず、深く反省している」と話している。
これと似た事件は阪大でもありました。
改ざんデータで論文、大阪大チームが米医学誌に発表 : ニュース : 医療と介護 : YOMIURI ONLINE(読売新聞)
こちらも記事の一部を抜粋します。
大阪大大学院医学系研究科の研究チームが昨年10月に米医学誌「ネイチャーメディシン」に発表した基礎研究の論文が、不正なデータに基づく内容だったことが18日、明らかになった。
研究の実質的な担当者だった医学部の学生が、大学側の調査に対しデータの改ざんを認めたという。実験を記録したノートや実験用のマウスも見つからず、実験結果そのものがねつ造だった可能性も出ており、同研究科は遠山正彌・研究科長を委員長とする調査委員会を設け、事実関係の解明に乗り出した。担当教授はすでに同誌に論文取り下げを申し入れ、承諾された。
このように阪大の場合には、学生による研究ということで、管理・指導の体制に問題があったと思いますが、東大の場合には既に掲載済みの論文で、しかも学生の研究とは訳が違うでしょうから、問題は根深いようにも思います。
研究機関に携わる人々にとっては迷惑なことだろうと思いますが、よく調査して同種事件の防止に努める必要がありますね。
ところで、「象牙の塔」と言えば、過去に何度か記事にも挙げたSF作家、アイザック・アシモフ(続・言葉の創造と理解、日本の進む道)にもそれにまつわる作品がありました。非常にマイナーな作品なので、知る人は少ないと思います。私のようなアシモフ好きとかでなければ、読まれることもないのではないか、と思います(笑)。そういえば映画でちょっと名前が出てましたね。『ロボット』というタイトルだったかな?生きている時には、映画化されなかったのに、死んでからでは残念な気もします。因みにアシモフは非常に執筆が早いと豪語していて、出版界では知られた話だったそうです。著作数は物凄く多くて、曖昧な記憶ですが300冊以上が出版されたはずです。薄利多売の書き手だったのでしょうか(笑)。
作品名は『象牙の塔の殺人』というミステリーです。ある大学で起こった死亡事件が、殺人事件なのか、どうなのか、という内容でして、有機化学の研究教室が舞台となっています。答えを書くと、問題あるかな?まあ、「モラル」の問題が事件に関わるということですね。
私が持っている文庫本は、88年初版のもので、作品自体が書かれたのは何と58年だそうです。つまり今から50年位前の作品ということで、ちょっとなじみがないかもしれませんね。日本では、アシモフそのものが名前を知られるようになってから翻訳・出版されたのだろうと思います。それでも30年後に日本で出版というのは、ある意味凄いかも。内容は、アシモフらしからぬ、ちょっと毛色が違った本かもしれませんね。でも、研究機関に身を置く人達ならば、どことなく理解出来る内容なのかもしれません。興味がある方は、古本屋でも探してみて下さい。