いい国作ろう!「怒りのぶろぐ」

オール人力狙撃システム試作機

日ハムの試合内容が気になる件

2009年09月13日 16時29分36秒 | 俺のそれ
8月後半以降の、試合運びのマズさや内容の悪さが気になっていたが、連敗が増えてしまったね。振り向けば鷹がいる、ってやつですかい?(笑)


何が、というのは判らないけれど、打線は打てなくなる時は必ず出てくる。今年は奇跡的に好調持続の期間が長かっただけ。12球団一の得点力を持つというのは、これまでの数字に表れているけれど、だからといってその能力がいつでも発揮できるわけじゃない。ある程度多く得点して突き放せば楽に試合に勝てるよ、というのは確かにそうなんだけれど、その甘さが逆に弱点になりかねない、ということは考えておくべきだろう。

今季は連敗する時があって、5連敗が2度のほか昨日までの6連敗というのがあったわけだ(本日はダル君なので脱出期待だけど)。
そのパターンとしては、中々得点できず僅差で負け、というのが多いだろう。いわゆる「投打がかみ合わない」と呼ばれやすい事態である。ピッチャーがそこそこ踏ん張って投げていても得点できず負け、ある程度得点を挙げてもピッチャーが踏ん張り切れず負け、とか、そういう話だな。そういうのは年間を通じていくつか出てくるのは仕方のないことであるが、試合数が多くなればなるほど、大体は確率的に妥当な結果となってゆくわけである。

それは、単純に、1試合当たりの得点が失点よりも多ければ勝つ、ということだ。これまでの日ハムの得点力は大体5点、失点が3.6点くらいだから、4点取れば勝てる試合の可能性は増える、ということになる。抑えるのも、4点目を取られないようにすれば勝つ確率は上がる、ということになる。連敗中には、これが出来ていない、ということになるだろう。だから負けやすくなるのだ。


今年の日ハムは打ててしまうので、途中から登場する中継ぎ陣も割りと楽に投げられる試合というのがあるのだ。得点差という貯金が生きてくる試合が多くなれば、かなり打たれない限りはそこそこ勝てるわけだからね。打ててる時、というのは、そういうことを忘れやすい。

1点差試合の勝敗では、17勝25敗と負け越しである。
勝ち試合では、打てて勝ってる試合が増えているから、1点差ゲームというのはそんなに多くなくて、負け試合になると僅差負けが増えるという傾向があるとしても、接戦で勝負強いかといえば、そんなことはないわけである。むしろ、勝ちが負けの3分の2程度に留まる、ということなのである。イメージとしては、1点差ゲームでは、2つ勝って3つ負ける、ということ。

もう一つ書いておくと、ロースコア(勝利チームの得点が4点以下)の試合になると、同じく接戦に弱い傾向が出てくるのだ。4対2とか、1対3とか、そういう双方とも「あんまり打ててない試合」になると、19勝23敗と”負け数が上回る”のだ。つまり、ハムに対戦する時には、ロースコアゲームに持ち込み、接戦をものにすると勝てる可能性は上がる、ということになるわけである。

これはどういうことかといえば、簡単な例では「いい投手に当たった時」ということになる。球団のエース級に対戦させられた時、攻略が難しくなって思うように得点できないと、負ける方が多いかもねということになるわけである。CSとか、日本シリーズのような戦いになれば、一方的な試合はそう多くはないだろうと思うので、そうなるといい投手との激突が考えられるわけだから、ロースコアゲームに勝利するような戦いができないとならない。今の日ハムでは、ちょっと不安だ。


巨人は、ロースコアゲームに強いし、1点差ゲームにも強いはずだろう(数字を調べてません、ごめん)。
貯金の多さが物語っているし、チーム防御率が3点くらいでとても良好だからだ。ロースコアゲームになれば、負け難いというのは、中継ぎがしっかりしている、ということでもある。先発が大崩せず、中継ぎが良ければ、それは勝てる試合が多くなるよね、ということだ。それに、セ・リーグというのはピッチャーの打席があるので、得点力がパ・リーグより落ちるとしても不思議ではないからね。要するに、ジャイアンツは接戦に強く、ロースコアゲームにも強い、ということになるだろう。


投手力の優れた相手と戦う場合には、ロースコアゲームが多くなるだろうと思われるので、そうなったら日ハムがどのくらい通用するか、ということの不安があるのだ。相手が巨人ばかりではなく、中日なんかでもやはり分が悪い、ということになるかもしれない。パ・リーグ内でさえ、投手力のある程度整っているソフトバンクや楽天なんかと対戦すると、あまり勝ち越せていないのは、そうした傾向が出ているからではないかな。


まず、中継ぎ陣には「ランナーなしで、回の頭から投げられる」というような、恵まれた条件に慣れ過ぎていてはいけないと思う。追い詰められた状況下(例えば7回1点リード、1アウト1、3塁とか)での登板を意識していないと、その場面に登場してきて打たれていては、火消しにならないわけで。内容が悪い時というのは、どうもメンタルの弱さみたいなものが気になるんですよ。「打たれそう」という雰囲気に包まれているのが、打者や観戦者にも伝わってしまう、みたいなものだ。

1点リードとか、2点リードとか、そういう試合で投げて、追いつかれたり逆転されたら、そりゃヘコむのは判るよ。しかし、投げる前から「打たれるんじゃないかな」という弱気モードでは、ダメに決まっている。もっと自分の力を信じて欲しい。打者3人や4人に1回はヒットを打たれてしまう可能性は普通だから。だって、バッターの打率は3割前後なんだし。それが特別に珍しいわけではないよ。そこで、後続を許さないようにできるかどうか、だ。それには、無駄に四球を出さないことと、自分の最も信頼できる球を、自信を持って投げ込めるかどうかだ。

今年は、他チームのように10勝以上の先発投手をズラリと揃えて勝ってこれたわけではないでしょう?
ある意味、とても珍しい現象でもあるんですよ。
今必要なのは、プレッシャーのかかる場面で力を出すこと、だ。そういう精神的タフさを、もう一度作っていかないと7回以降の失点パターンが更なる弱気を生んでしまうよ。楽な場面で、楽に投げて力を出すのは、当たり前。もっと負荷をかけ続けないと、甘くなるよ。肝心な場面で、同じように失敗してしまうよ。



それから、もう一つは首脳陣の弱気とか、逆に慣れとか、そういうのが甘さに出たと思うよ。
主力を下げて、逃げ切り勝ち、みたいなのも、定型的にやればいいというものでもないからね。いつからそんなに偉くなったのさ、ってな話はあるわけで。実際、それで逆転負けを幾度か食らっていると、そんなに余裕を見せてる場合ですか、とは思う。守備固めといっても、固めてない場面というのも散見されたわけで。

他には、たとえば、外野に陽の起用とか。
守備が悪いにも関わらず、どういう風の吹き回しか判らないけれど、誰か期待しているコーチとかがいたのかもしれないが、外野守備に出す意味がまるで判らん。村田の方がはるかに使えるのに。左投手対策とかいう話だけで、出せばいいというものでもないと思うが。紺田にしても、そんなに好守備や好成績を残せているとも思われない。

で、点が取れない時の「戦術のなさ」というのも気になった。前半戦では割と良かった、盗塁などの足を使った攻撃があったが、後半戦に入ってからは怪我などのリスクを考えてということなのかもしれないが、盗塁がめっきり減ってしまった。そうした積極性のなさは、全体の得点力ダウンに拍車をかけたように思う。何度か書いたけど、打線の調子の悪い時にこそ、ノーヒットで1点を取りにいく野球をしないと、打線が湿っているのに尚のこと得点できなくなるよ。

そういう野球ができなくなってきている。

ソツない攻めは、殆ど影を潜めている。むしろ、相手につけ込まれている感じ。四球やエラー絡みで失点、ってパターンは。





ぼくが外務大臣だったら

2009年09月12日 16時48分26秒 | 外交問題
これまでの主張とほぼ同じではあるが、もしも外務大臣だったらどうするか(万にひとつも有り得ないけど、笑)、ということを書いておくよ。


①パキスタンの安定化

アフガンに直接日本が何かできる、ということは多くはないだろう。実現困難なことの方が圧倒的に多くて、あまりにハードルが高すぎるのだ。そこで、直接アプローチではなく、間接アプローチということになる。

最も関係の深い国としては、パキスタンであるのは衆目の一致するところであると思うので、まずはパキスタンを強固にするよりない。これは、(日本の)対印関係上においても重要なことなのだ。

そこで、パキスタンに対しては、仕事を生み出せること、社会生活基盤を向上させ、パキスタン人の社会安定化を促進すること、を掲げる。具体策を例示すると

・天然ガス発電施設整備:
大規模送電線施設のない地域でも可能なものを含む。小型~中規模発電設備なども積極活用。エネルギー需給率を改善することは、国内産業にもプラスだし、温暖化対策という面でも有利。豊富な天然ガス資源を有効利用できる。

・地方中核都市整備:
カラチのような大都市と内陸部を繋げる中核都市を目指す。人口規模は数万人程度でもいいので、生活基盤の整備された地域を生み出すことが必要。それには、仕事や雇用が必要、ということになるだろう。いったん都市機能が生じてくると、あとは自然に発展してゆく可能性は広がるかもしれない。その足場となる都市が必要なのだ。それには、道路、鉄道や水道などの所謂社会インフラ整備が欠かせない、ということになるわけである。アフガン国境付近に直ぐに向かうということはできないかもしれないが、内陸部に向かって足場を固めてゆく、ということになるだろう。

・パキスタン人留学生受け入れを増やす:
日本国内で人材育成はできると思う。まずやるべきは、日本在住のインド人グループとパキスタン人グループを招き、日本人が司会進行をやって双方の何が問題で、どうなれば印パの関係がよくなるのか、双方にとことん話し合ってもらうことだ。それを聞いている第三者的立場の日本人がどう感じ、何をどうするか考えて、解決に向けた糸口とすることだと思う。在日のインド人とパキスタン人が取っ組み合いの喧嘩をしたりするものなのだろうか、というと、多分そういうのは極めて少ないんじゃないかな、と思う。パキスタン人が意見を聞き入れるとすれば、一番聞くのはやはりパキスタン人に言われる時だろうね、と思うから。なので、パキスタン国内で人々を説得できたり、指導できたりするような人材を育成することが必要だろう。

そういう留学生を受け入れる時、在日のパキスタン人たちに協力してもらえばいいので、月額一人15万円とか20万円程度の留学費用を出してあげればいいのではないか。日本でインド人とパキスタン人が友達になって帰ればいいんだよ。パキスタン人のことをよく知っているのは、基本的にはパキスタン人なのだから。


②麻薬取引の撲滅運動

これも幾度か取り上げた。アフガンで生産されるアヘンは世界生産の9割にも達すると言われているので、武装グループの資金を枯渇させる必要があるのだ。

武装グループとて、金がなければ武器や弾薬などを購入できないのだから。その資金を減らす為に、麻薬取引に関する捜査活動などを先進国でやるべきだろうね。たとえば、欧州ではオランダ、ドイツ、ベルギーなどが麻薬取引の中継地点となっているようなので、それらNATO諸国で取締強化をしてもらう。

合法ドラッグ類で違法ドラッグを駆逐できる、と考えているなら、英米では率先して大麻自由化などの「規制緩和」(笑)を実施すればいい。その代わり、アヘンから精製されるドラッグ類を徹底して取り締まれ、ということになる。それとも、アフガン以外の地で「アヘン生産」の競合地域を作って、価格競争でアフガンのアヘン生産を断念させるか、だ。

まさか、そこまで要求はできないだろうけど、麻薬取締強化は空爆を繰り返すよりは意味があると思うよ。




司法試験で見る「法科大学院ランキング」

2009年09月11日 20時30分53秒 | 法関係
新司法試験に関する記事について、2009-09-11 - ボ2ネタ ボ2p1経由で読んでみた。

司法試験の合格者数から、勝手ながら独自にトップ20を並べてみた。
数字は順に、出願者数(A)、受験者数(B)、脱落率(1-B/A)、短答式到達者数(C)、短答パス率(C/B)、合格者数(D)、受験合格率(D/B)、出願合格率(D/A)。


一橋 144 132 0.0833 113 0.8561  83 0.6288 0.5764
東大 451 389 0.1375 333 0.8560 216 0.5553 0.4789
神戸 164 149 0.0915 124 0.8322  73 0.4899 0.4451
京大 333 288 0.1351 236 0.8194 145 0.5035 0.4354
慶応 360 317 0.1194 266 0.8391 147 0.4637 0.4083
中央 435 373 0.1425 292 0.7828 162 0.4343 0.3724
北大 175 156 0.1086 131 0.8397  63 0.4038 0.3600
首都 103  87 0.1553  66 0.7586  34 0.3908 0.3301
千葉  74  64 0.1351  49 0.7656  24 0.3750 0.3243
愛知  67  41 0.3881  37 0.9024  20 0.4878 0.2985
名大 146 120 0.1781  79 0.6583  40 0.3333 0.2740
早大 474 380 0.1983 266 0.7000 124 0.3263 0.2616
阪大 199 155 0.2211 110 0.7097  52 0.3355 0.2613
明治 380 310 0.1842 241 0.7774  96 0.3097 0.2526
上智 178 144 0.1910 105 0.7292  40 0.2778 0.2247
広島  95  84 0.1158  50 0.5952  21 0.2500 0.2211
横国  91  79 0.1319  56 0.7089  20 0.2532 0.2198
九大 211 174 0.1754 106 0.6092  46 0.2644 0.2180
南山  83  59 0.2892  33 0.5593  18 0.3051 0.2169
立命 289 243 0.1592 161 0.6626  60 0.2469 0.2076


脱落率というのは、出願予定があるが実際に受験した人数との差になり、受験してもダメだなとか、学校側が受験を見合わせるよう指導するとか、自信ない人が受けないとか、そういう脱落する割合を見ている。一橋と神戸大が一ケタ台で、9割以上が受けるけれど、2割以上が受けない学校もある。

上の並び順はD/Aで見ているので、基本的に受験合格率が高ければいいというものでもない。一橋は脱落率、短答式パス率、合格率のいずれも高水準なので、最も質の高いロースクールとみていいだろう。どちらかといえば、他の有名私立に比べて少数精鋭、指導水準が高く合格に最も近い学校だろう、と。

この他でみると、神戸大がオススメであることが判る。京大は勿論悪くはないのだけれど、バランスの良さでは関西圏だと神戸大の方がいいのかも。元から京大法学部とかに入れるような実力の持ち主が多いだろうと思うので、合格率が高くても不思議ではないからね。そういう点でも神戸の健闘が光るのでは。


私立では、意表を突いていたのが、愛知大学とかいう学校。少数精鋭主義だね、ホント。合格率を上げる為だろうと思うが、脱落率を高くしている。その甲斐あってか、短答式パス率は全学校中最高の9割を達成。反復訓練の賜物かもしれないが、後は記述系授業の質を高くすると更に伸びる可能性はあるのかも。それと、一橋も同様なのだが、未修者の合格率が割りと高い、という傾向がある。他の大学院では圧倒的に既修者の合格率が高いところが多い中、40~50%程度の未修者合格率があるのは教育の質の高さが求められるのではないかな。

あと、関東圏では、首都大学東京が意外に健闘。千葉大も。早稲田は人数を多くしすぎて、質の高さが保てない、ということなのかもしれない。慶応や中央に水を開けられているという感じ。

この上位20校で受験者3744名、合格者1484名で全合格者の7割以上を占める。出願合格率は約3人に1人、受験合格率は約4割、であった。他の学校の存在価値は疑わしくなってくるかも(笑)。


参考までに、ランクから漏れた学校を挙げてみる。

東北   179 154 0.1397 107 0.6948 30 0.1948 0.1676
立教   157 112 0.2866  81 0.7232 25 0.2232 0.1592
関西学 237 191 0.1941 134 0.7016 37 0.1937 0.1561
同志社 301 235 0.2193 160 0.6809 45 0.1915 0.1495
法政   190 138 0.2737 103 0.7464 25 0.1812 0.1316
関西   275 207 0.2473 147 0.7101 35 0.1691 0.1273

どうした、東北大、って感じ(笑)。これはまあいいか。
傾向を見ると、平均の脱落率が高い(上20校は約16%、この6校は約23%)、受験合格率が半分程度の19%、出願合格率に至っては約15%と、更に差が広がる。

まあ、これら26校の合格者1681名は、全合格者2043名のうち約82%に達するので、他のロースクールは存在意義が問われるであろう。






CO2排出大国(笑)

2009年09月10日 19時11分29秒 | 外交問題
鳩山政権はマヌケ。日本だけ必死で頑張ってみたって、意味ないっての。
何であんな目標を掲げるのか、理解できない。達成困難な国際公約はやめてくれ。日本の発言権云々とか言うのであれば、こういう時にこそ「米中が大幅削減するべきだ」と求めるべきであろうね。中国なんて、ハナから削減を拒否してるじゃないの。GDP世界第2位の国になりそうな常任理事国の責任だの国際貢献だのというのは、どうなんですかね。

世界の排出量の半分近くを占める、中国、米国の2カ国が減らさない限り、総排出量なんて削減できない。

どの国がたくさん二酸化炭素を出しているかがひとめで分かる図Garbagenewscom


日本がしゃかりきになって「○%削減達成」とか言ってみたところで、その削減量を大幅に超える量を中国や米国が出すだけ。減らす意味がない。

GDP比当たりとか、せめて国民一人当たりといった削減目標を掲げないと、ダメってことだわ。
世界の半分を占めてる「G2」が削減できないなら、総量は改善しない。


学校のテストと一緒さ。
クラスの総得点が低いので、みんなで頑張って改善しましょう、ということで、目標を「各自10%向上」を掲げたりしようものなら、優等生であればあるほど「達成がキツイ」ということになるだけ。基準点が次のようになっているとしよう。

Aくん:80点
Bくん:50点
Cくん:40点

BくんやCくんは、Aくんに向かって言うわけだ。「オマエがもっと改善しろ」と。80点から88点を目指すのって、かなり大変なんだよ。けど、成績の悪い2人は、4点や5点を向上させればいいだけだから、ずっと簡単で楽チンなのさ。

成績が圧倒的に悪い人たちが、まずAくんの水準に近づくようにやってくれ、ってのが、クラスの目標になるべきなのに、それを拒否するのは「大国だから」ということらしい。つまりは、自分勝手なクラスメートには、誰も言うことをきかせられない、というわけだ。




「日本は大国」の詭弁術

2009年09月10日 13時08分35秒 | 外交問題
ものは言いよう、という好例かもね。

・日本が負担する時には、「日本は大国」
→軍隊出せ、金だせ、責任を果たせ、貢献しろ

・日本が権利を主張する時、「ジャパン・ナッシング」(涙目)
→日本のことなんて誰も相手にしてない、存在感なし、ガラパゴス(笑)


民主党が勝利してからというもの、朝日新聞や報道ステーションあたりの寝返りっぷりというが余りに異常。
自公政権の時の、米軍や沖縄基地問題について、どんな主張をし、政府を攻撃していたのかよく考えてみるべきだ。共産党の方がまだマシ。ころころと節操なく変えたりしないもの。

民主党は、その他野党と共に給油問題について「否決」したのだから、当初の主張通りに「即時撤退」を原則とするのが筋だ。来年まで継続するからには、その要求を受け入れるだけの「条件」が整ってなければならない。給油活動の延長はすべきでない、という論陣を張っていた奴らは、一体全体どこに雲隠れしたんだ?肝心な時になったら、急速に怖気ずくというのはどういうことなんだ?
そんな姿勢だから、常に日本外交が舐められる。



そもそも、給油活動延長問題については、「日米同盟の象徴」とか言い出したのって、誰だったと思うか?
向こうの連中や対米礼賛主義者みたいな連中が、勝手に「象徴だ」と祭り上げただけじゃないの。
そんなのは、はじめから「大したことじゃない」って言ってるのに、給油を止めたら「=反米」って、どんな理論だそりゃ、ってな話ですわ。

国益を考えない連中が「給油しなければ、日本はこうなる!、日本は捨てられる!、日本は無視される!!」とか大袈裟に騒ぎ立てて、しかも米側の嫌がらせが行われただけじゃないか。

給油を止めたら、日米同盟が壊れるなんて誰が言ったの?
国家安全保障に重大な支障、とか、それってどんな理論?

こんな感じですか?

A)給油をする→米軍は気分が良くなる
 →日本を守ってやってもいいぜ→日本は安泰~

B)給油止める→米軍の機嫌が悪くなる
 →日本を守ってやんない→日本は超危険地帯にwww


防衛省の問題で、守屋次官の切る切らない騒動もそうだったし、久間潰しもそうだったが、後に守屋が撃たれた。そしてスキャンダルで逮捕、ということになっていったわけだ。事務次官バッシングが焚きつけられた、ということになった。延長問題に揺れた結果、安倍政権は崩壊した。民主党を中心とする野党の参院否決によって、そこまで追い込めたわけですよ。
福田政権下で再可決するまでは、海自が引き上げた後に「給油艦は穴が開いたままになっていた」、というのが現実ですよね。別に、どこか他の国の給油艦が来て、補給を担当したわけではなかったみたいですよ。諸外国にとって、それでも困らないから、ということでしょう。結局、いてもいなくてもいい、というだけでは。


日本の国家安全保障に支障を来たす、ってのは、要するにB案ってことでしょ?(笑)
日米関係にただならぬ障害を生じる、と。で、実際、海自が給油艦を引き上げた後には、どうなりましたか?再派遣するまでの間には、どうなったんでしょうか?
だから、何回も言うけど、信頼を裏切ったのは日本だったか?
日本が裏切ったので、米軍は機嫌が悪くなり日本を守ってやらんぞ、お前らの安全なんて知らんぞ、ということですか?自衛隊が米軍からの情報を一切もらえなくなったのは、日本が裏切ったことへの制裁ということなんですか?(笑)

給油活動=日米関係に云々という理屈は、特定勢力の連中がひねり出した「批判をかわす詭弁」だっただけでしょう?だからこそ、延長するかどうかなんてあまり重要でもない給油活動を、「日米同盟の象徴」とか言い出しただけでしょう。つまりは、向こう側のブラフだったというだけ。そのブラフに持ちこたえられず、あまりに簡単にへこたれてしまったのが安倍総理だったんでしょう。違うの?

ブラフにいつまでお付き合いしているんですか、って話ですわ。

更に言うと、「こっちは本気です」ということを、(1回でもいいので)米側にも知って頂く必要がある、ということを言っているんですよ。なのに、朝日系の報道機関はここに来て主張をひっくり返しやがった。向こうは、「どうせ日本には何もできない」と高をくくっているフシが大いにある、ということを言っているんですよ。だからこそ、そういう連中には少し思い知っていただく必要がありますね、ということです。その為には、実行すること、そして実際に「痛いおもいをしてもらうこと」が必要なんですよ。「痛み」は効果的というのも、ホラ、拷問とかでよく学習していることでしょう?米国では御馴染みですよね?

これまでは、日本だけが痛いおもいをして、米国側では「痛くも痒くもなかった」ということだったわけですよ。これを是正いたしましょう、「痛みを分かち合いましょう」ということを言っているわけですよ。どうして民主党にはこれが判らないんでしょうか?


手始めに、防衛省に命じて、過去の給油活動の全活動記録を、鳩山政権が掌握することが必要です。交渉には応じられない、という場合には、それら情報を「有効活用しましょうね」ってことを言っているわけですよ。都合よく用いられる「国際社会」という、姿の見えない相手というのも、本当に怪しいもんですわ。ただのプロパガンダに過ぎないという程度のことについて、相手にする必要などない。国際社会の世論だか何だかってのは、米国の誰か及びその界隈だけの話が殆どで、全世界がそんなに日本のことについて詳しく知っているなんてことはないんじゃないのか?(笑)

極東の田舎猿という程度に思われているだけの日本が、そんなに世界中の人々が注目しているなんてことは考えられないからね。日本人の多くが、例えばノルウェーの外交とかオーストラリアの外交とか、そんなに詳しく知っていると思いますか?日本人だけじゃなくてイギリス人やスペイン人でもいいけど、その大多数が諸外国の外交について詳しく知っているなんてことがあると思いますかね?
給油活動を停止すると、反米だのと言われるなんて、一体どこの基準なんでしょうか。

じゃあ、派遣していた軍隊を引き上げると「反米」か?(笑)


朝日系もその他マスコミもどういうわけかコロッとひっくり返り、民主党の主張であったはずの即時撤退を取り下げさせるとともに、連立の社民をも黙らせるという、わざわざこっちの手札を減らすような主張をするのだな。
まんまと向こうの作戦にハマリに行ってるってわけだ。

日本は、「常任理事国にもなれない」くらいの、弱小国でしかありませんから。
GDP比で中国やロシアの国連分担金はやたらと小さいのに「発言権だけは強大」というのが大国であって、日本はそうじゃない。

何なら、中国に軍隊を出してもらうように、米国が要求してみたらいいのではないか?(笑)
日本以外の大国が実際に何をしているか、という話ですな。




『ワルキューレ』の感想など

2009年09月09日 19時19分59秒 | 俺のそれ
映像や音楽はよくできていたと思う。

ドイツ国内での「反ヒトラー派」たちのことって、殆ど知られてこなかったと思うので、映画の題材としては良かったのではないかな。


クーデターというのは、かなり難しいのだな、権力打倒というのも困難なことなんだな、と、改めて感じた。失敗の後、それでも歴史はヒトラーを死に追い込んだ、というのも、不思議な因縁を思わせるかもしれない。


気が気じゃない、という展開は、大戦ものに馴れてない人が観ても、飽きないのではないかな。




『デスレース』の感想とか

2009年09月09日 18時17分52秒 | 俺のそれ
割と豪快なC級シネマ。


『バトルランナー』と『キャノンボール』と『マッドマックス』をミックスしたかのようなイメージ(あくまで個人的イメージです)。


緊迫感を盛り上げる為なのかもしれないが、ちょっと安易に登場するレーサーたちを死なせ過ぎ、という感がある。ライバルに深みがないのに、一緒にランナウェー&ビジネスパートナーというのも有り得ない話では。あれで、そんなに信頼関係が築かれているとは到底思えないんだもの。

ま、強引な展開はC級ゆえに、許す。

単純に車、クラッシュ、そういうのを期待する映画。
他は一切無視するべし。


典型的駄作のいち見本、かと(笑)。




郵貯・簡保の一律サービス義務化?!

2009年09月08日 21時20分28秒 | おかしいぞ
なんでこうなるんだよ。民主党は元々そんなこと言ってなかったろ。
民主党案は、郵政公社を縮小→廃止するってことだったろ。民営化じゃなく、公社のままで半減させ、いずれ廃止するってロボ岡田(当時の代表)が言ってたでしょ。たった4年で、過去のことは忘れたのか?

それをなんで今更元に戻すんだよ。
過疎地の運営の厳しい郵便局は「基金で維持」ということだったろう?
こんな、全国一律とかいう話ではなかったでしょうよ。

貯金・簡保に全国一律サービス義務化…郵政見直し(読売新聞) - Yahooニュース

連立政権樹立へ向けて協議を進めている社民党、国民新党と共に具体的な見直し作業に入る。地方での金融サービスの維持と、金融2社からの手数料収入に依存する郵便局の経営を将来的にも安定させる狙いだ。
3党は次期臨時国会で、持ち株会社の日本郵政と金融2社の株式売却を凍結する法律を成立させる予定だ。今年度中にも、郵政民営化関連法の一部改正や、見直し新法の提出などを検討しており、金融2社への全国一律サービス義務付けを盛り込む。




05年当時、このへんに書いたように、配達業務と他の業務(たとえば資金出し入れ)とを一緒にやるのは、何ら問題ないじゃないの。やればいいよ。だけど、それはただの民間会社でもできるし、義務化されてなくてもできる話でしょうよ。サービス維持を義務化ってのは、それは電線とかの維持みたいなものになってしまうので、おかしいんじゃないか?単なる年寄りへの迎合としか思えない。


民主党の主張していたように、公社のままで半減させたりしたら、それは「郵政公社の人たちが可哀想すぎだ、リストラの嵐になってしまうぞ」と言って、オレは反対したじゃないか。民主党は、郵政公社さえも存続させない、って言ってたんだろ。新たに、郵便専用の国の機関(=国家公務員、ということだ)ということにするぞ、とかいう計画だったでしょ?

しかも、公社の貯金額は半減させる、とも言っていたよな?金額上限を設けるって言ってたろ?
一体運営なんて、一言も言ってなかったぞ。どうして政権を取った途端に過去の主張をひっくり返し、尚且つ前回選挙で「郵政民営化賛成」という民意に反してこれを止めるわけ?

05年選挙で自民党が勝ったのは、「国民は郵政民営化には賛成だったが、それ以外の政策に賛成していたわけではない、自民党に白紙委任したわけではない」と講釈を垂れていたのは、野党の連中やマスコミ連中だったでしょうよ。

オレが追及しろ、と言ったのは、日本郵政の「新たな利権化」を狙うようなマネをさせるな、西川体制を厳しく検証するべきだ、と言ったまでだぞ。西川は降りてもらえ、というのは当たり前だろ。だが、民営化をやめてくれ、なんてことを主張した覚えはないぞ。

だからイヤなんだよ。
民主党は、形を変えた旧式自民党のまんまの政策をかなり実施しようとしているんだよ。

大敗した自民党もアレだけど、あまりに振れ過ぎなんだよ。
民主党になったらなったで、自民党から消えかかっていた「守旧派自民党」が民主党で復活したというだけじゃないの、これじゃ。


コインの表から裏へ、そして、また表へ、みたいなもんか。

おいおい、勘弁してくれ。



『感染列島』と『252』の感想

2009年09月08日 18時03分05秒 | 俺のそれ
まず、『感染列島』から。

新型インフルエンザが話題となった今年においては、タイムリーな作品となった。が、感染症の恐怖みたいなものが、大袈裟すぎるきらいはあるかも。

東京とか、廃墟みたいになっちゃって、人々のいる気配すら感じられなくなるような、模型?かCG?の映像とか、やけに大袈裟だった。あれじゃ、本当の世紀末状態だよ(笑、どこのマッド・マックス的世界?)。


妻夫木くんは、全ての弾避け可能なヒーローの如く、ヴァイラスの攻撃を完璧に回避して、ホント頑張ったねって感じだ。
WHOの元カノDrは、微妙。指揮命令するような立場の人が、安易に感染してしまって、うぬぬぬと思ったけど、話の流れ的にはしょうがないのかも。敢えてあの結果に。

一種の厳しい警告というか、「なめるなよ」的な、感染症は甘くはないぜという、大変厳しい教訓を人々に授けたということなんでしょうか。

時間が長いけれど、個人的には苦にならず、若干の誇張などが気になるのを除けば、割と良い作品になっていたのでは。たとえば、養鶏場の社長さんが自殺というのは、現実にあった夫婦自殺を想起させ、メディアスクラムの被害や陰湿さとかをきちんと出していたしね。製作側の良心を感じさせた。

現代ではなくても、昔のペストとか、そういう感染症の猛威に近いイメージかも。ただ、今後に本当の「新型」とかだと、笑えない話ではあるかもしれない。



続いて、『252』。
災害モノ、というのは、そろそろ定番ということかも。

うーん、率直に言って、駄作。
トラウマのエピソードとか、単なるマネでは。その他の筋も、ほぼマネっぽい話か、以前に映画などに原型のあるものばかり。狙いすぎ、では。

興行成績を上げねばならぬ、というのは、仕方のないことかもしれないが、過去に人気メニューとなってしまった食材を寄せ集めて、あたかも別な料理で作りましたってポーズだけがあるような感じ。

ほぼ「前に、○○で食べたような気が…」ということかと。それだけで出来上がっている料理って、ある意味コワイ。
これまでと異なる点というのは、全面協力が自衛隊や海保ではなく、消防庁だったというだけでは(笑)。

あと、腹腔内出血で強引な輸血だけやってみたとしても、出血を止めることができなければ、死ぬのは同じだろうと思うんだけど。
しかも、ちょっとだけ輸血しただけなのに、腹腔内は血だらけであろうはずの女の、元気のいいことといったら(笑)。

埋まってる時の、奥さんの取り乱しっぷりもハンパじゃないよね。元レスキューの奥さんにしては、有り得ないくらい「今すぐ助けて(ゴラァ)!!」という暴れ具合が、あまりに作りすぎでは。

海猿の時にもちょっと思ったんだけど、今回も「神出鬼没」ぶりが遺憾なく発揮されていたし。いくら家族とか関係者とか言ったって、あんなに奥さんが現場のどこにでもすかさず「顔を出す」って、有り得なくね?(笑)
指揮本部みたいな場所でも「コソーリ後ろに立ち」、救助現場にも「スススッと”砂かぶり席”に控える」というような感じで、こんな女はイヤだ、の典型的見本みたいになっていた。邪魔な上に、しつこいし、どこか遠くに消えていて欲しい、と思ったりするよ。

海猿の時には、指令本部みたいな建物内をどこでも好き勝手に行き来するとか、素早く屋上に上がっているとか、その程度だったからどうにか許すか、と思ったが、今回のはそれ以上だぞ。
いってみりゃ、救出されて海面に上がってきたら、その脇にボートで奥さんが待機している、みたいなもんだな。そんなに近づけるのかよ、と。

全体的に、「痛々しい」という感じの映画でした。


つーか、伊藤くんが可哀想でしょ。
敢えて、『海猿』と同じ俳優さんを充てたのは、酷くない?



Safecracker 2.0~華麗なるサイバー強奪事件

2009年09月07日 16時41分43秒 | 俺のそれ
201●年――


・EU某国 9月10日 17時08分

商品Xの国際先物市場のオンライン取引システムは、休止時間を迎えた。
このシステムを提供している中堅取引会社Yでは、毎日午後5時になるとあらゆる注文がストップされ、一日の決裁を行うことになっていたからだ。Y社のシステムは、様々な投資家たちや、プロのトレーダーたちに利用されているものだった。各自がオンラインで自由に取引できるので、大変便利なシロモノとして重宝されていた。利用者たちは、Y社のシステムに接続すれば、Y社の取引口座の管理だけでなく、銀行との資金移動も簡単に行うことができた。


この日、Y社のシステム監視担当者が、ある異常を見つけた。顧客の取引口座の決裁が行われた数秒後には、何故か全ての口座残高がゼロの表示になってしまったのだった。一人や二人ではなく、確認する口座は全部ゼロだった。その数分後には、報告を受けた担当役員の指示で、システムの緊急停止措置が取られたが、Y社の顧客たちの取引口座は突如としてカラッポになってしまったのだった。ただ一つの口座を除いては…。


◇◇◇◇◇

<少し時間を遡って…>

・日本 2月5日

中国人の王は、小樽に到着したばかりだった。極寒の地と聞いてはいたものの、案外と暖かく感じた。中国の内陸部の冬に比べれば、凍結の程度は生温いだけだった。とは言うものの、暖かい香港からやってきたばかりの王にとって、寒さに震えたのは間違いなかった。小樽に集合することに決めたのは、ロシア人のサーシャだった。一番目立たず、集まりやすいから、という理由からだ。

王は小樽の市街地にある、カフェテリアで到着を待った。カフェの前の広場には、観光客が大勢たむろしていた。主に、中国人や台湾人のグループだった。ここでは、中国人は珍しくはないようだった。日本全国的に、当たり前の光景になっていたのは事実だが。
カフェのメニューには、中国語表記の他にロシア語が書かれていた。利用客には、ロシア人が少なくなかったからだろう。確かに、店内にはまばらにロシア人風の男達が座っていた。なるほど、目立たない、という理由が王にも理解できたのだった。

暫くすると、サーシャが暗い色のコートに身を包み、ふっくらした帽子と大きめのサングラスをかけて入ってきた。サーシャの帽子の前面には、何故か日本語で「サーシヤ」と書かれていたのだった。これを読んだ王の口元に笑いがこぼれた。どうやら、判りやすい目印ということらしい。軽く手を挙げて合図を送った王を見つけたサーシャは、ゆっくりとテーブルにやってきた。王は挨拶を済ませると、モトヒトはまだ来てないと告げた。サーシャは、あの人はいつもそうだわ、と不満を口にした。

その時、広場を横切って、男が小走りにやってきた。モトヒトだった。彼は長身だったが、やけにひょろっとした体型で、恐らくサーシャよりも体重は軽いだろう、と以前から王は思っていた。大学院を卒業して以来の再会だった。3人はかつて、米国の有名大学の大学院で同級生だったのだ。3人が得意にしていたのは、数学や物理や金融や経済やコンピュータやソフトウェア、だった。


カフェを出た3人は、市内のホテルの部屋に籠もって、入念に打ち合わせを繰り返した。彼らが計画していたのは、金庫破りだった。昔の映画のような大胆不敵な金庫爆破とかではなく、姿を見せぬままごっそり頂くという、バーチャルな強盗団だ。
計画の一部を確認する為に、小樽から離れた都市にある専門学校に忍び込み、そこのコンピュータを使って一度だけとあるネットワークに侵入してみた。何もせずに、何も奪わず、ただ、入れることだけを確認したのだった。この痕跡に気付ける人間は、そうそう多くはないだろう。恐らく、誰にも気付かれないという自信は、王にはあった。あとは、下準備を入念に行って、実行に移すだけだ。

これまでの計画段階で、殆どのやりとりを暗号メールで済ませてきていた。今後の連絡も、同じく暗号メールでできるだろう。特に王は、政府側の監視網をくぐりぬける為の、細心の注意を必要とされていたので、おいそれと「金庫」だのという危険ワードを書くわけにはいかなかった。彼らは、電子メールは「秘匿性が優れる」というような過信は、抱かない主義だった。逆に、メールの送信先や内容―危険ワードの有無など―のチェックなどを常に受けているだろう、と考えていたのだった。それへの対策も、用心深く考えていた。

最後に、3人は香港での再会を誓った。次は、本番実行だ。

◇◇◇◇◇


・EU某国 9月10日 18時23分

Y社のシステムは緊急停止されたにも関わらず、大金が消えていることが判明した。顧客の口座情報を洗いなおすと、唯一残高がゼロになっていない口座があった。そこには、約137億円が集まってしまったのだった。この日に行われた、Y社のシステムでの取引総額が
その金額だった。その決裁が行われた途端に、一つの口座に金が集められたのだった。しかもその金のうち約120億円は、すぐさま外部のZ銀行に資金が移動されてしまった。移動先のZ銀行は、EU内ならばどこでもネット経由で資金移動のできる銀行システムを持つ、国際的に有名な欧州の銀行だった。

Y社の幹部は警察を通じてすぐさまZ銀行に電話連絡をした。資金を移動した先の銀行口座の凍結を依頼するためであった。しかし、時既に遅し、であった。Z銀行の資金は、タックスヘイブンのとある島へと移動された後だった。


・●●島 9月11日 10時14分

EU某国の警察から調査を依頼された現地警察が、Z銀行から資金が送金された銀行口座を調べに行った。公式な捜査令状などがないので、銀行側は非協力的で情報開示には中々応じようとしなかった。政治的圧力も通じにくかった。どうやら、送金先は現地で設立された法人Aということらしかった。法人Aの専用口座だったようだが、そこからスイスの口座へと資金が移動されたらしかった。EU某国警察は、必死にお願いをして、スイスのどこの銀行なのか聞き出そうとした。しかし、答えられない、との一点張りだった。

またしても、時間ばかり浪費してしまい、送金リレーに追いつけないのだった。入金があったら、次の送金先が予め指定されていたようで、Z銀行も、法人Aの専用口座も、入金直後に次の送金先へと素早く移してしまっていた。ビジネスなので、止むを得ない話なのだけれども。銀行家たちにとっては、それも仕事の一つでしかないのだから。


・スイス 9月14日 9時06分

広域犯罪の捜査協定を盾にして協力を取り付けた某国警察は、ようやくスイスにある銀行の一つの口座を探し当てることに成功したのだった。法人A専用口座から送金された資金は、またしても別な口座へと移動されたようだった。次は、ロシアにある銀行らしかった。今後は、はるかに捜査時間がかかるようになるだろう。ロシアの警察が協力してくれるとも思われず、ましてや銀行が顧客の情報を簡単に開示するとも思えなかったからだ。

……


・EU某国 9月29日 10時

捜査状況の報告が、警察幹部たちの前で行われた。犯罪の全貌がどうやら明らかになってきたようであった。

10日、先物取引のY社のシステムから、顧客の資金が盗まれた。
銀行との間のファイヤーウォールは頑丈そのもので、銀行側システムにも隙は少なかったが、Y社のシステムには脆弱性があったのがターゲットとされた原因のようであった。しかも、資金の移動先に指定できる銀行には、巨大な国際銀行であるZ銀行という好都合があった。国境を楽々飛び越えることのできる銀行口座にはもってこいだった。EUの便利さが、逆用されてしまった形だ。投資家ら顧客とY社を繋ぐ部分に、金庫破りたちは侵入したのだった。大手の銀行などに比べると、防御システムに資金をあまり投入する余裕のなかったY社のシステムには防壁の弱い部分があって、そこを狙われたのだ。

Z銀行に移された資金は、●●島の口座にすぐ移動。この口座開設は、現地の地元民1名とカリブ海の浮浪者2名の法人だった。それぞれ金で頼まれただけだった。身分証明は地元民の免許証が使われ、他の2名は偽造パスポートだった。彼らを雇ったのは、中国系米国人らしい。マイアミあたりにいる、という話だったが、誰かは不明。こうして、書類上の架空法人Aが作られ、その口座が開設されたということだ。

そこからスイスに送金されたが、スイスの銀行口座はロシア人Bが作ったものらしい。そのBはイギリスに住んでおり、ネット上の掲示板で口座開設の仕事を頼まれた。スイスまでの旅行と、おまけに金までくれるという、好条件のバイトだった為に、このロシア人Bは何の疑いもなく引き受けたようだ。しかし、この口座はネット上の別なロシア人と思しき人物に売却され、利用された。

そこからロシア国内の銀行へと送金されたが、その先の資金の動きは完全解明には至らなかった。捜査手段が途絶えたからだ。どうやら、ロシアの銀行からアラブ諸国のどこかの銀行に資金が移されたようだ。王族なのか、アンダーグラウンドな資金なのか、よく判らないことも多いようなので、ロシア側の銀行はあまり触れたがらないらしい。こうして、数十億円規模に小分けにされた資金は、オークションなどで高額な絵画や宝飾品の購入代金として充てられたようだった。オークション主催側は、支払が行われれば品物を引き渡すので、どんな人間が買ったのかはよく知らないそうだ。

このオークションは、12日に香港で行われたものだった。
品物を取りにきたのも東洋人(多分中国人ということだった)で、他の連中とあまり違いなどなかったので、誰もよく憶えていないということだった。結局、絵画や宝飾品に化けてしまった、というわけだ。資金がY社から盗まれてから、僅か2日で香港の品物になっているとは、思いもよらないことだった。

10日のY社のシステムへの侵入は、韓国のサーバを経由して行われたようだ。そのアクセスポイントはダミーで、本体は多分中国だろう、ということらしかった。それも、香港か上海のどちらか、ということだ。そこから、韓国を経由して、EU某国のY社のシステムに侵入し、決裁計算を書き換えて一つの架空口座へ資金を移した。この資金をZ銀行の口座に送金した瞬間から、サイバー送金リレーがスタートした、というわけだ。各銀行では、数字を書き換えるだけの楽な操作に過ぎず、予め指定された手続を実行してしまったというわけだ。


この侵入者たちは、事前に入金額と送金先を指定しておいたので、あっという間に資金移動が完了できたのだ。事前の入金額が判っていることが大事だった。137億円全部を移し替えることができたのに、敢えてそれをしなかったわけだ。また、送金先は、捜査が及ぶのに時間のかかる先ばかりを選んでいるのだ。犯人割り出しや、手掛かりを掴めるまでの時間稼ぎのできる銀行を選んだということだ。

ロシアやアラブ圏となると、政治体制の壁もあるし、言葉の壁もあるし、現地の警察当局の能力や協力姿勢などの違いもある。欧米諸国などの先進国をあまり選んでいないというのは、その為であろう。そして、現物に替える時には、人の多すぎる香港を選んだ。目立たぬようにするには好都合だろう。多分、中国人グループが犯行に関与している可能性が高いであろう。中国でなら、中国人であることが珍しくはないからね。
更に、10億円の札束を持ってあちこち移動したり逃げるのは難しいが、小型の絵画や宝石ならば移動が容易になるからだろう。犯人グループは既に香港を離れているだろう。


……


こうして、120億円サイバー強奪事件は成功し、未だ解決の目処は立っていない。
犯行グループの手掛かりもないままである。




『歩いても 歩いても』の感想

2009年09月07日 12時09分39秒 | 俺のそれ
割と地味めな作品。

日本人の生活とか、ごく普通の家族の風景とか、そういうのを通して、現代の家族や今の自分を見つめる映画。


例えば、やや歪んだような「親の気持ち」みたいなものが、うまく描けていたりして、「日本人ってこういうとこあるよね」って思わせる。


高齢の親世帯、娘夫婦との同居問題、再婚夫婦の嫁と姑関係、長男と次男、オヤジの期待、人生の比較、…観る人に様々な視点を与えるのは、日常に非常に近いからだろうと思った。

それだけありふれている、ということに拘ったんだろうと思う。


細かいエピソードの話だけど、ブルーライトヨコハマの歌声が部屋のラジオから流れていたという、子どもの時の記憶が甦った(笑)。


使い古された言い方かもしれないが、日本映画っぽい映画だった。

思わず頷いてしまうのは、多分、ぼくと同じくらいの年代か、それより上の世代ではないかな、とも思った。

できれば、家族を持ったばかりとか、近々持つ予定の世代の人たちのも、観てもらえるといいのではないかと思った。ああ、「昭和の家族像って、こんな感じだったんだね」とか、里帰りってそういえば…とか、何か重なる風景があるかもしれません。



沖縄とアフガンは全く違う

2009年09月06日 13時49分04秒 | 外交問題
テロ攻撃にあって米兵が死亡する、というような環境下で起こった事件と、殺戮や狩りを楽しむ人間たちが起こした事件とでは、まるで違うだろうね。


沖縄戦は、1945年3月~終戦くらいに行われた戦闘だ。米軍への有効な攻撃なぞは、6月くらいで終結を迎えていた。その後、米軍は沖縄全土を支配下に置き、沖縄住民からの攻撃を受ける心配など殆どなかった。沖縄は、どこかと陸続きでもなければ、支援や武器の供給を受けられるような環境にもなかったからだ。単なる島でしかないのだから。「謎の超長距離の海底トンネルが存在した」とでもいうような、突飛な主張でもするなら別だが、沖縄はイラクやアフガンでの状況とは全く異なっていた。


米軍の占領下にあった戦後の沖縄は、1972年の返還まで、日本ではなかった。ましてや、米国でもなかった。ただの無法地帯でしかなかった。沖縄住人を虫けらのように扱う、鬼畜に乗っ取られた島だった。面白半分に人間狩りを行って射殺するとか、強姦の獲物を狩るような、米兵のやりたい放題天国だった。彼らを裁くものは、何一つ存在していなかった。日本の法は及ばないのは勿論のこと、米国の法すらも適用されない、完璧な暴力島だった。

米兵の誰一人、戦闘で死ぬことのない「安全な沖縄」にいながらにして、鬼畜の所業を行う米兵たちは沖縄人を殺戮し強姦し、何のお咎めを受けることもなく、リゾート生活を楽しんだのだ。それが、沖縄の真実だ。戦場なんかではないぞ。
1945年の終戦から72年までの27年間、イラク戦争の如き戦闘に明け暮れていたとでも言うつもりなのかもしれない。沖縄では、激しい戦争が続いていた、とな。米軍は、戦場でならば全てが正当化されると考えるような集団なのであろう。


沖縄人が死んだのは、誤爆でもなければ、テロ掃討戦でもないぞ。

ただの、強姦殺人や、強盗殺人だ。
或いは、単なる射的か、狩り、だ。
的や獲物が人間だった、というだけ。恐怖で逃げ惑う日本人を殺すとか、何かの腹いせに蹴り上げる猫がいない代わりに日本人を撃った、というだけだ。そんなことが、第二次大戦後長らく経っていてでさえ、平然と行われていたという狂気の島だ。そんな連中が日本を守るなどとは、片腹痛いわ。

米国人は、そうした過ちを恥じるわけでもなければ、詫びるでもない。反省すらない。


これが、沖縄の現実だ。
日本人の生命財産を守ることができずに、何が外交か。
そんなものはウソだ。外交ゲームでしかない。


タイミングがバッチリなので驚いた。単なる偶然だろうけど、例の米兵の強姦殺人事件の続報だそうで。

イラク少女暴行殺害事件、首謀者元米兵に無期懲役 国際ニュース AFPBB News

確か、死刑求刑だったようにも思うが、無期懲役か。ということは、10年くらいもすれば、出てくるんだろうよ。

この記事に取り上げたけど>米軍基地問題についての補足

イラク人少女強姦殺人の元米兵に、死刑求刑へ 国際ニュース AFPBB News


それと、今朝の読売新聞にマイケル・グリーン氏のインタビュー記事があった。これによると、以下の通り。

『ただ、ニューヨーク・タイムズに掲載された鳩山代表の論文は、強い反グローバリゼーション的傾向と反米色を含んでいて、登ろうとする山の手前に自ら穴を掘ったようなものだ。

 普天間飛行場の移設や日米地位協定などで、野党の立場から、不満を持つグループと一緒に政府を批判することはたやすい。しかし、いったん政権に入ったら現実的な解決策をまとめ上げなければならない。核持ち込みの密約問題でも、国家安全保障をどれだけ重視するのか、機微な情報を保護するつもりがあるのか、などの点で、新政権は信頼性を問われることになるだろう。

 新政権がインド洋の給油活動をやめても、日米関係は危機に陥らないが、日本は国際社会での影響力を低下させ、真剣なプレーヤーと見なされなくなるだろう。給油でなくても構わないが、日本が指導的な役割を果たしていると世界に印象づけることが重要だ。

 オバマ政権は、政権交代期の日本と辛抱強くつきあっていくだろう。だが、1、2年たっても新政権が明確な外交の方向性を示さなければ、日本への信頼は本当に落ち込み始めると懸念している。(以下略)』  


まさに墓穴を掘ったように云われているようですよ、鳩山さんは(笑)。

外交の専門家とか、解説をする人々の言葉の中には、万能用語的な「マジック・ワード」がよく登場するように思う。それは、何かといえば、「国益」だの「国家安全保障」だのという、便利な用語だ。それは、実態がよく判らないし、それ以上の説明を求めるのも、やや憚られるからなのではないのか?

国益になる、国益に反する、などと言われると、多くの一般人は怖気ずくからね(笑)。新聞などにも、さも判ったようなフリをして、そう語られるのだ。そういう連中が、「国益って何?」という根本的な問いに答えているのをこれまで一度だって見たことなどないわけだが(笑)。

インド洋の給油活動は、何がどう国益なのか、国家安全保障の何に役立つのかが、全くの不明のまま。

こんな感じですか?

日本が給油する→アメリカが喜ぶ→その他国々もちょっと喜ぶ
→日本は凄いぞ偉いぞと認められる=日本って素晴らしい!

アホだな。本当にそんなことが起こっていると?何て御目出度いんだ。どこの誰が、日本は給油して素晴らしい国だ、とか言ってるわけ?
そんなレベルで国際社会で外交的に「有力だ」と認められるわけがなかろう?
2番煎じどころか、諸外国の真似事みたいなことをするのが関の山で、米軍やNATO軍のケツにくっついているだけの、金魚のフンじゃないの。そんなことができたからといって、外交上で実力を認められるなんてことは有り得ないだろうよ。

もし、それでも通用してしまうよ、ということなら、他の国々はどんだけ外交レベルが低いのよ、って話だろ。そんなわけないだろう?(笑)


因みに、グリーンさんをして「給油活動をやめても、日米関係は危機には陥らない」ということらしいですよ。やっぱり、なくても全然問題ないんじゃん。


真に信頼性を問われているのは、日本ではなく、米国なのだよ。
まだ気付いていないようだな。
「米国の信頼が全世界的に揺らいでいる」からこそ、仏独は独自スタンスを歩んでいるわけだし、BRICsは連携を強めつつあるわけで。


日本の国際社会での影響力を低下させたのは、誰だと思うか?

日本が常任理事国入りするのさえ、阻止した米国だったでしょうよ。日本が中露と同じ権限―拒否権―を持てるだけのポジションに立てそうになったにも関わらず、これを妨害して中露以下の扱いに留め続けたのは、米国だっただろ。


6カ国協議で日本の立場を軽視させたのは、誰だったと思うか?

米国だったでしょ。日本の拉致問題をテーブルに上げるのに難色を示したのは、中国や米国だったわけで、米国は日本の意向よりも中国を優先したんだろ。そして、米朝協議を独自で進め、北朝鮮側が日本との交渉を閉ざすように仕向けたのは、他ならぬ米国だったでしょ。日本の意向は、無視でいい、と判断したわけでしょう?

裏切ったのは、日本じゃない。
影響力を低下させたのも、日本じゃないんだよ。米国が「日本を軽視せよ」という方向に積極的に舵を切った結果が、そうなったというだけに過ぎない。海外の軍隊で、日本の軍事力に期待してきた国があると思うか?(笑)日本には、そんな役回りは期待されてなどいない。早く走れるわけでもないのに、オリンピックの100m競技に出場せよ、と求めるようなものだろう。そりゃ、無理ってもんだ。


元々、日本は国際社会で外交上の指導的立場にあった時期なんて、ほぼないんだもの(笑)。戦後政治の中で、諸外国をリードできるほどの権謀術策や外交力が発揮された時期は、あんまりなかったんじゃないかと思うけど。

それよりも、常に誠実に仕事をし、商売の約束を守り、人々の生活に役立つ何かを提供してきたということの方が、はるかに有意義だったのだよ。


米国が掌を返したのに、日本がいつまでも追従しているということの方がおかしいわけで、そりゃ「誰にとって都合が良いか」ということを考えれば、米国には都合がいいかもしれないが、日本にとっては「国益を損なう」ということなんだわ。

日本は「真剣なプレーヤーじゃない」と喧伝したり、「日本を無視せよ」という情報操作活動を行ってきたのは誰なのかということを、再考してみるとよい。




宿題の答えは見つかったか?

2009年09月05日 18時32分10秒 | 俺のそれ
米国のジャーナリスト向けに、いくつかの問題を出しておいたのに、誰も報じていないのは何故なのか、不思議だな(笑)。


ああ、そうか、都合の悪いニュースは米国のジャーナリストと云えども、見て見ぬふりか。それとも、予想に違わず「質問内容が難し過ぎて、答えられない」ということなのかもしれんね。



もう一度、質問を再掲しておきますか?

①-)米国が日本以外で地位協定を締結している国はあるか、それはどこか?

①-)米軍が駐留しているNATO諸国で、地位協定が締結されてきた国はあったか?

①-)10年以上にわたり米国と地位協定が締結されていた国はあるか、それはどこか?

②-)沖縄返還以前に、進駐した米兵によって殺された日本人、強姦された日本人は何人いたか?

②-)沖縄返還以後に、進駐した米兵によって殺された日本人、強姦された日本人は何人いたか?

②-)沖縄(日本)にある基地数以上に米軍基地が設置されている国はあるか、それはどこか?

②-)沖縄(日本)にある基地数以上に米軍基地が設置されている米国の州はあるか、それは何州か?



米国人ジャーナリストの知性をもってすれば、こんな簡単な問いの答えなど朝飯前であろうに。それほど困難な問いか?(笑)



米国のマスコミ業界などでは、米国のことについてちょっぴりでも批判されると、それは「反米的」「チャベス的」ということになるらしい。

どんだけ針小棒大なんだよ。
だったら、米国のマスコミは、恐るべき「反日勢力」か?
大笑いだな。


彼らは、常々日本に文句を言い、不必要なまでの内政干渉的アドバイスを送ってくる上に、頼みもしないのに「こうしろ、ああしろ」と余計な命令するのが得意みたいで、「大きなお世話」とか「お節介」ということを永遠に学べない連中らしい。


・米国側が日本にあれこれ批判するのは「正しい」
・日本側が米国にあれこれ批判すると「反米的」

だから向こうの連中の知的水準は、「米兵並みだよね、良かったね」ってことなんだろ。


日本では、アメ車を燃やしたりハンマーでぶち壊したりする”祭り”もなければ、米国産のオレンジや小麦に火をかけて廃棄するような儀式もなかったろう?

日本企業が米国の映画会社を買っただけで、日本の侵略だと大騒ぎしてた奴らが、一体全体、何処の誰だったか知らないのか?


恥知らずな文化というのは、兵隊だけに限らず、あらゆる階層の国民に広く浸透しているようだ。たいへん勉強になったよ。その国はどんな国民性なのか、というのが、如実に顕れるだろうから。



新たな枠組みの模索~日米関係再考論2

2009年09月04日 19時44分09秒 | 外交問題
長く権力の頂点にあった自民党が大敗を喫し、今後自民党の「自分探し」が行われることになるだろう。自民党は、これまでのアイデンティティを失ったのだ。新たな役割を探し求めるしかないだろう。

この自民党に近い状態なのが、世界経済危機後の米国だ。
米国自身が、これまでと同じアイデンティティを持ち続けるのは困難だと感じていることだろう。これは同時に、世界全体が新たな枠組みを模索している、ということでもあるのだ。平たく言えば、「リーダーなき世界」ということになろうか。米国が超大国であり続けるのは、極めて難しいのだ、ということに、世界中の人々が気付いてしまったということ。米国とて、誰かに寄りかからねばならない時だってある、ということなのだろう。そして、米国が選んだ相手とは、恐らく「Miss Beijing」だ。世界の人々の中では、そう噂されているようなので。


米国の立場になってみた時に、米国外交の優先課題というのは何だろうか?
少なくとも、日米関係などではないだろう。これは最優先事項などではない。もっと別な課題があるはずである。

アフガン問題、イランや北朝鮮などの核拡散問題、小康状態の中東情勢、そして何より世界経済の立ち直りを促す協調体制、そういったことが優先課題として思い浮かぶであろう。その為には、米中協力というのが欠かせない、と判断しても不思議ではない。米国は中国の外貨を必要とし、中国は米国の消費を必要としているのだから。まさに相補的という関係であり、警戒すべき相手ではあるけれども、当面は手を組む相手が他に見当たらないということでもある。

よって、日米関係云々という話は、米国外交にとっては重大事などとは考えられないのである。日本の一部には、日本が軽視されていると大袈裟に騒ぎ立てる者がいるが、世界にとって今必要なことではないのだから、それも当たり前の話なのだ。捨てられるだの軽視されるだのとナイーブに騒ぎ立てる前に、もっと米国側の事情というものについて考えてみた方がよいのではないか。


①米国の存在意義とは何か?

今、悩みの一つになっているのが、多分これだろう。冷戦構造があった時代には、ソ連という強力な永遠のライバルが存在してくれたお陰で、米国の存在自体が肯定された。世界に対して特別な努力をしなくとも、対抗勢力としての米国は何にも替え難い存在であったのだ。だからこそ、西側諸国は米国を中心に結束しようと努めたし、米国を頼りにせざるを得なかったのだ。心強い兄貴分として、リーダーの役割が米国に与えられていた。

しかし、ソ連が崩壊して冷戦構造が崩れると、米国には対抗するべき相手がいなくなってしまった。ひとりぼっちの、孤独な超大国になってしまった。かつては強い兄貴だった存在は、喧嘩や抗争(或いは、ヤクザの「出入り」)というのが頻繁に必要とされなくなった時、単なる粗暴な暴力漢へと評価が下がってしまった。「世界の警察」を自認して、これを続けることはできるけれども、ヤクザが自分の縄張りを見張る代わりに「みかじめ料」を要求するのと、外見的には大きな違いはないのだ。

もしも米国が「世界の警察の役割を降りたい、オレは辞めたい」と申し出て、軍事力をこれまでの半分とか10分の1程度まで削減してしまったとしたら、世界は「悪の帝国」によって支配されてしまうだろうか?(笑)


②経済へと方向転換

米国は、敵対勢力だったソ連を失ってから、単なる粗暴(軍事力)という腕力頼みを転換することにしたのだろう。それが、経済力によるリーダーの地位確立だった。経済力こそが、米国の存在意義を世界に知らしめることのできるものへと変わったのだ。

そこで、「グローバル・スタンダード」とは米国基準なのだ、という既成事実を作り上げていった。ルールを米国式に統一してゆこうと画策し、米国式のビジネスが浸透しやすい環境を各国に求め続けた(半ば強要したようなものだ)。これはうまくいった。世界経済の頂点に立ち、リーダーたる地位を軍事力以外で確立できたのだ。欧州は、統合後間もないEU体制で競争相手にはなり得なかった。

こうして、自らの存在意義を生み出した米国ではあったが、世界同時不況で決定的打撃を蒙ったのだ。グローバル化の諸刃の剣は、覇者となった米国にも被害をもたらした。腕力頼みから脱皮しようとしたが、新たな経済力というアイデンティティを再び失った。


③世界の警察はいつまで続けられるか

軍事力の必要性を訴えるには、「対テロ戦争」というのは恰好の材料だった。イラク戦争はそうした流れの中では、必要な戦争だった。米国にとって、世界に存在意義を示す機会だった。米国はこれを利用したのだ。

だが、今後もこうした対外政策が継続できるかといえば、それは疑問である。旧ソ連のごとき超大国のライバルが出現するということなら、米国の軍事力は必要とされるかもしれない。その可能性は乏しいであろうとは思うけれども。
経済力による支配というのも、難しいだろう。欺瞞の金融帝国主義が暴かれてしまった現在となっては、同じ手を使っても世界のリーダーにはなれないであろう。つまりは、米国自身がアイデンティティの喪失危機にある、ということだ。


オバマ政権が8年できたとして、アフガン戦争を果たして何年継続できるであろうか?
既にイラク戦争より長期間になっているのに、今後もアフガンに軍隊を置き続けられるだろうか?ソ連だって、10年程度しかもたなかったのに、米軍が10年以上に渡ってアフガン戦争を継続できるだろうか?できない、ということになれば、オバマ政権下の8年のどこかで撤退ということになってしまうだろう。その時、世界は米国の何に「リーダーの役割」を見出すのだろう?


そもそも、米軍の本質というのは、ある種の雇用政策である。
これは昔の傭兵なんかでも似たような意味合いであるが、労働者としての「兵士」ということになる。昔のスイス人だろうと、ドイツ人だろうと、或いはイングランド人やイタリア人だろうと、仕事のない人間の多くが傭兵稼業(*1)に身を投じていったのだからね。

*1:個人的見解なのだけれど、欧州での契約文化とか労働契約とかが社会に浸透していったのは、こうした傭兵の影響が大きかったのではないかな、と思っている。雇用条件とか、かなり細かく規定されていたりして、案外と現代の雇用契約に似ているのだよね。景気が悪くなったり、収入が減ったり、失業が増えると、戦争が望まれたのだろうね、とは思う。賃金未払いなんかも、略奪の悪化などに結びついたり、雇用主との契約破棄なんかで叛旗を翻したり、と、係争の火種になるしね。


米国における軍事部門の雇用人数は広汎に及ぶので、これを急に削減するということになれば大量の失業者を生み出すことになるだろう。軍事部門の経済学的需要というものが何か決まってあるというわけでもないので、簡単に言うと政府が「適当に必要量を考える」ということになる。簡単にいえば、巨大な官製市場であって、公共事業的雇用政策の一部でしかない。

米国が「オレたちはこんなに”世界の警察”として努力と出費を強いられるので、もうやりたくない」と本気で主張するのであれば、その努力を止めればよいだけである。早速、軍隊の規模を半減するなり、軍事予算を10分の1くらいに減らすプログラムでも策定して、それを実行すれば済むことだ。
もしこれを実行すると、どうなると思うか?

米兵となっていた連中の大半が、仕事もなくあぶれることになる。新たな仕事を見つけられないと、失業者として兵士の能力を別な方向に遺憾なく発揮してくれるようになるかもしれない。凶悪な犯罪者になりかねない、ということだろうね。ランボーを観たことはあるだろう?
米国が軍事力に拘るのは、そうした事情があるからであろう。これらを捨て去るとなれば、それにとって替わるだけの巨大産業の出現を必要とするからだ。米国にそんな産業の創造力があるのだろうか?米兵を辞めて、別な仕事を供給できるほどに仕事を生み出せるのか?

参考までに、ありがたい経済学理論に従えば、そんな心配は無用だ。
給料を下げればいい、解雇自由になっていればいい、ということだそうだから(笑)。米国式の労働市場を見習え、と散々説教を垂れる経済学者は後を絶たないので、米国で軍隊の大半が消滅したとしても失業者が溢れかえる、なんてことはきっと起こらないのだろう(笑)。実際やってもらえばいい。論より証拠、だ。



米国が軍事力でもなく、経済支配でもない、新たな立場―世界中がリーダーと認めるだけの立場―を見出すことができるなら、世界の枠組みには大きな変化はないであろう。しかし、今の世界では、米国をリーダーとするこれまでの枠組み以外の、もっと別な体制を模索しているというのが現状なのではないか。仏独をはじめ、中国、インド、ロシアやブラジルといった新興諸国等々、それぞれがこれまでとは違った枠組みを求めているように思われるのだ。それらの国々以外にも、イスラム教国の大国や強力な同盟関係国が登場してくるかもしれないし、もっと別な新興勢力が台頭してくるやもしれない。対抗勢力を結集することは、歴史上繰り返し起こってきたので、とりわけ難しいわけではないからね。


彼らがそうした枠組みを見つけ出す前に、米国自身が自分のアイデンティティを確立できるかどうか、という競争になっているのではないかと思う。

とりあえず、最近の米国のご提案は、「米中という新たな2国体制」というものに当面は期待したい、というものであろう。それも今後20年持つかどうかは疑問ではあるが。中国の経済成長の伸びが停滞してゆくのは確実なので、その前までには別な枠組みを探し当てるより他にないだろう。




裏切ったのは、誰か?~日米関係再考論

2009年09月03日 17時15分08秒 | 外交問題
参考記事:

アメリカは副官に中国を指名したか

「反米帝」化策を推進せよ

日米安全保障戦略会議はどうですか?

米軍基地がある方が有利なの?

米軍基地問題についての補足

地位協定は廃止するべき




民主党政権誕生後に米国メディアで展開された論説は、残念ながら程度の低い一面的なものだった。米国においては、知識階層といえども「日本の(或いは日本で起こる)ことはよく知らない」だけではなく、「米国のこともよく知らない」ということのようだ。これは、日本人においてもありがちではあるかもしれないが(現に日本人以上によく日本を知っている外国人は大勢いる)、日本人の場合には大声で相手に向かって批判したりはしないという点が大いに異なっているのである。

米国メディアで論説を書いているような人々であっても、彼らの考え方の中心は米国であって、日本ではない。日本の政治について書く時には、「我々米国にとって都合がよいのはこういうこと」であり、故に「こうすべきだ」という、最近流行りの言葉でいえば「上から目線」的論調のものが殆どということになるのである。政治段階での話などではなく、新聞社説などを書くようなジャーナリスト程度であってでさえ、自信過剰の傲慢さは変わらぬようである。彼らには、謙譲という美徳は存在しないのだから止むを得ないのかもしれないが。

日本の新聞社説が米国の政治のありようについて、「こうすべきだ」という意見を書くことは滅多にないのではないだろうか。米国のジャーナリストにまず必要なのは、「米国人が日本で何を行い、何を強要し、どんな被害を与えてきたか」ということについて、虚心坦懐に学ぶことである。それを報じることなしに、日本について論評するとか政治的に何かを求めるなどという資格はないだろう。彼らが発信しているのは、あくまで欧米向けか特定米国人向けに情報戦術を駆使しているに過ぎないのであって、得意の手法に他ならないのである。そんなプロパガンダにいちいち慌てたり、過剰に反応してしまう必要性などないだろう。日本国内の一部には、そうやって「米国を慮る」ことに執心する人々がいるのだが、そういう対応こそが相手側を利するものである、ということを知るべきだろう。


男女関係に喩えた話を以前にも書いたが、再び書くことにしよう。

暴力男がいる。とりあえず、サムと呼ぶことにしよう。サムには同棲している女がいて、殴る蹴るの暴行を加えるのは日常茶飯事(この女の名を、フジコと呼ぼう)。サムには、どこかに「本妻」か「本命の恋人」がいるらしい。

さて、フジコはサムに嫌気が差して、「別居したいわ」と申し出ることにしたわけだ。サムは、最近フジコの家には寄り付かなくなり、フジコのことなど「愛してなどいない」からだ。単なる「便利な女」としてしかフジコを見ていなかったし、今後もそうだろう。便利に利用できた間は、フジコから金を巻き上げたり、好きな時に来てメシを用意させ、SEXを強要し、時にはぶん殴ったりしてうさ晴らしをしていたのだから。

しかも「サムはフジコの家を避けて、別な女の家へと足しげく通っている」などという噂が流れる始末である。蜜月関係かどうかはよく知られていないようだが、そのカップルのことを「G2」などと呼んでいる人たちもいるようだ。これでフジコがサムにつくす道理などないだろう。元々が、DV男だったというだけで、別れる理由には十分過ぎるだろう。この上、別な女がいるのに、サムを大事にする必要性などないのではないか、ということである。

ここで、サムとは誰かといえば、米国であり、フジコは日本だ。
圧倒的多数の米国人は、サムの行状について何らよく知らないのである。米国だけに限らず、欧州の人々も同じくサムのやってきたことなど興味もないので、知らずに来たのである。だから、最初にやるべきことは、「サムはこれまで何をしてきたか」ということについて、米国人に判らせることだ。それが出来たなら、その他の国々の人々も「サムは酷い男だ」とようやく判るに違いない。



以下、個別の論点について、また書いておく。

①日米地位協定について

よく「地位協定が見直しとか廃棄になれば、日米関係が壊れる」とか何とか御託を並べる人たちがいる。もしもそれが本当ならば、その程度の関係だったのだな、ということでしかないであろう。

米国のジャーナリストには、あまりにも難しい質問なのだが、彼らには答えが判るだろうか?
いや、判るまい。判るはずがないからこそ、偏狭な視野の論説を載せるのだろうからね。彼らには難問すぎて、これまでに考えたことも、調べたことも、知ろうとしたことも、一度もないのだろう。

)米国が日本以外で地位協定を締結している国はあるか、それはどこか?
)米軍が駐留しているNATO諸国で、地位協定が締結されてきた国はあったか?
)10年以上にわたり米国と地位協定が締結されていた国はあるか、それはどこか?

例えば、ドイツとの地位協定がないと米軍とNATO軍の信頼関係は壊れる、といった論調が出されてきたことがあったのだろうか?

米国及び米軍にとっては、あくまで「占領地」の一つでしかなかった。
日本というのは、米国にとって都合のいい女でしかなく、占領政策を戦後60年以上にわたって継続してきたに過ぎない。形を変えた植民地経営と実質的に違いなどないのだ。

日米地位協定が破棄されると、それは本当に軍事的同盟関係が崩れるものなのか?諸外国においても、地位協定なきNATO諸国では米国との関係が壊れてしまったのか?米国のジャーナリストには、難問過ぎて答えられないか。

サムはフジコの家に彼のパジャマや歯ブラシを常時置いているからといって、サムの家にフジコのパジャマや歯ブラシを置きにいくことをサムは許すということなどあるだろうか?(笑)
サムとフジコが対等な(外交)関係にある、などというのは、まことにもって幻想であるといわねばなるまい。


②沖縄の基地問題

過去に、幾度となく政治問題化したのが、基地問題である。沖縄には、不必要なまでの米軍が存在しているのである。これは沖縄だけに限った話ではないが、日本全国に米軍の施設が設置されているのだ。

また米国のジャーナリストには難し過ぎる質問を書いておこう。

)沖縄返還以前に、進駐した米兵によって殺された日本人、強姦された日本人は何人いたか?
)沖縄返還以後に、進駐した米兵によって殺された日本人、強姦された日本人は何人いたか?

沖縄だけで一体何人の日本人が米兵によって殺害され犯されたか?沖縄以外の、横須賀やその他地域も含めれば、もっと数は増えるであろう。
過去にこれら重大犯罪行為によって処罰された米兵が何人いたか、知っているか?
95年の事件以前には、ほぼゼロ(1人くらい)だったのではなかったか?恥知らずな米兵たちによって、大勢の日本人が戦争ではなく犯罪行為によって殺された。これが同盟関係のコストだと主張する米国のジャーナリストがもしいるなら、今すぐ出てきて、新聞にそう書くべきだ。
「米兵に強姦され殺された日本人は、同盟の為の止むを得ない犠牲だ」と言えるなら、全世界に向かってそう主張せよ。


今度は、もうちょっと高度な問題を出しておこう。

)沖縄(日本)にある基地数以上に米軍基地が設置されている国はあるか、それはどこか?
)沖縄(日本)にある基地数以上に米軍基地が設置されている米国の州はあるか、それは何州か?

米国におけるジャーナリストの知的水準が知れるだろう。彼らは、世界に誇れる米兵並みの教養を備えているらしいので、多分これら質問について考える必要性などなかったのであろう(笑)。言っておくが、米兵は、日本人じゃない。米国人なのだよ。米国人が同朋であるところの米兵の所業について知る必要がある、ということを提案しているのだ。クジラを人一倍殺してきた国の連中が、日本の捕鯨について追及するよりもずっと有意義であろう。


③今後の鳩山政権に求められるのは

これまでの清算、というわけではないが、「対等のテーブル」につくからには、やるべきことがあるのである。
米国が過去に日本で行ってきたことの多くは、世界の人々はおろか米国人でさえ、殆ど知られていない。これを知らしめるべき、ということだ。何か不都合な事実を明らかにされると、米国は「日米関係を損なう」とか言って、脅しをかけてくるのが常なのだ。ここで言う米国とは、政府としての公式な米国とは限らない。米国人たちの一派とか、米国追従・信奉の日本人の一派といった、利害関係者たちも含むものである。

おおよそ米国人というのは、絶対に認めず詫びない、という習性があるような気がするので、彼らにはまず事実を突き付けることから始めねばならない。日本国内において、数々の阿漕な真似をやってきたのは米国側の人間たちだった。それは、政府レベルとか、軍事的な話には留まらず、経済活動においてもそうであった。殆どの米国人は、そういう「自分たちの国のやってきたこと、米国人のやってきたこと」というのを知らなさ過ぎなのだ。日本でも日本人美化の傾向はよくある話ではあるが、米国の場合にはそれ以上だと感じることがよくある。単なる美化を通り超えて、「強引な正当化」というのを無意識のうちにやっていることが多いように思う。その先導役には、マスコミの影響力というのがあるだろう。発信役が強力だからだ。そういうツボを心得ているのだ。

だからこそ、米国の情報誘導には勝てず、日本側の評判が低下させられてしまう、という憂き目を見ることになるわけである。米国が日本について、本当に応援してあげたいな、と考えたことがあるのであれば、例えば国連の常任理事国入りにしても「反対の働きかけ」など行うはずがなかろう。


核持ち込み疑惑なんて、それほど目新しい問題でもないし、これを明らかにしたところで米国の立場が悪くなるなんてことはないだろう。単なる歴史の一コマということでしかないであろう。密約があったとしても、外交というのはそういうものなのね、という話でしかない。それよりも、もっとオープンにするべきなのは、小泉政権下で行われた給油活動だ。インド洋での給油が、「重要な国際貢献」などという国民を騙すような大義名分で行われたことそのものが、重大犯罪行為として解明すべきではないのか。実質的兵站活動であって、それは米軍と一体化した戦争への参加であり加担なのだ、ということを、厳しく問うべきではないのか。

行政のトップが、憲法に反して個人の判断に基づいて勝手に軍隊を動かせる、ということになれば、それは権力の暴走だ。

米国が何故日本への理不尽な要求を止めようとしないのかというと、法によって物事が決まるとは考えていないからだ。法ではなくて、「誰か」によって政治的に物事が決まってしまう、こっそりと「建前」という原則を曲げていても「本音」という不可思議な対立概念によって正当化されうる、という日本の政治的特徴をまんまと利用されてきたのだ、ということ。これを許せば、これからも常に同じことが繰り返し起こってしまうだろう。本音を隠蔽しようとする姿勢、そうせざるを得ないという日本政府の立場、これこそが弱みに付け込まれるという原因になってしまっているのである。

だから、今後は可能な限り、情報をオープンにした方がよい(これも以前に指摘した)。都合の悪い情報を明らかにしてしまえば、一時的に状況が悪くなったりするかもしれないが、ウソをつき続けるよりかはマシだ。隠そうとして、かえって状況悪化を招くというのは、子どもの時に教訓を授けられているはずなのだが、何故か大人になってでさえ考えられない人がいるようである。



フジコがサムのことを大切に思い、慮ることを何十年と続けてきたところで、サムはフジコには一片の愛情もなければ大切なパートナーでもなかった。それが証拠に、一度だってダンスパーティには誘われなかったもの(笑)。ダンスには、いつも別な誰か―仲の良い西側諸国の誰かとか、イスラエルとか、時には産油国とか、中国とか―を伴っていくことはあっても、フジコの下には誘いの電話すらかかってこなかったのだから。常にフジコの一方的な愛情だけだったのだ。そんなサムに未練などないというのが普通なのでは。

それを今更、反米だのと言われる筋合いなどなかろう。


日本はいつも約束を守り、裏切ることを避けてきた。米国のご機嫌を窺い、反感を買わないように努め、ひたすら尽くすことに専念してきた。時にはぶたれても、黙って左の頬を差し出し、「私が悪かったのよ」と詫びることで解決を図ろうとしてきたのだ。日本が裏切ったのではない。


米国のジャーナリストにお尋ねしよう。
先に裏切ったのは、一体誰だと思うか?
約束を守らないばかりか、散々利用しておきながら、数々の嫌がらせや暴力的強要を実行してきたのは、日本なのか?


かの国に「謙譲」と「反省」という言葉は存在しないようである。
苦い教訓を与えない限り、「わかる」ということには決してならないものだ。