まだ小学生の頃、4歳ほど年上の従弟の兄貴にこんなことを言われたことがある。
「俺たちは貧乏人なので私立の学校へは行けないが、沢山勉強すれは金のかからない公立の中学校とか都立の高校とか、国立の大学に行くことができるのだぞ!」
当時は、貧乏の苦学生が国立大学に合格したという「美談」らしき話も良く耳にした。
しかし高度経済成長時代に入り、右肩上がりという状況が続き、公立の中高が、「学級破壊」という現象に巻き込まれ、公立学校が避けられ、私立中高への志願者が増加した。
もちろん、そのような受験者たちは高額な授業料を払って塾に通える家庭の子弟たちであった。
オジサンは区立中学から都立高校を受験するときは、決められた学校郡内の都立高校を自由に選択することができたが、当然、担任の教師から学力相応の合格率の高い高校への受験を進められ、素直に従った経験がある。
その学校は当時、東大合格者数1位を記録していた日比谷をはじめ西、戸山、新宿、小石川、両国、小山台、上野などの名門都立高校ではなかった。
「都立高等学校間の格差の現状と、それにともなう中学校における入試準備教育の過熱した状況を緩和し、中学校教育の正常化をはかるため」に東京都教育委員会が通達を出して、学校群内各校の学力が均等になるように合格者を割り振るため、オジサンが高校受験した翌年から、「悪しき」学校群制度が1967年から1981年の間実施された。
それにより、かつての東大合格者数を誇っていた名門校という肩書が徐々に薄れ、都立高校全体の難関大学進学実績は長期低落に向かった。
このあたりの詳細な事情は、当時現役であった人が「都立学校群制度導入50年 ~日比谷高校の今昔」で思い出を語っている。
このような話を思い出させてくれたのが、「(ニュースQ3)辞退21人 都立日比谷高、異例の2次募集」という記事で、まさに「隔世の感」を禁じ得ない。
高校生の合格の「辞退」というのは、強い本人の意思の表れなので、第三者がとやかく言う筋合いのものではないだろう。
しかし、国際的にも名が知られ、長期間権力の座にいた人間が、不祥事というのか事件の容疑者となれば、その進退の仕方については様々な声が出てくることは避けられない。
まあ、簡単に言えば「頼みのバッハ会長から水面下で『NO』を突きつけられ、すでにJOC竹田会長は『詰んでいた』ということなのだろう。
やはり気になるのは大手新聞が東京五輪のスポンサーであることだ。疑惑追及の腰が引けないのか。五輪返上論を取り上げることができるのか。ビジネスよりジャーナリズムを優先し公正な報道を貫けるのか。多くの読者の疑念に対して紙面で説明責任を果たすべきだろう。https://t.co/ZDfQBoirPy
— 鮫島浩 (@SamejimaH) 2019年3月19日
「JOC竹田会長、6月退任 招致疑惑との関連否定」どの記事見てもこの人の略歴に
— 高井昇平 (@d8rONWKxqAH8WP4) 2019年3月19日
「東京大会招致成功に貢献した」
と書いてある。
どう考えても東京大会招致失敗に貢献してる。 https://t.co/SF4O4TFYBp
手のひら返すIOC、表でかばい裏で圧力 竹田会長退任:朝日 https://t.co/YvMqTSi6SM「もしフランスからの国際手配が回ったら海外で逮捕されるかもしれない」と怯えて国内で首を縮めて引きこもる醜聞にまみれた71歳の老人が、任期満了まで会長職にしがみつく醜悪さ。まさに「晩節を汚す」の典型例!
— 怪傑ハリマオ (@harimaoto) 2019年3月19日
「手のひら返すIOC、表でかばい裏で圧力 竹田会長退任」任期満了まで居座るということ。
— Rikimaru (@Rikimar16753900) 2019年3月19日
退任っていう表現に違和感がある。
というか汚職事件だろう。
オリンピックも辞めないといけないと思う。
手のひら返すIOC、表でかばい裏で圧力 竹田会長退任:朝日新聞デジタル https://t.co/spFwddak02
追い込まれたJOC竹田会長 IOCが態度一変の理由
— Roter Stern (@RoterStern1) 2019年3月19日
朝日新聞DIGITAL https://t.co/7ivK5Gmit9
賄賂を受け取った ディアク と握手する 安倍晋三。
森喜朗が「日本の感覚では賄賂は普通の事」と自白#ディアク #安倍晋三 #竹田恒和 #森喜朗 pic.twitter.com/3DpfPThwxe
弁護士という立場からはこの人は、竹田会長の退任会見前にこう言っていた。
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<竹田会長「辞任」だけでは“東京五輪招致疑惑”は晴れない>
3/19(火) 8:36 Yahoo! JAPANニュース
日本オリンピック委員会(JOC)竹田恒和会長は、今年6月末の任期で会長を辞任する意向を固め、今日(3月19日)、記者会見を行うと報じられている。
竹田会長は、東京2020オリンピック・パラリンピック(以下、「東京五輪」)招致に絡む贈賄容疑での訴追に向けてフランスの司法当局による予審手続の開始が報じられた直後の1月15日に記者会見を開いたが、「調査委員会で不正が否定された」と一方的に自分の言い分を述べ、質疑応答に全く応じることなく、7分余りで会見を打ち切った。このことが、「逃げ恥会見」などと厳しく批判された上に、フランス当局による身柄拘束のリスクを懸念したためか、その後、スイスのローザンヌで予定されるIOCマーケティング委員会の会議等を欠席するなど、JOC会長としての職責を果たすことが困難になっていた。会長辞任は当然であろう。
前回の「記者会見」で、全く説明責任を果たさないまま打ち切ったことが厳しい批判を受けたのであるから、今回の記者会見では、内外の記者が納得するまで、十分に質問に答えるのが当然だ。
会見に出席する記者は、少なくとも以下の点について十分に問いただすことが必要であろう。
(1) 「ブラック・タイディングス」社の招致実績を評価した具体的理由(電通に実績を確認した際に、どのような説明があったのか。特に、同社が世界陸上北京大会を実現させた実績は、いかなる手法によって実現されたと認識していたのか。)
(2) 国会(平成28年5月16日衆院予算委員会)では「ブラック・タイディングス」社の活動報告書の所在についての質問に、「関係書類は、法人清算人で招致委員会元専務理事の水野正人氏が確実に保管している」と答弁していた。その後、調査委員会の報告書では招致関係書類は「全て破棄された」とされているが、書類は、いつ廃棄したのか。
(3) 成功報酬を支払った際、東京五輪招致に向けた「ブラック・タイディング」社の活動の内容について、どのような説明を受けたのか。
重要なことは、竹田会長が辞任しても、それだけで、東京五輪招致をめぐる疑惑が晴れるわけでは決してないということだ。
「予審手続開始」と報じられた直後の記事【JOC竹田会長「訴追」が招く東京五輪の危機】でも述べたように、東京五輪招致をめぐる疑惑について、フランス当局の捜査開始の声明が出されても、全く同じ構図のリオ五輪招致をめぐる事件でBOC会長が逮捕されても、凡そ調査とは言えない「第三者調査」の結果だけで、「臭いものに蓋」で済ましてきた日本政府とJOCの「無策」にこそ、根本的な問題がある。
まずは、今日の会見で竹田会長が十分な説明責任を果たすことだが、それによって疑惑が晴れないようであれば、国として事実解明を積極的に行うしかない。中立性・独立性という面で国民に十分納得できる委員からなる第三者委員会を政府が設置するか、或いは、福島原発事故について国会に設置されたような、独立した調査委員会を国会に設置することが必要となる。
いずれにしても、今日の記者会見での竹田会長の説明が、開催まで1年半を切った東京五輪に重大な影響を及ぼすことは間違いない。
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「商業五輪」と批判されて以降、もはやオリンピックはスポーツマン精神が希薄となり、一部の権力者たちの金儲けの場と化してしまった。
裏では毎回、様々な不祥事や疑惑がささやかれ、五輪開催の「そもそも論」が吹っ飛んでしまっている。
「アスリートファースト」と耳あたりが良い響きの裏には、大型公共事業にからむ利権者が有象無象存在している。
ましてや、「五輪憲章」を読んでいなくてもオリンピック・パラリンピック担当大臣というポンコツ大臣が現れてしまうほど、五輪は政治的にも大いに貢献してきてしまった。
上記の筆者の言うように、「竹田会長が辞任しても、それだけで、東京五輪招致をめぐる疑惑が晴れるわけでは決してない」わけで、昨日の会見でも、「世間をお騒がせしたことを大変心苦しく思っている。JOCの将来を思うと、次代を担う若いリーダーに託し、新しい時代を切り開いてもらうことが最もふさわしいことだと考えた」と言いながら、肝心の疑惑については「不正なことはしていない。潔白をしっかり証明するよう今後も努力する」と居直る始末。
お蔭で、「開催まで1年半を切った東京五輪に重大な影響を及ぼすこと」になれば、五輪返上という画期的な出来事になり、日本も世界から見直されるかもしれない、とオジサンは思う。
これしかない。