新・定年オジサンのつぶやき

残された日々をこの世の矛盾に対して勝手につぶやきます。
孫たちの将来に禍根を残さないよう、よき日本を「取り戻したい」。

危機管理に乏しい菅義偉の頭はいつも「平時」

2021年04月29日 12時13分17秒 | 菅義偉

まさに意固地になった「五輪ファースト」が露になってきたようである。
 
28日、政府、東京都、大会組織委員会、国際パラリンピック委員会(IPC)との5者協議の冒頭あいさつでは、ついに「バッハ会長 五輪開催『日本国民の粘り強さで乗り越えられる』」とコロナ禍の惨状を無視した精神論を強調していた。
 
誰が見ても、COVID-19の収束に向けては「科学と医学」の力を最大限活用しなければならないことは明白であろう。
 
そこには戦前戦中の精神論などが入り込む余地はないはずである。
 
COVID-19の感染拡大防止対策を妨げているのはもはや「五輪」そのものになってきている。


こんな声を無視するかのようなことが行われようとしている。

   
ついに、こんな刺激的なタイトルも登場している。
 
灯火管制、禁酒法、野戦病院 こんな世の中にした菅人災」                 (日刊ゲンダイ
 

まったく終わりが見えない状況だ。変異株が猛威を振るう新型コロナの“第4波"は、第1波、第2波、第3波とは、ウイルスの威力がまるで違う。
 この変異株は感染力が半端じゃない。県内のクラスター発生を発表した鳥取県の平井伸治知事は、「ウイルスがものすごく強くなっている。マスクを着けないで会話しただけで感染する」と驚いていた。
 ヤバいのは重症化しやすいことだ。死者も急増している。重症者は26日連続で増加し、27日、全国の重症者は916人に達してしまった。この1カ月で3倍である。
 コロナ死の増加も止まらない。変異株が蔓延している大阪の死者は、4月上旬まで1日あたり多くて5人だったのに、4月中旬以降、いきなり20人を突破。国立国際医療研究センターの忽那賢志医師は、「強毒化したウイルスと思ったほうがいい」と警告を発している。
 変異株が8割を占める大阪は、すでに“医療崩壊"状態だ。いずれ東京も後を追う可能性が高い。西武学園医学技術専門学校東京校校長の中原英臣氏(感染症学)が言う。
大阪では病床が逼迫し、助かる命を助けられなくなっています。分かっているだけでも、9人が感染確認後、医療を受けられないまま自宅で亡くなっている。現在、府内の自宅療養者は1万人を超えている。変異株は重症化するスピードが速いだけに心配です。緊急搬送されても受け入れ先がなく、病院が決まるまで24時間待ったケースが3件あり、47時間かかったこともあった。この状況では、重症者も死者も増え続けてしまいます
 コロナ治療の現場は、野戦病院のようになりつつある。
 なぜ、ここまで感染が広がってしまったのか。
失敗を証明する死者数
 とうとう、飲食店での酒類提供を禁じる「禁酒法」や、ネオンを一斉消灯する「灯火管制」、さらに路上飲みを排除する「見回り隊」まで発動せざるを得なくなってしまった。ほとんど戦争中である。世界中で「灯火管制」や「禁酒法」といった異様な政策を敷いている国は、ほかにないのではないか。さすがに、おとなしい国民からも不満が噴出している。
 すべて、菅政権の無策による“人災"なのは明らかだ。もし、コロナ対策に正面から取り組んでいたら、ここまで感染が拡大することもなかったはずである。
 そもそも、1月に発令した2回目の「緊急宣言」を、予定通り3月21日に解除したのが大間違いだった。
2回目の緊急宣言の解除が早過ぎたのは明らかです。しかも、大阪への緊急宣言は2月28日に前倒しして解除してしまった。東京もスケジュール通り3月21日に解除しています。すでにあの時、大阪や兵庫は、変異株による感染が3割に達していた。解除したらどうなるか、わかっていたはずです。恐らく3月25日からはじまる聖火リレーを予定通りスタートさせるためだったのでしょう。緊急宣言中では聖火リレーを開始できないと危惧したのだと思う。しかし、どうして五輪を優先してしまったのか。本当に悔やまれます」(中原英臣氏=前出)
 いかに菅政権のコロナ対策が失敗に終わっているか、他国と比較すれば一目瞭然である。
 WHOによると、日本の人口10万人あたりの死者数は7.9人である。ニュージーランドは0.5人。シンガポールも0.5人。中国0.3人、タイは0.2人である。共通するのは、徹底した“PCR検査"と厳しい“水際対策"である。どちらも菅政権が拒んできた政策だ。感染が拡大するのは当然である。
五輪開催なら8月に感染爆発
 日本はワクチンも行き渡っていない。どう考えても、この夏、東京でオリンピックを開催するのは無理がある。まして、国民に「家にいろ」「酒を飲むな」と、「灯火管制」や「禁酒法」まで強いている状況である。
 もし、五輪開催を強行したら“平和の祭典"は“ウイルスの災典"になってしまうだろう。
 東京五輪が開催されたら、選手を含めて6万人が来日する予定だ。これだけの人数が世界中から1カ所に集まったら、新たな変異ウイルスが東京で発生しかねない。
 新型コロナは、冬と夏に流行をくり返す“季節性"があるとも指摘されている。変異株が主流になれば、5~6月に感染者が一気に増え、五輪が開かれる7月にピークになる恐れがある。五輪が終わった8月、日本列島は地獄絵と化しているのではないか。
 しかも、五輪を開催する場合、1万人もの医療従事者を差し出さなければならない。ただでさえ医療現場は人員が足りないのに、1万人も現場から引きはがすのは狂気の沙汰だ。ワクチン接種も進まなくなる。それでも、五輪開催を強行しようとは、一体どういうつもりなのか。ある自民党関係者がこう言う。
「菅首相にとって政権浮揚策は、もはや五輪開催しか残っていない。たとえ無観客でも五輪を開き、盛り上がった勢いのまま解散総選挙で勝利し、総裁選を無投票再選に持ち込むのが菅首相のシナリオです。もし、五輪が中止となったらシナリオが狂い、退陣となりかねない。だから、絶対に五輪を開く。3回目の緊急宣言が5月11日までの17日間と短いのも、IOCのバッハ会長が来日する5月17日までに緊急宣言を終わらせたいからです」
 国民は置き去りにされている。
周囲は尻ぬぐいに奔走
 このまま、この男に国民の運命を委ねていたら、取り返しのつかないことになる。即刻、交代させないとダメだ。
 最近は、無能ゆえに何もかもうまくいかず、周囲に当たり散らし、その結果、誰も近寄らなくなっているという。
 人気取りのために、突然、政策をブチ上げ、そのたびに周囲が尻ぬぐいに走ることも頻発している。
「7月末に高齢者のワクチン接種を完了させる」と唐突に表明したが、あれも勝手に口走ったのだという。実現不可能なミッションを押しつけられた河野大臣は、直接「できるわけがありません」と激高したと報じられている。
 バイデン大統領との初会談の時も、「とにかく見せ場をつくれ」と、周囲に無理難題を要求したという。4月25日配信の「現代ビジネス」が、初訪米の舞台裏を詳細にリポートしている。
 感染防止を重視するホワイトハウスは、「関連行事は最小限に絞る」という方針だった。なのに、菅首相は「大統領と食事会をしたい」「大統領と並んで桜を観賞したい」と、絵になる場面をいくつも要求したという。さすがに、首相と関係が良好な秋葉剛男外務事務次官も、周囲に「今回ばかりはほとほと疲れた。余計なロジの調整でこんなに手間取ったのは初めてだ」とぼやいたという。
 さらに、アメリカでファイザー製のワクチンを大量に入手し、帰国時、政府専用機で一緒に日本に運んでくる演出まで画策していたというのだ。
 要するに、頭にあるのは、政権延命だけということだ。
 立正大名誉教授の金子勝氏(憲法)がこう言う。
「もし、本気で国民の命と健康と生活を守ろうとしていたら、ここまでコロナ対策が後手後手に回ることはなかったはずです。やるべきことは、PCR検査の徹底、病床の確保、水際対策、ワクチン接種だと分かっているのに、やろうとしなかった。この政権は限界だと思います」
 これ以上、犠牲者を増やしてはいけない。


 
2007年に『論座』(朝日新聞社)に「『丸山眞男』をひっぱたきたい 31歳フリーター。希望は、戦争。」を執筆して当時話題を呼んだ、フリーライターの赤木智弘はもう46歳くらいになったのだが、若者たちの目線で「酒は禁止、GWも自粛要請…『でも五輪はやるから』日本人はそろそろ堪忍袋の緒が切れていい」という記事を書いていたが、五輪開催に関しての下りの一部を紹介しておく。   

そしてさらにオリンピックだ。
あれだけ国民に向けては自粛自粛と言いながら、オリンピックの成功という自分たちの利益となる政治案件は決して自粛しようとしない。「密になるな」と言いつつ、聖火リレーのパレードは当然のごとく行い、人々を集めて密をわざわざ生み出した。
ただでさえ新型コロナ対応で医療現場が疲弊しているときに、オリンピックに看護師を500人出せと日本看護協会に要請しているという。
掟破りの会食をするならするで、せめて「オリンピック中止」のような、大きな決断を行ってくれれば「それなら根回しは必要だったのだろう」とこちらも納得するのだが、そのような大胆なことが実行されるわけでもなく、ただコロナ禍発生前の予定を、だらだらと実行しているだけである。
■堪忍袋の緒が切れてもいい頃
ワクチン行政では世界から大きく遅れをとり、未だに医療従事者の1回目の接種すら完了しておらず、経済活動を全面的に再開することができる見込みもたっていない。政治家や行政が、国民には「自粛しろ」と我慢を重ねさせながら、一方で自分たちは飲んだり食ったりやりたい放題、しかもコロナ対策もうまくいっていない。
そんな状況で杓子定規に「あ、今回から酒も自粛してね」とゴールデンウィークの直前に言われても、納得がいかない人も多いだろう。
毎日マスクをしたり、赤字でも行政の要請に従ったり、申請したのに支援金が来なかったり、終息したと思ったらまた感染者数が増えたり。これほどまでに我慢に我慢を重ねているのに、どうして「店で酒を飲みながら食事をする」という、ささやかな娯楽ですら奪われなければならないのだろうか。そろそろ日本人の堪忍袋の緒が切れてもいい頃である。
日本人は礼儀正しく、みんながマナーを守る人種だと思っている人がいる。しかしそれは思い違いだ。
それが一番分かるのが、駅のエスカレーターである。あれだけ掲示や音声で「ベルトを持ってお立ちになり、歩かないでください」「片側のベルトにしか捕まれない人もいます」とルールやマナーを明示しているのに、みんながわざわざエスカレーターの片側を空けて、なぜか人を歩かせている。正しく子供の手を持って左右に乗っている親子連れを突き飛ばしてまで歩く輩もいるくらい、エスカレーターのルールやマナーは守られていない。
日本人が守っているのはルールやマナーではなく、その場の「空気」である。空気さえ変われば、日本人は平気で自粛要請というルールやマナーを破るようになる。
最近目にするようになった、駅前の広場などの路上で飲酒を行いゴミを散らかすような人たちは、堪忍袋の緒が切れて、空気を変えようとしている人たちである。今でこそ迷惑者扱いだが、これがそろそろ真っ当な先行者と認められても、僕は驚かない。
酒を呑むことは人間にとって決して必須ではない。酒を呑まなくても生きていける。だから感染防止のために自粛させてもいい。ということにはならない。
人間は決して必須でないことをすることに、人生の意味を見いだしたり、喜びを感じたりするのである。それを「奪う」ことの意味を、政治家たちは本当に理解しているのか。僕には疑問である。


 
さて、相変わらず「最後の砦」のはずのワクチン接種の混乱ぶりは各地の自治体から報告が上がっているのだが、その諸悪の根源が指摘されている。
 
厚生労働省が発注し、野村総合研究所 (NRI)とNECが開発したという「ワクチン接種円滑化システム(Vaccination System」 略称、V-SYS(ブイシス) 。
 
すでに2か月半ほど前に、こんな記事が出ていた。
 
新型コロナワクチン接種開始 霞が関の管理システムに致命的『欠陥』

厚労省が開発した「新型コロナウイルスワクチン接種円滑化システム(略称・V-SYS=ブイシス)」では、誰にいつ接種したかが把握できないことが分かったのだ。1日に何件の接種が終わったかもすぐには分からず、医療従事者が何件で、高齢者が何件かといった情報も知る術がない。厚労省用の資料にも「一元的な情報管理を通じてムリ・ムダ・ムラを予備的に排除し、予防接種の効率的、かつ着実な実行を支援するためのシステム」と説明されている。つまり、ワクチンを分配するためのシステムなのだ。
 今年1月中旬になってデジタル庁創設に関わってきた河野太郎行政改革担当相が、ワクチン接種の担当相に急遽(きゅうきょ)任命されたのも、このV-SYSの問題に官邸が気付いたことが大きいとみられる。河野大臣はV-SYSとは別に新たなシステムを立ち上げることを決めた。誰にいつ接種したかという情報を記録し、2回目の接種漏れや、将来予想される接種証明書の発行にも対応できるようにする仕組みだ。
厚労省がV-SYSを「不十分」とも思えるシステムに設計したのは、従来の役所の仕事の流れをそのままデジタル化しようとしたことに原因がある。通常の予防接種は国から地方に任された「機関委任事務」。つまり、ワクチンを調達してそれを地方自治体に公平に分配するところまでが「国の仕事」で、その後どう接種するかは自治体の責任というわけだ。
概要説明を受けて、全国の自治体は接種の予約や接種券の発行・送付などを行うシステムの開発をはじめたが、委託先業者は自治体によってばらばらで、それらの情報をつなぐ仕組みにはなっていない。誰に接種したかを把握するのも自治体の責任になる。通常の予防接種では、自治体ごとに持っている「予防接種台帳」に記載されていく。厚労省は今回もこの予防接種台帳に記載し、それを自治体から報告させれば接種件数などの把握ができると考えたわけだ。つまり、全てこれまでのやり方と同じ「平時モード」を前提にシステムを作ったのである。緊急事態宣言を出しているものの、役所の頭は平時なのである。
 予防接種台帳はほとんどの自治体でデジタル化されているものの、予防接種した情報は紙で自治体に上がってくる。月末締めで集まってくる紙を業者に委託してシステムに入力させている。台帳に反映され情報として把握できるまで2、3カ月はかかる。国際的に必要になるかもしれない予防接種証明を出すにはなお時間がかかる。
 さらに問題なのは、高齢者やその後の一般の人への接種は市町村の役割なのだが、医療従事者への接種は都道府県の仕事になっていることだ。つまり、医療従事者は市町村が作るシステムとは別に情報把握する必要があるが、その仕組みはほとんどできていない。デジタル化に背を向けてきた“お役所仕事"の問題が、緊急時に露呈する最悪の事態になっている。


        
そして1週間前には、「ワクチン接種689人終了なのに…さいたま市、政府発表では『0人』県把握は「338人」 という事態が発生していた。

新型コロナウイルスワクチンの高齢者向け接種について、さいたま市は19日、すでに689人への接種を終えたと発表した。だが、政府が同日に発表した接種回数状況(18日時点)では「0回」となっているほか、埼玉県が把握している同市の接種済みの人数(19日午前時点)も「338人」と、食い違いが生じている。国のシステムへの登録作業で意思統一が図られず、入力の漏れや遅れが生じたことが主な原因とみられる。
 県によると、高齢者向け接種は19日までに、さいたま、川口、戸田、寄居の4市町で始まっている。
 県内で最も早い、12日に始まったさいたま市では、市内の特別養護老人ホーム15施設の入所者を対象に、16日までの5日間で、計689人に1回目の接種を終えたと発表した。
 政府は接種を行った医療機関や自治体に対し、政府が用意したシステムへの入力を求めている。現在国内で接種されているワクチンは2回の接種が必要で、1回目から2回目まで3週間空ける。同じ人に確実に2回の接種を完了させるため、システムで把握することが欠かせない。
 ただ、システムは、内閣官房の「VRS(ワクチン接種記録システム)」、厚生労働省が運営する「V―SYS(ブイシス)」と二つあり、自治体や医療関係者に混乱が生じている。
 VRSは、専用タブレットで接種券に記載された18ケタの数字を読み込み、接種対象者の名前や日時、場所などを記録する。19日に政府が発表した接種回数状況はVRSに基づくものだが、県内で「0回」となっている原因について、県担当者は「必ず入力するよう、自治体側に周知し切れていなかった」と説明する。
 一方、ブイシスについては、対象者の人数と属性(医療従事者か高齢者かなど)を入力する。県が把握するさいたま市の接種済みの人数「338人」は、ブイシスに基づくものだが、市の担当者は「接種に携わった医療関係者が入力をしていないケースがあった」とみている。
 これに対し、さいたま市が発表した接種済みの人数「689人」は、システムに関係なく、各施設からの聞き取りをもとに集計したため、それぞれ異なる数値となってしまった。
 県は、これから高齢者向け接種を始める市町村も含め、それぞれのシステムへの入力の徹底を求めるとしている。


 
システムの発注元の厚労省の役人はそれなりの学歴の持ち主なのだが、残念ながらシステム開発に精通した連中はいないらしい。
 
したがって、発注先のシステム設計担当者に使用者側の仕様を伝える際に、「これまでのやり方と同じ『平時モード』を前提にシステムを作らせた」ということが最大の原因であろう。
 
受注した側も役所の仕事は公平な入札もないほとんどが「随契」であり利益も大きいので、言うがままに開発したのかもしれない。
 
「緊急事態宣言を出しているものの、役所の頭は平時」なのであり、同じように五輪開催に固執する菅義偉を始めとする連中の頭も「平時」感覚なのではないだろうか、とオジサンは思う。  
  

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