審議入りからわずか5日間、異例の土曜日に被害者救済新法が成立した。
この「ザル法案」と酷評された内容について、この御仁が詳細説明していた。
昨夜のTBS報道特集ではこの法案では被害者たちが救われない事実が明らかにされていた。
#報道特集
— 但馬問屋 (@wanpakuten) December 10, 2022
山上徹也容疑者の母と同じ教区の元信者、1億6000万円余りの献金のうち、7000万年余りの返金で合意。家族は全く納得していない。
膳場貴子氏
「返金されたとしても、家族が苦しんだ時間や壊れた人間関係は戻ってこない。救済法が成立されても、苦しみが続く人を見過ごしてはいけない」 pic.twitter.com/oH3lVPuqUo
全国霊感商法対策弁護士連絡会 「統一教会問題の本質は、正体を隠した伝道活動にある、規制が必要」 全国霊感商法対策弁護士連絡会 加納雄二弁護士 「人の不安をあおって限りなく財産を収奪、やめれば地獄に落ちると教団に縛り付ける、 先祖が霊会で苦しんでるから子供や家族に不幸が起こる、 先祖を救うためには献金をしなければならない、 そこに信者の自由意志が働く余地は全くありません」 「山上容疑者の異様な部屋を捜査員らは『武器庫』と呼んだ」 村瀬健介氏 「今日の特集は、安倍元総理銃撃事件の山上容疑者は、なぜ犯行に及んだのか? 事件前、山上容疑者とメールのやり取りをした教団元幹部の証言です」 統一教会、元職員 「当時、不安や恐怖心を煽っていた自覚はなかった」 山上容疑者母と同じ教区元信者Aさん 入信したきっかけは、多数の女性が自宅を訪ねてきて「手相を見てあげるよー」と言われた 記者 「その時に宗教と言っていた?」 信者Aさん 「そんなん、全然なし」 「それから1年後、統一教会と明かされ、入会した」 元信者Aさん その後、子供の障害を理由に「サタンがつく、先祖が苦しんでるので助けないと 家族みんなが苦しむから献金」と言われ続け、献金額1億6千万円以上 「息子から説得され3年前に脱会し、返金請求した」 「教団側は献金詳細を提出し、そこには7千万円余りの献金額が記載されていた」 「1億6千万円余りを献金したと主張したが、7千万円余りの返金で合意させられる」 「長女とは献金が原因で絶縁、家族関係は崩壊した」 Aさんの息子 「一部献金が返ってきたからといって、彼らを許せるとか、理解ができるとか、 納得したということは全くない、被害を受けた心、年数は反ってこない」 Q.2009年のコンプライアンス宣言以降、霊感商法やその類はなかった? 統一教会、元職員 「2009年以降も信徒に対する献金は何も変わらずに行われていた、 変わったのは物販がされなくなっただけ」 膳場貴子氏 「速報です、 旧統一教会などの被害者を救済する新たな法律が参議院の本会議で可決成立しました」 山上容疑者の伯父 「山上容疑者の母親は旧統一教会に今も騙されている、教団は家族を破壊した」 記者 山上容疑者の伯父は「救済法が成立しても、山上容疑者の母親が破産したこと、 兄が自殺したこと、山上容疑者が起こした事実が変わることはないから、 自分には関係ないし、興味がない」とおっしゃっていた 山上容疑者の母親の大学の友人 母親は、その宗教のビデオを見て「涙が止まらなかった」と言っていた、 「やめた方がいんじゃない」と言ったが彼女は心酔しきっていた 「大阪市にある大阪拘置所、安倍晋三元総理を銃撃し殺害したとして逮捕された男は、 今ここで精神鑑定を受けている」 元2世信者小川さゆりさん(仮) 「今回の法案の最大の積み残し課題は、 子どもの被害が現実的には全く救済できないということ」 |
内閣支持率の激減ぶりに慌てた岸田文雄が泥縄的に短時間でまとめさせた被害者救済新法であったことは明らかであった。
いっぽう、米国の強力な要請(?)を断り切れなかったため「FMS」と呼ばれる別名「兵器購入ローン」で米国の兵器を購入するために今後防衛費が増大するということを宣言した岸田文雄は昨夜の記者会見でこんなことを言っていた。
「1兆円は増税で捻出「国民に負担をお願い』 岸田首相会見で強調 防衛費大幅増の財源に」
岸田文雄首相は10日夜、臨時国会閉会を受けて首相官邸で記者会見し、防衛費の大幅増に関し「国民に一定の負担をお願いせざるを得ない」と語り、1兆円強は増税で捻出するとした自身の考えに変わりはないと強調した。防衛費増は安全保障政策と財政政策の「大きな転換」との認識を示した。 首相は敵基地攻撃能力(反撃能力)の保有を含む防衛力強化について「財源がないからできないとの立場は取らない」と主張。2027年度以降に毎年度、必要となる約4兆円の予算増について「安定した財源が不可欠だ。国債は未来の世代に対する責任として取り得ない」として、借金となる国債発行での対応を否定した。3兆円については歳出改革や決算剰余金などの活用で確保を目指す。 さらに「個人の所得税の負担が増加するような措置は取らない」とし、来年度からの増税もないと明言した。 夏の参院選で公約せずに増税を決めようとしていることについては「公約で訴えることは大事だ。ただ、参院選の時期を乗り越えて(防衛力強化の)議論が煮詰まってきたので、今、国民の皆さんに協力をお願いしている。安保環境は大変厳しく、一刻も早く具体的な対応を考えなければならない」とした。防衛費を巡る増税の是非を問うため、衆院を解散する考えがあるか問われると「全く考えていない」と否定した。 増税は国民の負担につながるため、来春の統一地方選に影響しかねず、自民党だけでなく閣僚からも異論が噴出している。 大幅な防衛費増の議論が進む一方で、後回しになっている「子ども予算倍増」の具体案を早期に示すよう本紙が求めたのに対しては「少子化対策、子ども予算は岸田政権の最重要課題の一つ」と強調した。ただ、「倍増」の道筋は来年6月ごろに策定する経済財政運営の指針「骨太の方針」で示すと述べるにとどめ、具体的な予算規模や財源に言及しなかった。 |
当然ながらなのか、それとも異例ともいえる自民党内部からの批判の声が遠慮なく発せられていた。
普段は出席の声がかかる一昨日の政府与党連絡会議には、私も西村経済産業大臣も呼ばれませんでした。国家安全保障戦略には経済安全保障や宇宙など私の坦務分野も入るのに。その席で、総理から突然の増税発言。反論の場も無いのかと、驚きました。
— 高市早苗 (@takaichi_sanae) December 10, 2022企業が賃上げや投資をしたら、お金が回り、結果的に税収も増えます。再来年以降の防衛費財源なら、景況を見ながらじっくり考える時間はあります。賃上げマインドを冷やす発言を、このタイミングで発信された総理の真意が理解出来ません。
— 高市早苗 (@takaichi_sanae) December 10, 2022blockquote>
安倍派は、防衛費大幅増はしたいけど、その費用は未来の国民にツケを回したい、という理解でOK? →防衛費増額の財源「増税ありきダメ」 自民・安倍派で反発相次ぐ(朝日新聞デジタル)https://t.co/oInXfsPozg
— Shoko Egawa (@amneris84) December 9, 2022
日刊ゲンダイのレギュラーコメンテーターの声を紹介しておく。
「ドンブリ勘定、根回し不足 防衛費倍増で泥舟政権は大混乱」
「岸田首相は、本当に政治センスがない。バイデン大統領に『防衛費の増額を確保する』と約束してしまったため、来年1月の訪米前に形にしたかったのかも知れませんが、いま1兆円増税を掲げたらどうなるか分かりそうなものです。それもこれも、深くモノを考えず、いつも思いつきで決めているからでしょう。実際、政策にしろ、閣僚の更迭にしろ、方針を打ち出したと思ったら、すぐに撤回の連続です」
「なぜ、伝統的にリベラルな派閥である宏池会出身なのに、軍拡の旗を振っているのか理解不能です。防衛費を2倍にし、敵基地攻撃も容認するというのだから異様です。恐らく、国防のことも、憲法のことも深く考えず、政権維持に都合がいいから、という程度の考えで軍拡の旗を振っているのでしょう」
(法大名誉教授・五十嵐仁)
「岸田首相は、権力を握って何かやりたい、というのではなく、権力を維持するために何をすべきか、という考えになっているのだと思う。政治家としての信念、軸がないから、右に揺れ、左に揺れている。かつて小渕恵三元首相も中身のない“真空総理”と揶揄されたが、それでも分からないことがあれば誰にでも電話をかけ、話を聞いたものです。岸田首相が師と仰ぐ池田勇人元首相だって、新聞記者を秘書官に就けて情報収集し、国民の声を拾い、政策に反映していった。なのに岸田首相からは、そうした姿勢が見えない。もし、国民の声に耳を傾けていたら、『防衛費大増税』など出てこないはずです。判断基準は、全て『政権維持』なのではないか」
「岸田首相は1兆円超を増税で賄うと言っていますが、果たしてそれで足りるのか疑問です。日本が軍備増強すれば周辺諸国を刺激し、軍拡競争が始まりかねない。そうなれば軍事費は際限なく膨張し、国民負担も拡大していく恐れがあります。そもそも、政府が優先すべきことは他にあるはず。物価が高騰しているのに賃金は伸びない。高齢者は医療費負担が増える一方、年金受給額も減少。少子化対策も待ったなしです。軍拡のために増税するなど論外です。岸田首相はそんなに国民を苦しめたいのでしょうか」(本澤二郎)
「米国製兵器のライセンス生産を請け負っている防衛産業を天下り先にしている防衛省は、防衛費倍増をもくろむ。(略)自らの天下り先を優遇するようなやり方だ〉
さらに、防衛産業に回った税金は、自民党に流れる構図になっている。自民党の政治資金団体「国民政治協会」は20年度に複数の軍需企業から計2億円超の献金を受け取っている。防衛費が膨らめば膨らむほど、自民党も儲かるという政官財トライアングルの構図である。」(立教大大学院特任教授の金子勝)
まあ、様々なところから袋たたき状態になってしまったのも身から出た錆であろう。
最後に「口直し」に、作家の「適菜収「それでもバカとは戦え」から、「2022年振り返り「今年のバカ」トップ10」を列挙しておく。
【第10位】松井一郎 6月27日、松井は政見放送で「維新の会は経費については領収書を公開しています。でも公開しているのが我が党の議員だけというのが大問題なんです」「私立高校、所得制限ありますけど、だいたい80%の人は授業料のキャップをはめてますんで、入学金、授業料、無償で自由に学校を選択できるようになっている」といきなりデマを流した。共産党は以前から使途を公開しているし、私立高校の入学金は有償。投票日が近づくと、大量に嘘、デマを拡散させ、選挙後はシラをきるのが、維新の会の常套手段。 【第9位】岸田文雄 閣僚や自民党幹部と統一教会(現・世界平和統一家庭連合)の関係が次々と発覚した件について、「政治の信頼を確保するために政治家としてどうあるべきか。自分自身をしっかり点検してほしい」と発言(8月22日)。その直後に、岸田の後援会長が統一教会の関連団体の議長だったことを「週刊文春」がスクープ。コントかよ。 【第8位】ひろゆき 米軍キャンプ・シュワブゲート前を訪ね、辺野古新基地建設に抗議する座り込みが3011日に達したことを示す掲示板について〈座り込み抗議が誰も居なかったので、0日にした方がよくない?〉と揶揄するツイート。現在、辺野古では工事車両が来る9時、12時、15時に合わせて座り込みが行われている。ひろゆきは夕方の誰もいない時間にゲート前のテントを訪れていた。 【第7位】河井克行 2019年の参院選広島選挙区を巡る大規模買収事件で、元法相の河井らから現金を受領したとして、検察当局は広島県議ら34人を公職選挙法違反(被買収)の罪で起訴(3月14日)。問題は誰がこのカネを動かしたかだ。河井夫妻が支部長だった2つの政党支部には、自民党本部から計1億5000万円が流れているが、その責任者については二階俊博が「党全体のことをやっているのは総裁(当時の安倍)とか幹事長の私」と自白した。 【第6位】橋下徹 ウクライナ情勢について「政治的妥結を目指すべき」と述べたかと思えば「終結するまでロシア軍を叩き潰すしかない」と正反対のことを言い出す。一貫しているのは支離滅裂であることだけだ。 【第5位】菅義偉 今年見たものの中で一番おぞましかったのが、安倍晋三の「国葬」における菅の弔辞だった。いわく「(安倍の判断は)いつも正しかった」。安倍は生前「私は総理大臣ですから、森羅万象すべて担当しております」「全く正しいと思いますよ。私は総理大臣なんですから」と述べていたが、シンプルなカルトだよね。 【第4位】門田隆将 現実と妄想の区別がつかない夢見る夢子ちゃん。森友学園の決裁文書改ざん問題を苦に自殺した財務省近畿財務局の元職員赤木俊夫さんを巡る記事では立憲民主党の小西洋之議員、杉尾秀哉議員に関するデマを流し、東京地裁は産経新聞社と門田に計220万円の損害賠償を命じた。問題の記事には「(両議員は)財務省に乗り込み、約1時間、職員をつるし上げている。当該職員の自殺は翌日だった」とあるが、両議員が訪れたのは東京の本省で、自殺した職員には面会していなかった。その後、門田は謝罪するどころか〈唖然…左傾化し正義を捨てた日本の司法〉とツイート。意味不明。 【第3位】統一教会(現・世界平和統一家庭連合) 自民党幹事長の茂木敏充が「今後、旧統一教会および関連団体とは一切関係を持たない」と発言したが、自民党自体が関連団体だったとはこれいかに。安倍の政務秘書官だった井上義行は「今後は党の方針に従って、一切の関係を断ちます」、萩生田光一は「今後関係はもたずに政治活動をやっていきたい」。多くの自民党議員が判を押したかのように「今後は」と繰り返したがだまされてはいけない。「今後」ではなく「これまで」の関係が問題になっているのだ。 【第2位】三浦瑠麗 「村八分」という言葉を真逆の意味で使ったり、大喪の礼を「たいものれい」と読んだり、今年も大ハッスル。新型コロナ、統一教会、ウクライナ情勢、国葬……。ありとあらゆるテーマに対し、オールラウンドのバカっぷりを発揮し、お茶の間に苦い笑いを届けた。 【第1位】安倍晋三 4月17日、全力でこびていたロシアのプーチンに対し、「ウクライナの祖国を守るという決意の強さを見誤った。そして自分の力を過信した結果、こういうことになっている」と発言。「自分の力を過信」して北方領土をむしりとられたバカは一体どこのどいつなのか? |
今年1年を振り返るという視点なので、岸田文雄が「第9位」というのは後半のドタバタぶりからもっと上位にするべきであったが、旧統一協会の国内No.1の広告塔であった安倍晋三が、山上徹也に銃殺という「天誅」を下され、自民党と旧統一協会の癒着ぶりを世間に知らしめたという点では「第1位」というのは、ある意味では「ドンピシャリ」であったのかもしれない、とオジサンは思う。