テレビでは「電通タブー」があるのかはいざ知らず、コメンテーターとして「電通」という2文字を口に出したことで、物議をかもし、特にネット上では「朝日新聞嫌い」のネトウヨや自民党の極右議員からも責められていた、テレビ朝日の社員である玉川徹が10日間の謹慎処分明けの19日、8時からの「モーニングショー」の冒頭に登場した。
その前に昨日は、こんな記事が出ていたのだが、まずは想定内の登場と発言だった。
「テレ朝に『玉川徹を降板させるな』の抗議電話殺到で、局上層部もすぐの“玉川おろし”断念! フェードアウト作戦に変更か」
玉川氏は降板する気はない。ところが上層部は降板させたがっており、週刊誌で降板情報が出たのも上層部によるリーク
— 桃太郎+ (@momotro018) October 18, 2022
しかしテレ朝に「玉川徹を降板させるな」の抗議電話が8〜9割を占めて断念
スゲー👏👏やっぱり諦めずに「間違ってる事は抗議し続ける」事が大事ですね💪😎https://t.co/ciGQCi8e65
本サイトだけではない。政治ジャーナリストの田崎史郎氏は四国新聞9日付のコラムにおいて、菅前首相と岸田文雄首相による弔辞のスピーチライターは同一人物だと暴露した上で、弔辞の評価が分かれたことを〈私はどれだけ「念」を入れたかの違いだと思う〉などと岸田氏の弔辞にダメ出ししている。 いや、それ以前に、国会議員が「『報道の自由』を逸脱している」「政治的偏向だ」と糾弾し、「国政の場でも強く提起したい」などと発言するのは、それこそ報道への政治的介入、報道圧力にほかならない。 だいたい玉川氏の発言が糾弾されるなら、自民党の政治家連中はどうなるのか。統一教会と自身の関係について虚偽の説明をおこなった政調会長である萩生田光一氏や、「国葬反対のSNS発信の8割が隣の大陸から」という発言疑惑の高市早苗氏、そして「桜を見る会」前夜祭問題で118回もの虚偽答弁をおこなった安倍元首相こそ、徹底追及されるべきではないのか。 ■NEWS23』岸井成格を降板に追い込んだ「視聴者の会」も玉川攻撃 しかし、理不尽な報道圧力をかけているのは政治家だけではない。安倍応援団が立ち上げた「放送法遵守を求める新・視聴者の会」も、放送法違反の疑いとして、玉川氏とテレ朝の責任追及を求める申し入れ書を総務省や放送倫理・番組向上機構(BPO)に近く提出すると夕刊フジが12日に報じたからだ。 「視聴者の会」といえば、これまでも政権批判報道に圧力をかけ、たとえば安保法制を番組内で批判した『NEWS23』(TBS)のアンカーだった岸井成格氏を放送法違反だとする新聞意見広告を打ち、結果、岸井氏を降板へと追いやった民間団体。本サイトは「視聴者の会」の結成当初からその動向を追いつづけ、同会の中心人物たちが“安倍晋三応援団”だらけであることや、賛同人の多数を日本最大の右派団体「日本会議」の関係者が占めていることなどを報じてきたが、今回も圧力に動くというのだ。 つまり、西田議員にしろ、「視聴者の会」にしろ、玉川氏を降板に追い込むことによって政権批判を封じ込めようという意図がミエミエなのだ。 しかし、いまのテレビ朝日の上層部の体質を考えると、こうした圧力に屈して、最終的に玉川おろしに動く可能性は高い。 「出演回数を減らして、そのまま玉川氏の影響力を減らし、次かその次の改編で玉川氏を降板させるというのが、上層部の腹ではないかと言われていますね」(前出・テレ朝関係者) 繰り返すが、「電通」発言については裏取りをしないままコメントした玉川氏に非がある。しかし、玉川氏の発言は差別を助長するヘイトスピーチといった人権を侵害するものでもなく、出演回数を減らされたり、降板させられるような「大誤報」であるはずもない。実際、政権や自民党と電通の密着ぶりは事実ではないか。 しかも、玉川氏はその非を認め、訂正・謝罪し、謹慎処分まで受けているのだ。もし、この程度の誤報で番組降板に追い込まれ、テレビ局が糾弾されれば、コメンテーターが政権や政治家、大企業に批判的な発言に踏み込まないよう、番組制作側がコントロールするようになるだろう。つまり、テレビから政権批判が消えるということだ。 そうさせないためにも、玉川氏を降板させるようなことが起こってはならない。前述したように、「玉川氏を降板させるな」という抗議の声にテレ朝上層部も困っているという。玉川氏を守るためだけではなく、「政権批判できる自由」を守るために、抗議の声をあげなければならないだろう。 |
残念ながら、上記記事中の「いまのテレビ朝日の上層部の体質を考えると、こうした圧力に屈して、最終的に玉川おろしに動く可能性は高い。
「出演回数を減らして、そのまま玉川氏の影響力を減らし、次かその次の改編で玉川氏を降板させるというのが、上層部の腹ではないかと言われていますね」との推測どおり、コメンテーターは降板するらしい。
「羽鳥慎一アナ、玉川徹氏のコメンテーター降板と現場取材へ戻る意向は『テレビ朝日の考えであり私も同じ思いです』」
この日はオープニングテーマはなし。司会の羽鳥慎一アナウンサーがスタジオで「玉川さんの10日間の謹慎処分が昨日で終わりました。ここで玉川さんから改めて説明、おわび、今後についてです」と伝えた。 これを受け玉川氏はスタジオではなく別の場所から出演した。紺のスーツに黒いネクタイ姿の玉川氏は「おはようございます。今回の私の事実誤認のコメントにより、ご迷惑をおかけした電通および菅前総理大臣に対し改めておわび申し上げます。このような事実に基づかない発言をテレビでしてしまったということ。それは私の慢心とおごりがあったからだと反省いたしました。申し訳ございませんでした」と深々と4秒間、頭を下げ謝罪した。 さらに「謹慎の10日間、私は事実確認の大切さ。テレビで発言することの責任の重さを考え続けました。そして事実確認こそが報道の根幹である。その原点に立ち返るべきだと考えました」とし「これまで私はスタジオで様々なニュースに対しコメントを続けてきましたが、これからは、現場に足を運び取材をし、事実確認をして報告するその基本にもう1度立ち返るべきだと考えました。そして、その結果は、この羽鳥慎一モーニングショーでお伝えする、そういうふうな考えに私は今回、いたりました」と番組出演は続けるがコメンテーターの降板を明かしていた。 そして「この間、報道局幹部とも話し合いを続けこのような私の考えを理解してもらいました。視聴者のみなさまにもご理解いただけるとありがたく存じます。今後、このような形で仕事を続けてまいりますが、ご支援のほど、よろしくお願いいたします」と頭を下げた。 この謝罪を受けスタジオで羽鳥アナは「玉川さんのコメントでした」とし「基本に立ち返るというのは、玉川さんの思いであり、テレビ朝日の考えであり私も同じ思いです」と明かした。 その上で「これから玉川さんは現場に足を運びまして取材をして玉川さん独自の目線で取材、そして分析をして番組へ報告する形を取らさせていただきます」とし「番組をご覧いただいているみなさまの信頼を回復できるように、これからもしっかりと番組作りを進めて参りたいと思います」と頭を下げた。 |
安倍晋三の国葬に出席するような人間がテレビ朝日の社長なので「平社員」としてはとりあえずは一旦現場で汗をかいて出直すというしか生きる道はなかったのであろう。
さて、話は変わってデジタル相・河野太郎の功名心が首をもたげた「マイナ保険証」騒ぎで、はやくもこんなミットモナイ事態が起きていた。
「住民のマイナカードに誤って保険証機能を登録 滋賀・栗東市、「想定外」解除できず」
滋賀県栗東市が、住民女性(50)のマイナンバーカードを誤って健康保険証として使える「マイナ保険証」に登録していたことが22日分かった。市は女性に謝罪した。国によると、登録は解除できないという。 女性の話では8月18日、マイナポイントが付与される公的給付金の受取口座をカードに登録しようと市役所を訪問。保険証機能は登録したくないと考え、窓口職員に意思を伝えたが、誤登録されたという。 市によると、職員は本来、タブレット端末の登録画面を本人に確認してもらい登録を進めるが、保険証のひも付けに関する職員の記憶が定かでない、という。 いったん登録したマイナ保険証が削除できないことに関し、厚生労働省は「削除手順を整備していない。ひも付けによる不利益がなく、こうした(削除)要望が出ると想定していなかった」とした上で「削除の要望が来ており、検討しているが、健康保険組合など保険者の協力が必要になる」と説明している。 女性は「職員から一言確認があれば防げたはず」と憤る。栗東市総合窓口課は「申し訳ない。申請手続きを進めるに当たり確認を確実に取るように周知している」と話す。 |
「住民のマイナカードに誤って保険証機能を登録」「国によると、登録は解除できないという」「市は女性に謝罪した」って何だ。もうシステム設計が初歩段階から壊れてるだろう。
— 山崎 雅弘 (@mas__yamazaki) October 18, 2022
厚生労働省は「削除手順を整備していない」「こうした(削除)要望が出ると想定していなかった」https://t.co/M0dUSsS6oK
マイナンバーカードは自主返納できるので、削除手順がないというのは嘘です。できるだけ本人に負担なく返納再取得で対応するのが用意されている事務対応。例外処理としてマスターを強制更新する仕組みは通常システムは用意されているので、例外処理として対応もできるはず。厚労省は普及反対なのかも。
— 昭和竜 (@showadragon) October 18, 2022
登録/削除/更新、て基本的な機能と思いますが。
— おれのCava (@CastellBZ) October 18, 2022
それすら揃ってない管理システムって、何?
更に、その欠陥システムを国民に強制するって何?
あれ?
先日は照会も出来ないって騒いでませんでした?
「削除手順を整備していない」というが、基本的にシステム設計する場合は、利用者の想定外の操作に対応するために、あらゆる回避手段を事前に検討しシステムに組み込んでおくものである。
今後、ますますこのような「保険証機能登録」作業が増加すればシステムの脆弱性が露呈するであろう。
ところで、旧統一協会関連ニュースを連日取り上げ続けている日本テレビ系「情報ライブ ミヤネ屋」。
この番組は安倍晋三政権当時から政権忖度番組で有名であり、返す刀で野党批判に明け暮れていたものである。
それが安倍晋三の銃殺の原因が旧統一協会の信者2世の個人的な恨みからの犯行とのことから、なぜかその後旧統一協会追及番組に変身してしまった。
たしかに過去数十年ほど政府も無関心を装ってきたのだが、岸信介以降3代に渡る旧統一協会と自民党の密接な関係が明るみに出たのだが、その問題はわきに置いて被害者救済のための弁護士たちを中心とした番組作りになっている。
したがって、この番組の危険性や実態を暴露していた掲示板があった。(一部表現は変更してある)
ミヤネ屋よいしょ!<==== 危険だね! 自民党応援団だ。橋下徹よいしょだ。 電通からの指令だろう。 極右日本会議もあるので、憲法改正前にバランスを取ってるだけだ。 (1)統一教会の出しゃばり過ぎ、アベの政治思想の偏り過ぎ・・・の是正目的 (2)自民党議員を守るために被害者救済へ国民の目をそらすことが目的 山際、萩生田、特にパーティー券を購入して貰うわ献金を貰って来た問題児の高市早苗などの問題は全く取り上げなくなった。 細田問題からも目を逸らすのに成功してる。 維新の13議員もズブズブなのに全く取り上げない。 今まで散々に自民党賛美してきた、橋下徹に嘘デタラメを言い放題させて来た ミヤネ屋がまともな訳ないだろう。 ◆:TBSの金平さん降板 ◆:テレ朝の玉川さん降板 の裏で、電通の手先のミヤネ屋の点数稼ぎだろう。 ▼【 自民党の闇を暴露&批判して降板させられた面々 】▲ ・古舘伊知郎===> 自民党批判を何度か口にして降板 ・みのもんた===> 〇×大臣は何をやってるんだぁ!と怒鳴って思いっきり首 ・国谷裕子====> 菅義偉に原発問題を追及して土下座&降板 ・鳥越俊太郎===> 自民党批判をストレートに口にして降板 ・玉川徹=====> 国葬を利用して国民感情に訴える悪用の自民党批判で降板 ・大谷昭宏====> 自民党批判をストレートに口にして降板 などなど・・・。中国やロシアより酷いだろう。報道の自由度72位以下じゃね! ミヤネ屋はヤクザサラ金の橋下徹と親友だ。騙されるな。 【 これまで腐りきって来た御用で橋下徹chのミヤネ屋が改心するわけがないだろ 】 |
口さがない悪口雑言の数々なのだが、けっして内容的にはデタラメではない。
「宗教法人としての世界平和統一家庭連合(略称・家庭連合=旧統一教会)に対し、政府が具体的な対応をとるよう求める動きが相次いで起きている。同教団の被害救済に取り組んできた「全国霊感商法対策弁護士連絡会」(全国弁連)が、裁判所に解散命令の請求を行うよう、政府に申し入れた。同教団の信者を親に持つ「2世」ら当事者も、同趣旨の署名活動を始める。また、消費者庁の有識者検討会も、報告書のなかで、所轄庁が宗教法人法に基づく調査を行うよう求めた。そんななか、世論調査で内閣支持率が落ち続ける岸田政権は、ようやく重い腰を上げ始めた。」
こんなリードで、「江川紹子が解説する【旧統一教会への調査指示】の意味と今後の注目点」を紹介しておく。
27年も前の下級審の判決にいつまで縛られるのか…。南野先生のコメントにうなづきながら書きました →江川紹子が解説する【旧統一教会への調査指示】の意味と今後の注目点 https://t.co/7zlf7NUV3C
— Shoko Egawa (@amneris84) October 18, 2022
■信教の自由」を盾に、「調査」にすら及び腰だった岸田政権だが…… 同法では、「法令に違反して、著しく公共の福祉を害すると明らかに認められる行為をした」「宗教団体の目的を著しく逸脱した行為をした」場合などは、裁判所が「解散」命令を出すことができる、と定めている。 「解散」を命じられると、宗教法人としての財産の管理や契約などの法的行為ができなくなり、宗教法人に認められている税の優遇措置も受けられなくなる。 オウム真理教の時は、地下鉄サリン事件の後、当時の所轄庁である東京都と検察官が申請。東京地裁が解散命令を出し、教団側の不服申し立てによって東京高裁、最高裁まで行って確定した。一方、事件の被害者が債権者として教団の破産を申し立てており、それが認められて、破産管財人のもとで清算手続が着手された。 ただ、解散命令が出ても、任意の宗教団体としての活動ができなくなるわけではないし、役所が信者個人の信仰に立ち入るわけでもない。現に、オウム真理教は解散命令確定後も存続し、「アレフ」や「ひかりの輪」などの後継団体として今も活動を続けている。 この解散命令が、憲法で保障されている「信教の自由」を直接制限するものではないことは、オウムに対する最高裁決定も認めている。清算手続によって、礼拝施設などが処分されれば、宗教活動に間接的な影響はあり得るだろうが、同決定はこう判示している。 「宗教上の行為の自由は、もとより最大限に尊重すべきものであるが、絶対無制限のものではない」 ところが、今回の旧統一教会を巡る問題で、政府は「信教の自由」を理由に、この問題に消極的な態度をとり続けてきた。所轄の文化庁は解散命令について、「教会の役職員が逮捕や立件、処罰された例がなければ請求は難しい」と繰り返した。さらに、野党議員の質問主意書に対し政府は、「憲法の定める信教の自由の保障などを踏まえれば、所轄する庁の関与は抑制的であるべきで、法人格を剥奪する極めて重い措置の解散命令の請求は十分慎重に判断すべきだ」とする答弁書を閣議決定した。 確かに、法人格の剥奪には慎重でなければならず、教団としての行為を理由に解散命令が発せられた前例は、オウム真理教と霊視商法が詐欺罪で摘発された明覚寺しかない。足裏診断などの霊感商法が摘発された法の華三法行でも検討されたが、解散命令の請求より先に、教団は債権者の申立てによる破産宣告を受け、それを理由に解散となった。 しかし、刑事事件にならなければ、「法令に違反して、著しく公共の福祉を害すると明らかに認められる行為」や「宗教団体の目的を著しく逸脱した行為」とはいえないのだろうか。宗教法人法は、「法令に違反して」としているのであって、「刑法に違反して」と書いてあるわけではない。政府は、いったい何を根拠に、問題の行為を「逮捕」「処罰」などの刑事事件に限定するのか。 南野森・九州大学教授(憲法学)は、「法律では、解散要件は非常に抽象的です。最高裁はこの要件について何も言っていません。あるのは、下級審の判断だけ。文化庁などが引き合いにしているのは、オウム真理教に対する東京高裁の決定です」と語る。 この高裁決定では、確かに問題とする行為を、「宗教法人の代表役員等が法人の名の下において……した行為」「刑法等の実定法規の定める禁止規範又は命令規範に違反するもの」と、かなり狭く捉えた解釈をしている。 これを教団は利用している、と南野教授は指摘する。 「旧統一教会は、この高裁決定を踏まえて、関連団体に“ファイヤーウォール”の働きをさせ、教団本体に追及の火の手が及ばないような仕組みを作って活動しています。それによって膨大な被害が生まれ、これに対して民事裁判では、教団の不法行為責任を認める判断が出ている。そうである以上、解散命令に関して、27年も前の下級審の法解釈に縛られる必要はないと思います」 にもかかわらず、政府の腰はなぜ重いのか。 ■政府が「調査指示」へと一転した背景…流れを変えた消費者庁・有識者検討会による報告書 南野教授は、「深読みかもしれませんが」としたうえで、役所にありがちな2つのメンタリティを挙げる。 「ひとつは、今まで解散命令の請求をやってこなかった責任を問われたくない、という発想。つまり、教団が最近になって何か大きな事件を起こしたのではなく、教団は何年も前から同じ行為をしてきたわけですね。今になって対応するのは、役所としての一貫性を問われるのではないか、と恐れる。 もうひとつは、お役所は負け戦をしたくない。100%勝てる確信が持てなければやりたくない。もし、裁判所から『解散に値しない』と言われたら、教団から損害賠償を求められるかもしれない、と考えるわけです。認められなければ、国としてのメンツの問題もありますし」 しかしそうなると、本来は裁判所が判断する仕組みなのに、実際には行政が基準を決めることになる。 「時代背景もあり、(行政が何もしてこなかった)今までのことは仕方がない、と言ってあげないと、政府は動けないのかもしれません。この問題に取り組んできた弁護士や学者などと共に知恵を出し合えば、過去の判断は乗り越えられるはずです」(南野) たとえば全国弁連は、政府側と同じオウムに対する東京高裁決定を挙げて、問題視する行為は犯罪行為に限定されない、と反論している。 同決定は、宗教法人が武力抗争のほか「詐欺、一夫多妻、麻薬使用等の犯罪や反道徳的・反社会的行動」などを行う「反道徳的・反社会的存在」となった場合に対処するための措置として、解散命令の制度を「必要不可欠」としている。 旧統一教会の行為は、これまで繰り返し司法の場で民法上の「不法行為」を認定されており、それに対する反省や被害者への謝罪もない。同決定で述べられている「反道徳的・反社会的存在」であることはいうまでもなく、教団は解散命令の対象になる、というのが全国弁連の主張だ。 このまま政府が解散命令請求を避けていれば、旧統一教会は宗教法人であることを理由に、税制上の優遇措置を受け続けることになる。献金強要などによって日本の信者やその家族から吸い上げられた巨額の金は、非課税のまま韓国に送られ、その額は毎年数百億円に達する、とも報じられている。 「これはもはや、国益に反する、といえるのではないでしょうか」(南野教授) なにより解せないのは、政府が、宗教法人法が認めている調査にすら、消極的な態度を続けてきたことだ。 宗教法人法は、解散命令に該当する疑いがある場合には、当該の宗教法人に報告を求め、役員などに質問する権限を所轄庁に与えている。しかし、文化庁はこの質問権を行使したことは今まで一度もない。 今回も、政府は調査に消極的で、8月15日の答弁書では「個人の政治活動に関するもので、調査を行う必要はない」としていた。政府は、調査は解散命令請求を前提にして行われるもの、と見ており、請求を行うつもりがない以上、調査をする必要はない、という立場のようだった。 こうした流れを変えたのが、消費者庁の有識者検討会だった。同検討会は10月17日朝に公表した報告書のなかで、解散命令について一般論として慎重姿勢に理解を示しつつ、調査に関するこれまでの行政の消極的な対応には疑問を呈した。そのうえで、旧統一教会に関しては、解散命令の要件に該当する疑いがあるとして、「解散命令請求も視野に入れ、宗教法人法に基づく報告徴収及び質問の権限を行使する必要がある」と提言した。 提言に背中を押されたのか、政府は突如方針を変更。同日朝、岸田首相は河野太郎・消費者相、永岡桂子・文科相らと対応を協議し、永岡文科相に「質問権」を活用した調査を指示し、衆院予算委員会でそのことを明らかにした。 本来、政府の一貫性のなさが問われるところだが、ここは南野教授の助言を受け入れて、その点を追及するより、柔軟に対応したと、ひとまず前向きに受け止めたい。 ■形ばかりの「報告徴収及び質問」で終わらせることなく、十分な事実調査を行うべき ただ、調査を実施するとはいっても、法律上、所轄庁の権限は極めて控えめなものだ。 調査の前には宗教家や学識経験者で構成される宗教法人審議会の意見を聞かなければならないという縛りがあり、質問のために教団施設に立ち入る時には、当該宗教法人の同意が必要。教団は立ち入りを求める役所の職員を門前払いできる。 同法のこの条項は、オウム真理教による地下鉄サリン事件が起きた1995年秋に行われた臨時国会での宗教法人法改正によって加えられた。それまでは、宗教法人に対する行政の調査権限はまったくなかったのだ。しかし事件後、「行政が以前から教団の実態をもっと把握しておくことができなかったか」と法改正を求める世論が高まった。一方、「信教の自由」という観点から懸念の声も根強かった。 そのため、前述のような遠慮がちな「報告徴収及び質問」の権限に留まったが、それでも公明党や小沢一郎氏らが率いる新生党などが合流してできた新進党が、法改正は「国家による宗教弾圧の蟻の一穴になる」と猛反対。これに同調する識者もいた。参議院では、同法改正のための特別委員会に宗教関係者、憲法学者など学識経験者のほか、カルト被害対策に取り組む弁護士が参考人として意見を述べるなど、慎重な審議が行われた。そこでは、政教分離のあり方や、旧統一教会を含めた新興宗教による霊感商法も話題になった。 当時の政府は、自社さ連立政権。村山富市・首相以下の閣僚は連日特別委に出席し、法改正が「必要最小限」のものであることを説明した。村山首相は、憲法が保障する信教の自由にはいささかの変更もないことを繰り返し述べて、粘り強く法案への理解を求めた。そして、会期を延長して可決にこぎつけた。 また、この参院特別委で、武村正義・大蔵大臣(当時)は、宗教法人が税制上の優遇措置を受けていることを念頭に、次のように答弁している。 「私ども税の立場で見ておりましても、宗教法人をかたる、営業のために宗教法人を買収したりして巧妙に使い分けをして金もうけに走っている例もございますし、また昨日の霊感商法の例のようなああいう行為も一部ございます。(中略)そのことに政治が目をつむっていていいのか」 また、島村宜伸・文部大臣(当時)は、同じ参院特別委で次のように述べた。 「宗教法人の側としても、法人格を得るということで、社会的にある種の権威、あるいは税制上の優遇等々が得られるわけでありますから、当然に宗教法人の公共性に対応した公正な管理運営を確保する責務がある。(中略)法人格を与える、認証をするというだけが所轄庁の仕事でなくて、その後の適正な管理運営を見守るといいましょうか、所轄するといいましょうか、そのことの責任は当然にあると私は考えます」 法改正時に閣僚が語った政治や行政の責任。今の岸田政権は、どう果たしていくのだろう。 旧統一教会は宗教法人として解散命令の要件に該当する疑いがある、と認めて調査を指示した以上、形ばかりの「報告徴収及び質問」で終わらせるようなことがあってはならない。旧統一教会への調査は初めてのことであり、定員8名という文化庁宗務課のわずかな職員だけに任せるのではなく、十分な事実調査ができるような人的体制を作るのが、まずは政府の責任だろう。 そして、教団の報告を聞くにとどまらず、被害者の証言を集め、これまでの司法判断とも照らし合わせる作業も必要だ。そのためには、これまで旧統一教会問題に取り組んできた全国弁連やこの団体の実態に詳しい学者など、専門家の意見も十分聞く必要がある。 実態を明らかにする、実のある調査を、まずは行ってもらいたい。衆院予算委員会で岸田首相は、自身は旧統一教会とはかかわりを持たずにきたと述べ、「関係を持たない私が責任を持って未来に向けて、この問題を解決したい」と決意を語った。 この決意が果たされるか、注視したい。 |
「信教の自由」とはあくまでも個人レベルで、個人の意志でどのような宗派に属するかという個人の自己決定権ではないのか。
それが宗教法人という大きな組織が個人をさまざまな方法を用いて洗脳しあたかも本人の意思のごとくマインドコントロールすること自体が「信教の自由」から大きくかけ離れていると、オジサンは思う。