新・定年オジサンのつぶやき

残された日々をこの世の矛盾に対して勝手につぶやきます。
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菅義偉にとって政治生命を賭けた勝負の通常国会となる

2021年01月18日 11時18分25秒 | 菅義偉

ウィルスは人間のように夜間に寝るということはないそうで、人が朝から晩まで起きている間は常に他人に感染する可能性がある。
 
昨年は東京の新宿で「夜の接待を伴う」営業が悪者扱いされ、血祭に挙げられたことにより、その後「ホストクラブ」や「キャバクラ」でのクラスターの発生はなくなったという報道がされていた。
 
しかしこれはあくまでも保健所が感染者に対して濃厚接触者を特定するために行うクラスター調査結果なのだが、世間で問題になったような店に出入りした感染者が真実を語ることが減少したことによる影響で、むしろ感染経路不明者が増加しているのが現状である。 
東京 コロナ感染経路不明が急増 入院必要でも自宅待機相次ぐ」 
 
    
       【NHKニュースより】
 
すでに「クラスター調査は保健所の負担を増すばかり」という声も出ているほどなので、もはやCOVID-19による感染のリスクは全国いたるところにあり、かつ夜の会食だけではない。
 
愛知の高齢者、モーニングでの感染ケース多数…複数人で会食」によると、愛知県内では高齢者がモーニングなどの機会に複数人で会食したりして感染したケースが多いという。


なるほど、菅義偉が朝の秘書等との会食を中止した理由がこれだったのかもしれない。
 
ところで、最近テレビにたびたび登場している宇都宮市 インターパーク 倉持呼吸器内科の倉持仁院長。
 
2020年3月からTwitterを利用しており5万人のフォロワーがいるという。
 
日々の診察・治療で忙しいにもかかわらず積極的に発信しているが、先週は、「菅首相 医療人材や病床確保めぐり大学教授と意見交換」という記事に対してこう批判的なツイートをしていた。

倉持仁院長に対してこんな見方をするアホがいたらしい。

 
上記の記事に対しては、ある感染症専門医はこんな反論記事を書いていた。
 
医療が逼迫しているのは民間病院のせいなのか?」 
新型コロナ患者の爆発的な増加によって、適切な医療が提供できなくなってきています。
一部の報道では「この状況は民間病院が新型コロナを診ないから」という論調が目立つようになってきていますが、本当にそうなのでしょうか?
 さて、報道では「民間病院がもっとコロナの患者を受け入れれば良いじゃないか」という論調が目立ってきています。
しかし、そんなに簡単な話ではなく、そもそも医療機関で新型コロナを診療するためには「患者を診る」だけでなく「感染対策が適切に行える」必要があります。
新型コロナ診療を行うキャパシティのある民間病院はすでに新型コロナの患者を診ている、というのが私の印象です。
今新型コロナ患者を診ていない民間の医療機関は、感染症専門医もいなければ感染対策の専門家もいない、という施設が多く、こうした民間の医療機関に何のバックアップもないままに「コロナの患者を診ろ」と強制しベッドだけ確保したとしても、適切な治療は行われず、病院内クラスターが発生して患者を増やしてしまう事になりかねません。
ではこうした民間病院にしっかりバックアップをしてコロナ診療も感染対策もバッチリできるように指導すればいいじゃないか、と思われるかもしれませんが、現在は専門家も他院の指導に回る余裕はありませんし、病院のコロナ患者の導線を確認し、コロナ患者を診療する病棟のゾーニングを行い、診療に当たる職員の個人防護具の着脱のためのトレーニングを行い・・・といった準備は一朝一夕で身につくものでもありません。
コロナ治療の医師や看護師にインセンティブを払えば医療体制が瞬く間に強化される」という首相への提言が行われたそうですが、単純にお金で解決する問題ではないでしょう。
少なくとも単にお金を配って病床を確保するのではなく、「医療従事者の安全」と「診療の質」の両方が担保された上で民間の医療機関での診療拡充を行うべきと考えます。
おそらく、第一波の緊急事態宣言の後など、流行が落ち着いている時点で行政が主導してそうした備えをしておく必要だったのだろうと思いますが、今さら言ってもどうしようもありません。
現在、新型コロナ診療を行っている医療機関は、多かれ少なかれ通常診療の規模を縮小していますので、新型コロナ診療を行っていない民間の医療機関は、
・新型コロナを診療している病院がこれまで診ていた、コロナ以外の患者の診療をカバーする
・新型コロナ診療医療機関からの転院など後方支援を徹底する
ということで相互に協力をする、というのが現時点では望ましいのではないかと思います。
東京都は都立病院などでコロナ病床数を増やすことにするようです。
都立病院はこれまでも多くの新型コロナ患者を受け入れてきていますので、経験のある医療機関に新型コロナ患者を集約化することは、交通整理のためにも良いことだと思いますし、「医療従事者の安全」と「診療の質」の両方を担保しつつ病床を増やすという意味では、民間病院での病床を拡充するよりも現時点では現実的だと思われます。
ただし、いくら経験のある医療機関と言えども、病床数を増やすとこれまでコロナ診療をしていなかったスタッフも対応することになります。
今まで新型コロナを診ていなかった医療従事者が突然新型コロナ診療に参加することには相当な精神的ストレスがかかりますので、メンタル面でのサポートも含めて十分なサポートが必要です。
現時点での解決策は「感染者を減らす」以外ない
一時的に病床数を増やしても、このペースで患者数が増え続ければすぐにこれらの病院も埋まってしまうでしょう。
結局、根本的な解決方法は患者の増加を抑えることしかありません。
今は誰かを責めるよりも、個人個人がこの難局を乗り越えるための努力をすべきときです。
乗り越えることができたら、そのときは次への備えとしてどう病床を確保すべきかしっかりと議論を行えば良いでしょう。

大変冷静な現場目線の記事である。
 
問題なのは、現場の事情を十分に確かめもしないで、橋下徹のように「橋下徹氏『コロナ対応しない医療機関多すぎる』 政府の強制力求める」と己の存在感を示すために政府が悪いと吠えるだけの輩が多いことである。
 
大阪知事時代(08年=~11年)、大阪、そして日本の医療問題に取り組み、世界の医療体制事情を調べたという橋下徹は「日本は一般病床数がものすごく多い。88万とか90万床とか。そのうち、コロナ対応してる病床数が2万7000なんですよ。診療所とか病院の数が先進国でも1番ですよ。医師数、看護師数はものすごい多いわけではないけど」と言いながら大阪の医療体制の縮小や看護師の給与引き下げを行った張本人である。
 
絵にかいたような「言うだけ番長」気取りであろう。   
 
さて、専門は幸福度研究、行動経済学、応用計量経済で現在は中曽根平和研究所・主任研究員の高橋義明氏が、大阪府の感染爆発についてJBpressにこんな記事を寄稿していた。
 
政府と大阪府はなぜ感染爆発の予兆を見逃したのか?情報公開の消極性が一因に  
政府が「(時短)効果がでている」と述べていた大阪府も京都府・兵庫県などとともに1月13日に緊急事態宣言の対象地域に加えられることとなった。首都圏1都3県から発令から1週間も経たないうちの急展開である。
 昨年(2020年)末12月25日の第28回大阪府新型コロナウイルス対策本部会議において、大阪府庁は12月11日から患者数が減るシミュレーションを議論していた。ではなぜ政府・大阪府庁は感染爆発の予兆を見逃したのだろうか。この点は、緊急事態宣言を解除する際にも重要になる。本稿ではその原因について検証したい。
(近畿圏での対策についてはここでは触れないが、筆者の考えは近畿圏でも同じである。1月6日の記事「飲食店の時短以上に企業・事業所の休業が必要な理由」を参照いただきたい)。
■最大の原因は府庁の透明性に対する消極性
 最大の原因は、11月11日の大阪府本部会議において、全国で唯一、患者情報の個票公表廃止を密かに決定したことにある。
 読者の皆さんはあまりご存知ないかもしれないが、研究者は政府・自治体が持っているデータに簡単にはアクセスできない。筆者が横浜市に提供を依頼した在住外国人調査のデータは入手まで2年間を要した。それは政府の分科会会合に参加している専門家であってもあまり変わらない。
 自治体の場合、研究目的でのデータ提供の公的仕組みは存在しない。そうした中、現在可能なデータの入手方法は3つある。1つ目は自治体がホームページで公表している情報を利用するもの、2つ目は自治体による任意の情報提供、3つ目は行政文書としての情報開示請求である。1つ目の場合でもそのまま分析に利用できることは少なく、PDFから研究者自らがデータ入力したり、自治体ごとに形式がバラバラなために加工するなど人海戦術が必要である。
 1月13日の総理会見に同席した政府・分科会の尾身会長が「新型コロナウイルス感染症特別措置法改正の際に望むこと」として「疫学情報の迅速な収集と共有」を挙げた。欧米の政府・自治体は分析しやすい形でデータを収集・整備し、研究者にかなり自由に提供しており、雲泥の差がある。日本の新型コロナ対策で「科学的知見が少ない」と言われる理由の1つはここにある(詳細は「EBPM(証拠に基づく政策立案)は日本で確立するのか:欧米の経験も踏まえて」参照)。
 そして日本の自治体のデータ提供への姿勢には、協力的なところと消極的なところに二分される。大阪府庁は以前から研究者に対する情報提供に否定的な自治体である(石川県、渋谷区なども否定的)。
 患者情報公表を廃止して1つ目の方法が採れない中、大阪府内の感染状況を分析するため、筆者は11月16日以降のデータ開示を府庁に求めた。しかし、図1の通り、大阪府知事から回答があり、非公開の理由として「公表廃止」を挙げた。
■政府の感染症専門家も最重要データである発症日を把握できず
 日々発表される感染者数は、週末に病院受診などを受けにくい曜日・祝日要因や検査体制の整備状況の影響を受ける。そのため、この情報では感染拡大・減少の転換点を捉えるのは難しい。
 そこで、感染症専門家が重視しているのが「その日に何人が発症したのか」をカウントする感染者数(発症日ベース感染者数)である。1人の人が何人に感染させているかを推計する「実効再生産数」の基になるのもこの発症日データである。西浦博・京都大学教授は都道府県別に感染状況を評価するために、厚労省新型コロナウイルス感染症対策アドバイザリーボードの会合に発症日データに基づく実効再生産数の推計結果を毎回提示している。
 しかし、図2の通り、12月10日の会合において西浦教授は大阪府について「発病データ報告停止のため、感染時刻別の精密な評価は不能」と述べた。同じく押谷仁・東北大学教授作成の政府・分科会資料にも「大阪府は11月16により発症日を公開していないために発症日別のものは更新されていない。全国のエピカーブからも大阪は除いている」と記されていた。結果として12月22日時点の厚労省アドバイザリーボードの評価では「大阪て゛は新規感染者数に減少の動きか゛見られるか゛、依然高い水準」とされた。府庁の姿勢が、第3波が予見された最も重要な時期に専門家の目を曇らせた。
・・・中略・・・
 発表日の感染者数で減少傾向にもかかわらず、発症日で読み取れなかった理由は2つありえる。
 1つは無症状者の発見度合いである。クラスターが一時期に多発すると濃厚接触者を検査し、結果的に無症状感染者が多く見つかる。大阪府内では発表日としてピークだった11月22日から12月16日までに高齢者施設55、医療機関25、学校13などの計111カ所のクラスター(1日当たり4.6カ所)が発生していた。一方、その後の12月31日までは計42カ所(1日当たり2.8カ所)と減っていた。患者情報公表停止により無症状者がどれだけ占めるのかも不明であり、検証が必要である。クラスターの発生時期のズレが「感染が収まっている」と錯覚させた可能性がある。
 もう1つは、府庁の目線が大阪市内の繁華街の時短要請に向かい、繁華街での感染者減少が全体でも減少につながると思わせた可能性である。大阪府の本部会合資料でも地域別の分析は夜の街関係が主である。今回、大阪市北区、中央区を対象に時短要請をした際、夜の街関係者・滞在者の感染者は11月下旬に410人から12月下旬の257人に減った。しかし、夜の街関係者・滞在者の感染者は7月の第2波には3~4割を占めていたが、今回11月下旬9.2%に過ぎなかった。
・・・中略・・・
■大阪府民が決めるべき患者情報公表ルール
 患者情報を全く公表しないのは現状、大阪府のみである。加えて最近は他の自治体でも患者情報を短期間で削除するところが増えている(新潟市1日、神戸市4日、青森県、福井県、鳥取県・鳥取市が2週間、山口県が1カ月で削除)。さらに患者情報を簡略化し、発症日などを掲載しなくなったところもある。
 しかし以上からわかるように、患者情報を公表しなくなれば、外部の専門家が検証したり事前の警告を発することができなくなる。一方、自治体の積極的な公開は様々な研究やデータが多角的な視点を提供することにつながり、ひいては最も相応しい政策につながっていく。それこそ「証拠に基づく政策立案(EBPM)」と呼ばれているものである。感染爆発で作業が追いつかないのであれば、統計部局などの人員を活用すべきだろう。政府もデジタル改革を掲げるのであれば、研究目的の場合、政府・自治体の保有する行政情報を簡素な手続きで開示する制度を創設することが根源的には必要だ。
 さらに言えば、新型コロナの感染予防・抑制にどのような患者情報が必要かは本来、それぞれの市民、大阪府の場合は大阪府民が決めるべきであろう。自治体への情報開示は費用がかからず、郵送、FAX、ネットで簡単に申請できる(「大阪府HP・行政文書公開請求の手続」参照)。府庁もHPで「府が保有する情報は府民のものであるとの理念のもと、どなたでも府が保有する行政文書の公開を請求できる」と述べている。皆さんも必要と思えば府知事に申請してみてはどうだろうか。

 
これは決して大阪府に限ったことではなく、患者の個人情報云々するあまり必要なデータを公開しないという行政の問題である。
 
それは菅義偉政府にも当然ながら当てはまるわけで、経験のないCOVID-19というパンデミックに対する拙速・愚策で「後手後手菅」と酷評されるようになった菅義偉内閣支持率にも如実にあらわれていた。

 
菅政権の行方に黄信号、コロナ禍で支持率急落-きょう施政方針演説
 
施政方針演説の内容と野党からの質問、そして来週からの予算委員会が菅義偉にとって政治生命をかけた「勝負の通常国会」となることは間違いない、とオジサンは思う。  
   

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