先週の金曜日で衆参の予算委員会は終了したらしいのだが、参議院での予算委員会は手慣れた野党議員の鋭い質問には、初心者マークの菅義偉には荷が重かったようであった。
自分で答弁した内容について問われこの狼狽えよう。
— EMIL@国会を見よう (@emil418) November 6, 2020
仲間であるはずの茂木大臣にまで笑われる始末。早めの勇退を心よりお勧めします。
(2020.11.6参院予算委・小池晃議員) pic.twitter.com/hnVTGFs44L
さらに驚いたのは、秘書官が後ろから答弁書を渡して指し示すだけでなく、その場で紙に答弁を書き込んで(それも結構長文を、しかも何度も)首相に渡し、それを首相が読み上げていたこと。
— 小池 晃(日本共産党) (@koike_akira) November 7, 2020
今までの首相とのやり取りでこんな光景を見たことはありませんでした。大丈夫? https://t.co/zvnxjGEIiW
菅首相「推薦前の調整が働かず...」
— Choose Life Project (@ChooselifePj) November 6, 2020
日本学術会議の会員候補6人が任命拒否された問題。菅首相はこれまで「総合的」「俯瞰的」「多様性の問題」などと述べてきましたが、今回新たに飛び出した理由は。#国会ウオッチング pic.twitter.com/mKVIbSKylq
こんな基本的なことまで、内閣府の秘書官が答弁を指し示し、それに基づいてしか答えられないのが、日本の #菅首相 だという現実に愕然とする。
— 望月衣塑子 (@ISOKO_MOCHIZUKI) November 7, 2020
憲法23条の #学問の自由 は、研究の自由の保障だけでかく、学術コミュニティの自律性、独立性を規定している。菅首相の判断は、憲法23条を侵害する行為だ。 https://t.co/B7ZhvbU7my
真剣に考えて欲しい。彼が新しいアメリカの大統領と真剣な交渉ができるのか? 北朝鮮から拉致家族を帰国させられるのか? 習近平やプーチンと渡り合えるのか? https://t.co/vMBLNUisOy
— 平野啓一郎 (@hiranok) November 7, 2020
本来ならばこのようなシドロモドロの菅義偉の答弁を包み隠さず夜のテレビニュースで放映すれば、多くの国民に「ヤッパリ菅義偉はダメだ」と知らしめることができたのだが、残念ながらNHKニュースにはこの場面はすべてカットされていた。
相変わらずNHK7時のニュースがひどい。国会中継をご覧の方は分かってくれると思うが、菅首相は小池晃議員の質問には全く答えられず、何度も中断したのに、そこは一切報道せず、さも菅首相がまともに答弁し、任命拒否は何ら問題ないと思わせる編集だった。これではNHKニュースしか見ない人は騙される。
— 俵 才記 (@nogutiya) November 6, 2020
首相、任命拒否の理由をどんどん変える。
— 志位和夫 (@shiikazuo) November 7, 2020
「総合的、俯瞰的」→無意味な説明
「多様性」→逆のことをやった
「閉鎖的、既得権益」→「直接の理由でない」と言い訳
「事前調整」→違法な選考・推薦段階の介入宣言
言えば言うほど支離滅裂が酷くなる。#違憲・違法の任命拒否の撤回を求めます
11月6日の参議院予算委員会での菅義偉の国会答弁を聞いた事情を知っている前会長が反論していた。
「人事めぐる事前調整「なかった」 山極前会長が首相答弁に反論<学術会議の任命拒否>」
◆官邸が「うわさ」として注文、山極氏「忖度したくない」 5日の参院予算委員会で、菅氏は「以前は正式な名簿の提出前に、内閣府の事務局などと会議の会長との間で一定の調整が行われていた」と発言、「(任命拒否があった)今回は推薦前の調整が働かず、結果として任命に至らない者が生じた」と述べた。会議による候補推薦の法的位置付けについても「推薦を尊重しつつも任命権者として判断する」と、首相に裁量の余地があるとの認識を示した。 これに対し、山極氏は「(内閣府日本学術会議事務局の)事務局長は105人の(推薦者)名簿を提出前に杉田さんに見せていると思う」と指摘。その上で「(官邸側から)何か言われたとの話が伝わってきたが、直接言われていない。官邸側が『うわさ』として注文を付けて、こちらが名簿の構成を変えれば、官邸は『何も言っていない。会議が自主的にしたことだ』と言うだろう。そんな忖度はしたくない」と、会員の選定人事に介入しようとした官邸側の姿勢を批判した。 ◆大西氏も「事前に調整したこと一切ない」 一方、菅氏から「一定の調整が行われていた」と指摘された大西氏も取材に応じ、「官邸に事前説明はしたが、要望を受けて選定過程も含め、事前に何かを調整したということは一切ない」と反論、「2016年の補充人事では官邸が難色を示したが、選考委員会で議論し『官邸の要望は受け入れられない』と判断したまで。調整をしたとは思っていない」と回答した。 大西氏と同時期に選考委メンバーだった別の幹部も「首相は、調整は会長と『内閣府の事務局』との間で行われたと言っているが虚偽だ。会長と事務局が人事で実質的なやりとりをすることはあり得ず、相手はあくまでも杉田副長官。杉田氏を表に出さないために『事務局など』と姑息な説明をしている」と指摘した。 |
そして予算委員会がすべて終了し、「なんとか逃げ切った」と思ったのか、こんな事実が明らかになった。
「官邸、『反政府先導』懸念し拒否 学術会議、過去の言動を問題視か」
首相官邸が日本学術会議の会員任命拒否問題で、会員候補6人が安全保障政策などを巡る政府方針への反対運動を先導する事態を懸念し、任命を見送る判断をしていたことが7日、分かった。安全保障関連法や特定秘密保護法に対する過去の言動を問題視した可能性がある。複数の政府関係者が明らかにした。 菅義偉首相は国会審議で6人の任命拒否に関し「個々の人事のプロセスについては答えを差し控える」と繰り返し答弁。拒否理由は今回の問題の核心部分となっていた。日本学術会議法は会議の独立性をうたっており、政治による恣意的な人事介入に当たるとして、政府への批判がさらに強まる可能性がある。 |
東京新聞。政府関係者が、任命拒否の理由は、6人の言動だったことを明かしたとのこと。「官邸は6人が政府の重点政策に強い反対を打ち出し、国会を含む公の場で積極的に発言していたと判断。学術会議内でも反対運動を主導しかねないと考えた」。これまでの説明は全部ウソ、まさに恣意的な人事介入です。 pic.twitter.com/F7gne9fdtl
— 宮本徹 (@miyamototooru) November 7, 2020
官邸、反政府運動を懸念し6人の任命拒否 | 2020/11/8 - 共同通信 https://t.co/knSUlzkbin
— 上西充子 (@mu0283) November 7, 2020
予算委員会が終わったタイミングを見計らって、こういう本音を政府関係者が漏らして、「そうするのは当然だろう」という世論誘導を図る。分断を煽るやり方です。
こんなタイトルをつけるメディアには多くの批判が。
官邸、反政府運動を懸念し6人の任命拒否 | 2020/11/8 - 共同通信 https://t.co/danx6VZ1nd
— 上西充子 (@mu0283) November 7, 2020
しかし「安全保障政策などを巡る政府方針への反対運動を先導する事態を懸念し」を「反政府運動」とまとめる共同通信の言語感覚も疑う。
政府の判断は常に正しい、それに異を唱える者は政府に歯向かうやつだ。
— 上西充子 (@mu0283) November 7, 2020
そういう認識を政府関係者と共有していなければ出てこない表現だと思う。「反政府運動」という表現は。
しっかりしてくれ、共同通信。
アメリカがようやく分断から統合へと向かおうとしているときに。
タイトル問題あり。政府批判を「反政府」とは言わない。ましてや「先導」なんて的外れ。うちはいつ「独裁国家」になったんだ?
— 中沢けい (@kei_nakazawa) November 7, 2020
官邸、「反政府先導」懸念し拒否 学術会議、過去の言動を問題視か(共同通信)#Yahooニュースhttps://t.co/XwQKN9GVQk
それにしても、研究者が学術的見地から政府の見解に異をとなえることを「反政府運動」と見出しに書くとは、いったいどこの独裁国家の御用メディアなのかとあきれてしまう。
政府広報紙とか政権擁護紙と呼ばれるような讀賣新聞・産経新聞ならいざ知らず、「通信社」レベルまでもがこんな表現をするようでは、国民を誤った方向に導く危険がある。
こんなレベルのメディア批判は置いといて、あきれ果ててしまうのは国会の答弁の中で、「私は承知してませんでした」、「それは私じゃなくて、みなさんが考えることだと思います」、「私自身はそういう状況だってことは思っていません」等々、かつての官房長官会見での気に入らない記者からの質問にぶっきらぼうに答えた菅義偉そのままであったことである。
日本の「民主主義」、「立憲主義」、そして「平和主義」を破壊しつくした安倍晋三がいなくなり、多くの国民が少しは良くなるだろう、いや良くなってほしいと期待を込めた菅義偉であったが、いざふたを開けたら中身はまさに「スカスカ」だったという悲惨さ。
#サンデーモーニング#田中秀征 氏
— 菅と自民党を倒そう (@kizunawwwz) November 8, 2020
日本学術会議問題に
「とにかくこの問題を今のような片付け方では致命傷ですね、政権にとって。どんどん出てきて全てが明らかになりますよ。笛吹けど踊らずという感じになって、とてもこの政権は持たない。6人を任命して混乱に対して謝ってもらいたい。」 pic.twitter.com/9Vu7ryNl6r
おそらく今の自浄能力がない自民党には期待できないことは明白であり、総選挙で国民が「自民党NO!」を突き付けない限り、このようなポンコツ独裁者気取りの輩が後を絶たないのではないだろうか、とオジサンは思う。