DAISPO WORLD BOXING EXPRESS

今年もやってるやってる~

増田、李が共に防衛に成功(日本バンタム級ほか)

2025年03月12日 05時27分56秒 | 日本ボクシング

今月1日、後楽園ホールで行われた試合結果です。
日本バンタム級戦:
王者増田 陸(帝拳)TKO6回2分16秒 挑戦者松本 海聖(VADY)

*今回がタイトル初挑戦となる松本も、チャレンジャーらしく果敢に攻勢に出ます。しかし王者が常に挑戦者をリードする形で試合は進行。最後は松本の負傷もあり、レフィリーが試合をストップしています。

昨年7月に獲得した王座の2度目の防衛に成功した増田。これまでに喫した唯一の敗戦は、2023年8月に、当時の日本王者で、現WBAチャンピオンの堤 聖也(角海老宝石)に喫したものとなります。

2025年3月12日現在の、バンタム級のタイトル保持者たちは下記のようになります。

WBA:堤 聖也(角海老宝石/防衛回数1)
WBA(暫定):アントニオ バルガス(米/0)
WBC:中谷 潤人(MT/3)
IBF:西田 凌佑(六島/1)
WBO:武居 由樹(大橋/1)
OPBF(東洋太平洋):栗原 慶太(一力/0)
WBOアジア太平洋:那須川 天心(帝拳/0)
日本:増田 陸(帝拳/2)

 

日本スーパーライト級戦:
王者李 健太(帝拳)負傷判定9回1分3秒(3対0:87-81、85-83x2) 挑戦者渡来 美響(三迫)

*前半戦はダウンを奪われるなどして後手に回ってしまった李。6回からギアを替えた王者は6回、7回とダウンを奪い返し逆転に成功。最後は負傷判定と少々煮え切らない結果となってしまいましたが、李が底力を見せタイトルの防衛に成功しました。

下記はこの試合が行われた時点(2025年3月1日)での、スーパーライト級のタイトルホルダーたちとなります。

WBA:ホセ バレンスエラ(米/防衛回数0)
WBC:アルベルト プエジョ(ドミニカ/0)
IBF:リチャードソン ヒッチキンス(米/0)
WBO:テオフィモ ロペス(米/2)
WBO(暫定):アーノルド バルボサ(米/0)
OPBF(東洋太平洋):永田 大士(三迫/2)
WBOアジア太平洋:永田 大士(三迫/2)
日本:李 健太(帝拳/2)

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あの試合から30年(WBOヘビー級:1995年3月11日)

2025年03月11日 05時29分20秒 | ボクシングネタ、その他雑談

今から30年前となる1995年3月11日、米国ネバダ州で行われた試合結果です。
WBOヘビー級戦:
挑戦者リディック ボウ(米)KO6回2分25秒 王者ハービー ハイド
(英)

*元統一王者で、無冠になったとはいえまだまだヘビー級最強戦士と謳われていた当時のボウ。身長195.6センチ体重 109.3キロという、現在のヘビー級でも通じる立派な体格の持ち主です。ボウを迎え撃つハイドは 188センチ97キロ。2025年の時点で言えば、標準的ヘビー級の選手対クルーザー級のリミットを少々上回った選手による対戦となります。

(元統一王者ボウがマイナー団体チャンピオンのハイドに挑戦)/ Photo: Wikipedia

ボウに比べると小柄なハイドですが、特に上半身の筋肉が発達したどちらかというとボディビルダーのような体格の持ち主。マイナー団体WBOの王者とはいえ、26戦全勝(25KO)という非常に魅力的な戦績の持ち主です。

(たくましい体格の持ち主ハイド)/ Photo: BoxRec

この試合が行われる一年半前の1993年11月に、イベンダー ホリフィールド(米)との再戦に敗れ、保持していたIBF/WBAタイトルを失っていたボウ。その後ラリー ドナルド(米)を相手に行った再起戦は、試合前から荒れに荒れ、結局は無効試合となってしまいました。ボウにとりこのハイドとの一戦が、再度の再起戦となりました。

小柄なハイドが必死に動き、果敢にパンチを出しまくる形で幕を開けて一戦。ボウはハイドのスピードに対応できないのか、それとも余裕を見せているのか、ほとんど手を出さずに前に出るだけ。そのため否が応でも最初の6分間は英国人のラウンドとなる事になりました。

(予想以上に善戦したハイド(右))/ Photo: Youtube

3回に入ると試合は急展開を迎える事にた。その強打でボウをバタつかせたハイドですが、打たれ脆さも中々のもの。本物のヘビー級のパンチが頭部に当たると、なぎ倒される形でダウンを繰り返すことになりました。最初にフロアに送られた時はレフィリーがダウンと見なさずに命拾い。しかしその後2度のダウンを立て続けに喫しています。もし主審を務めたリチャード スチールが最初のダウンの際、判断ミスを犯していなければ、スリーノックダウン制だったこの試合はこの回で終わってた事になります。

ハイドを甘く見ているのか体調不良なのか、一発で倒そうという意識が強すぎたこの日のボウですが、4回に入りようやくコンビネーションが出るようになりました。3回に続きこの回も2度のダウンを奪ったボウ。対格差があり過ぎるためか、限界以上で戦っているハイドは肩で息を吸うほど追い詰められていきました。

打たれ脆さと回復の速さを兼ね備えたハイドは5回、そして最終回となった6回にもダウンを追加されていきます。不思議なことにダウンを喫する毎に反撃を試み、ボウを驚かせたハイド。それに加えボウの強打を避けるためか、自ら崩れるようにしてキャンバスに送られる場面が何度もありました。ハイドが喫した正式なダウンは7度でしたが、それ以外の非公式なダウンを合わせると二桁は「ダウン」したのではないでしょうか。

(何度もフロアに転げ落ちたハイド)/ Photo: Youtube

あまりにもハイドの行為が不甲斐ないため、解説者は「ハイド(Hide)は、リングに転がる事により、ボウの今日だから隠れる(Hide)事が出来た」と皮肉なダジャレを言っていました。

5回にハイド陣営からタオルが投入されましたが、当時その行為でのレフィリーストップ/ギブアップは認められていませんでした。そのため、さらなるダメージを被り6回まで痛めつけられたハイド。ボウとの実力差はかなりのものがありました。

ダウンの回数だけ見るとボウの大勝劇に思われますが、この日ボウが見せたパフォーマンスは、以前見せていた洗練されたボクシングからは程遠く、褒めれたものではありませんでした。

マネージャーのロック ニューマン(Rock Newman)と主要団体の確執、および1992年末にボウが行ったWBCのベルトをゴミ箱に捨てるという愚行から、各団体から敬遠され、しょうがなくマイナー団体WBOタイトルに挑戦する事となったボウ。このハイドとの一戦はボウからすると気乗りしなかった試合かもしれません。

(ニューマン氏(後方)とボウ)/ Photo: Andscape

メジャー団体の王座への返り咲きと、ビックマッチへの出場を目指していたボウ。この試合から2週間後に、ボウを含め当時のヘビー級の誰もが対戦を望んでいた超大物が社会「復帰」することになります。

(この男がついに出所する事に!)/ Photo: ABC News

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再戦も引き分け(WBAバンタム級ほか)

2025年03月10日 05時34分06秒 | 世界ボクシング

先月24日、東京・有明アリーナで行われた試合結果です。
WBAバンタム級戦:
王者堤 聖也(角海老宝石)引き分け(1対1:114-114x3 挑戦者比嘉 大吾(志成)

*2020年10月に10回戦で対戦している両雄。その時は比嘉からみて1対0という判定で勝負付かず。決着は今回の再戦に持ち込まれていました。

お互いに知る者同士によるリマッチは、試合開始から激しい打ち合いが続くことに。中盤戦までは挑戦者がより的確なパンチを当てリードしていきました。9回に両者が共にダウンを喫するという「年間最高ラウンド」レベルの3分間を演出。その中でよりダメージを被った形となった比嘉が、残りのラウンドを必死に生き残る事に。結局は堤が試合終盤に追いつき、何とか引き分けに持ち込むと同時に10月に獲得した王座の初防衛に成功しています。

 

WBCバンタム級戦:
王者中谷 潤人(M.T)KO3回3分4秒 挑戦者ダビ クエジャール(メキシコ)

*世界的にも評価されている中谷ですが、強すぎるためか挑戦者探しに苦慮しているようです。タフで知られるクエジャールを迎えた今回の防衛戦。最後は持ち前の強打をボディーに持っていき、立て続けに2度のダウンを奪いそのままKO勝利。自身3階級目の王座の3度目の防衛に成功すると同時に、全勝記録を30(23KO)に伸ばしています。

 

スーパーバンタム級戦(10回戦):
WBOアジア太平洋王者那須川 天心(帝拳)判定3対0(98-92、97-93x2)元WBO王者ジェイソン マロニー(豪)

*異色格闘技からボクシングに転向してきた那須川が、昨年の今頃は世界王者に君臨していたマロニーと対戦。強豪相手に危ない場面が幾多もありましたが、何とか生き残る事に成功。念願の世界初挑戦に向け大きく前進。

那須川の判定勝利は問題ないようですが、数字的には「もっと競った内容だったのでは?」という声が多く聞かれます。

 

今回の興行が行われた時点(2025年2月24日)での、バンタム級のタイトル保持者たちは下記のようになります。

WBA:堤 聖也(角海老宝石/防衛回数1)
WBA(暫定):アントニオ バルガス(米/0)
WBC:中谷 潤人(MT/3)
IBF:西田 凌佑(六島/1)
WBO:武居 由樹(大橋/1)
OPBF(東洋太平洋):栗原 慶太(一力/0)
WBOアジア太平洋:那須川 天心(帝拳/0)
日本:増田 陸(帝拳/1)

*今年の中頃を目途に、中谷と西田による2団体王座統一戦の話があるようです。

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デービス、まさかのドロー(WBAライト級)

2025年03月09日 05時51分44秒 | 世界ボクシング

今月1日、米国ニューヨーク州で行われた試合結果です。
WBAライト級戦:
王者ジャルボンテ デーボス(米)引き分け(1対0:115-113、114-114x2)挑戦者/WBAスーパーフェザー級王者レイモント ローチ(米

*強すぎて対戦相手探しに苦慮しているデービスが、世界王者ながらもいまいちの評価をされているローチによる一戦。お互いに強打を狙いあう緊迫した攻防が続きましたが、総合力で上回る王者が微妙なリードを保ち、苦しみながらも引き分けに持ち込むことに成功。辛くも王座の防衛に成功しています。

何とか不敗レコードをキープしたデービスでしたが、大問題が9回に発生しました。この回中盤、デービスは自らキャンバスへ膝をつき、その後自身のコーナーまで行き自陣営のひとりにタオルで顔を拭かさせました。デービス曰く、自身の三つ編みから出た油で目が焼けたそうですが、故意にせよ膝をつくこと自体はダウン以外の何物でもありません。そしてラウンド内にコーナーの人間が自分の選手(及び対戦相手)に触る事は禁止されています。主審はカウントを途中まで数えましたが、不可解にもデービスからの言い分を受け入れ、何事もなかったかのように試合は続行。ダウンは幻となり、またデービス陣営の行為は何も問われることがありませんでした。デービスは減点を科されるどころか、失格負けを宣告される可能性もありました。

WBAは事の重大性から両者による即再戦を指令。デーボス、ローチ共に再戦に乗り気のため、今回には両雄によるリマッチが行われるのではないでしょうか。何はともあれ31戦目にして白星以外の結果がその戦績に反映されることとなったデービス。試合内容自体はそれほど悪くはなかったのですが、一流等言えないローチを相手に苦戦を強いられただけに、ピークが過ぎつつある感は否めません。

下記は2025年3月9日現在の、ライト級の王者たちとなります。

WBA:ジャルボンテ デービス(米/防衛回数5)
WBC:シャクール スティーブンソン(米/1)
WBC(暫定):ウィリアム セペダ(メキシコ/0)
IBF:ワシル ロマチェンコ(ウクライナ/0)
WBO:キーション デービス(米/0)
OPBF(東洋太平洋):宇津木 秀(ワタナベ/1)
WBOアジア太平洋:宇津木 秀(ワタナベ/0)
日本:三代 大訓(横浜光/2)

 

今回の一戦には、当然の如くローチが保持しているスーパーフェザー級王座は争われませんでした。しかし2025年3月9日現在のスーパーフェザー級の王者たちも確認しておきましょう。

WBA:レイモント ローチ(米/防衛回数1)
WBA(暫定):アルベルト バティルガジエフ(露/0)
WBC:オシャキー フォースター(米/0)
IBF:アンソニー カカーチェ(英/0)
WBO:エマヌエル ナバレッテ(メキシコ/3)
OPBF(東洋太平洋):波田 大和(帝拳/0)
WBOアジア太平洋:渡邊 海(ライオンズ/0)
日本:奈良井 翼(RK蒲田/1)

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今週末の試合予定

2025年03月08日 05時17分06秒 | 世界ボクシング

2025年3月第二週末の主な試合予定です(2025年3月8日から14日まで)。

11日 火曜日
後楽園ホール
OPBF(東洋太平洋)ミニマム級戦:
王者石井 武志(大橋)対 挑戦者伊佐 春輔(川崎新田

13日 木曜日
両国国技館
2団体フライ級戦(王座統一戦):
WBA王者ユーリ阿久井 政悟(倉敷守安)対 WBC王者寺地 拳四郎(BMB)

WBOフライ級戦:
王者アンソニー オラスクアガ(米/帝拳)対 挑戦者京口 紘人(ワタナベ)

WBOライトフライ級戦:
王者岩田 翔吉(帝拳)対 挑戦者レネ サンティアゴ(プエルトリコ)

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ビボルが雪辱(4団体統一ライトヘビー級ほか)

2025年03月07日 05時07分45秒 | 世界ボクシング

先月22日、サウジアラビアで行われた試合結果です。
4団体統一ライトヘビー級戦:
挑戦者ドミトリー ビボル(露/キルギスタン)判定2対0(116-112、115-113、114-114)王者アルツロ ベテルビエフ(露/カナダ)

*昨年10月以来の両者による直再戦が実現。4ヵ月前の激戦同様、ベテルビエフが技術を伴った強打でライバルに迫り、それをビボルが軽打ながらも的確なコンビネーションで迎え撃つ形に。今回はビボルのそれが豪打者を上回り前戦の雪辱に成功。WBA王座の奪回と同時に、他の3つのベルトを腰に巻くことになりました。

 

WBOライトヘビー級戦(暫定王座):
挑戦者カラム スミス(英)判定3対0(119-110、116-112、115-113)王者ジョシュア ブアッツィ(英)

*その実力は認められてはいるものの、ベテルビエフやサウル アルバレス(メキシコ)といった超一級選手たちには完敗を喫してきたスミス。しかし並み以上の選手を相手に取りこぼしはないようです。

19戦全勝(13KO)で将来が大いに期待されていたブアッツィを相手に好試合を演じる事となったスミス。互いに見せ場を作りましたが、スミスが経験値で勝り判定勝利。暫定ながらもWBAスーパーミドル級に続き世界2階級制覇に成功しています。

 

2人の新王者が誕生したライトヘビー級。下記は2025年3月7日現在の、同級の王者たちとなります。

WBA:ドミトリー ビボル(露/キルギスタン/防衛回数0)
WBA(レギュラー):デビット べナビデス(米/0)
WBC:ドミトリー ビボル(露/キルギスタン/0)
WBC(暫定):デビット べナビデス(米/1)
IBF:ドミトリー ビボル(露/キルギスタン/0)
WBO:ドミトリー ビボル(露/キルギスタン/0)

WBO(暫定):カラム スミス(英/0)
OPBF(東洋太平洋):空位
WBOアジア太平洋:ジェローム パンペロン(ニュージーランド/英)

*ビボルとベテルビエフによる第3戦目も見てみたいですが、まずは「ビボル対べナビデス」戦実現を期待しましょう。

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パーカー、カバイエルがKO勝利(ヘビー級暫定王座x2)

2025年03月06日 05時30分48秒 | 世界ボクシング

先月22日、サウジアラビアで行われた試合結果です。
WBOヘビー級戦(暫定王座):
王者ジョセフ パーカー(ニュージーランド)TKO2回2分17秒 挑戦者マーティン バコレ(コンゴ)

*本来ならこの日、IBF王者ダニエル デュボア(英)に挑戦する予定だったパーカー。しかし試合直前に英国人が発病したため、急遽バコレを相手に昨年3月に獲得した暫定王座の防衛戦を行うことになりました。

140キロという大巨漢を相手に、力強いボクシングを展開した121キロのパーカー。2回中盤に右の強打でバコレをキャンバスに送る事に成功。暫定ながらも印象ある勝ち方を収め、さらなるビックマッチ出場への足掛かりを作っています。

 

WBCヘビー級戦(暫定王座決定戦):
王者アジット カバイエル(独)KO6回2分29秒 張 志磊(中国)

*身長191センチ、体重は109.3キロのカバイエルは、一昔前のヘビー級なら堂々とした体格の持ち主です。しかし198センチの長身で、130.2キロの元WBO暫定王者張と比べると、二回り小さく映ってしまいました。

ジョー ジョイス(英)やデオンティー ワイルダー(米)等の強打にも耐え抜いてきた張を相手に、小柄なドイツ人はボディーから巨漢を崩していく戦法を取りました。カバイエルのボディー攻撃に意外な打たれ脆さをさらけ出してしまった中国人。5回に左フックをカウンターで当て、ダウンを奪うことに成功。ようやく本来のペースを取り戻したかに見えました。

しかし続く6回、ライバルのしぶといボディ攻撃の前に2度のダウンを喫してしまいカウントアウト。カバイエルが全勝記録を26(18KO)に伸ばすと同時に、暫定ながらも世界王座獲得に成功しました。

 

*暫定ながらも2人の興味深い世界王者が君臨する事になった最重量級。2025年3月6日現在のヘビー級王者たちを確認しておきましょう。

WBA(スーパー):オレクサンデル ウシク(ウクライナ/防衛回数4)
WBA(レギュラー):クブラト プーレフ(ブルガリア/0)
WBC:オレクサンデル ウシク(ウクライナ/1)
WBC(暫定):アジット カバイエル(独/0)
IBF:ダニエル デュボア(英/1)
WBO:オレクサンデル ウシク(ウクライナ/4)
WBO(暫定):ジョセフ パーカー(ニュージーランド/1)
OPBF(東洋太平洋):ジャスティン フニ(豪/1)
WBOアジア太平洋:ウラジスラフ シレンコ(ウクライナ/0)
日本:空位

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あの試合から30年(WBAウェルター級:1995年3月4日・その2)

2025年03月05日 05時06分34秒 | ボクシングネタ、その他雑談

今から30年前の昨日にあたる1995年3月4日、米国ニュージャージー州で行われた試合結果です。
WBAウェルター級戦:
王者アイク クォーティー(ガーナ)TKO4回 挑戦者朴 政吾
(韓国)

*1989年2月に来日にし、当時のOPBF(東洋太平洋)ウェルター級王者尾崎 富士男(帝拳)に挑戦した朴。若き挑戦者は、世界に2度の挑戦経験を持つ王者に完敗し王座奪取なりませんでした。翌1990年9月に2度目の挑戦で王座奪取を果たした朴。その後佐藤 仁徳(仙台)や吉野 弘幸(当時はワタナベ)など、日本ウェルター級屈指の実力者たちを破り12連続防衛に成功。これまで(1995年3月時点)に韓国を含め、アジアから世界ウェルター級を制した選手はなく、まさに同地域を代表するボクサーとして世界ウェルター級タイトルに挑むことになりました。

初の世界戦出場が本場アメリカという大舞台にも関わらず、試合開始のゴングと同時に攻勢を続けた朴。しかし挑んだ王者が悪すぎました。この試合が、1992年10月のラスベガスでの試合以来2度目の米国でのお披露目となったクォーティー。鉄壁のガードと槍のような左ジャブで対戦者を破壊していく実力者です。果敢に攻めてくる朴の攻撃を余裕で対応し、主武器である左ジャブをビシバシと当てていきます。

(主武器である左ジャブをビシバシと当てていくクォーティー)/ Photo: BoxRec

朴のパンチは防御技術に優れたガーナ人にはほとんど当たらず、逆に韓国人は王者の強打を浴び続けていきます。挑戦者のタフネスと勇気は賞賛に値するものでしたが、両者の実力差はあまりにも開きすぎていました。手数も落ち、出血も始まった朴は結局4回にレフィリーにそれ以上のダメージを被る事から救い出されることに。クォーティーが全勝記録を29(25KO)に伸ばすと同時に、前年6月に獲得した王座の2度目の防衛に成功しました。

(朴(右)も勇敢に立ち向かっていきましたが...)/ Photo: Happy Ghana

この一戦は、ウェルター級での東洋圏と世界トップレベルの実力の差をまざまざと見せつけられた一戦でした。

(アジアトップ選手との実力差をまざまざと見せつけたクォーティー)/ Photo: Prime News Ghana

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あの試合から30年(WBAジュニアミドル級:1995年3月4日・その1)

2025年03月04日 05時06分33秒 | ボクシングネタ、その他雑談

今から30年前となる1995年3月4日、米国ニュージャージー州で行われた試合結果です。
WBAジュニアミドル級戦(スーパーウェルター級):
挑戦者/WBCウェルター級王者パーネル ウィテカー(米)判定3対0(118-107、118-110、116-110)王者フリオ セサール バスケス(亜)

*当時のウィテカーは非常に微妙な立場に置かれていました。この試合から遡る事1年半前となる1993年9月、ウィテカーは当時全勝街道を走っていた「伝説のメキシカン」フリオ セサール チャベスと対戦し、チャベスに88戦目にして引き分けという初の白星以外の結果を擦り付けました。その試合での判定は、ウィテカーとチャベスは痛み分けというものでしたが、誰が見てもウィテカーの勝利は明らかでした。チャベス戦後、ウィテカーの評価は絶対的なものとなり、現役選手最強の称号を手に入れる事となりました(俗に言うパウンド・フォー・パウンド)。

自他共に最巧(最高)選手に君臨する事となったウィテカーですが、チャベス戦後に対戦した相手は、WBCウェルター級1位のサントス カルドナ(プエルトリコ)と前WBCウェルター級王者ジェームス マクガート(米)の2選手のみ。カルドナは指名挑戦者としては役不足。マクガートは実力者ではありましたが、ウィテカー同様に技術で勝負する選手なだけに、一般的にはアピール不足の対戦相手でした。

ウィテカーの対抗王者にはIBF王者としてカリブの天才児フェリックス トリニダード(プエルトリコ)が、そしてWBAには強打者アイク クォーティー(ガーナ)が君臨していました。トリニダード、クォーティー共に将来的な打倒ウィテカーの有力候補として挙げられていましたが、世界王者としてはまだまだ新米。ウィテカーと対戦が期待された一階級上の超実力者テリー ノリス(米)も、自身の打たれ脆さと軽率さで立て続けに敗戦を喫する(KO負けと反則負け)などして消滅。さすがにスーパーミドル級のロイ ジョーンズ(米)とは体重差があり過ぎと、実力はありながらも対戦相手がいないという残念な状況に置かれていました。

そんな不遇な状況に置かれていたウィテカーの対戦者に選ばれたのが、ノリスの対抗王者(この試合が行われた時点ではノリスは無冠)で、WBAジュニアミドル級(スーパーウェルター級)王座の10連続防衛に成功していたフリオ セサール バスケス(亜)です。1992年師走に上山 仁(新日本木村)を初回2分59秒秒殺し、世界王座を獲得。その後、母国アルゼンチンを皮切りに、フランス、英国、スペイン、モナコ、カザフスタン、米国でその雄姿を披露したバスケスはあっという間に二桁防衛を達成。挑戦者の中には、後のWBC王者ハビエル カステジョホ(スペイン)や統一王者ロナルド ライト(米)も含まれています。本場アメリカでの知名度は低いバスケスでしたが、筋金入りの実力者であることは間違いありません。

(最巧ウィテカーが一階級上のバスケスに挑戦)/ Photo: Wikipedia

上山戦の印象が強く、速攻派のイメージがあるバスケスですが、世界戦の戦績は11戦全勝(4KO)と意外にKO/TKO勝利は低め。強豪相手に世界を渡り歩いてきた選手なだけに、ウィテカーに負けない技巧派といっても過言ではないでしょう。そして実際の試合も、おおよその予想を反するが如く、サウスポー(左構え)同士による右ジャブの打ち合いの場面が多く見られました。

(激しいジャブの打ち合いが見られました)/ Photo: Youtube

ジャブの数と的確性では挑戦者(ウィテカー)が大きく勝りました。しかし王者もボディー攻撃などでペースを譲らず、前半戦はまったく互角の展開が続いていきます。

この試合のウィテカーは、これまでのように左右前後へのフットワークはなりを潜めていました。それが年齢による影響か、それとも体重増加のためか、あるいは作戦だったのか?本人のみが知り得る事です。

4回、ウィテカーはガードを下げ、同時にダッキングをしバスケスを挑発するポーズをとります。ちょうど足が揃っていたところにアルゼンチン人の左フックを貰ってしまったウィテカーは思わずダウンを喫してしまいました。そのダウンによるダメージはまったくありませんでした。しかしその回終盤、左をクリーンヒットされと米国人は、珍しく少々足にきてしまいました。

その後、持ち前の技術を駆使し、徐々にペースを引き寄せていったウィテカー。ポイントを引き離しにかかりました。フラストレーションが溜まりつつあったバスケスは、クリンチ際にウィテカーの後頭部)を打つ行為(ラビットパンチ)が目立つようになりました。レフィリーはそれを見逃さず、バスケスは9回と11回にそれぞれ減点1を科されることに。

後半戦で手痛いマイナス2ポイントを受けてしまったバスケス。結局は大差の判定で虎の子のタイトルを明け渡す事となりました。ウィテカーの勝利は不動に見えましたが、いくら何でも118対110や118対109という採点はないでしょう。

(試合は採点以上に競った内容に)/ Photo: Youtube

戦前の予想以上に苦戦を強いられたウィテカーでしたが、シュガー レイ レナード(米)、トーマス ハーンズ(米)、ロベルト デュラン(パナマ)に続いて史上4人目となる世界4階級制覇に成功。しかしこのタイトルは試合前から公言していたように、翌日に返上し本来のウェルター級に戦いの場を戻すことになっています。

55戦目にして、自身2度目の黒星を喫してしまったバスケス。試合前にウィテカー陣営から頻繁に唾を吐く行為を止めるよう勧告を受けていたため、その(汚い)行為は鳴りを潜めていました。

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オルティス、アダメスが生き残る(WBCスーパーウェルター級:暫定王座ほか)

2025年03月03日 05時26分54秒 | 世界ボクシング

先月22日、サウジアラビアで行われた試合結果です。
WBCウェルター級戦(暫定王座):
王者バージル オルティス(米)判定3対0(117-111、115-113x2)挑戦者イスラエル マドリモフ(ウズベキスタン)

*プロデビュー以来の連続KO/TKO記録が21でストップしてしまったオルティス。その勢いは落ちてしまった感がありますが、その分技術のあるファイターに変貌しつつあるようです。今回オルティスが迎えたマドリモフは、昨年8月にテレンス クロフォード(米)と大接戦を演じ、敗れたものの評価を上げている選手。そんな実力者を相手に、オルティスは終始手を出しながら前進を続け判定勝利を収める事に成功しました。

2戦続けてフルラウンドを経験したオルティス。まずは「暫定」という不必要な2文字を取り除きたいところでしょう。

下記は実力者が集結しているスーパーウェルター級の、2025年3月3日現在の王者たちとなります。

WBA:テレンス クロフォード(米/防衛回数0)
WBC:セバスチャン フンドラ(米/0)
WBC(暫定):バージル オルティス(米/1)
IBF:バフラム ムルタザリエフ(露/1)
WBO:セバスチャン フンドラ(米/0)
WBO(暫定):テレンス クロフォード(/0)
OPBF(東洋太平洋):空位
WBOアジア太平洋:空位
日本:出田 祐一(三迫/3)

 

WBCミドル級戦:
王者カルロス アダメス(ドミニカ)引き分け(1対1:118-110、114-114、114-115) 挑戦者ハムザ シーラス(英)

*どちらかというと地味な存在ながらもその実力は評価されているアダメス。今回の大舞台では、その評価が自身の上をいくシーラスを迎える事になりました。長身の強打者の前に苦しい場面もあったアダメスでしたが、何とか試合終了のゴングを聞くことに。痛み分けという結果となってしまいましたが防衛記録を伸ばすことに成功しています。

下記は2025年3月3日現在のミドル級の王者たちとなります。

WBA:エリスランディ ララ(キューバ/防衛回数3)
WBC:カルロス アダメス(ドミニカ/3)
IBF:ジャニベック アリムカヌウェ(カザフスタン/1)
WBO:ジャニベック アリムカヌウェ(カザフスタン/3)
OPBF(東洋太平洋):テイジ プラタップ シン(豪/0)
WBOアジア太平洋:国本 陸(六島/2)
日本:国本 陸(六島/3)

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