どんぐり眼日記

昔は日々の日記として、今は見た映画の忘備録として更新しています。

「パレルモ・シューティング」

2023年11月09日 | 映画
ブルーレイでヴィム・ヴェンターズ監督の「パレルモ・シューティング」を5.1ch 大画面にて鑑賞。
写真のように綺麗な撮影とジュークボックスのように沢山音楽が聴けるというだけでも何か見れちゃう不思議な魅力がありました。特にサラウンド環境での音楽の心地良さは格別でした。
主人公には何か好きになれない感じもあり素直に感情移入は出来なかったけどデジタルとアナログの違いみたいなものについて考えさせられる部分もあり興味深く見る事も出来ました。旅しながら色々な事について思い巡らすような映画で見る側が何を受け取るか?みたいな感じもありましたね。
初めて見た時はデニス ・ホッパーの存在感と語る台詞に感銘を受けたような記憶があったのですが今回は彼の登場辺りで睡魔に襲われて闘っていたのもあり、あまり響くものまでは感じられずでした。
忘れていた場面も多かったけどラストカットの女性の顔はすこぶる美しくミステリアスでもありました。
少しですがルー・リードも出演しています。パレルモってイタリアだったんですね。街並みがとても素敵でした。







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「エピデミック〜伝染病」

2023年11月08日 | 映画
ラース・フォン・トリアー監督の初期の作品「エピデミック〜感染病」を大画面にて鑑賞。殆どどんな内容なのかとか知らずに見たのですが監督の2作目で監督も主演していたとの事。フィルムの粒子感が良い味わいがあり白黒のコントラストの効いた映像は好みでした。そして左上にずっとエピデミックというテロップが赤で乗ってました。明るい部分にだけ見えて黒には見えない乗せ方でした。最初の方では気になって見てましたが段々と慣れたのか気にならなくもなってきた。というより字幕読む方に気を取られてるからね。
話の内容は何だか分かったようで分からないようなグダグダな感じの流れが続いて正直あんまり面白くも無くて傍観しているような感じでしたがラストの場面は衝撃的で叫びをあげる女優の迫真の芝居が素晴らしくて「ポゼッション」のアジャーニ以来のものを感じました。このラストが見れただけでも今作に対する印象は良い方へと大きく変わりました。
白黒の荒い映像や荒い音声が生々しさがあり
リアルさもありました。途中でウド・キアも出演していて急に内容に引き込む存在感と芝居を見せてくれました。






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「チャオ!マンハッタン CIAO! MANHATTAN」

2023年11月08日 | 映画
大学時代に大好きだったイーディ・セジウィックのドキュメンタリー的映画「チャオ!マンハッタン CIAO! MANHATTAN」をDVDで久しぶりに大画面にて鑑賞。
昔はレンタルVHSをダビングしていたもので何度も見てました。なので結構音で覚えている所が多かった。
今作のイーディの白黒映像部分がとても素敵で彼女の魅力満載ですがカラー部分ではその魅力が失われた印象です。全体的に何処までが創作なのか演技なのか分からないような作りで話の内容もドラッグで訳分からなくなってる戯言の羅列と映像のようで脈絡も面白味も正直ありません。
だけど時折ハッとするような素敵映像と音楽と編集の効果によって何か分からないけどズルズルと見ちゃう映画でした。
インタビューの怠そうで寂しげな声で語られる過去の家族の暗いエピソードやドラッグについての話は聴いてて切なく哀しくなるものがありました。
金持ちのお嬢様がファッションモデルになってウォーホルのスーパースターになって一世風靡してドラッグに溺れてボロボロになり世間から一気に忘れられリハビリして結婚もするが28歳の若さで亡くなられたという内容です。
特典映像見たらスーザン・ボトムスっていうモデルを元に制作が始まったので役名が残ってスーザンだったというのが知れました。未公開映像も結構見れました。
サントラあったら欲しいと前から思ってたんだけどレコードで少し前に発売されていたっぽいですね。







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「要塞警察」

2023年11月07日 | 映画
ジョン・カーペンター監督の「要塞警察」を久しぶりに大画面にて鑑賞。テーマ曲が印象的で痺れますねぇ。前半は淡々と展開して中盤から一気に加速するような流れで物語も面白くなります。各キャラクターに魅力があり今回は囚人と女警察職員が特に良く感じました。どちらも粋なものがあり囚人は台詞もイカしてました。襲って来るストリート・ギャング団はゾンビのような恐ろしさがあり横長スコープサイズの引きの構図でシルエットが動く様はゾクっとする素敵映像でした。
昔、初めてテレビ放送で見た時はドキドキして見たものです。
後の映画「ゴースト・オブ・マーズ」に通じるような部分も多いですね。どちらも好きな映画です。
特典映像インタビューで音楽は3日で作曲して3日で録音したと言ってました。





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「タイムズ・スクエア」

2023年11月07日 | 映画
DVDで「タイムズ・スクエア」を大画面にて鑑賞。80年代の映画で友人にお薦めされて見て凄く良かった記憶が残ってましたが間があいたので忘れている面も多かった。主演の女優2人が素晴らしくて若きエネルギーを自由に向けて発散させてゆく所と孤独な内面の葛藤なんかが気持ちに共感出来たりもして良かった。何度か涙が自然と溢れてしまう場面もありました。何とも憎めない愛らしい逃避行物語です。
音楽が重要な役割をはたしていてラストも最高なコンサートを見せてくれました。昔の危なげだけど魅力のあったニューヨークのタイムズ・スクエアの光景も見れます。
見終わって暖かい気持ちになれる映画でしたが、テレビを屋上から落とすのだけはいかんですよ。人に当たったら死んじゃうし、そうで無くても迷惑極まりない行為だから。






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「シン・ゴジラ」

2023年11月06日 | 映画
久しぶりに映画「シン・ゴジラ」を鑑賞。
政治家達の日本っぽいやりとりが滑稽で笑える流れが続きますが段々と笑うに笑えない感じにもなってきたりで矢継早な展開に全部は理解出来ずともニュースをずっと見続げてしまうような感覚で見入ってしまうものがありました。
やっぱり東日本大震災と原発事故を思い出してしまいます。新たなゴジラ物語として脚本も驚きもあり最後は希望も感じられ面白く見れました。
ただゴジラそのものは存在感はあるけどあまり動きませんでしたね。人間達のドラマ部分の方が多かったイメージでした。
VFXはなかなか良く出来てて見応え充分でした。もう少し煙とか足して空気感出した方が良いと思えるカットも多かったけど。






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「ゴジラ 4Kリマスター版」

2023年11月05日 | 映画
最初の「ゴジラ」の4Kリマスター版を鑑賞。白黒の陰影で見るゴジラの存在感が素晴らしく煙の中に浮かぶ姿とか凄く良かった。物語も今見ても良くて考えさせられるものがあります。脚本が見事ですね。
古い映画ですが特撮も良く出来てて見せ方が実に上手く効果的でした。沢山のエキストラの数とか建物の破壊等もCGとは違う迫力がありました。
ゴジラはこの後には子供向けな方向に行き良い者となりプロレス的なバトルが見所となってゆきましたが今作は怖く災害や戦争の象徴のように描かれてました。
最新作のゴジラも今作へのオマージュ的な場面が沢山ありましたね。
70年も前の映画なんですね。凄い!




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「ゴジラ -1.0」

2023年11月04日 | 映画
久しぶりの日本の「ゴジラ」の新作「ゴジラ -1.0」を劇場へ観に行きました。-1.0って何よ?って思いましたが映画見てもその点はよく分からず。時代が戦後直ぐというのが興味深く街並みとか風景とかも見応えありました。VFXが良く出来ててゴジラが暴れる場面とかカメラワークとかも面白く迫力ある見せ場を単純に楽しめました。
物語は予定調和っぷりが凄くて悪くは無いけどイマイチ心に本気で響かない感じでした。主人公の心情なんかは伝わるものはあったんだけど主演2人がテレビCMで良く見る顔で何かそっちのキャラがちらついたりもしたのでね。他の役者陣は自然に見れたけど。ちょっと全体的に長いと感じるドラマ部分でした。物語展開は早いんだけど。
ゴジラが街を破壊する場面だけでも劇場のスクリーンと音響で見れたのは嬉しいものがあり良かった。暗い場面だけじゃなく明るい場面でもしっかりと迫力ある映像を見せてくれました。







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「マンイーター」

2023年11月04日 | 映画
映画「マンイーター」を鑑賞。巨大ワニ映画でした。前半は観光映像のような感じて風景なんかも楽しめたけど特に何も起きないので少々退屈でしたがワニが出てきてからは人間の性格の違いとか対立なんかもあり物語的にも面白くなってきました。あまり派手なワニ登場や攻撃は無かったけど、それがなかなかリアルで良かった。見えないような一瞬の攻撃が恐ろしさを出してました。どうすれば良いのか分からなくなるような助かる方法について色々と起こったり対応が描かれるのですが、それで良いの?みたいな流れがあり最終的にはあっさりと主人公の大活躍でワニやっつけて解決します。後半は主人公を見捨てて他の人達はどっか行っちゃって酷いなぁと思ったり。まぁ娯楽作として面白くは見れるワニ映画でした。ヒロインの女優さんはどっかで見た事ある綺麗な人でしたが「サイレント・ヒル」に出てた人でした。
「アバター」の主演のサム・ワーシントンが主演と思ってましたが助演でした。




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「女神の継承」

2023年11月03日 | 映画
タイの「心霊写真」という映画が怖かったので同じ監督の映画「女神の継承」というのも見てみる。タイの知らない風習とか宗教観なんかは興味深く見れましたが、ドキュメンタリー形式の演出が何か逆にリアリティを損ねているように感じで興醒めするものがありました。撮影も綺麗でちゃんとしてるんだけどiPhoneとかで雑に撮った方が良かったんじゃないかと感じたりでした。何か段取り臭いプロっぽい撮影が逆効果だと感じた。この撮影ならドキュメンタリー風にしないで普通に劇映画的に撮れば良かったのにってね。
ただ役者陣はとても良くて何かに取り憑かれて豹変してゆく女優さんの芝居に表情は恐ろしいものがありました。地味に使われてたCGも良かったです。
物語的には最終的に何だったのかよく分からないもので消化不良ぎみでしたが後半にテレビクルーが次々に殺されてゆくのは全体的に取材姿勢に嫌悪感も感じていたので変な爽快感もありました。だけど家族が酷い目に遭ってゆくのは可哀想で救いの無い展開で見終わって何かモヤモヤの残る映画でした。全体的に尺も長いとも感じた。
部分的には良い所も色々とあったんだけど期待した割には残念な映画だったかな。






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「ダリオ・アルジェント自伝 恐怖」

2023年11月02日 | 読書
ダリオ・アルジェント監督の自伝本「PAURA 恐怖」を高かったけど発売日に早速購入して読んでました。なかなか本買っても最後まで読めずにそのまま放置してるというパターンが多く老眼が進んで読む事が辛くなっているのですが興味ある内容と章ごとに区切られた読みやすいもので読み進めるうちに止まらなくなり最後まで読めました。
子供時代の頃の話や家族の話に恋愛遍歴についての映画じゃない部分で知らなかった事柄が沢山知れたのが面白かった。映画の制作過程についてはもう少し詳しく知りたかった部分もありますが昔から独自の視点で新しい挑戦を続けていたのが分かります。なので毎回良い意味でも悪い意味でも新しい裏切りや驚きを感じさせてくれるのですね。案外初めて見てイマイチだったような映画も何度か見直すとそういう新たな挑戦や実験に想いのようなものが発見出来て好きになっている作品もあります。
ただ最近は過去作でやってたパターンの流れみたいな作風が多い気もしますが。
意図的に物語の整合性よりも映像や夢のような曖昧なものや恐怖というものを過去の記憶や感覚を呼び起こすような映画作りを続けている事が分かりました。
アルジェント研究会にも何回も参加したりして何度も映画について見直したり研究したりして刺激を受けてる監督です。
何気にコンスタントに新作も発表してくれて見れているのが凄いし嬉しいです。
年末には監督作では無いけど主演作品というのが見れるのが楽しみです。




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「4匹の蝿」

2023年11月02日 | 映画
現在ダリオ・アルジェント自伝を読んでて作品の作られた背景等も知れて最初の奥さんとの関係が冷え切ってた中で作られたという「4匹の蝿」をブルーレイで大画面にて久々に見直す。長らく日本では見れずにいた映画でしたが劇場で再公開された際に行きました。期待し過ぎたのかラストをドキュメンタリー映画で見てたので知ってたからか全体的には何か消化不良ぎみという印象だったんだけど今日見直して以前より面白く興味深く見れました。
結構無音の場面が多いですが斬新な編集やカメラワーク等で見せる面白さや緊張感があって、とても良かった。
物語としては強引な設定と展開の内容ですが最後に分かりやすく色々な事が判明します。ミムジー・ファーマーの最後の芝居は素晴らしく見応えあります。何か良く分からない衝撃を受けたまま怒涛のラストへ向かい急に終わります。そのラストの音楽とスローモーションの映像のインパクトと独特の哀愁が大好きです。エンニオ・モリコーネによるラストの曲は最高に素晴らしく美しい!








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「推理作家ポー 最期の5日間」

2023年11月02日 | 映画
ブルーレイで7.1ch 大画面にて「推理作家ポー 最期の5日間」を久々に鑑賞。
殆ど内容忘れてたけど良かった記憶もあったが微妙な面もあるのも覚えていた。
内容に合わない雰囲気の現代的なCGや音楽の使い方とかです。何かその違和感や新しさが変な味にはなって今や見れはしましたけどポーの暗い世界感の良さは減少してます。雰囲気ある霧がかった美しい場面もあるんだけど。ポーの本は随分と昔に読んで怖かった記憶が鮮明にありますが昔過ぎて忘れている面の方が多い。そんな忘れてる物語の断片が沢山映画の中で出てきます。
コーマン監督の映画で見たものだったりも混ざって元の話がどんなだったのか?とか今になってポーの小説を読み直したい気持ちになってます。古い本は持ってるけど新訳版という読みやすくなったと評判の単行本を購入しようかなとも思ったりしてます。
話逸れたけど映画は娯楽作としてなかなか良くは出来てはいるけど怖さは無くて全体的にはまぁまぁな印象となってました。
最期はちょっと切なくて良かったけどね。






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