栃木県はが郡の

陶工のつぶやき

草刈り

2021-08-25 13:52:04 | 作り話
おじいさんは庭へ草刈りに・・・

おばあさんも庭へ草刈りに、でかけたそうじゃ~

草刈り機のエンジンをかけると

興奮したおじいさんは、草刈り族のように

エンジンをブオンブオンさせ草を刈っていった・と

すると草むらからカマキリが飛び出してきた

「お願げえでごぜいますだ。わしらカマキリは静かに暮らしておりましたじゃ。

どうかどうか、草刈りを止めておかえりくださいませ。」

それを見かけたおばあさん。

「おじいさんや、かわいそうだから助けてあげたら。」

するとおじいさん

「草刈をやめると、草ボーボーで何が巣食うかわからない。かと言って

このまま草刈りを続けるとカマキリたちが困るわけだ。はてさてどうしたらよかろうか?」

ここでおじいさんの心のうちに、分け入ってみよう。

「2週間前にも草を刈ったばかりである。しかしもうこんなに草が伸びている

カマキリに恨みはないけれども、ほうっておくとどこまで伸びるかわからない。

悪いのは草であって、カマキリに迷惑をかけるのもいかがなものか?」

「そうは言っても、我が家の庭に勝手に住み着いたカマキリであろう。

家賃も払わず好きなように暮らしていて、そのうち母屋も取られたらどうする。」

おじいさんの選択である

磯田さんならどうする?

おじいさんひらめいた

「なあ、カマキリよ。この草を刈ってはくれんかの。幸いその立派なカマを持っているじゃないか。

きれいに刈ってくれたら、そこに住んでいても良いぞ。」

カマキリ了解して

仲間を集めてせっせと、草刈りを始めた

おじいさんは、クーラーのある部屋でのんびりネットフリックスなど見ているうち

庭はすっかり綺麗になった

そこでカマキリ気がついた!

「わしら、どこに住んだら良い?」

それを見ていた隣のおじいさん

「お困りのようじゃのう。どうじゃろ。わしの庭に住まんか?」

「え!良いんですか。」

「良いとも、良いとも。

それで・・・住む前にわしの庭も草刈りしてくれんかの~。」






夜中に目を覚まし・・・

2015-08-05 22:43:24 | 作り話
寝ていたら急にグラグラときた
地震か!と目を覚ます
周りを見渡すと
私が寝ていた布団が宙に浮いている
「なんだ~地震じゃなかった。」
寝直そうと目をとじた
「布団が浮いている?!」
上半身を起こすと床から50センチくらいの所を漂っている
「これは夢だ!布団が浮くなんてイリュージョンみたいなことがあるはずがない。」
すると
布団は窓から外へ飛び出した
月の明かりで近所の屋根がよく見える
犬のシロがこちらを見て吠えている
布団から振り落とされないように
しっかりしがみついた
布団は徐々に高度を上げる
それに伴い気温が下がってきた
招き猫柄の半袖のパジャマでは寒い
厚手のかけ布団にするべきだった
などと思いながら
タオルケットを体に巻き付け
夢にしてはやけにリアルだと思った
高度を上げるにつれ
太陽が顔を出し
昼と夜の空の境界が頭の上に見える
布団はさらに高度をあげ
青い地球が丸く見えるようになってきた
国際宇宙ステーションが徐々に近づいて来る
窓から中を覗き込んだ
宇宙飛行士の人たちが忙しそうに働いている
その時宇宙飛行士の人と目が合った
ステーションの中は大騒ぎになった
だって
窓からタオルケットをかぶった男がのぞいていたのだから
ネットに上げられる前に
早々に立ち去るほうが良いだろう
この頃になると
布団の扱いにも慣れてきて
ある程度行きたい方向に操作できるようになってきた
とにかくここは寒くてかなわん
暖かいところに戻るとしよう
すると
小さな隕石が飛んできた
くるりと布団を返して
裏側で受け止める
こんな時金属のロケットならば穴が開きそうだが
布団ならばショックを吸収してダメージがない
これからの宇宙開発は「布団だな」と考えてみた


名前のない店

2014-08-23 22:06:27 | 作り話
その店はどこにあるのかわからない

たまたま飛び込む人もいれば

探して探して辿り着く人もいる

どちらにしても実はその店に入ることになっていた

今日も一人の客が入って来た

「いらっしゃいユリヤさん。」

「え?どうして私の名を・・・」

「あなたは日本語を探しにロシアからきたのではありませんか?」

「そうですけど・・・」

「それなら、もうあなたは日本語を見つけている。」

気が付くといつのまにか日本語で会話している

「何故?私は日本語が話せるようになったのかしら?」

店主はそれには答えず、こう言った

「この店の事は、誰にも教えてはいけません。良いですね。」

「どうして?教えてはいけないのですか?」

「教えると、あなたは日本語を忘れてしまう。」

「そうですか・・・でも・・・また来ても良いですか?」

「必要があれば・・・来れるかもしれません。お代はお気持ちで。」

客はバッグの中を覗き込み、少し考えて高額紙幣を数枚置いて店を出て行った

店を出ると思いついたように振り向き

写真を撮って

店の場所を確かめるようにあたりを見回し

そして夜の街に消えていった



どうしたものか?

2013-08-01 23:24:36 | 作り話
僕の家のトイレの電気が

誰も入っていないのに

たまにつきっぱなしになっていることがある

始めのうちは気にも留めていなかった

誰かが消し忘れたんだろう・・・って

だけど

よく考えてみると変なんだ

みんなちゃんと消しているんだ

それなのに

いつの間にかついている・・・

これは




妖怪だな



妖怪も暗い所で用足しするのは嫌なんだろう


そこで僕は考えた

そ~っと行って

消してみようかと


トイレの中で妖怪はビックリするぞ\(◎o◎)/!

キャッキャッ!

でもねえ・・・


僕が入っている時に

お返しされたら困るな

やっぱり知らんぷりしてたほうが良いかもしれない


そう言えば

家の中をうろついているクワガタムシ

昨日もワタゴミをくっつけて出てきたけれど

どこから出てくるのか

見つけるたび外に放してやるんだ

でもしばらくすると

また家の中を歩いている

同じクワガタなのか

違うクワガタなのか

わからないけれど

こんなにクワガタムシが家の中を歩きまわるものだろうか?

・・・

これも

妖怪のしわざだな


妖怪「便所クワガタ!」

この妖怪が出ると

その家は繁栄すると言われている・・・たぶん


今度トイレに樹液をお供えして

ありがたく拝んだらよいだろうか?

う~む

色んなものが集まってきても困っちゃうな




年の瀬の風景

2012-12-28 12:32:46 | 作り話
気がつけば12月28日金曜日

今日のうちにお金をおろしておかねば(ダジャレじゃないよ)

明日からだと105円余計にかかるからね

それに灯油も買って・・・

そうそう車にもガソリン入れて・・・

と言うわけで出かけたら

マアマアどこもかしこも大混雑じゃないですか~

なんだこの祭りのような状況は!

みんなもっと余裕をもって準備しようよ

あっはは~自分のことを棚にあげて

それでも最近は元日から開いているお店もいっぱいあるし

私が子供の頃のように

正月三が日はどこもかしこも閉まっているということはないので

焦ることはないのだ

不況と言われて久しいけれど

こういう混雑を見ると日本は豊かだなあと感じる

そういえば

マヤ暦騒ぎも何事もなく過ぎ

琵琶湖の方で地震の予兆と言う話しもあったけれど

平穏に年が越せますように














山賊?

2012-12-27 17:59:37 | 作り話
一安心と書いたら

海外の方からツイッターの方にコメントをいただき

それは山賊ではないか?と言うご指摘

そうかもしれない

と考えて山賊の旗というのを見たことがないと思った・・・

いや山賊であれ海賊であれ

近所にそのような方々がお住まいになられているとなると

これは穏やかではない

わが町は

最近「サシバの里」として売りだしているけれど

「山賊の里」という可能性もあると言うことになる

怖いもの見たさという言葉もあるので

それなりにお客さんくるかも・・・

町の入り口付近に

「山賊の里」と大きな看板を立てて

その下に小さく「自己責任で。ノークレーム・ノーリターンでお願いします。」

みたいなことになるのではないだろうか?

そうしたら家の前で土産物でも売りだそうかしら?・・・

それにしても

こちらのコメントではなく

ツイッターのコメントにいただくことが、時々あるのだけれどなぜかしら?




たそがれの3歳児~あとがき

2012-12-25 14:32:05 | 作り話
息子が3歳くらいの時

庭のブランコに乗りながら

向こうの山に沈む夕日を良く眺めていた

妻と窓からそのようすを見て

「今日もたそがれている。」と言ったものだ

大学生になった息子がそのころの事を覚えているかどうか定かではないが

どういう心境で夕日を眺めていたのだろうかと思った

昆虫好きの息子と毎晩カブト・クワガタ採りに行った事が

楽しい思いでとなっている

また

娘が小さい時

湯気を見て

「イトヨーヨー。」と言っていた

時間犬もそして今回お話にはでてこないが

時間おばさんも娘の言葉である

「ヤミバス」と言うのは宇都宮の「みやバス」の事を言ったものだし

隠ればあさんも娘の言葉である

お姉の兵隊アリと送り狼は私が創作したキャラ

そういうことで

この話は実は妻と私が大笑いしながら作り出したもの

よそ様に披露するほどのものでもないけれど

楽しんでいただけたとすれば幸いです

たそがれの3歳児~最終回

2012-12-24 16:03:24 | 作り話
たそがれの3歳児その1

たそがれの3歳児その2

たそがれの3歳児その3

たそがれの3歳児その4

たそがれの3歳児その5



「金色のオオクワガタはどこにいるんだ?」

「さあ~てねえ。そうだねえ・・・100万ゼニー出したら教えてやっても良いよ~。」

この黒猫相当の欲張りとみた

「おい100万ゼニーだって・・・どうする。孫さんに頼んでみるか?」と時間犬

「マグロの缶詰でなんとかなりまへんか?」と送り狼

「あ~ら、なんでこんな奴に払わなきゃならないのよ。」とおねえ兵隊アリ

「ホーホ・ホ・ホ。あんたらにゃ無理のようね。さっさとお帰り。さもなきゃ痛い目にあわせるよ。」

「金色のオオクワガタはきっとどこかに閉じ込められているに違いない。助けなきゃ。」とたそがれの3才児

時間犬が黒猫に飛びついた

黒猫はひらりと身をかわした

なんて身軽なんだ!

「無駄だよ。あんたらは、指一本触れることはできないよ。」

送り狼とおねえ兵隊アリが左右から挟み撃ち

「無駄だと言ってるじゃないか。今度はこっちの番だ!」

と身をかわしながら猫パンチ!

それが送り狼に命中

この狼どうもどんくさい

たそがれの3才児がポケットを探すと猫じゃらしが出てきた

「これならどうだ!」と水戸黄門のように差し出した

「う!そ・それは・・・いや。それがどうした。」

明らかに動揺しているぞ

「ほれ!・・・ほれ・ほれ」なんだか年寄りくさいが

たそがれの3才児はこういう子なのよ

猫じゃらしを目の前でパタパタされると007のようにクールだった黒猫が

「た・たまらん。」と飛びついた!

その隙に時間犬とおねえ兵隊アリと送り狼が一度に飛びかかり

黒猫を押さえつけた!

「金色のオオクワガタはどこにいる?」たそがれの3才児が問い詰めた

「う・う~ん。そこの扉の向こうにいるさ。つまらん物に引っかかってしまった。」

すぐに扉を開けると

ロープに縛られた金色のオオクワガタ

そのロープをはずして、黒猫を縛った

「ありがとう。助かりました。」




と言うわけで無事に金色のオオクワガタと出会い

隠ればあさんの隠れがに戻ることになった

ところで隠ればあさんから預かってきた瓶の中に入っていた物は?

「おお!これは強力昆虫ゼリーじゃないですか!」

何かの秘密のアイテムかと思っていたら、結構地味な物だったのね・・・。

強力昆虫ゼリーでパワーアップした金色のオオクワガタは

「みなさんを乗せて、隠ればあさんの所まで飛んでいきましょう。」と言う

そして

みんなを乗せて金色のオオクワガタは舞い上がった!

満月の夜空に金色のオオクワガタはぐんぐん上昇していく

「わあ!」といつもは冷静な、たそがれの3才児は歓声をあげた

月の光に

金色のオオクワガタの体がピカピカと輝いていた


終わり・・・


「おい!俺はどうなるんだ?」

縛られたままの、黒猫の運命はいかに・・・


しらん














たそがれの3歳児~その5

2012-12-23 19:28:41 | 作り話
たそがれの3歳児その1

たそがれの3歳児その2

たそがれの3歳児その3

たそがれの3歳児その4



そういうわけで

たそがれの3歳児と御一行様は

敵の妨害に会うわけでもなく

雨や嵐に襲われるわけでもなく

あるいは宇宙人の襲撃を受けるという

波瀾万丈ハラハラドキドキというドラマもなく

キラキラ輝く星空の下をクリスマスツリーの飾りのように

ホタルがいっぱいくっついた木の横を通りぬけ

呑気に楽しく

オオクヌギの木のところまでたどり着いたのであった

「なんだ?これは」

オオクヌギの木には

「Welcome!オオクワガタツリーへようこそ!」なんて札がぶら下がっている

「なになに?・・・入場料大人1000ゼニー・子供500ゼニー・・・ってなんだこりゃ。」

オオクワガタ饅頭なんて看板もある

時間犬が構わずズンズン入っていってドンドンと戸を叩いた

「おれだ!おれだよ。」と言うと

中から

「オレオレ詐欺にはダマされないよ!」と言う声が返ってきた

こんどは送り狼が

ドンドン「オオクワガタさんいてまっか?」と言うと

「何だい?お客さんかい?ちょっと待ってておくれよ」

そう言って出てきたのは金色のオオクワガタ?

みたいだけど

何かおかしい?

おねえの兵隊アリが

「あんた本当に金色のオオクワガタ?なんか変ねえ。」と言うと

「どこが変なんだい?」と言いながら妙にソワソワしている

「隠れ婆さんの所にいた金色のオオクワガタと声も違うしねえ?」

たそがれの3歳児が

「オオクワガタの臭いじゃない。」と言った

たそがれの3歳児は臭いや、音には敏感なのであった

そう言えば後に見えているそのシッポはなんじゃ?

オオクワガタにシッポなんかあったかしら?

「オオクワガタさん。そのシッポはなんですか?」

「え!こ・これは・・・今流行ってるんだよ。付けシッポが。この辺ではねえ。ホーホ・ホ・ホ♪」

「ほほう~つけシッポですか~。」と言って時間犬がそのシッポを踏んづけると

「イタタタ!何をするんだい。」

「つけシッポでも痛いんですか?」

「う!・・・そ・それは・・・。それより何か用かい?」

おねえの兵隊アリがニヤリとして

「今日は素敵な物をお持ちしましたのよ~。この宝石をオオクワガタさんの金色の羽に飾ったらとても素敵ですわよ~。」

どこから出したのか?このアリはいつの間にセールスマンになったんだ?

そう言いながら

「まあ~キレイ!素敵なゴールドの輝きですわ~。」と甲高い声を出しながら

オオクワガタの背中にまわり

グイと引っ張ったら

中から黒猫が出てきた!

「あ!何をする!」

ジャジャ~ん

こいつは偽物だ!

本物の金色のオオクワガタはどこにいる?


続く


気楽に始まった話で3話くらいで終わる予定でしたが、作者の予定とは関係なく話が勝手に動き出し、そしてまたクリスマスや年末行事、息子が帰ってきたりでてんやわんやしております。
更新出来ない時がありますが、どうぞご勘弁を。(どんぐりまん)















たそがれの3歳児~その4

2012-12-20 17:59:26 | 作り話
前回までのあらすじ

たそがれの3歳児と時間犬は金色のオオクワガタを探しにでかけた

途中イトヨーヨーや隠れ婆さんに出会う

おねえの兵隊アリも加わり出発するのだが・・・




オオクヌギの木を目指して歩き始めた

たそがれの3歳児と時間犬とおねえの兵隊アリ

夜の森は真っ暗で時々ふくろうの声や

何やらわからない獣の声がする

急にバタバタと大きな鳥が飛び立った

「きゃあ!」と兵隊アリが時間犬にしがみついた

「おい!はなれろ。」

「だって~怖い~~。」

「お前は兵隊アリだろ。どうすんだそんなんで。」

「兵隊アリだって怖いものは怖いのよ。あたしはシチーガールだから。」

「なんだ?シチーガールって?ボーイじゃないのか?」

そんなやり取りをしていると

たそがれの3歳児が歩みを止めた

「しーっ・・・何かいるぞ。」

暗闇のむこうに青く光る目が見える

こちらが一歩進むと

その光る目は一歩退き

こちらが一歩退くと向こうが一歩進む

と言う具合で一定の間合いを保ったまま

近づいてこない

「時間犬・・・何なのか見てきてくれないか?」とたそがれの3歳児が言うと

時間犬とおねえの兵隊アリは顔を見合わせ

「どうぞお先に。」

「いえいえそちらこそお先に。」

と遠慮しあっている

らちがあかないので

たそがれの3歳児はその辺に転がっている石を投げてみた

「キャン!」と言ってその光る目はひっくり返った

近寄ってみると・・・犬か?これは?

それにしてもネクタイを締めたこの格好は?

「おい!大丈夫か?」と時間犬が言うと

大きなたんこぶをこしらえたそいつが目を覚ました

「う~ん。おいらはどうしたんだ?」

「お前は何者だ?」と聞くと

「おいらは、送り狼といいますねん。」・・・何故か関西弁?

「送り狼と言っても本当に送り届ける狼ですねん。仲間の迎え狼もよろしく。」・・・そんなのもいるのか?

「なんでこんな所にいるんだ?」

「隠れ婆さんに頼まれましてんねん。」

「そうだったのか。石を投げてごめんね。」

かくして仲間がもう一人?増えオオクヌギの木を目指す

たそがれの3歳児御一行様

オオクヌギの木までもう少しだ


続く